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外壁塗装の保証期間は何年?——年数より先に、書面のここを見てください
「外壁塗装の保証は何年か」を調べると、答えがそろいません。短い年数を書くサイトと、その何倍もの年数を書くサイトが、同じ検索結果に並んでいます。どれかが嘘をついているわけではありません。塗装の保証は、法律で年数が決まった制度ではなく、会社ごとに決めている約束だからです。約束の中身が会社ごとに違えば、年数がそろわないのは当たり前のこと。だからこのページでは、「何年が正解か」を探すのをやめて、渡される書面のどこを読むかに絞ります。
このページの内容全8項目
なぜ、サイトによって年数がバラバラなのか
種明かしをします。外壁塗装の保証は、会社が自分で決めて出しているものです。「塗り替え工事の保証は何年」と法律で定めた制度があるわけではありません(新築住宅には別の法律の仕組みがありますが、それは新築の話で、既存の家の塗り替えとは別ものです)。
だから年数は会社の判断で決まります。短めに設定する会社もあれば、長めの会社もある。どちらも約束として成立していて、どちらかが間違いではありません。年数が食い違って見えるのは、各社が自社の約束を書いているから——ただそれだけです。
ここから帰結がひとつ出ます。年数の長さは、工事の品質を証明するものではないということです。長い年数を掲げること自体は営業上の自由ですが、掲げられた数字を見ただけでは、その会社の工事の良し悪しは分かりません。
年数だけで比べると、たいてい判断を誤ります
保証の実質は、「年数」と「対象の広さ」のかけ算です。年数が長くても、対象が外壁の一部だけで免責がずらりと並んでいれば、守られる範囲は狭くなります。逆に、年数は控えめでも対象がはっきりしていて、点検までセットの保証もあります。比べるなら、数字ではなく書面同士を並べてください。
書面で見るのは4点だけ
保証書は会社ごとに書式が違いますが、読むポイントは共通しています。次の4点です。
どこが対象か(対象部位)
外壁の塗膜だけなのか、屋根や付帯部まで入るのか。ここが最も差の出るところです
何が起きたら保証か
剥がれ・膨れなど、施工に原因がある不具合が中心。経年の変化は対象外が一般的です
何が対象外か(免責)
災害・第三者による損傷・建物側の事情など。免責欄こそ本文だと思って読んでください
誰が保証するのか
施工した会社か、塗料メーカーか、第三者の保険か。責任を負う相手が違います
① 対象部位——付帯部とシーリングは、別扱いになりやすい
「わが家は◯年保証です」と言うとき、その年数がかかっているのは外壁の塗膜だけということがよくあります。見落としやすいのが次の2つです。
- 付帯部——雨樋・破風・軒天・雨戸など。材質も塗る条件も外壁と違うため、外壁より短い年数だったり、対象から外れていたりします(軒天・破風・雨戸の塗装)
- シーリング(コーキング)——目地に充填するゴム状の材料で、塗膜とは別ものです。こちらも別枠の年数、または対象外が珍しくありません(コーキングの打ち替え)
これは意地悪ではなく、傷み方の違う材料に、同じ約束をかけられないからです。読む側がやることは、「この年数は、どこにかかる年数ですか」と一度聞くことだけ。それで書面の見え方が変わります。
② 何が起きたら保証になるのか
塗装の保証が想定しているのは、多くの場合施工に原因がある不具合です。塗ってさほど経たないうちの剥がれ・膨れ・浮きが典型です。
いっぽうで、色あせやチョーキング(触ると白い粉がつく状態)のような経年変化は、対象外とされているのが一般的です。塗膜は時間とともに劣化していくもので、それを止められる塗料はありません(劣化サインの見方)。整理すると、原因によって相談先は三方向に分かれます。
起きた原因ごとの、受け皿の分かれ方
③ 免責——書面のいちばん地味な欄に、答えが書いてあります
保証書でいちばん読まれないのに、いちばん実務的なのが免責の欄です。書き方は会社ごとに違いますが、よく挙がるのは次のような項目です。
- 地震・台風・雹・飛来物などの災害——火災保険の側で検討する話になります
- 色あせ・チョーキングなどの経年変化——次の塗り替えを考える範囲です
- 第三者による損傷・施主側で手を加えた箇所——誰の行為で起きたかで扱いが変わります
- 建物側の動きや、下地そのものの傷み——塗膜ではなく建物の問題として原因の調査から始まります
免責は「逃げ道」ではなく、塗膜の保証で引き受けられる範囲の線引きです。疑うためではなく、線がどこに引かれているかを知るために読む——そう思って見れば、いちばん役に立つ欄になります。
