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【2026年度】奈良市の外壁塗装に使える補助金
ならまちなら出ます外観の修景に2分の1・上限800万円
- 例外
- 奈良町都市景観形成地区なら、外観の修景に10分の5以内・限度額800万円(観光戦略課 0742-34-5609)。「伝統的でない建造物」も対象。ただし事前相談は毎年4〜6月で、工事は翌年度以降
- 募集件数
- 耐震診断3件/耐震改修設計3件/耐震改修工事3件/ブロック塀7件。合計16件です
- 金額
- 耐震改修工事は費用の3分の1・上限50万円。診断と設計は3分の2・上限9万円
- 申請
- 建築指導課へ持参のみ(郵送等は不可)。先着順で、募集期間は11月30日まで
- 塀
- 1平方メートル8,000円を限度に2分の1、上限15万円(7件)
- 対照的に
- 太陽光と蓄電池には予算2億5,525万円。8月20日時点で1億3,125万円が残っています
奈良市で「リフォーム補助金」を探してこのページに来た方へ。——外壁塗装そのものに出る補助は、奈良市にはありません。耐震の補助はありますが、数字を見ると、期待して待つ性格の制度ではないことが分かります。——耐震診断3件、耐震改修設計3件、耐震改修工事3件、ブロック塀撤去7件。これが令和8年度の募集件数の全部です。人口35万人の県庁所在地で、合計16件。この記事では、その数字の意味と、塗り替えをどう考えるかを整理します。
奈良県内の4市を、1件ずつ市の公式情報で調べています。——奈良市で出ても出なくても、隣の市では条件が違うことがあります。県が出している業者リストと4市の比較は奈良県のまとめにあります。
補助が出ても出なくても、次に気になるのは総額です。——30坪だといくらか/業者を自分で調べる4つの方法
このページの内容全15項目
先に結論——制度はあるが、枠は「3件」
奈良市の住宅向け補助は、耐震関係とブロック塀に限られています。——外壁塗装そのものを対象にするメニューはありません。市の耐震補助事業のページに並ぶのは、次の6つです。
先にお伝えします。建築部局の耐震とは別に、観光戦略課が持つ「都市景観形成地区建造物保存整備費補助金」があります。ならまち(奈良町都市景観形成地区)で道路に面した建物なら、外観の修景に10分の5以内・限度額800万円。市は「伝統的でない建造物」も対象としています。ただし事前相談は毎年4〜6月で、工事は翌年度以降です。→ならまちの補助の話へ
| 事業 | 補助内容 | 限度額 | 募集件数 |
|---|---|---|---|
| 既存木造住宅耐震診断員派遣事業 | — | — | 募集終了 |
| 耐震診断補助(一戸建て住宅) | 費用の3分の2 | 9万円 | 3件 |
| 耐震診断補助(特定既存耐震不適格建築物等) | — | — | — |
| 耐震改修設計補助 | 費用の3分の2 | 9万円 | 3件 |
| 耐震改修工事補助 | 費用の3分の1 | 50万円 | 3件 |
| ブロック塀等撤去費補助 | 2分の1(1平方メートル8,000円が限度) | 15万円 | 7件 |
①外壁塗装そのものへの補助はありません
②耐震改修工事は費用の3分の1・上限50万円
③募集件数は診断3件・設計3件・工事3件・塀7件
④申請は建築指導課へ持参のみ。郵送は不可
⑤いっぽう太陽光と蓄電池には2億5,525万円の予算
募集件数を並べると、合計16件です
市のページには、事業ごとに「募集件数 3件」と書かれています。——ページを1つずつ開いて数えると、こうなります。
耐震診断(一戸建て住宅) 3件
耐震改修設計 3件
耐震改修工事 3件
ブロック塀等撤去 7件
合計 16件
そして「奈良市既存木造住宅耐震診断員派遣事業【募集終了】 募集件数に達したため、終了いたしました。」
奈良市の人口は約35万人です。——県庁所在地で、年間の耐震改修が3件。当サイトが100を超える市区町村を調べたなかで、これはつくば市の「先着2件」に次ぐ少なさでした。
数字が小さいことは、必ずしも「やる気がない」を意味しません。——1件あたりの手続きが重い制度は、市の担当者が処理できる件数にも限りがあります。奈良市の申請は持参のみで、書類も建築物概要書・既存建築物状況報告書・工事計画概要書・耐震改修工事費見積書と多い。
けれども、使う側にとっては同じことです。——3件の枠に入れなければ、その年度は使えません。市も「申請は先着順で受付します。募集件数に達し次第募集を終了しますので、申請される際には、募集状況を建築指導課耐震改修促進係までお問い合わせください」と書いています。まず電話(0742-34-4750)です。
