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外壁塗装で一番いい塗料は?——塗料の種類とグレードを、公式の設計価格で比べます

見積書に「ラジカル制御形」と書いてあった。あるいは業者に勧められた。先に結論を書きます。ラジカルは樹脂の名前ではなく、劣化を抑える「機能」の名前です。だから、よく見る「アクリル→ウレタン→シリコン→ラジカル→フッ素→無機」という階段は、1か所だけ種類の違うものが混ざっています。メーカーの公式分類で確認しました。

このページの内容全13項目

見積書に製品名が書いてあるなら、その名前で調べられます。たとえばKFケミカルのセミフロンスーパーマイルドⅡは「無機・フッ素ハイブリッド」で、メーカーが耐用年数を年数で書かず「光沢保持率30%を下回ると塗替えサイン」としている——グレードの名前だけでは分からないことが出てきます。シーカ・ジャパンのダイヤスーパーセランフレックスのように、「前の塗装がフッ素だと使えない」とメーカーが書いている製品もあります。よく言われるシリコン塗料のデメリットも、メーカーの製品ページに当てると書いてあることが逆だったりします。

見積書で確認すべきは、たった3つ

塗料の知識をひととおり覚える必要はありません。見積書のこの3点が書かれているかどうかで、その業者の姿勢はかなり分かります。

  1. メーカー名と製品名が書いてあるか「シリコン塗装一式」ではなく、「日本ペイント パーフェクトトップ」のように製品名まで書かれているか。製品名さえ分かれば、メーカーの公式サイトでご自身で仕様を確認できます。ここを濁す見積書は、あとから安い塗料に替えられても気づけません。
  2. 1液か、2液か製品名の頭にたいてい書いてあります(「1液水性〜」「2液〜」)。この違いが施工品質に直結します。理由は後半の硬化剤の項で説明します。
  3. 塗り回数(下塗り・中塗り・上塗り)下塗りが項目として立っているか。「3回塗り」と書いてあっても、下塗りを含めて3回なのか、上塗りだけで3回なのかは別です。聞けば答えてくれます。

この3つが揃っていれば、あとは比べるだけです。逆に揃っていない見積書は、金額の高い安い以前に比較の土俵に乗りません。

ついでに、製品名が書かれていれば水性か油性(弱溶剤)かも、選べる艶の種類も分かります。ただしそこは「もち」を決める場所ではありません——同じシリコンの水性版と弱溶剤版でメーカー公表の期待耐用年数が同じだった話は、水性塗料と油性塗料の違いにまとめました。

「外壁塗装で一番いい塗料は何ですか」——順位はつけられません。代わりに、値段の階段をお見せします

これが、いちばん多く聞かれることです。「一番いい塗料」「最強の塗料」「おすすめランキング」——調べ方は違っても、聞きたいことは同じだと思います。先に正直に言うと、当サイトは塗料の順位をつけません。理由は3つあります。

  • 横並びで測った試験結果が、公開されていません——各社が自社の製品を自社の条件で試験しています。カタログの年数は試験室の数字で書いたとおりです
  • 同じ「シリコン」でも中身が違います——アクリルシリコン、セラミックシリコン、ハイブリッドシリコン。名前は似ていて、価格も性能も別物です
  • 塗料が上等でも、施工が雑ならもちません——2液型の硬化剤の話が、まさにそれです

順位の代わりに、はっきり出せるものがあります。「値段の階段」です。——エスケー化研は設計価格表を全製品ぶん公開しているので、グレードを1段上げると、いくら変わるのかが誰にでも読めます。

樹脂のグレード製品の例(エスケー化研・水性)設計価格
アクリル水性コンポアクリル1,930円/㎡
ウレタン水性コンポウレタン2,290円/㎡
シリコン水性セラミシリコン2,710円/㎡
シリコン+ラジカル制御エスケープレミアムシリコン2,920円/㎡
フッ素水性セラタイトF3,800円/㎡
無機複合フッ素スーパーセラタイトF4,170円/㎡

エスケー化研 設計価格表2026年度版より。新築下地・同一淡彩色・300㎡以上・材工共・税抜が前提です。30坪の家の外壁は100〜150㎡なので、この単価がそのまま見積書に載ることはありません。製品同士の「差」を読むための物差しです(エスケー化研の設計価格に全製品の表があります)。

