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フッ素塗料の値段——同じ屋根用で、ラジカル制御形との差は1,700円/㎡でした

「フッ素はいくら高いのか」。これは相場サイトを見比べても答えが出ません。ところが、条件を完全に揃えて比べられる組み合わせがあります——同じメーカーの、同じスレート屋根用で、同じ3工程、下塗りまで同じ製品という並びです。公表されている材工価格はラジカル制御形が5,420円/㎡、フッ素が7,120円/㎡差は1,700円/㎡でした。このページでは、メーカーが公開している数字をそのまま並べて、フッ素という選択肢の値段を整理します。あわせて「同じフッ素製品でも、仕上げと工程数で4,580円から8,120円まで動く」という、単価の話でいちばん見落とされる点も扱います。

このページの内容

条件を揃えた比較——屋根用で1,700円/㎡

塗料の値段を比べるとき、いちばん難しいのは条件が揃わないことです。メーカーが違えば価格の出し方が違い、下地が違えば工程が変わります。ところが日本ペイントのスレート屋根用には、ほぼ同条件で並ぶ3製品があります。

製品樹脂公表されている材工価格
ファインパーフェクトベストラジカル制御形5,420円/㎡
3工程・下塗りはファイン浸透シーラー
パーフェクトクーラーベストラジカル制御形(遮熱)5,450円/㎡
3工程・下塗りはパーフェクトクーラーサーフ
ファインDFベストフッ素7,120円/㎡
3工程・下塗りはファイン浸透シーラー

ここが揃っているので、比べられます

同じメーカー、同じ住宅用化粧スレート屋根向け、同じ3工程、そして1番目と3番目は下塗りまで同じ製品(ファイン浸透シーラー)です。つまり差の1,700円/㎡は、ほぼ上塗りのグレード差そのものということになります。屋根の面積が100㎡なら17万円です。

ちなみにファインDFベストの公式仕様は弱溶剤系・2液・つや有り・標準色24色・適用下地は住宅用化粧スレート屋根と波形スレート色数がラジカル制御形の26色より少し少ないのも、実際に選ぶときには効いてきます。

外壁用フッ素の公表価格

外壁側も見ておきます。同じく日本ペイントの公表値です。

製品公表されている材工価格公式の記載
ファインDFセラミック5,930円/㎡(3工程・下塗りハイポンファインプライマーⅡ・平滑仕上げ)弱溶剤系/2液/つや4段階(つや有り・7分・5分・3分)
ファインフッソ6,460円/㎡(3工程・下塗りはニッペ パーフェクトフィラー・なみがた仕上げ)弱溶剤系/2液/つや4段階/常備色47色

当サイトが集めたシリコン系の公表価格は、おおむね2,710円/㎡から4,880円/㎡の範囲でした。それと並べると、外壁用フッ素はその1.2〜2倍あたりに位置します。「フッ素はシリコンよりだいぶ高い」という感覚は、公表値でも裏づけられるということです。

同じ製品でも、1.8倍動きます

ただし、ここからが本題です。ファインDFセラミックの材工価格は、1つではありません。公式には4つの数字が並んでいます。

仕様材工価格
2工程のトップコート4,580円/㎡
3工程・平滑仕上げ(下塗りハイポンファインプライマーⅡ)5,930円/㎡
3工程・なみがた仕上げ(可とう形改修塗材E仕様)6,680円/㎡
4工程の吹付タイル8,120円/㎡

同じ製品名なのに、4,580円と8,120円。1.8倍の開きです。変わっているのは塗料ではなく、何工程で、どんな仕上げにするかのほう。

だから「フッ素だからいくら」は成立しません

見積書に「フッ素塗装 ◯◯円/㎡」と書かれていたとき、その数字だけでは高いも安いも判断できません。必要なのは、製品名に加えて「何工程か」「どんな仕上げか」「下塗りに何を使うか」です。同じ製品の中に1.8倍の幅がある——これはメーカーの価格表がそのまま示していることです。