募集期間は長めに設定されています。——令和8年5月18日から令和8年11月30日まで(土日祝を除く)。半年以上あります。期間ではなく件数で締まる制度だということです。
この記事を読んで「うちは枠に入れそうにない」と感じた方へ。——それでも塗り替えの時期は来ます。補助が取れるかどうかと、外壁があと何年もつかは、別の話です。先に見積もりを取っておけば、枠が空いたときにすぐ動けます(見積もりの取り方)。
耐震改修工事は3分の1・上限50万円
金額も、全国と比べると控えめです。市の募集概要から引きます。
「耐震診断により算出した、住宅全体の上部構造評点1.0未満の住宅を耐震改修工事により1.0以上にする場合の耐震改修に要した費用の1/3」 補助限度額500,000円
同じ古都でも扱いは違います。——宇治市は景観形成助成制度で外壁の「色彩の変更」に2分の1・限度額100万円を出しています(対象は10路線の沿道のみ)。
補助率3分の1は、当サイトが調べたなかでも低いほうです。——150万円の耐震改修をしても、出るのは50万円。自己負担は100万円になります。
いっぽう、診断と設計の補助率は3分の2で、こちらは標準的です。——耐震診断が費用の3分の2・上限9万円、耐震改修設計も3分の2・上限9万円。
つまり「調べるところまでは手厚く、工事は薄い」設計です。診断だけ受けて、工事は自費で判断する——という使い方が、いちばん制度に合っています。塗り替えを考えている方にとっても、診断で評点が分かれば「外壁を開ける工事が要るか」の見当がつきます(塗り替えを待てる限界)。
所得税の控除も案内されています。——募集概要の表には「所得税の控除があります」という欄があり、補助金とは別に税で戻る分があることが示されています(外壁塗装と固定資産税)。
対象になる家、ならない家
対象住宅の条件は、細かく書かれています。
「市内に存する、次のいずれかに該当する一戸建て住宅(専用住宅又は併用住宅(住宅部分が過半を占めるものに限ります。))として使用されており、所有者が現に居住されている住宅が対象です。
1. 昭和56年5月31日以前に建築された一戸建て住宅
2. 昭和56年5月31日以前に建築された一戸建て住宅であって、平成17年5月31日以前に増築又は改築されたもの
3. 昭和56年5月31日以前に建築された一戸建て住宅であって、平成17年6月1日以後に建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第137条の2第3号の規定に基づき増築又は改築されたもの」
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| ◯️対象の工法 | 在来軸組構法、伝統的構法、枠組壁工法 |
| ×除外の工法 | 丸太組構法、旧建築基準法第38条認定等の住宅 |
| ×対象外 | 賃貸住宅/長屋住宅として申請されたものを切り分けた住宅 |
| 申請者 | 所有者(これから所有する者を含む・個人に限る)かつ居住者(これから居住する者を含む) |
| 共有の場合 | 共有者全員の合意による代表者を決めて申請 |
| 回数 | 1棟につき1回限り/対象者ごとに1年度につき1回限り |
枠組壁工法(ツーバイフォー)が対象に入っているのは、めずらしい点です。——宝塚市は「枠組壁工法(ツーバイフォー)や丸太組工法の住宅」を対象外としていました。同じ「木造」でも、市によって扱いが分かれます。
ツーバイフォーの家は、外壁の造りも在来工法と違います。——面で支える構造なので、壁を抜く改修がしにくい。塗り替えのときにも、下地の作りが違うことを前提にした見積もりかどうかを見てください(サイディングの塗り替え)。
そして、注意書きが太字で置かれています。——「『既に耐震改修工事中及び耐震改修工事が終わったもの』や『契約されたもの』は補助対象外です。」契約の前に申請するのが鉄則です。
申請は持参のみ。郵送はできません
「申請は、申請書に必要書類を添付し、建築指導課へ持参し提出してください(郵送等は不可)。」
当サイトが調べた市のなかで、郵送を認めないところは少数派です。——熊本市は「原則郵送」、水戸市も郵送可でした。奈良市は窓口に行く必要があります。
これは、枠が3件しかないことと合わせて考えると意味が見えてきます。——窓口で書類を見ながら受け付けるので、不備があればその場で分かる。郵送だと往復が発生して、そのあいだに枠が埋まる可能性があります。