④ 誰が保証するのか——これは意外と見落とされます
「保証」と一口に言っても、責任を負う相手が違うことがあります。
- 施工した会社の保証——いちばん一般的な形です。外壁塗装の保証は、基本的に施工した会社が独自に作って出すものだと考えてください。だから中身も年数も、会社ごとに違います
- 塗料メーカーの保証——製品の側の保証です。指定の下地処理や塗り回数などの条件が前提になっている場合があり、会社の保証とは範囲が別ものです
- 第三者の保険(リフォーム瑕疵保険)——保険法人が関わる、会社の約束とは別の枠組みです。次の章で触れます
広告に「メーカー保証付き」とあったら、工事の保証か、材料の保証かを分けて考えてください。
ただし、メーカーが関わる保証の仕組みも存在します
「保証は施工した会社が出すもの」が基本ですが、例外もあります。——塗料の側に、保証の仕組みが用意されている場合です。
たとえばAGCの「ルミフロンサポートシステム」は、樹脂メーカー・塗料メーカー・施工店が一貫して品質管理を行い、施工後に10年間の塗膜保証を発行するという形をとっています(各社の原文と、10年・15年という年数の出どころはメーカー保証のページにまとめました)。
ここで大事なのは、「誰でも使える仕組みではない」ということです。——認定を受けた施工店でなければ、この保証は出せません。そしてその認定は、手を挙げれば入れるようなものではありません。だから「メーカー保証が付きます」と言われたら、聞くのは年数ではなく「その認定を持っていますか」のほうです(認定施工店の探し方)。
つまり、こういう構図です。
| 誰が保証するか | 条件 | |
|---|---|---|
| 一般的な外壁塗装 | 施工した会社が独自に出します | 特になし。だから中身も年数も会社ごとに違います |
| こうした仕組みがある場合 | 樹脂メーカー・塗料メーカー・施工店が関わります | 認定を受けた施工店であること。そして指定の塗料を使うこと |
だから、業者選びに関わってきます。——「この塗料を使いたい」と思っても、認定を受けていない会社では、その保証は出せません。逆に言えば「認定施工店です」と掲げている会社は、その基準を通っているということでもあります。気になる方は、見積もりのときに「メーカーが関わる保証は出せますか」と聞いてみてください(相見積もりの取り方)。
他の塗料メーカーにも、似た仕組みがある場合があります。——ここで挙げたのは一例です。そして条件・年数・対象は製品や時期によって変わりますので、実際の内容は必ず見積もりの段階で確認してください。
実際に保証書を開くことになるのは、たいてい何かが起きたあとです。塗り上がりに小さな穴やぷつぷつが出たときに、それが保証の対象になるかどうかの考え方はピンホール・気泡のページに書きました。
「保証があるから安心」の落とし穴
保証書は、それを出した会社が続いていて初めて意味を持ちます。会社が廃業してしまえば、その紙の約束を履行する相手がいなくなります。書面が無効になるという法律の話ではなく、請求する先が消えるという単純な事実です。
年数が長い保証ほど、この点は効いてきます。長い約束はその年数のあいだ会社が続いていることを前提にしているからです。見るべきは保証の年数ではなく、その会社そのものになります。そしてこれは、1社だけを見ていても分かりません。何社かに見積もりを頼んで、保証書の中身と会社の姿勢を並べてみると、「年数が長いほうが安心」ではないことがはっきりします。方法は業者選びのページの「相手に聞かなくても、自分で確かめられること」にまとめました。要点は2つです。(このほか、職人が持っている資格も「確かめられる事実」のひとつです。技能士は名乗れる人が法律で決まっているため、合格証書という確認できる書類が存在します——資格で選べる?のページ)
- 建設業許可の登録内容——国土交通省の検索システムで会社名から調べられます。ただし許可がない=違法ではありません(一定金額未満の工事は許可がなくても請け負えます)。見るのは良し悪しではなく、名乗っている内容と登録が食い違っていないか、という一点です
- リフォーム瑕疵保険の登録事業者かどうか——この保険を使うには、事業者が国土交通大臣の指定を受けた住宅瑕疵担保責任保険法人に登録している必要があり、登録した事業者は一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会のサイトで検索できます
リフォーム瑕疵保険が、会社の保証と違うところ