いちばん下と、いちばん上の差は2,240円/㎡です。——外壁を120㎡とすると、およそ27万円。これが「アクリルにするか、無機複合フッ素にするか」で動く金額の目安になります。1段ずつなら、300〜900円/㎡ずつの階段です。

ただし、この階段はメーカーをまたぐと崩れます

ここが「ランキング」でいちばん見落とされるところです。プレマテックスの材工設計価格表を見ると、こうなっています(同じく300㎡以上・足場別)。

製品(プレマテックス)公式の分類材工設計参考価格
グランデシリコンハイグレードシリコン3,550円/㎡
タテイルα プレミアムエディション超低汚染形無機3,500円/㎡

同じメーカーの中で、無機のほうがシリコンより安いのです。——さらに、この無機3,500円は、さきほどのエスケー化研のフッ素3,800円より下です。「アクリル→ウレタン→シリコン→フッ素→無機」の順番は、メーカーをまたいだ瞬間に成り立たなくなります。

これは「プレマテックスが安い」という話ではありません。樹脂の名前だけで値段も性能も決まるわけではない、という話です。だから「無機で見積もりを」「フッ素で見積もりを」という頼み方は、あまり意味がありません。——タテイルαのページに、同社シリーズ13製品の価格表を載せてあります。

順位を聞く代わりに、この3つを聞いてください

  • 「この見積書の塗料は、メーカーと製品名で言うと何ですか」——「シリコン」だけでは、2,710円のものも2,920円のものも同じ言葉になります
  • 「1段上げると、いくら変わりますか」——上の階段が頭に入っていれば、返ってきた金額が妥当かどうか判断できます
  • 「この家の下地で、その塗料を使う理由は何ですか」——理由が「いちばんいいから」しか返ってこないなら、選定の根拠がありません

「おすすめランキング」の記事を読むときは、1か所だけ見てください。順位のつけ方が書いてあるかどうかです。——耐用年数で並べたのか、価格で並べたのか、それとも掲載の申込順なのか。書いていなければ、何の順位なのか読者には分かりません。

見積書に書かれていた製品名から引く——メーカー別の一覧

階段がメーカーをまたぐと崩れるなら、次にやることはひとつです。樹脂の名前ではなく、製品名で調べる。——覚える必要はありません。見積書や業者の説明に出てきた名前を、この表で照らす。その使い方だけを想定しています。

メーカー見積書に出てくる名前
エスケー化研プレミアムシリコン、プレミアム無機、水性セラミシリコン、水性セラタイトSi(設計価格表で階段ごと見る)
日本ペイントパーフェクトトップ/ファインパーフェクトトップ、ファインパーフェクトベスト(屋根用)
関西ペイントアレスダイナミックTOP
プレマテックスタテイルα、ウルトラSi、グランデ有機HRC
アステックペイントシリコンREVO1000、スーパーシャネツサーモSi・F
ロックペイントユメロック/ハイパーユメロック
水谷ペイントナノコンポジットW
スズカファインビーズコート
KFケミカルセミフロンスーパーマイルドⅡ
シーカ・ジャパン(旧ダイフレックス)ダイヤスーパーセランフレックス
日進産業ガイナ
INNOCENCE JAPANイノセンス(INNOCENCE W-NEO)
ケイミュー親水セラ(塗料ではなく外壁材のコーティングです。塗り替えのとき、下塗り材の選び方が変わります)

同じ種類のものを、メーカーをまたいで並べたページもあります。

比べているものページ
無機塗料を、エスケー化研と関西ペイントの公式仕様で無機塗料は、メーカーで何が違うのか
会社としての日本ペイントと関西ペイント日本ペイントと関西ペイント、どっちがいいのか
屋根の遮熱塗料を、サーモアイSi(日本ペイント)とクールタイトSi(エスケー化研)でサーモアイSiとクールタイトSi
遮熱・断熱をうたう塗料そのものの効果とデメリット遮熱塗料・断熱塗料

この表は、当サイトが解説ページを持っている製品を並べたものです。市販されている塗料のすべてではありませんし、載っているから良い・載っていないから悪い、という意味でもありません。——それぞれの製品について何が公表されているかは、メーカーの公式サイトでご確認ください。

