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外壁・屋根塗装の平米単価表——メーカーが公開している設計価格を並べました

見積書に「シリコン塗装 ◯◯円/㎡」と書かれていて、それが高いのか安いのか分からない。そういうときに使える手があります——塗料メーカーの多くは、材料と手間を含んだ価格(設計価格・材工価格)を公式サイトで公開しています。このページでは、当サイトが各社の公式ページで確認した数字を、製品ごとに並べました。そのうえで大事なことをもう一つ書きます。この数字は、そのままあなたの見積もりにはなりません。理由もメーカー自身が注記に書いています。

このページの内容全15項目

設計価格とは——メーカーが公表している「材料と手間の合計」

見積書に「平米あたり◯◯円」と書かれていても、その数字が高いのか安いのか、比べる相手がなければ判断できません。実は塗料メーカー自身が、製品ごとの標準的な価格を公式に公開しています。それが設計価格です。

この言葉は、メーカーによって呼び方が違います。エスケー化研とロックペイントは「設計価格」、日本ペイントは「材工価格」。呼び名は違いますが、どれも材料代と塗る手間を合わせた1平米あたりの価格です。検索するときに「設計単価」と打つ人もいますが、指しているものは同じです。

価格表の見出しには「材工共(ざいこうとも)」という書き方も出てきます。材料(材)と施工(工)が共に入っている、という意味です。「材工」だけで同じ意味に使うこともあります。逆に、材料費と施工費を分けて書く方式は「材工分離」「材工別」と呼ばれます。見積書で「材工共」と書かれた行は、その1行の中に材料代と職人の手間が両方入っている——ただし足場や下地調整までは入っていない、という意味になります。

大事なのは、この価格に何が入っていて、何が入っていないかです。メーカーは価格表の注記にはっきり書いています。ロックペイントの設計価格表には「足場代、下地調整代、養生代、諸経費などは含まれておりません」とあります。

項目設計価格に含まれるか
塗料そのものの代金入っています
塗る職人の手間入っています
下塗り・中塗り・上塗りの工程入っています(何工程かは製品ごとに注記されています)
足場入っていません
高圧洗浄・養生入っていません
ひび割れなどの下地調整入っていません
現場管理費・諸経費入っていません

つまり設計価格は、工事の総額ではなく「塗る部分だけの値段」です。ここを取り違えると、見積書を見たときに「メーカーは2,350円と言っているのに、うちの見積書は倍以上ある」という誤解が生まれます。30坪の総額のうち、塗料の材工が占めるのは3割前後です。

設計価格を手に持って見積書を開くなら、先に見積書そのものの読み方をそろえておくほうが、順番として早いです。単価が高いか安いかより、単価の横に何が書かれているかのほうが先に効きます(見積書で見る4点)。

定価・オープン価格とは、どう違うのか

塗料には、設計価格のほかにもいくつかの「価格」があります。混ざりやすいので分けておきます。

呼び方何の値段か
設計価格・材工価格材料+塗る手間の1平米あたりの価格。このページで並べているのはこれです
材料価格・希望小売価格缶の値段。日進産業はガイナを14kg缶68,000円と公表しています(消費税・送料を含まない、と注記あり)
オープン価格メーカーが価格を示さず、売る側が決める形。この場合はメーカーの資料に金額が載りません

缶の値段と平米単価は、どちらも「塗料の値段」ですが別の数字です。缶の値段から総額を出そうとすると、1缶で何平米塗れるか(標準塗付量)と、何回塗るかを自分で計算することになります。その計算をメーカー側で済ませてあるのが設計価格です。

「掛け率」を知っても、見積書は読めません

設計価格を調べていると「掛け率」という言葉に行き当たります。公表価格の何割で実際に取引されているのか、という話です。

ただ、このページで引用している5社(エスケー化研・日本ペイント・ロックペイント・スズカファイン・日進産業)の価格表に、掛け率は出てきません。取引の条件は相手や数量で変わるものなので、価格表に載る種類の数字ではないのだと思います。

そして仮に材料の掛け率が分かったとしても、見積書は読めません。設計価格は材料と手間が合わさった数字で、その内訳をメーカー自身が分けていないからです。材料が何割引きかを当てても、職人の手間賃は別途で、しかもそこには足場も洗浄も下地補修も入っていません。

見積書を判断するために見るのは、掛け率ではなく製品名・工程数・面積の3つです。この3つが揃えば、下の表と突き合わせられます。

外壁用——エスケー化研・日本ペイント・ロックペイントが公表している平米単価

メーカーの設計価格と、家の見積額は同じ数字ではありません

設計価格と見積額の違いメーカー設計価格は材料と施工の基準であり、戸建て見積額には面積、下地、足場、付帯部などが加わる。メーカーの設計価格塗料・標準的な施工の基準戸建ての見積額面積・下地・足場・付帯部も入る単価だけで工事全体の高い・安いは決めない
比較するときは、どこまで含んだ単価なのかをそろえます。

