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外壁塗装の保証、これは対象?——「対象外」になりやすいものの線引き

保証について実際にいちばん多く聞かれているのは「何年ですか」ではありません。「これは保証対象外ですか?」です。ひび割れが出た、粉が付く、色があせてきた——目の前で起きていることが直してもらえるのかどうかを知りたい、という質問です。このページでは症状ごとに、対象になりやすいもの・なりにくいものの線引きを整理します。そして保証には3種類あって、それぞれ守る範囲が違うこと——このうち第三者機関の保険については、公式の規定を確認して事実を載せます。保証書そのものの読み方は保証のページにあります。

このページの内容

保証が守っているのは「施工不良」です

ここを押さえると、あとの話が全部つながります。塗装の保証は、原則として「工事のやり方に問題があったこと」を対象にしています。時間が経って自然に変化したものは、対象になりません。

だから同じ「ひび割れ」でも、塗ってすぐ出たのか、8年経って出たのかで扱いがまるで変わります。前者は施工の話、後者は建物の動きや経年の話になるからです。

この原則は、第三者機関の保険でも同じです。後で詳しく書きますが、保険会社の説明には「下地材の選択ミスや施工不良による塗膜事故のリスクに備えられる」と書かれています。備えている相手は、あくまで施工側の問題だということです。

「じゃあ経年変化は誰も守ってくれないのか」——そのとおりです。そこは保証ではなく、塗料のグレード選びと点検で対処する領域になります(塗料の種類のページ)。

症状別——対象になりやすい/なりにくい

実際に相談が多い症状を並べます。最終的な判断は各社の保証書によりますが、扱われ方の傾向はかなりはっきりしています。

症状扱われ方の傾向分かれ目
塗膜の剥がれ・膨れ⭕️対象になりやすい保証の中心はここ。第三者機関の保険でも、補償対象として「浮き・膨れ・剥がれ」が明示されています。特に塗って数年以内なら下地処理や下塗りの選択が疑われます(剥がれのページ
塗膜の浮き⭕️対象になりやすい剥がれの前段階。見つけた時点で写真を撮って連絡してください
色あせ対象外になりやすい紫外線による経年変化です。濃い色ほど早く目立ちます色ごとの違い)。保険でも塗膜の色あせは別に規定されているため、加入するなら扱いを確認してください
チョーキング(触ると白い粉)❌対象外になりやすい塗膜が寿命に近づくと出る現象。ただし塗って1〜2年で出たら話が別です(チョーキングのページ
ひび割れ🔺時期と幅による塗ってすぐ・直線的に出るなら施工側の可能性。年数が経ってから・下地の動きに沿って出るなら建物側。幅0.3mmが目安として使われます
カビ・コケ❌対象外になりやすい日当たりや湿気など環境の影響が大きいため。ただし「防カビ塗料を使う」と契約していたのに1年で出たなら、契約内容の話になります(コケ・カビのページ
シーリングの割れ🔺別枠になりやすい外壁塗装の保証と年数が分けて書かれていることが多い部分です。保証書で年数が別記されているか確認コーキングのページ
付帯部(雨樋・軒天・破風)対象外が多い外壁・屋根のみを対象とする保証は珍しくありません。メーカーの連名保証でも、軒天・付帯部・基礎・外構は対象外と明記された制度があります(剥がれのページで詳述)
雨漏り塗装の保証では対象外塗装は防水工事ではありません。原因の特定が先です(雨漏りのページ
台風・飛来物による傷❌保証の話ではない災害が原因なら火災保険の領域です

並べると分かります。「対象外ですか?」への答えは、症状の名前ではなく「いつ・なぜ起きたか」で決まります。だから連絡するときは、①いつ塗ったか ②いつ気づいたか ③どこに、どんな形で出ているか(写真)——この3つを揃えてください。話が早く、そして正確になります。

保証は3種類あります

「保証」と一言で呼ばれていますが、誰が保証しているかで3つに分かれます。これを混同すると話が噛み合いません。

種類誰が出すか特徴と弱点
自社保証施工した会社いちばん一般的。年数も範囲も会社が独自に決めています。⚠️その会社が無くなれば実質使えません
メーカー保証塗料メーカー+施工店の連名制度として存在します。ただし対象塗料・対象部位・判定基準が細かく決まっています剥がれのページに実例)
リフォームかし保険第三者の保険法人会社が無くなっても保険から支払われるのが最大の利点。⚠️工事前の申し込みが必要で、後からは入れません