だから、行く前に電話です。——建築指導課 耐震改修促進係 0742-34-4750。「いま何件埋まっていますか」「必要書類はこれで足りますか」を先に確認してから行くほうが、確実です。
提出する書類は、市が様式を用意しています。——申請書(工事)、工事計画概要書、耐震改修工事費見積書、建築物概要書、既存建築物状況報告書、相手方登録申請書、参考様式(委任状・同意書)。見積書まで市の様式があるのが特徴で、業者に「奈良市の様式で出してください」と頼む必要があります。
耐震診断をする人にも条件があります。——「建築士法(昭和25年法律第202号)第23条第1項の登録を受けている建築士事務所に属する建築士であって、都道府県、協会等が実施する木造住宅耐震診断講習を修了した者」。市の登録名簿ではなく、資格と講習で定義している書き方です(業者の資格と許可)。
ブロック塀は1平方メートル8,000円が基準
「補助対象ブロック塀等の全部又は一部の撤去に要する経費(見付面積1平方メートルにつき、8,000円を限度)の1/2」 補助限度額150,000円
1平方メートルあたり8,000円という基準は、当サイトが調べたなかで低いほうです。——水戸市は14,000円、つくば市も14,000円、熊本市は15,000円、平塚市は16,500円でした。
計算してみます。——高さ1.6メートル×長さ10メートルの塀=見付面積16平方メートルの場合。
16平方メートル × 8,000円 = 128,000円/その2分の1で64,000円。限度額15万円には届きません。
15万円に届くのは、見付面積が37.5平方メートルを超えたとき。——高さ1.6メートルなら、長さ23メートル以上の塀です。ふつうの一戸建てでは、なかなか届かない水準だと考えたほうがいい(ブロック塀の塗装と撤去)。
募集件数は7件です。——耐震の3件よりは多いものの、市全体で7件。「危ないと分かっているなら、補助を待たずに撤去する」判断もあり得ます。
対照的に、太陽光と蓄電池には2億5,525万円
同じ奈良市の、別の補助金を並べます。——奈良市地域脱炭素移行・再エネ推進事業補助金です。
| 補助対象設備 | 予算額 | 申請受付額 | 予算残額 |
|---|---|---|---|
| 事業所向け太陽光発電設備 | 1億400万円 | 3,220万円 | 7,180万円 |
| 個人住宅向け太陽光発電設備 | 4,550万円 | 2,898万8千円 | 1,651万2千円 |
| 個人住宅向け蓄電池 | 1億575万円 | 6,280万9千円 | 4,294万1千円 |
| 合計 | 2億5,525万円 | 1億2,399万7千円 | 1億3,125万3千円 |
(令和8年8月20日時点。市が申請状況を金額で公開しています)
耐震改修に16件、太陽光と蓄電池に2億5,525万円。——同じ市の、同じ年度の数字です。
ただし、財源が違います。——脱炭素のほうは「環境省の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(重点対策加速化事業)を活用し、採択された本市の事業計画により実施します」と市が明記しています。国から降りてくるお金の枠が、そもそも大きいのです。
だから「市が耐震を軽視している」とは言えません。——けれども使う側にとっては、どちらに枠があるかがすべてです。
そして、この補助金も塗装には届きません。——対象設備は太陽光発電設備と蓄電池のみ。建物の外皮(外壁・屋根)にお金が出る枠はありません。
太陽光を検討している方は、屋根の順番に注意してください。——パネルを載せたあとで屋根を塗ろうとすると、外して戻す費用がかかります。屋根の塗り替え時期を先に確かめてから載せるのが、結果として安く済みます(太陽光パネルと屋根塗装)。
この数字をどう読むか
当サイトの見方を、はっきり書いておきます。
①奈良市で「補助金を当てにして塗り替えを待つ」のは合理的ではありません。——塗装への補助は無く、耐震の枠も3件。待っているあいだに外壁の下地が進めば、増える補修費のほうが大きくなります。
②ただし、耐震診断は受ける価値があります。——費用の3分の2・上限9万円で、枠は3件ですが、診断だけなら工事より申し込みやすい。評点が分かれば、塗り替えと耐震のどちらを先にやるかが決まります。
③塀が傾いているなら、補助を待たずに動いてください。——7件の枠と、1平方メートル8,000円という単価を考えると、補助で戻る額は数万円です。倒れて人にあたったときの責任のほうが、はるかに重い。