「ファイン4Fセラミック」は現行製品ではありません

フッ素塗料を調べていると、「ファイン4Fセラミック」という製品名によく出会います。ここで知っておくべきことがあります。

日本ペイントは2024年4月17日のニュースリリースで、ファイン4Fセラミックを「ファインDFセラミック」へリニューアルしたことを発表しています。理由も明記されていて、DFシリーズは「弱溶剤4F樹脂廃止に伴い開発された次世代フッ素樹脂塗料シリーズ」とされています。性能については「耐候性をはじめとした基本性能につきましては4Fシリーズ同等以上」と説明されています。

読み替えのポイント

「4F」から「DF」へ、というのはブランド名の変更ではなく、樹脂の切り替えを伴う世代交代です。ですから、ネット上に残っている「ファイン4Fセラミックの相場」といった情報は、現行のラインアップとずれている可能性があります。見積書に4Fの名前があるなら、それが現行品なのか、在庫品なのか、あるいは資料が古いままなのか——一言確認しておくと確実です。

これは特定の会社を疑う話ではありません。塗料は世代交代します。だから製品名まで書いてもらって、メーカーの公式ページで自分で確かめるという手順に意味があります。

色を変えずに守る「クリヤー」にも、フッ素があります

タイル調や石目調のサイディングを、模様を消さずに塗り替えたい——そういうときに使われるのが透明の塗料(クリヤー)です。ここにもフッ素の選択肢があります。

先ほどのリニューアルでは、ピュアライドUVプロテクト4Fクリヤーが「ピュアライドUVプロテクトDFクリヤー」へ切り替わったことも同時に発表されています。公式の位置づけは「高意匠サイディングボード用超低汚染フッ素系外壁保護クリヤー」。あわせてシリコン系の「ピュアライドUVプロテクトSiクリヤー」も発表されており、クリヤーにもグレードの選択があることが分かります。

ただしクリヤーは、下地の状態が良いことが前提の工法です。色あせやひび割れが進んだ壁に透明を塗っても、その状態が透けて見えるだけになります。使えるかどうかは壁を見てもらってからの判断で、判定の考え方は難付着サイディングのページで扱いました。

フッ素は、いずれも2液でした

今回確認した3製品(ファインDFセラミック・ファインフッソ・ファインDFベスト)は、公式の記載がすべて「2液」でした。2液は、塗料液と硬化剤を現場で混ぜてから塗るタイプです。

ここから分かることが2つあります。

  • 混ぜる作業と、混ぜてから塗り切る段取りが前提になるその日に塗る量を見て混ぜる材料です。工程を詰めた日程とは相性がよくありません
  • 1液と2液は優劣ではありません同じメーカーの遮熱屋根用(パーフェクトクーラーベスト)は1液で出されています。「2液だから上等」という読み方はしないでください

2液型の詳しい話は塗料の種類のページにまとめました。

フッ素を選ぶかどうかの考え方

金額の差は分かりました。では、その差を払う価値があるのか。ここは家の事情で変わりますが、判断材料になる視点を3つ挙げます。

  • 1次に足場を組むのはいつか塗料の耐用年数が延びても、目地のシーリングや屋根の板金は別の周期で傷みます。「塗膜だけが長持ちしても、他の理由で足場を組むなら差額は活きにくい」——この見方は現実的です(コーキングがひび割れた
  • 2外壁材そのものの寿命高機能な外壁材ほど、メーカーが保証しているのはだったりします。塗膜・目地・板の寿命はそれぞれ別だという整理を先にしておくと、判断がぶれません(外壁材は何年もつ?
  • 3あと何年住むか身も蓋もない話ですが、いちばん効きます。15年後に売却や建て替えを考えているなら、差額は回収できません。逆に長く住むなら、塗り替え回数が減る方向は意味を持ちます

なお、メーカーによっては期待耐用年数を公表していません(日本ペイントは数字を出さない書き方です)。「フッ素なら◯年」という数字は、公式には確かめられない場合があるという点も、判断のときに頭に置いてください。

よくある質問

フッ素塗料の平米単価はいくらですか?