見積書に製品名が書かれていなかったら
この表は引けません。そのときに聞く一行は、ひとつ前の節と同じです——「この見積書の塗料は、メーカーと製品名で言うと何ですか」。

製品名が返ってくれば、メーカーの公式サイトで年数も価格の目安もたどれます。返ってこないなら、まだ塗料が決まっていないということです。

ラジカルとは何か——樹脂ではなく機能です

まず「ラジカル」そのものの説明から。塗料には白い顔料として酸化チタンが使われています。ここに紫外線が当たると、樹脂を壊す働きをする物質が発生します。これがラジカルです。

樹脂が壊れると、抱えられていた顔料が粉になって表面に出てきます。これがチョーキング(白い粉)です。症状の見方はチョーキングのページで詳しく書いています。

そこでラジカルが出にくい酸化チタンを使い、出てしまったものを抑える成分を加える——この設計が「ラジカル制御」です。つまり劣化の原因のひとつを潰しにいく技術であって、樹脂の種類の話ではありません。

メーカーの公式分類を見ると、はっきりします

エスケー化研は、該当製品を「ラジカル制御型シリコン樹脂塗料」と分類しています。ラジカルという独立したグレードではなく、シリコン樹脂塗料の一種という位置づけです。

さらにスズカファインの「ビーズコートF」は、公式の製品説明で「ラジカル制御された超高耐候性ふっ素樹脂」と書かれています。フッ素にもラジカル制御はあります。

ロックペイントのハイパーユメロックも、公式資料に「HALSによるラジカル制御」と明記されたシリコン系です。アステックペイントも「劣化要因『ラジカル』を抑制する顔料の採用」と説明しています。つまりラジカル制御は、シリコンにもフッ素にも乗せられる技術です。「シリコンの上、フッ素の下」という固定席があるわけではありません。

グレードによる金額差を実際の数字で知りたい場合は、メーカーが公表している材工価格が使えます——同じ会社の同じスレート屋根用・同じ3工程・同じ下塗りで、ラジカル制御形5,420円/㎡に対しフッ素7,120円/㎡という並びがありました(フッ素塗料の値段/各社の一覧は塗料の平米単価)。

グレードの列と、ラジカル制御の関係

樹脂グレードとラジカル制御の関係図 アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機は樹脂の種類による段階。ラジカル制御はそれとは別の軸で、シリコンにもフッ素にも組み合わせられる機能である。 ① 樹脂の種類(これがグレードの列) アクリル ウレタン シリコン フッ素 無機 おおむね、価格も耐候性も上がる方向 → ② ラジカル制御(こちらは別の軸=機能) 酸化チタンから出る「ラジカル」を抑えて、劣化を遅らせる技術 = チョーキングが出にくくなる シリコンに乗せたもの=「ラジカル制御型シリコン樹脂塗料」(エスケー化研の分類) フッ素に乗せたもの=「ラジカル制御された超高耐候性ふっ素樹脂」(スズカファインの製品説明) だから「ラジカル」は、①の列に並ぶ独立したグレードではありません
業者サイトの多くは「アクリル/ウレタン/シリコン/ラジカル/フッ素/無機」を同じ列に並べていますが、ラジカルだけは軸が違います。「ラジカルとシリコン、どっちがいい?」という質問は、実は成立していません。

それでも「シリコンとフッ素の中間」で合っています

ここまで読んで「じゃあ業者の説明は間違いなのか」と思われたかもしれません。実務の感覚としては、合っています。

理由は単純で、いま市場に多く出回っているラジカル制御品は、シリコンをベースにしたものが中心だからです。その結果として、価格はフッ素より抑えめ、耐候性はふつうのシリコンより上、という帯に落ち着いて流通しています。塗装店が「シリコンとフッ素の中間」と説明するのは、この実勢を指しています。

ですから覚えておくべきはこの2つです。

  • 選ぶときの感覚:シリコンとフッ素の間の選択肢として考えて構いません
  • 正体:ラジカルという樹脂があるわけではないので、「ラジカルです」だけでは何を塗るのか決まりません。ベースの樹脂と製品名まで聞いてください

同じ「ラジカル制御形」でも、シリコンベースなのかフッ素ベースなのかで価格も耐候性も変わります。見積書に製品名を書いてもらう理由が、ここにもあります。

「何年もつ」——カタログの年数は、試験室で出した数字です

塗料選びでいちばん知りたいのは、結局これだと思います。そしてメーカーのカタログには、実際に年数が書かれています。ただし、その数字がどうやって作られたのかを知っておく価値があります。

