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塗料の平米単価はいくら?——メーカーが公開している設計価格を並べました

見積書に「シリコン塗装 ◯◯円/㎡」と書かれていて、それが高いのか安いのか分からない。そういうときに使える手があります——塗料メーカーの多くは、材料と手間を含んだ価格(設計価格・材工価格)を公式サイトで公開しています。このページでは、当サイトが各社の公式ページで確認した数字を、製品ごとに並べました。そのうえで大事なことをもう一つ書きます。この数字は、そのままあなたの見積もりにはなりません。理由もメーカー自身が注記に書いています。

このページの内容

外壁用——メーカー公表の平米単価

当サイトが各製品のページを個別に取材(公式サイトの公表内容を確認)した数字です。いずれもメーカーが公表している価格で、実際の見積もり額ではありません。

製品(メーカー)公表されている価格期待耐用年数
ビーズコートSi
(スズカファイン)
2,500円/㎡(300㎡以上)
3,250円/㎡(300㎡未満)
※本品のみ・下塗りを含まない材工単価・税抜
水性セラミシリコン
(エスケー化研)
2,710円/㎡
※複層塗材の上塗りに用いる場合
12〜15年
エスケープレミアムシリコン
(エスケー化研)
2,920円/㎡14〜16年
水性弾性セラミシリコン
(エスケー化研)
2,930円/㎡12〜15年
パーフェクトトップSi
(日本ペイント・水性系)
4,350円/㎡(窯業系サイディング・3工程)
4,240円/㎡(コンクリート・モルタル)
4,260円/㎡(鉄部等)
ファインパーフェクトトップSi
(日本ペイント・弱溶剤系)
4,880円/㎡(窯業系サイディング・3工程)
4,760円/㎡(コンクリート・モルタル)
4,790円/㎡(鉄部等)
サンドフレッシュSi
(エスケー化研・石材調)
6,620円/㎡(改装仕様・下塗材SKカラーサーフ)
ファインDFセラミック
(日本ペイント・フッ素)
5,930円/㎡(3工程・平滑仕上げ)
4,580円/㎡(2工程トップコート)〜8,120円/㎡(4工程吹付タイル)
ファインフッソ
(日本ペイント・フッ素)
6,460円/㎡(3工程・なみがた仕上げ)

※エスケー化研は「設計価格」、日本ペイントは「材工価格」と呼び方が異なりますが、どちらも材料と施工を含む価格として公表されています。「—」はメーカーが公表していない項目です——期待耐用年数を公表する会社としない会社があり、公表している場合も「次の塗り替え時期の目安。地域、立地条件、方角等により異なるので参考値として」といった注記が添えられています。各製品の詳細と出典は、リンク先の個別ページに記載しています。

並べて分かること

同じ「シリコン系」でも、公表価格には開きがあります。そして価格差がそのまま耐用年数の差になっていないことにも注目してください。たとえばエスケー化研の3製品を見ると、2,920円/㎡(14〜16年)より2,930円/㎡(12〜15年)のほうが高い——後者はひび割れへの追従を買う製品だからです。金額は「年数」だけで決まっていません。

「グレードの階段」どおりには並んでいません

塗料の説明でよく見るアクリル→ウレタン→シリコン→フッ素→無機という階段があります。上に行くほど高くて長持ち、という説明です。ところが上の一覧は、その階段どおりに並んでいません

どれも同じ「シリコン系」の枠に入る製品でありながら、公表価格は2,500円/㎡から4,880円/㎡まで開いています。水性か弱溶剤か、どの下地に塗るか、下塗りを含むか、何工程か——同じ枠の中の条件差のほうが、金額を大きく動かしているということです。

同じことはフッ素でも起きています。ファインDFセラミックは同じ製品名のまま、2工程のトップコートで4,580円/㎡、4工程の吹付タイルで8,120円/㎡——1.8倍の幅が公式の価格表に並んでいます(フッ素塗料の値段)。