この保険は保険法人が関わる第三者の仕組みで、施工した会社の約束とは別の枠組みです。制度の趣旨として、事業者が廃業した場合にも発注者が保険法人へ請求できる道が用意されていると説明されています。ただし対象の工事・条件・手続きは保険ごとの定めがあり、加入も工事ごとです。細かい条件までここで断定はできませんので、「その工事で加入できるか」を会社に確認するのが正確な進め方です。
あわせて申し添えると、登録がない=問題のある会社、ではありません。登録していない優良な地元業者もあります。確かめられる材料がひとつ増える、という位置づけで見てください。
口約束にしない——「書面でいただけますか」
「うちは長く保証しますから安心してください」と言われたとき、返す言葉はひとつで足ります。
「保証の内容を、書面でいただけますか」
この一言で、話が具体になります。書式を持っている会社なら、その場で見せてもらえるか、後日ひな形を渡してもらえます。渡せない、見せられないという返事なら、その時点で答えが出ています。問い詰める必要はありません。書面が出てこないという事実だけを、判断材料として持ち帰れば十分です。
聞くタイミングは契約前です。工事後に渡される保証書の中身をひな形で先に読めれば、ここまでの4点をぜんぶ確認できます。聞き方は次のとおりです。
- 書面保証書のひな形を、契約前に見せていただけますか?工事後に受け取る紙の中身を、選ぶ前に読めます。ここで断られるかどうかも情報になります
- 範囲この年数は、どこにかかる年数ですか。付帯部とシーリングはどうなりますか?対象部位を分けて聞くのがコツです。まとめて聞くと、まとめた答えしか返ってきません
- 免責保証の対象外になるのは、どんな場合ですか?口頭で答えられる会社は、自社の書面を把握しています。答えの正確さがそのまま材料になります
- 主体この保証は、御社の保証ですか。それとも塗料メーカーの保証ですか?責任を負う相手が変わります。両方ある場合は、それぞれの範囲を分けて教えてもらってください
この4問は、複数社に同じように聞くと答えの差がそのまま比較材料になります。金額だけを並べるより、会社の性格が見えます(業者選びのページ)。
保証と点検は、セットで考える
保証は年数ではなく、4つの中身を読みます
保証があっても、不具合に気づかなければ使われないまま年数が過ぎます。だから定期点検の案内があるかは、保証とセットで見る価値があります。契約書や保証書に点検の予定が書かれている会社もあります。
ただし、正直に書いておきます。点検が、次の工事の営業の入口になっている場合もあります。点検そのものは悪いことではありませんが、勧められた工事をその場で決める必要はありません。
- 約束された点検か、突然来た点検かを分ける契約時に予定として書かれていた点検は、約束の履行です。契約していない会社が「近くで工事をしていたので無料で点検します」と訪ねてくるのは、別の話です。
- 頼んでいない点検で、屋根や足場に上がらせない高所に上がられ、「壊れていた」と言われるケースがあります。断って構いません。
- 指摘されたら、書面と写真をもらって持ち帰る本当に不具合があるなら、他社に見てもらえば分かります。急ぐ状態かどうかも、そこで確かめられます。
訪問販売やしつこい勧誘への対処、クーリングオフの手順はトラブル対処のページにまとめています。困ったときは消費者ホットライン188が入口になります。
「この症状は保証されるのか」を症状ごとに知りたい場合は、保証は対象外?のページに一覧表をまとめました。第三者機関の保険(リフォームかし保険)の中身もそちらです。
そして保証は、契約前に紙で確かめるものです。口頭で「10年です」と言われても、条件が書かれていなければ意味が薄くなります。何社かに見積もりを頼むとき、保証書の見本も一緒に見せてもらってください。年数だけでなく、免責の範囲と点検の有無まで並べると、会社ごとの差がはっきり出ます。
保証・保険・税金の記事——どの書類の話か、先に分けます
「保証」という一語で呼ばれているものは、じつは出し手の違う4種類です。出し手が違えば、頼む相手も、期限も、必要な書類も変わります。うちの場合がどれなのかを決めてから読んでください。
| 誰が出す書面か | 何を守るものか | ページ |
|---|---|---|
| 工事をした会社 自社保証 |
塗った仕事のやり直し。年数は会社ごとに違う | このページ(見るのは書面の4点)/これは対象?——対象外になりやすいものの線引き |
| 塗料メーカー メーカー保証・連名保証 |
塗料そのものの不具合。認定施工店でないと出せない仕組みがある | 外壁塗装のメーカー保証 |
| 外壁材メーカー 建材の保証 |
板そのもの。「40年」「30年」が何を指しているか | ケイミューとニチハの外壁は何年もつ? |