カタログに載っているのは「期待耐用年数」と呼ばれる値です。たとえばエスケー化研の「エスケープレミアムシリコン」は14〜16年と明記されています。ただし、同じページにこう添えられています。

メーカー自身が「参考値」と書いています

エスケー化研の但し書きは、こうです。「期待耐用年数は、次の塗り替え時期の目安です。地域、立地条件、方角等により異なりますので、参考値としてお考えください。」

この年数の土台になっているのが促進耐候性試験です。屋外で15年待つわけにはいかないので、試験室でキセノンランプの光を当て続けて劣化を早め、その結果から屋外の年数に換算しています。JIS A6909という規格で、耐候形1種・2種・3種という等級に分かれます。

つまり実際の家で15年もった実績ではなく、試験室のデータから導いた理論値です。メーカーが「参考値」と書いているのは、そういう意味です。

もうひとつ知っておくとよいのは、年数の出し方はメーカーによって方針が違うことです。

メーカーカタログでの示し方
エスケー化研期待耐用年数を年数で明記(例:エスケープレミアムシリコン 14〜16年)。JIS A6909 耐候形1種を取得
日本ペイント期待耐用年数の年数は記載していません。パーフェクトトップSiの製品ページも「JIS A6909 …… 耐候形1種 相当」という等級の表示にとどまります

同じ「耐候形1種」でも、片方は年数で語り、片方は等級で語る。だから「シリコンは10年、フッ素は15年」といった一律の表は、メーカーをまたいだ瞬間に根拠が揃わなくなります。

当サイトの相場・費用ガイドにもグレード別のおおまかな年数を載せていますが、「カタログ上の期待耐用年数」と明示しているのはこのためです。あくまで幅のある目安として見てください。最終的に効くのは、実際に使う製品のカタログ値です。製品名さえ分かれば、メーカーのサイトでご自身で確認できます。見積書に製品名を書いてもらうのは、ここでも効いてきます。

そのうえで実用的な話をすると、グレードを1段上げたときにカタログ上で延びる年数より、施工がきちんとしているかどうかのほうが、結果への影響は大きいと考えてください。その理由が次の項目です。

2液型の硬化剤——ここが本当の分かれ目

塗料には1液型と2液型があります。違いは単純で、2液型は現場で「主剤」と「硬化剤」を混ぜてから塗るという点です。フッ素などグレードが上がるほど、2液型が増えます。

そして、この混ぜる工程が曲者です。

硬化剤を計らずに入れる。あるいは、入れ忘れる

塗料の販売・調色に携わってきた実務者から聞いた話です。硬化剤を入れ忘れたまま塗ってしまった塗装会社が、実際にあります。

怖いのは、それでも塗膜はいちおう乾いて、固まって見えることです。見た目はふつうに塗り上がります。ただし塗料が本来もっている性能は出ません。高いグレードを選んだ意味が、この一点で消えます。

そして施主が完成後に見分けることは、まずできません。数年経って「思ったより早く傷んだ」と気づく形になります。

2液型で、どこに失敗が起きるか

2液型塗料の工程と失敗が起きる箇所 2液型は主剤と硬化剤を規定の比率で計量して混ぜる工程がある。計量を省く、硬化剤を入れ忘れるといった失敗が起きると、塗膜は固まっても本来の性能が出ない。1液型にはこの工程がない。 2液型 主剤と硬化剤 2つの缶で届く 計量して混ぜる 規定の比率どおりに 塗る 可使時間の内に使い切る 性能が出る 目分量で入れる/入れ忘れる 塗膜は固まる。見た目もふつうに仕上がる でも、塗料の性能は出ない 1液型なら 混ぜる工程がないので、 この失敗は起きません ※ 完成後の見た目では判別できません。だから「工程の写真を撮って渡してもらう」が効きます
グレードを上げると2液型が増え、現場で混ぜる工程が加わります。ここを丁寧にやる業者かどうかが、塗料の等級より結果を左右することがあります。