メーカー公表の材工価格では、外壁用のファインDFセラミックが5,930円/㎡(3工程・平滑仕上げ)、ファインフッソが6,460円/㎡(3工程・なみがた仕上げ)、屋根用のファインDFベストが7,120円/㎡(3工程)です。いずれも300㎡以上を基準とした価格で、戸建てではこの単価より高くなります(塗料の平米単価)。

フッ素はシリコンよりどのくらい高いですか?

条件を揃えた例では1,700円/㎡でした。同じ日本ペイントのスレート屋根用・同じ3工程・同じ下塗りで、ラジカル制御形が5,420円/㎡、フッ素が7,120円/㎡です。屋根100㎡なら17万円の差になります。ただしこれはメーカー公表値どうしの比較で、実際の見積もりの差額とは異なります。

ファイン4Fセラミックを勧められました。今でも使えますか?

日本ペイントは2024年4月に、ファイン4FセラミックをファインDFセラミックへリニューアルしたと発表しています。DFシリーズは「弱溶剤4F樹脂廃止に伴い開発された次世代フッ素樹脂塗料シリーズ」と説明されており、性能は「4Fシリーズ同等以上」とされています。提案されているのが現行品かどうかは、確認しておくと確実です。

フッ素は何年もちますか?

日本ペイントは期待耐用年数を公表していません。メーカーによって方針が違い、エスケー化研のように数字を出す会社もあります。年数を聞くより、製品名・工程数・仕上げ・下塗りを書面で確認するほうが確実です。

フッ素にすれば塗り替えの回数が減りますか?

塗膜については、その方向で設計されています。ただし足場を組む理由は塗膜だけではありません。目地のシーリング、屋根の板金、外壁材そのもの——それぞれ別の周期で傷みます。「次に足場を組むのはいつか」で考えると、判断がはっきりします。

参考にした情報

  • 日本ペイント株式会社 公式サイト「ファインDFセラミック」製品ページ(樹脂=フッ素/弱溶剤系/2液/つや有り・7分・5分・3分/適用下地(セメント素地、金属、硬質塩ビ、FRPほか)/材工価格=5,930円/㎡(3工程・下塗りハイポンファインプライマーⅡの平滑仕上げ)、6,680円/㎡(3工程・JIS A6909可とう形改修塗材E仕様のなみがた仕上げ)、4,580円/㎡(2工程のトップコート)、8,120円/㎡(4工程の吹付タイル)・2026年8月確認)
  • 日本ペイント株式会社 公式サイト「ファインフッソ」製品ページ(樹脂=フッ素/弱溶剤系/2液/つや4段階/常備色47色/材工価格6,460円/㎡(3工程・下塗りはニッペ パーフェクトフィラー(なみがた仕上げ)の場合)・2026年8月確認)
  • 日本ペイント株式会社 公式サイト「ファインDFベスト」製品ページ(樹脂=フッ素/弱溶剤系/2液/つや有り/標準色24色/適用下地=住宅用化粧スレート屋根、波形スレート/材工価格7,120円/㎡(3工程・下塗りはファイン浸透シーラー(透明・ホワイト)の場合)・2026年8月確認)
  • 日本ペイント株式会社 ニュースリリース(2024年4月17日・同時にピュアライドUVプロテクト4Fクリヤー→ピュアライドUVプロテクトDFクリヤー(高意匠サイディングボード用超低汚染フッ素系外壁保護クリヤー)およびピュアライドUVプロテクトSiクリヤーの発表)——ファイン4FセラミックからファインDFセラミックへのリニューアル、DFシリーズは「弱溶剤4F樹脂廃止に伴い開発された次世代フッ素樹脂塗料シリーズ」、「耐候性をはじめとした基本性能につきましては4Fシリーズ同等以上」・2026年8月確認)
  • 比較に用いたラジカル制御形の屋根用の価格はファインパーフェクトベストのページ、シリコン系の価格帯は塗料の平米単価のページに出典を記載

最終確認日:2026年8月24日。製品の仕様・価格・ラインアップは変更されることがあります。記載の材工価格はメーカーが示す標準的な価格(原則として300㎡以上を基準)であり、実際の工事金額とは異なります。

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塗料の平米単価

各社の公表価格を並べた一覧

ファインパーフェクトベスト

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無機塗料

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塗料代の外側にあるもの