3つめが、意外と知られていません。次で中身を見ます。

第三者機関の保険(リフォームかし保険)の中身

保険法人が公開している内容を確認しました(株式会社ハウスジーメンの一般リフォーム保険)。事実だけ並べます。

項目公表されている内容
保険期間5年間が基本。構造・防水性能に関わる事故の10年担保オプション、または塗膜補償10年オプションを利用する場合は10年間
期間の起点工事完了後の現場検査の適合日から開始
塗膜補償の対象リフォーム工事で施工した塗膜面の浮き・膨れ・剥がれといった事象が発生した場合の損害
備える相手下地材の選択ミスや施工不良による塗膜事故のリスク
色あせ重要事項説明書に塗膜の色あせに関する規定があります。加入する場合は扱いを確認してください

ここから読み取れることが2つあります。

  • 1保険でも守るのは「浮き・膨れ・剥がれ」第三者の保険ですら、補償の中心は塗膜が付いていられなかったことです。色あせや汚れは、そもそも守る対象として想定されていません。「保証があるから10年きれいなまま」という期待とは、別のものだと考えてください
  • 2工事の前でないと入れません保険は案件ごとに工事着工前の申し込みが必要で、しかも工事完了後の現場検査を経て期間が始まります。塗り終わってから「やっぱり入りたい」は通りません。検討するなら契約前です

業者が瑕疵保険を勧めないことがある理由

「そんなに良いものなら、なぜ全部の業者が使わないのか」——もっともな疑問なので、業者側が公開している理由をそのまま書きます。

  • 保険料がかかりますそして施主の負担になることが多いのが実情です。工事費とは別の出費になります。
  • 対象になる事故が限られます外壁塗装で保険の対象となるような瑕疵はそう頻繁には起きない——という趣旨の説明を、複数の業者が公開しています。保険料を払っても使う場面が来ない可能性が高い、という判断です。
  • 手続きが要ります着工前の申し込み、工事完了後の現場検査。工程に検査が入るぶん、業者側の手間も増えます。

これは業者が不誠実だから使わない、という話ではありません。費用対効果の判断です。ちなみに複数社に見積もりを取ると、瑕疵保険を標準で案内する会社と、聞かないと出てこない会社が分かれます。どちらが良いという話ではなく、その会社が何を標準にしているかが見えるということです。とはいえ「会社が無くなっても残る保証」は、自社保証には絶対に作れない価値でもあります。大きな工事で、長く安心したいなら選択肢に入れる——その程度の温度感が実情に合っています。

時期で見る——いつ出たかで疑うものが変わります

症状の名前より、塗ってから何年で出たかのほうが判断を分けます。目安として整理します。

時期この時期に出たら疑うもの動き方
1年以内下地処理・下塗りの選択・希釈のしかた。剥がれ・膨れ・チョーキングは、本来この時期に出るものではありませんすぐ連絡。この時期の不具合で「経年です」と説明されたら、根拠を聞いてください
1〜3年局所的な剥がれ・浮き。特定の面だけに出ているなら、その面の下地の状態が疑われます写真を撮って連絡。面ごとの違いを伝えると原因が絞れます
3〜7年色あせ・軽いチョーキングは経年として想定内。剥がれが広い範囲で出るならまだ早い点検を依頼。保証期間内なら「対象になるか」を確認
8年以降ほとんどが経年変化の範囲。次の塗り替えの検討時期保証ではなく、塗り替え時期の判断

この表の使い方は1つです。「早すぎないか」を自分で判断する——それだけです。塗って2年で広い範囲が剥がれているなら、それは症状名がどうであれ早すぎます。

連絡のしかた——写真は3枚

保証を使うときにいちばん多い失敗は、口頭だけで伝えて話が食い違うことです。連絡の時点で揃えておくものを書きます。

  • 写真は3枚①遠景(家のどの面か分かるもの)②中景(部位が分かるもの)③近景(症状のアップ)。この3枚があると、業者は現地に来る前におおよその見当がつけられます。スケールになるもの(定規・硬貨)を一緒に写すとさらに正確です。
  • 日付を2つ書く工事した年月気づいた年月。「最近」ではなく日付で伝えてください。保証期間の判定はこの2つで決まります
  • 保証書の番号を添える手元にあれば番号を書き添えます。無い場合は「保証書を確認したいので控えをいただけますか」から始めてください