ここから、施主にできる対策が2つ出てきます。

  • 聞く「これは1液ですか、2液ですか」2液なら「混ぜる比率は決まっているんですよね」と一言添えるだけで、意識している施主だと伝わります。まともな業者ほど、この質問を嫌がりません
  • 残す「工程の写真を撮って、あとで見せてもらえますか」塗り上がりからは判断できないぶん、過程の記録が効きます。ふだんから施工の様子をSNSに載せている業者なら、もともと撮っているので頼みやすいはずです

なお、代表的なラジカル制御形塗料には「1液水性」タイプの製品があります(製品名の頭に「1液水性ラジカル制御形」と書かれています)。混ぜる工程がないぶん現場の負担が軽く、施工のばらつきが出にくい——これも、ラジカルが現場で好まれている理由のひとつです。

手抜きがなぜ起きるのかという構造については、トラブルとクーリングオフのページに書いています。根っこは、たいてい安すぎる金額と詰めすぎた工期です。

だから塗料選びより先に、金額と工期が無理をしていないかを見てください。何社かの見積もりを並べると、極端に安い1社があったときに気づけます——1社だけだと、その金額が普通なのかどうかを判断する材料がありません。

無機塗料をすすめられたら

いま最上位として案内されることが多いのが無機塗料です。無機成分を組み合わせることで、紫外線で劣化する有機物の割合を減らす、という考え方の塗料です。

ひとつ前提として知っておくとよいのは、「無機塗料」といっても、無機成分だけでできているわけではないということです。無機成分だけでは塗膜が硬くなりすぎて実用にならないため、実際に売られているのは有機の樹脂と組み合わせたもので、「無機ハイブリッド」と呼ばれることもあります。

デメリットとして語られることが多いのは、次の点です。理屈のうえでは、無機の割合が高いほど塗膜は硬くなります。ただし配合は製品ごとに違うので、程度は一律に言えません。

言われていること確認のしかた
価格が高いこれは事実です。同じ面積でシリコンやラジカルの見積もりも並べて出してもらい、差額を見てから決めてください。差額に納得できるかどうかの問題です
塗膜が硬く、ひび割れに追従しにくいと言われる製品によって性質が違うため、ここは製品名を聞いて、メーカーの仕様を確認するのが確実です。「無機だから一律にこう」とは言い切れません
施工できる店が限られる扱い慣れているかを聞いてください。施工実績を写真で見せてもらうのがいちばん早いです

無機塗料は製品ごとの差が大きく、当サイトでは一律の評価を書きません。すすめられた場合は、製品名を控えてメーカーの公開資料をご確認ください。

光触媒をすすめられたら

光触媒は、太陽の光で汚れを分解し、雨で流す、という考え方の仕上げです。現場で塗料として塗るものと、サイディングのように工場であらかじめ加工してあるものがあります。訪問販売ですすめられることもあります(その場で決められないときの断り方)。

このサイトの監修者は塗料の販売店にいた人間で、光触媒は、いちばんよく質問を受けていたもののひとつです。そのうえで書きます。

言われていること実際のところ
汚れがつきにくいこれは本当です。ちゃんとした光触媒なら、汚れを弾きます。現場で見ていても、汚れは結構落ちている印象でした
ずっときれいなまま保てるそこから先をどこまで期待していいのかは、売る側でも言い切りにくいところがあります。「塗れば汚れません」と断言する説明を見たときは、そのつもりで聞いてください
(あまり語られないこと)
次に塗り替えるとき、塗料をはじくことがある
汚れを弾く性質は、上から塗る塗料に対しても働きます。塗料がのらない可能性があるということです。塗って終わりではなく、次の塗り替えまで考えてから決めてください

うちの外壁は光触媒かもしれない、と思ったら

築年数のわりに、外壁がやたらきれいではありませんか。——現地調査で妙に汚れていないサイディングを見ると、実務者は「光触媒かもしれない」と警戒します。普通の壁と同じようには塗れない可能性があるからです。

心当たりがあるなら、見積もりを頼むときに、そのまま伝えてください。「築十何年のわりに汚れていないのですが、光触媒ではないですか」で十分です。新築時の資料が残っていれば、外壁材の品番から分かります。

「TOTOが光触媒をやめた」と聞いたら

光触媒を調べていると、この話がよく出てきます。正確には、やめたのは塗料です。

TOTOの光触媒塗料(ハイドロテクトコート)は、いま新しく塗ることができません。TOTOの公式サイトにも、この塗料の製品ページは残っていません。「ハイドロテクトコート専用サイト 閉鎖のご案内」というページが公式にありましたが、そのページ自体もいまは開けなくなっています。