制度が薄い市では、見積もりの取り方が結果を決めます。——外壁塗装の総額は、一戸建てでおおむね60万〜150万円(平米単価の見方)。そこに10万円20万円の差が出ることは、めずらしくありません。補助金より、比べることのほうが効きます(相見積もりの取り方)。
塗装・断熱——出ないものを先に
探して見つからなかったものを、正直に書いておきます。
①塗り替えを対象にするメニューは、市の一覧のどこにもありませんでした。耐震補助事業のページに並ぶ6つの事業に、塗装は含まれていません。
②建物の断熱にお金が出る枠も、確認できませんでした。脱炭素の補助金は太陽光発電設備と蓄電池という「載せる設備」に向いていて、外皮の性能を上げる工事は入っていません。
③リフォーム全般への助成(いわゆる住宅リフォーム助成)も見当たりません。——茨城県のように市町村の半分以上が持っている県もありますが、奈良市には無い形です。
バリアフリー改修は、税の減額措置があります。——市は「住宅のバリアフリー改修に伴う固定資産税の減額措置」を案内していて、要件は「65歳以上の方(改修工事完了の年に65歳以上になる方も含む)」「要介護認定又は、要支援認定を受けた方(介護保険被保険者証の写しが必要)」「障がい者」のいずれかです。補助金ではなく、翌年度の固定資産税が減る仕組みです。
奈良市の補助が薄いぶん、別の財布を確かめる価値はあります。——介護保険の住宅改修費(手すり・段差解消など)は市の補助とは別枠ですし、台風で瓦が飛んだといった自然災害の損傷は火災保険の話です(火災保険で直せる範囲)。
「保険を使えば実質無料で塗れます」と持ちかけてくる業者には気をつけてください。——保険が下りるのは災害による損傷だけで、経年で色あせた壁は対象外です。下りなかったときに工事だけ残るという相談が、消費生活センターに実際に寄せられています(よくあるトラブル)。
動く順番を、月で区切ると
| 時期 | やること |
|---|---|
| まず電話 | 建築指導課 耐震改修促進係 0742-34-4750。「いま何件埋まっていますか」を聞く |
| 同時に | 建築時期を確かめる(昭和56年5月31日以前か)/工法(在来・伝統・枠組壁のいずれか) |
| 5月18日 | 募集開始。枠は3件なので、早い時期のほうが確実 |
| 診断を受ける | 費用の3分の2・上限9万円。建築士事務所に属する建築士+講習修了者に依頼 |
| 設計 | 費用の3分の2・上限9万円 |
| 契約の前に | 申請。「契約されたものは補助対象外」 |
| 提出 | 建築指導課へ持参(郵送等は不可) |
| 11月30日 | 募集期間の終了(土日祝を除く) |
| 令和9年2月19日 | 工事完了+実績報告の期限 |
塗装の工程を組むときの、季節の話をしておきます。——奈良盆地は、夏は蒸し暑く、冬は放射冷却で朝の気温が下がります。塗料の仕様書には、塗ってはいけない条件が温度と湿度で決められています(多くの製品で気温5度未満・湿度85%以上)。盆地の冬は朝の冷え込みが強く、作業開始が昼近くになる日が出ます。そのぶん工期が延びる。
実績報告が2月19日なので、耐震と塗装を同時にやるなら、遅くとも11月には着工したいところです(工事時期の考え方)。
申請と工事の段取りが決まったら、次に出てくるのは「工事が始まってからのこと」です。——ご近所への挨拶はどこまで/臭いはいつまで続くか/洗濯物・窓・車・ペット/足場があるあいだの戸締まり。
ならまちなら、外観の修景に2分の1・上限800万円が出ます
ここまでは建築部局の話でした。奈良市には、まったく別の窓口にもう1本あります。——観光戦略課 振興係(0742-34-5609)の奈良市都市景観形成地区建造物保存整備費補助金。限度額800万円で、このページで見てきた耐震(上限50万円)とは桁が違います。
窓口が「観光」なのがポイントです。
住宅の補助を探すとき、ふつうは建築課や住宅課を見ます。奈良市のこの制度は観光戦略課が持っています。「奈良市 外壁 助成金」で検索して出てこないのは、そのためです。
金額と対象
| 内容 | |
|---|---|
| 補助額 | 「1件あたり補助対象経費の10分の5以内の額(千円未満切捨) 限度額800万円」 |
| 対象地区 | 奈良町都市景観形成地区(なら・まほろば景観まちづくり条例第9条第1項の規定により指定された地区) |
| 対象の建物 | 「対象区域内に所在する建築物、工作物(新築を含む)のうち道路に面しているもの」 |