ですから「シリコンだからこの単価が相場」という当て方はできません。当てられるのは製品名まで分かったときだけです。グレードの階段そのものの読み方は塗料の種類のページに整理しました。

屋根用——メーカー公表の平米単価

屋根は下塗り材の指定が細かく、下地(スレートか金属か)で価格が分かれます。

製品(メーカー)スレート屋根金属・トタン屋根
クールタイトSi
(エスケー化研)
5,430円/㎡(下塗材込)5,380円/㎡(下塗材込)
サーモアイSi
(日本ペイント)
6,400円/㎡(3工程・下塗りサーモアイシーラー)6,240円/㎡(3工程・下塗りサーモアイプライマー)
ファインパーフェクトベスト
(日本ペイント)
5,420円/㎡(3工程・下塗りはファイン浸透シーラー透明またはホワイト)※適用下地はスレート屋根
パーフェクトクーラーベスト
(日本ペイント・遮熱)
5,450円/㎡(3工程・下塗りはパーフェクトクーラーサーフの場合)
ファインDFベスト
(日本ペイント・フッ素)
7,120円/㎡(3工程・下塗りはファイン浸透シーラー)※適用下地はスレート屋根
ガイナ
(日進産業)
4,300円/㎡(屋根面塗装のみ・白色)

外壁用と比べると、屋根用のほうが平米単価は高めです。下塗り材が専用品であること、工程数、作業姿勢の違いなどが背景にあります。屋根塗装の金額全体の考え方は屋根だけ塗る費用のページにまとめました。

この数字が戸建てに当てはまらない理由

ここがこのページでいちばん大事なところです。上の価格には、ほぼ共通して同じ注記が付いています。

メーカー公式の注記(例)

エスケー化研——「設計価格は、300㎡以上を基準とする材工共の価格であり、下地調整費は含んでおりません」

日本ペイント——「原則として300㎡以上を基準といたします」

日進産業(ガイナ)——材工価格は300㎡以上の屋根が基準と注記

300㎡です。戸建て1棟の外壁は、一般的な30坪前後の家でおおむね100㎡台。基準にまったく届きません。つまり公表されている単価は、マンションや工場のようなまとまった面積を前提にした数字だということです。

では、面積が小さいと実際どれだけ変わるのか。ここを数字で公開しているメーカーが1社あります。

施工面積公式の材工単価(ビーズコートSi)
300㎡以上2,500円/㎡
300㎡未満3,250円/㎡(+30%)
100㎡未満375,000円/一式(平米単価ではなくなる)
50㎡未満250,000円/一式

読み取れることが2つあります。①面積が小さくなると単価は上がる(この例では300㎡を切った時点で+30%)。②さらに小さくなると、メーカー自身が平米単価をやめて「一式」に切り替えている——小さい工事は面積に比例しないということを、メーカーが価格表で認めているわけです。

ですから、見積書の単価が上の一覧より高くても、それだけでは高すぎるとは言えません。むしろ、公表単価どおりの金額が並んでいたら、そちらのほうを確認したくなります——何が抜けているのか、と。

「下地調整費は含みません」の意味

もう一つの注記も効いてきます。下地調整費は含まれていません。下地調整とは、塗る前に壁を整える工程のことで、具体的には次のようなものです。

  • 高圧洗浄汚れや古い塗膜の粉を落とす工程。
  • ひび割れの補修本数と処理方法で積み上がります(外壁のひび割れ)。
  • 目地のシーリング打ち替えか増し打ちかで金額が変わります(コーキングの打ち替え)。
  • ケレン・下地の手当て鉄部のサビ落としなど。

これらは全部、平米単価の外側にあります。だから「塗料の単価×面積」で総額を計算しても、実際の見積もりには届きません。足場も同じく別枠です(見積書の内訳)。

「材料だけの値段」とは、別の数字です

もう一つ混同されやすいのが、材料価格と材工価格です。メーカーによっては、缶単位の材料価格も公開しています。たとえばガイナは14kg缶で68,000円、7kg缶で43,000円(いずれも消費税・送料を含まない、と公式に注記)という材料価格と、屋根面塗装のみで4,300円/㎡という材工価格の両方を公表しています。