一方で、光触媒「ハイドロテクト」という技術そのものは、いまもTOTOが案内しています。タイルなどに使われていて、なくなったわけではありません。

光触媒の塗料そのものが無くなったわけでもありません。いまも別のメーカーが出しています。「TOTOがやめた」=「光触媒の塗料はもう無い」ではないので、そこは分けて考えてください。

では、なぜ塗料をやめたのか。——当サイトが公式サイトを見た範囲では、公表された理由を見つけられませんでした。ですので、ここには書きません。

いま知っておくと役に立つのは、理由のほうではなく、こちらです。——すでにハイドロテクトコートで塗られている家は、実際にあります。その場合も、上の表と同じ話になります。塗り替えのときに塗料がのらない可能性があるので、施工店に「光触媒が塗ってあるかもしれない」と伝えてください。

光触媒は製品ごとの差が大きく、当サイトでは一律の評価を書きません。すすめられた場合も、すでに塗られている場合も、製品名を控えて、メーカーの公開資料と施工店の両方に確認してください。

結局、どう選べばいいのか

塗料は「一番」ではなく、住む年数と予算で選びます

塗料選びの三つの判断材料塗料は住む予定の年数、予算、外壁の状態を合わせて選ぶ。住む予定の年数予算外壁の状態商品名だけで、耐久性や工事の良し悪しを決めない
同じ塗料でも、下地や施工の条件で結果は変わります。

ここまでを踏まえると、優先順位はこうなります。

まず、施工がまともか

洗浄・乾燥・下地処理・混ぜ方。ここが崩れると、どんな塗料を選んでも性能は出ません。塗料選びより先です。

次に、あと何年住むか

高いグレードは、長く住む家ほど得になります。逆に10年以内に建て替えや売却の予定があるなら、上位グレードの差額は回収できません。

最後に、塗料のグレード

そのうえでシリコン・ラジカル・フッ素・無機を比べます。同じ面積で2〜3種類の見積もりを出してもらえば、差額は一目で分かります。

ちなみに色によっても塗料の値段は変わります。濃い色ほど顔料の分だけ高くなり、グレードの差額に匹敵することもあります。詳しくは外壁塗装の色のページをご覧ください。

最後に、選び方の実務です。塗料は自分で決めきらなくても構いません。大事なのは、提案された製品名が見積書に書かれていることと、なぜそれを選んだのかを説明できることです。何社かに見積もりを出してもらうと、同じ家に対する各社の答えが並びます。全社が近いグレードを出してきたなら妥当な線ですし、1社だけ極端に上や下なら、その理由を聞けば判断できます。

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外壁塗装で一番いい塗料は何ですか?

当サイトは塗料の順位をつけません。理由は3つです。①横並びで測った試験結果が公開されていない(各社が自社の製品を自社の条件で試験しています)②同じ「シリコン」でも中身が違う(アクリルシリコン、セラミックシリコン、ハイブリッドシリコン——名前は似ていて価格も性能も別物)③塗料が上等でも、施工が雑ならもたない。順位の代わりに出せるのは「値段の階段」です。

グレードを1段上げると、いくら変わりますか?

300〜900円/㎡ずつの階段です。——エスケー化研の設計価格表(2026年度版・水性)で、アクリル1,930円/㎡、ウレタン2,290円、シリコン2,710円、ラジカル制御2,920円、フッ素3,800円、無機複合フッ素4,170円。いちばん下と上の差は2,240円/㎡で、外壁120㎡ならおよそ27万円です。

「無機がいちばん高い」で合っていますか?

メーカーをまたぐと崩れます。——プレマテックスの材工設計価格表ではグランデシリコン(ハイグレードシリコン)3,550円/㎡に対し、タテイルα プレミアムエディション(超低汚染形無機)が3,500円/㎡。同じメーカーの中で、無機のほうがシリコンより安いのです。しかもこの無機3,500円は、エスケー化研のフッ素3,800円より下。「アクリル→ウレタン→シリコン→フッ素→無機」の順番は、メーカーをまたいだ瞬間に成り立たなくなります。

「無機で見積もりを」と頼めばいいですか?