| 対象の工事 | 「外観がこの地区にふさわしい形態となるよう、修景基準に基づき建造物を整備する事業(伝統的でない建造物の増改築や建造物の新築など)」 |
「伝統的でない建造物」も対象だと、市が書いています。——町家でなくても、ならまちの中で道路に面していて、外観を修景基準に合わせるなら入り口に立てるということです。ここは読み落としやすいところなので、もう一度書いておきます。
×逆に外れるもの
・登録文化財や県・市指定文化財等は対象外——格の高い建物は、この制度ではなく文化財側の枠になります
・道路に面していない建物。奥まった位置は入りません
・好きな色・好きな形にはできません。市が定める修景基準に合わせることが条件です
「事前相談」から始まり、工事は再来年度です
| 時期 | やること |
|---|---|
| 令和8年4月13日〜6月30日 | 応募前事前相談の受付(市は「応募申請前に事前相談が必要です」と明記) |
| 令和9年 | 交付決定通知 |
| 〜令和10年2月29日 | 修景事業の実施期間 |
令和8年度の事前相談は6月30日で終わっています。——この制度は「令和9年度事業実施分」として募集されるもので、相談してから工事までに1年以上かかります。足場を組む段になってから知っても間に合いません。ならまちで家を持っていて、いずれ外まわりを直す予定があるなら、いまのうちに観光戦略課へ相談しておくのが正解です。
ならまちの外にお住まいなら、この制度は使えません。その場合の答えは変わりません——このページの上半分のとおり、奈良市に塗装単体の補助はなく、耐震の枠も募集3件です。
対象外だった方へ——奈良の家で見るところ
昭和56年6月以降の家で、塀も問題ない。——その場合、奈良市から出るお金はありません。
| 奈良で特に確かめること | 見かた |
|---|---|
| 色に制限がかかる区域か | 古都保存法の対象地域・市の景観計画の区域では、色や届出の決まりがあります |
| 資材の運搬距離 | 旧市街は道が細く、手運びになると金額に乗ります(足場代の内訳) |
| 単価は1平方メートルあたりで | 総額でなく単価で並べると、各社の差が見えます(平米単価表) |
| 下地補修 | ひび割れの補修が数量で書かれているか(外壁のひび割れの見方) |
奈良市には、色を自由に決められない区域があります。——古都保存法(古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法)の対象地域と、市の景観計画の区域です。
外壁の色を大きく変えるつもりなら、業者に「この場所は届出が要りますか」と確認してもらってください。——色を変えないつもりでも、届出が要る地域があります。——届出には着工の何日前までという期限が付くのがふつうなので、色を決める段階で調べておかないと、着工日がずれます。マンセル値での申告を求められることもあります(外壁の色の選び方)。
そして、古い住宅地では道の幅が問題になります。——奈良市の旧市街には、車が入りにくい細い道があります。4トン車が入れない道だと、資材を小分けにして運ぶ手間が加わります。見積書の金額に納得がいかないときは、「うちの道幅で、材料はどう入れますか」と聞いてみてください。説明できる会社は、現場を実際に見ています(現地調査で見られるところ)。
最後に。——奈良市は大阪や京都からも業者が来る場所で、選べる数そのものは多い市です。だからこそ、補助金という「選ぶ理由」が無いぶん、比べ方が結果を決めます。——同じ図面、同じ範囲、同じ工程数で3社に出してもらう。条件を揃えないと、安く見える見積書が本当に安いのかが分かりません(どこに頼めばいいか/保証は誰が出すのか)。
国の補助金なら使えますか
市の制度に条件が付くと分かると、次に出てくるのがこの質問です。先に答えを書きます。外壁塗装そのものに出る国の補助金は、ありません。
よく名前が挙がるみらいエコ住宅2026事業も、対象は窓などの開口部の断熱改修、躯体の断熱改修、給湯器といった設備です。塗り替えは対象工事に入っていません。
まぎらわしいのが「躯体の断熱改修」です。これは壁・天井・床に断熱材を入れる工事のことで、断熱塗料や遮熱塗料を塗ることではありません。「外壁が対象」という説明だけを見て、塗り替えも入ると思ってしまう方がいます。
窓の断熱や給湯器の交換を同時にやるなら、その部分は対象になり得ます。ただし申請には「住宅省エネ支援事業者」に登録した業者が工事を請け負う必要があり、予算の上限に達した時点で受付が終わります。くわしくは国の制度と外壁塗装の関係にまとめました。
よくある質問
奈良市で外壁塗装に助成金は出ますか?