この2つを並べると、塗装工事の金額の性格が見えます。缶の値段を見て「材料はこれだけしかしないのに、なぜ見積もりはこの額なのか」と考えると、ずれます。塗装は、足場を組み、洗い、下地を直し、乾かしながら3工程を重ねる作業で、金額の多くはそちらに乗っています。

DIYを検討する場合も同じ見方が要ります。材料代だけなら安く見えますが、足場・養生・乾燥時間の管理・高所作業の安全がまるごと自分の側に来ます。自分でやれる範囲の線引きはDIYのページにまとめました。

では、見積書の何を見るのか

単価の絶対値で判断できないなら、何を見ればいいのか。3つあります。

  • 1製品名が書かれているか「シリコン塗料」だけでは、上の表のどれなのか分かりません。製品名が書かれていれば、メーカーの公式ページで期待耐用年数も価格も自分で確かめられます。書けない理由は、基本的にありません
  • 2塗り回数(工程数)が書かれているか上の価格はいずれも3工程(下塗り+上塗り2回)が前提です。同じ製品名でも、回数が減れば金額は下がります。安い見積もりは、たいていどこかが引き算されています
  • 3面積が何㎡と書かれているか単価×面積が金額です。面積の出し方は会社によって違います。同じ家に各社が何㎡と書くかを並べると、それだけで差が見えます(屋根の見積書の見方

この3つが書かれていれば、金額の妥当性は自分で検算できます。逆に「外壁塗装工事 一式」で終わっている見積書は、比べる手がかりがありません。見積書の読み方は見積書の内訳のページ、金額そのものの妥当性はこの金額は妥当?のページにまとめています。

よくある質問

シリコン塗料の平米単価はいくらですか?

製品によって開きがあります。メーカー公表値では、エスケー化研の水性セラミシリコンが2,710円/㎡(複層塗材の上塗りに用いる場合)、エスケープレミアムシリコンが2,920円/㎡、日本ペイントのパーフェクトトップSiが4,350円/㎡(窯業系サイディング・3工程)などです。いずれも300㎡以上を基準とした材工価格で、戸建てではこの単価より高くなります。

屋根塗装の平米単価はいくらですか?

メーカー公表値では、エスケー化研のクールタイトSiがスレート屋根5,430円/㎡(下塗材込)、日本ペイントのサーモアイSiがスレート屋根6,400円/㎡(3工程)などです。外壁用より高めで、下地がスレートか金属かでも変わります。

見積書の単価がメーカーの公表価格より高いのですが、ぼったくりですか?

それだけでは判断できません。公表価格は300㎡以上を基準としており、戸建て1棟はその面積に届きません。実際に、面積別の単価を公開しているメーカーの例では300㎡を切った時点で+30%、さらに小さいと平米単価ではなく一式に切り替わっています。高いかどうかは、製品名・工程数・面積を揃えて他社と比べるのが確実です。

塗料の単価×面積で総額を計算できますか?

できません。公表価格には下地調整費(洗浄・ひび割れ補修・シーリングなど)が含まれていないと明記されています。足場も別です。総額の組み立ては見積書の内訳のページをご覧ください。

高い塗料を選べば長持ちしますか?

単純にはそうなりません。同じメーカーの製品でも、2,920円/㎡(期待耐用年数14〜16年)より2,930円/㎡(12〜15年)のほうが高いという例があります。後者はひび割れへの追従を買う製品だからです。金額は「年数」だけでなく「何の機能を買うか」で決まっています。

参考にした情報

最終確認日:2026年8月24日。メーカーの公表価格は改定されることがあります。また、ここに挙げた価格はメーカーが示す標準的な価格であり、実際の工事金額とは異なります。最新の内容は各メーカーの公式資料をご確認ください。

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