あまり意味がありません。——樹脂の名前だけで値段も性能も決まるわけではないからです。頼むなら製品名で。聞くべきは①「この見積書の塗料は、メーカーと製品名で言うと何ですか」②「1段上げると、いくら変わりますか」③「この家の下地で、その塗料を使う理由は何ですか」。③の理由が「いちばんいいから」しか返ってこないなら、選定の根拠がありません。

ラジカルとシリコン、どっちがいいですか?

この質問は、実は成立していません。——ラジカル制御は樹脂の種類ではなく「機能」だからです。エスケー化研は該当製品を「ラジカル制御型シリコン樹脂塗料」と分類していて、シリコン樹脂塗料の一種という位置づけ。スズカファインのビーズコートFは「ラジカル制御された超高耐候性ふっ素樹脂」——フッ素にもラジカル制御はあります。「シリコンの上、フッ素の下」という固定席があるわけではありません。

では業者の「シリコンとフッ素の中間」という説明は間違いですか?

実務の感覚としては、合っています。——いま市場に多く出回っているラジカル制御品は、シリコンをベースにしたものが中心だからです。その結果価格はフッ素より抑えめ、耐候性はふつうのシリコンより上、という帯に落ち着いて流通しています。選ぶときの感覚としては、シリコンとフッ素の間の選択肢として考えて構いません。

ラジカルとは、そもそも何ですか?

塗膜を壊す物質の名前です。——塗料には白い顔料として酸化チタンが使われていて、紫外線が当たると樹脂を壊す働きをする物質が発生します。これがラジカルです。樹脂が壊れると顔料が粉になって表面に出てくる——これがチョーキングです。「ラジカル制御」は、ラジカルが出にくい酸化チタンを使い、出てしまったものを抑える成分を加える設計のことです。

見積書で、まず何を見ればいいですか?

3つだけです。——①メーカー名と製品名が書いてあるか(「シリコン塗装一式」ではなく「日本ペイント パーフェクトトップ」のように。ここを濁す見積書は、あとから安い塗料に替えられても気づけません)②1液か、2液か(製品名の頭にたいてい書いてあります)③塗り回数(下塗りが項目として立っているか。「3回塗り」でも下塗りを含めて3回なのか、上塗りだけで3回なのかは別です)。

設計価格表の単価が、そのまま見積書に載りますか?

載りません。——エスケー化研の設計価格は新築下地・同一淡彩色・300㎡以上・材工共・税抜が前提です。30坪の家の外壁は100〜150㎡なので条件が違います。この表は製品同士の「差」を読むための物差しです。

「おすすめランキング」の記事は、どう読めばいいですか?

1か所だけ見てください。順位のつけ方が書いてあるかどうかです。——耐用年数で並べたのか、価格で並べたのか、それとも掲載の申込順なのか。書いていなければ、何の順位なのか読者には分かりません。

参考にした情報

  • エスケー化研株式会社の公開製品情報(「ラジカル制御型シリコン樹脂塗料」の分類表記)
  • スズカファイン株式会社 ビーズコートF 製品ページ(「ラジカル制御された超高耐候性ふっ素樹脂」「水性1液反応硬化形ふっ素樹脂系」の表記)
  • エスケー化研株式会社 エスケープレミアムシリコン 製品ページ(期待耐用年数「14〜16年」および「次の塗り替え時期の目安です。地域、立地条件、方角等により異なりますので、参考値としてお考えください。」の表記/JIS A6909 耐候形1種)
  • 日本ペイント株式会社 パーフェクトシリーズ/パーフェクトトップSi 公式製品ページ(「ラジカル制御形」「水性系」「1液」「JIS A6909 …… 耐候形1種 相当」の表記/期待耐用年数の年数表記は確認できず)
  • JIS A6909 建築用仕上塗材(促進耐候性試験および耐候形1種・2種・3種の等級区分)
  • TOTO株式会社 ハイドロテクト 公式製品情報(光触媒技術としての案内。塗料「ハイドロテクトコート」の製品ページは掲載されていないことを確認/2026年9月8日時点)
  • 塗料の販売・調色に携わった経験のある実務者への取材

製品の仕様・分類はメーカーおよび製品ごとに異なります。実際に使用する塗料の性能・仕様は、製品名を確認のうえメーカーの公開資料および施工業者にご確認ください。最終確認日:2026年9月8日。