出ません。奈良市の住宅向けの補助は耐震関係(診断・設計・改修工事)とブロック塀等撤去に限られていて、経年劣化の塗り替えを対象にするメニューはありません。
耐震改修工事はいくら出ますか?
耐震診断により算出した住宅全体の上部構造評点1.0未満の住宅を、耐震改修工事により1.0以上にする場合の耐震改修に要した費用の3分の1で、補助限度額は50万円です。
耐震診断や設計にも補助はありますか?
あります。耐震診断は要した費用の3分の2・限度額9万円、耐震改修設計も要した費用の3分の2・限度額9万円です。いずれも「補助金の額に1,000円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てます」とされています。
募集件数は何件ですか?
令和8年度は、耐震診断(一戸建て住宅)3件、耐震改修設計3件、耐震改修工事3件、ブロック塀等撤去7件です。なお既存木造住宅耐震診断員派遣事業は「募集件数に達したため、終了いたしました」と告知されています。
募集期間はいつまでですか?
令和8年5月18日(月曜日)から令和8年11月30日(月曜日)まで(土曜日、日曜日及び祝日は除く)です。ただし「補助対象となるのは、令和9年2月19日(金曜日)までに耐震改修工事が終了し、実績報告書の提出ができるものに限ります」とされています。
申請は郵送でできますか?
できません。市は「申請は、申請書に必要書類を添付し、建築指導課へ持参し提出してください(郵送等は不可)」としています。
工事を始めてからでも申請できますか?
できません。市は「※現在耐震改修工事中、既に耐震改修工事が終わったもの、契約されたものは対象外です」と明記しています。契約前の申請が必要です。
対象になる家は?
市内にある一戸建て住宅(専用住宅または住宅部分が過半を占める併用住宅)で、所有者が現に居住しているもの。昭和56年5月31日以前に建築されたものが基本で、平成17年5月31日以前の増改築、または平成17年6月1日以後に建築基準法施行令第137条の2第3号に基づく増改築をしたものも含まれます。
工法に条件はありますか?
あります。「補助対象住宅は、在来軸組構法、伝統的構法、枠組壁工法の住宅とします。なお、丸太組構法、旧建築基準法第38条認定等の住宅は除きます」とされています。枠組壁工法(ツーバイフォー)が対象に入っているのは、対象外にする市が多いなかで珍しい点です。
賃貸住宅は対象ですか?
対象外です。「賃貸住宅については、対象外です」と明記されています。また「長屋住宅として申請されたものを切り分けた住宅については、対象外です」ともされています。
何回まで使えますか?
「補助対象住宅1棟につき、1回限りとし、対象者ごとに、1年度につき1回限り」です。
ブロック塀の撤去にはいくら出ますか?
補助対象ブロック塀等の全部または一部の撤去に要する経費(見付面積1平方メートルにつき8,000円を限度)の2分の1で、補助限度額は15万円です。募集件数は7件です。
太陽光や蓄電池の補助はありますか?
あります。奈良市地域脱炭素移行・再エネ推進事業補助金で、環境省の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を活用した事業です。令和8年度の予算額は事業所向け太陽光1億400万円、個人住宅向け太陽光4,550万円、個人住宅向け蓄電池1億575万円の合計2億5,525万円。8月20日時点で1億3,125万3千円が残っています。
断熱改修の補助はありますか?
見当たりませんでした。脱炭素の補助金の対象設備は太陽光発電設備と蓄電池で、建物の断熱にお金が出る枠は確認できませんでした。
耐震診断員の派遣はまだありますか?
令和8年度は終了しています。市は「奈良市既存木造住宅耐震診断員派遣事業【募集終了】」「募集件数に達したため、終了いたしました。」と告知しています。
奈良市で外壁の工事にお金が出る制度はありませんか?