ここまで揃えて連絡すれば、対象か対象外かの回答も早くなります。そして——これは大事なことですが——やり取りはメールやメッセージなど、記録が残る形で行ってください。電話で「対応します」と言われた内容は、後から確認できません(契約前チェックのページにも同じことを書きました)。

契約前に聞く3つ

  • 「保証の対象になるのは、どんな症状ですか」年数ではなく症状で聞いてください。「剥がれと膨れです」と即答できる会社は、書面の中身を把握しています。
  • 「対象外になるのは何ですか」こちらのほうが大事です。色あせ・チョーキング・カビ・付帯部・シーリング——このあたりがどう扱われるか。言いにくいことをはっきり言う会社のほうが、後で揉めません
  • 「保証書はいつもらえますか」工事完了時に書面で出るのが基本です。口約束にしない——ここは保証のページ契約前チェックにも書きました。

よくある質問

外壁塗装は保証対象外ですか?

工事そのものは保証の対象です。ただし対象になるのは施工に起因する不具合——主に塗膜の浮き・膨れ・剥がれです。色あせ・チョーキング・カビといった経年変化や環境の影響は、対象外とされるのが一般的です。「対象外」という言葉を見て不安になった方は、まず自分の症状がどちらかを上の表で確認してください。

ひび割れは保証対象ですか?

時期と出方によります。塗ってすぐ、直線的に出ているなら施工側の可能性があります。数年経って、建物の動きに沿って出ているなら対象外とされることが多いです。いつ気づいたかと写真を添えて、まず施工会社に連絡してください。判断は現物を見てからになります。

チョーキングは保証対象ですか?

対象外とされるのが一般的です。塗膜が寿命に近づくと起きる現象だからです。ただし塗ってから1〜2年で出たなら、それは早すぎます。塗料の希釈のしかたや下地処理が疑われる場面なので、遠慮なく連絡してください。

保証期間は何年が普通ですか?

会社と塗料によって幅があります。年数だけを比べても意味が薄いのは、同じ「10年」でも対象範囲がまるで違うからです。年数×対象範囲×誰が保証するか——この3点セットで見てください(保証のページ)。

保証を使いたいとき、どこに連絡すればいいですか?

まず施工した会社です。メーカーの連名保証がある場合も、窓口は施工店になっているのが一般的です。連絡がつかない・会社が無くなっている場合は、保証書に記載された保険法人があればそちらへ。それも無ければ、自社保証は実質的に使えません——これが「誰が保証するか」を確認しておく理由です。

保証の対象外でも、直してもらえることはありますか?

あります。保証の話とは別に、有償の補修として相談できます。また、部分的な手直しであれば点検のついでに対応してくれる会社もあります。「保証対象外です」で会話を終わらせず、「では直すとしたらいくらですか」まで聞くと、次の判断ができます。

参考にした情報

  • 株式会社ハウスジーメン「一般リフォーム保険」「リフォームかし保険 補償オプション」(公式・保険期間は5年間が基本/構造・防水性能の10年担保オプションおよび塗膜補償10年オプション利用時は10年間/保険期間は工事完了後の現場検査の適合日から開始/塗膜補償は施工した塗膜面の浮き・膨れ・剥がれといった事象を補償/下地材の選択ミスや施工不良による塗膜事故に備えるもの/重要事項説明書に塗膜の色あせに関する規定あり・2026年8月確認)
  • リフォーム瑕疵保険に関する塗装会社・リフォーム会社各社の公開情報(保険料が施主負担になること、外壁塗装で対象となる事故は多くないとする説明、着工前の申し込みが必要であること・2026年8月確認)
  • 塗料メーカーと施工店の連名保証の実例(対象部位・判定基準・年数)は外壁塗装が剥がれたのページの出典を参照
  • 症状ごとの扱われ方は各社の保証書によって異なります。本ページは一般的な傾向を整理したものです

最終確認日:2026年8月23日。保証の内容・対象範囲・年数は施工会社および保険商品によって異なります。保険の詳細は各保険法人の重要事項説明書をご確認ください。実際の適用可否は、現物を確認した施工会社および保険法人の判断によります。

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