| 保険会社 火災保険 |
原因が災害のときの修理費。経年劣化は対象外 | 外壁塗装に火災保険は使える?/屋根の修理/雨樋 |
| 税務署・市役所 経費と固定資産税 |
払ったお金の扱い。守るものではなく戻る/増えないほうの話 | 修繕費になる?耐用年数は何年?/固定資産税は上がる? |
| 貸している側の方へ オーナー・大家さん |
入居者への対応と、経費の落とし方が戸建てと違う | アパートの外壁塗装/アパートの大規模修繕 |
いちばん多い行き違いは、上の1行目と4行目を混ぜてしまうことです。「保証があるから直してもらえる」と思っていたものが、じつは災害が原因で、保険の話だった——という順番の取り違えが起きます。先に「原因が何か」を決めると、どの書面を出す話なのかが自動的に決まります。症状から原因をたどるなら剥がれ・ひび割れ・雨漏りのページへ。
よくある質問
保証は、受け取って保管して初めて使えます
工事は終わったのに、保証書がもらえませんでした
まず、施工した会社へ書面での発行を依頼してください。あわせて、契約書・見積書・打ち合わせのメールに保証の記載が残っていないかも確認します。記録が残っているほど話は進めやすくなります。それでも応じてもらえない場合は、お住まいの地域の消費生活センター(消費者ホットライン188)が相談先です。手順はトラブル対処のページにあります。
保証年数が長い会社のほうが、いい会社ですか?
年数の長さだけでは判断できません。保証は会社ごとの約束なので、年数は会社の判断で決まります。比べるなら年数・対象部位・免責・保証の主体を並べてください。長い約束はその年数のあいだ会社が続くことが前提なので、年数より先に会社そのものを確かめるほうが実利があります。
塗ってすぐ剥がれました。無償で直してもらえますか?
ここは断定できません。無償になるかどうかは、保証書の対象・免責と、剥がれた原因で変わるからです。順番は決まっています。①写真を撮る(全景と近接、日付が分かる形で)②施工した会社に連絡し、現地を見てもらう③説明を書面でもらう。原因が施工にあるのか、下地や災害によるものなのかで扱いが変わるため、まずは原因の確認からです。なお、保証書がない場合でも、契約した内容と違う工事だったときの責任を定めた民法の規定があります(通知の期限などの要件があります)。折り合わないときは、ひとりで抱えずに消費生活センターへ。
外壁塗装の保証期間は何年ですか?
決まった年数はありません。保証は、会社が自分で決めて出しているものです。——塗り替え工事の保証年数を定めた法律の制度はないので、短めの会社も長めの会社もあります。塗料メーカーの仕組みを使う保証(例:ルミフロンサポートシステムの10年・15年保証)もありますが、認定を受けた施工店に限られます。年数だけで比べず、対象部位・保証になる不具合・免責・誰が保証するか、の4点を書面で並べてください。
参考にした情報
- 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」——建設業許可の登録内容を会社名から確認できる公的な検索システム
- 一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会——リフォーム瑕疵保険の登録事業者検索。この保険を扱うには、国土交通大臣の指定を受けた住宅瑕疵担保責任保険法人への事業者登録が必要
- 民法——契約の内容と異なる工事だった場合の責任に関する規定(通知の期限などの要件があります/e-Gov法令検索)
保証の年数・対象・免責は会社ごと、工事ごとに異なります。ご自身の契約書・保証書の記載をご確認ください。当サイトは法律の専門家ではありません。最終確認日:2026年9月8日。
あわせて読みたい
- 外壁塗装に火災保険は使える?:災害が原因の損傷は、塗装の保証ではなくこちらの領分です
- 外壁塗装が剥がれた:塗料メーカーが施工店と連名で出す保証という選択肢があります
- 業者選びのページ:保証を出す会社そのものを、自分で確かめる方法をまとめています
- 軒天・破風・雨戸の塗装/コーキングの打ち替え:保証で別扱いになりやすい2つの部位です
- トラブル対処とクーリングオフ:点検を装った勧誘や、工事後の不具合で困ったときに
- 基礎知識のトップ:塗料の種類、劣化サイン、部位ごとの話をまとめています
最終確認日:2026年8月20日。保証の年数・対象・免責の内容は会社ごと、工事ごとに異なります。ご自身の契約書・保証書に書かれている内容をご確認のうえ、不明な点は施工した会社にお尋ねください。リフォーム瑕疵保険の適用条件は、加入する保険法人の定めによります。