ならまちなら出ます。奈良市都市景観形成地区建造物保存整備費補助金で、市は「1件あたり補助対象経費の10分の5以内の額(千円未満切捨) 限度額800万円」としています。対象は奈良町都市景観形成地区(なら・まほろば景観まちづくり条例第9条第1項の規定により指定された地区)内の「建築物、工作物(新築を含む)のうち道路に面しているもの」です。窓口は建築の部署ではなく観光戦略課 振興係、電話0742-34-5609です。
町家でなくても対象になりますか?
なります。市は対象事業を「外観がこの地区にふさわしい形態となるよう、修景基準に基づき建造物を整備する事業(伝統的でない建造物の増改築や建造物の新築など)」としており、伝統的でない建造物も含まれます。逆に登録文化財や県・市指定文化財等は対象外です。ただし好きな色や形にできるわけではなく、市の修景基準に合わせることが条件になります。
いつ申し込めばいいですか?
事前相談から始まり、工事は翌年度以降です。令和9年度事業実施分の応募前事前相談受付期間は令和8年4月13日から6月30日まででした。市は「応募申請前に事前相談が必要です」と明記しています。修景事業の実施期間は令和9年の交付決定通知日から令和10年2月29日まで。足場を組む段になってからでは間に合わないので、いずれ外まわりを直す予定があるなら早めに観光戦略課へ相談してください。
参考にした情報
奈良市の公式ページと、事業ごとの募集概要PDFを2026年9月3日に直接開いて確認しました。募集件数が3件・7件という規模なので、埋まるときは一気に埋まります。ここに書いた件数は、あくまで年度当初の枠です。申請の前に、必ず建築指導課へ電話して残りを確かめてください。
- 奈良市「奈良市都市景観形成地区建造物保存整備費補助金(令和9年度事業実施分)」(観光戦略課 振興係 電話0742-34-5609/対象地区=「奈良町都市景観形成地区(なら・まほろば景観まちづくり条例第9条第1項の規定により指定された地区)」/対象事業=「外観がこの地区にふさわしい形態となるよう、修景基準に基づき建造物を整備する事業(伝統的でない建造物の増改築や建造物の新築など)」/「1件あたり補助対象経費の10分の5以内の額(千円未満切捨) 限度額800万円」/対象=「対象区域内に所在する建築物、工作物(新築を含む)のうち道路に面しているもの」、登録文化財や県・市指定文化財等は対象外/応募前事前相談受付期間 令和8年4月13日〜6月30日/「応募申請前に事前相談が必要です」/修景事業実施期間 令和9年交付決定通知日〜令和10年2月29日)
- 奈良市「耐震補助事業(令和8年度)」(ページ番号0222122・2026年9月1日更新・建築指導課)
- 奈良市「奈良市既存木造住宅耐震改修工事補助金交付事業(令和8年度)」(ページ番号0202382)+募集概要PDF
- 奈良市「奈良市既存住宅・特定既存耐震不適格建築物耐震診断補助金交付事業(一戸建て住宅)(令和8年度)」(ページ番号0202385)+募集概要PDF
- 奈良市「奈良市既存木造住宅耐震改修設計補助金交付事業(令和8年度)」+募集概要PDF
- 奈良市「奈良市ブロック塀等撤去費補助金交付事業(令和8年度)」+募集概要PDF
- 奈良市「【個人住宅・事業所対象】奈良市地域脱炭素移行・再エネ推進事業補助金(令和8年度)」(ページ番号0263838・2026年8月21日更新)
- 奈良市「住宅のバリアフリー改修に伴う固定資産税の減額措置」
- 奈良市「奈良町の町並み保存と景観の誘導のための補助金制度について」を開く——金額と受付状況は年度で変わります。申請の前に、必ずここで最新の内容を確かめてください
問い合わせ先
耐震診断・耐震改修・ブロック塀=建築指導課 耐震改修促進係 0742-34-4750
脱炭素・再エネ補助金=奈良市(環境部門)
固定資産税の減額措置=奈良市(資産税担当)
近畿のほかの市も調べています。——橿原市(市が「外壁塗装に関する改修工事は補助対象外」と明記)/生駒市(自宅向けは無し。空き家を地域に開くなら2分の1・100万円)/京都市/大阪府(高槻市と茨木市は塗装が対象工事に入っています)/兵庫県/和歌山市。同じ近畿でも、塗装の扱いと枠の大きさはまったく違います(助成金ガイド)。