当サイトが各製品のページを個別に取材(公式サイトの公表内容を確認)した数字です。いずれもメーカーが公表している価格で、実際の見積もり額ではありません。

製品(メーカー)公表されている価格期待耐用年数
ビーズコートSi
(スズカファイン)
2,500円/㎡(300㎡以上)
3,250円/㎡(300㎡未満)
※本品のみ・下塗りを含まない材工単価・税抜
—
水性セラミシリコン
(エスケー化研)
2,710円/㎡
※上塗材としての価格(複層塗材の上塗りに用いる場合)
12〜15年
エスケープレミアムシリコン
(エスケー化研)
2,920円/㎡
※上塗材としての価格(下塗りを含まない)。下塗り込みの価格は別に公表されています
14〜16年
水性弾性セラミシリコン
(エスケー化研)
2,930円/㎡
※上塗材としての価格(下塗りを含まない)
12〜15年
パーフェクトトップSi
(日本ペイント・水性系)
4,350円/㎡(窯業系サイディング・3工程)
4,240円/㎡(コンクリート・モルタル)
4,260円/㎡(鉄部等)
—
ファインパーフェクトトップSi
(日本ペイント・弱溶剤系)
4,880円/㎡(窯業系サイディング・3工程)
4,760円/㎡(コンクリート・モルタル)
4,790円/㎡(鉄部等)
—
サンドフレッシュSi
(エスケー化研・石材調)
6,620円/㎡(改装仕様・下塗材SKカラーサーフ)—
ファインDFセラミック
(日本ペイント・フッ素)
5,930円/㎡(3工程・平滑仕上げ)
4,580円/㎡(2工程トップコート)〜8,120円/㎡(4工程吹付タイル)
—
ファインフッソ
(日本ペイント・フッ素)
6,460円/㎡(3工程・なみがた仕上げ)—
ダイナロックⅢ
(ロックペイント・ウレタン)
2,000円/㎡—
ユメロック
(ロックペイント)
2,350円/㎡—
1液ユメロックDX
(ロックペイント)
2,450円/㎡—
ハイパーユメロック
(ロックペイント)
2,750円/㎡—
サンフロンUV
(ロックペイント・フッ素)
3,600円/㎡—

※エスケー化研は「設計価格」、日本ペイントは「材工価格」と呼び方が異なりますが、どちらも材料と施工を含む価格として公表されています。ロックペイントも設計価格表を公開しており、条件は「同一淡彩色300㎡以上を基準とする材工共の価格」(税抜)で「足場代、下地調整代、養生代、諸経費などは含まれておりません」と明記されています。「—」はメーカーが公表していない項目です——期待耐用年数を公表する会社としない会社があり、公表している場合も「次の塗り替え時期の目安。地域、立地条件、方角等により異なるので参考値として」といった注記が添えられています。各製品の詳細と出典は、リンク先の個別ページに記載しています。

並べて分かること

同じ「シリコン系」でも、公表価格には開きがあります。そして価格差がそのまま耐用年数の差になっていないことにも注目してください。たとえばエスケー化研の3製品を見ると、2,920円/㎡(14〜16年)より2,930円/㎡(12〜15年)のほうが高い——後者はひび割れへの追従を買う製品だからです。金額は「年数」だけで決まっていません。

1社の全製品が1枚のPDFに並んでいる例

上の一覧は、当サイトが製品ページを1つずつ確認して集めたものです。——ところがなかには、全製品の材工設計参考価格を1枚のPDFで公開しているメーカーもあります。プレマテックスがそれです。2026年9月版の主な行を並べます。

製品(シリーズ)種別材工設計参考価格
ウルトラSi(ウルトラペイント)1液水性シリコン2,550円/㎡
ウルトラクリヤー(ウルトラペイント)1液水性クリヤー2,700円/㎡
ウルトラフッ素(ウルトラペイント)1液水性フッ素3,100円/㎡
ウルトラMUKI/ウルトラルーフ/ウルトラGゼロコート1液水性 無機系・艶消し3,150円/㎡
ウルトラ有機HRC(ウルトラペイント)1液水性 有機HRC3,400円/㎡
タテイルα プレミアムエディション(タテイル)油性2液弱溶剤 超低汚染形無機3,500円/㎡
グランデシリコン(グランデ)水溶性2液溶剤 シリコン3,550円/㎡
グランデ無機(グランデ)水溶性2液溶剤 無機3,950円/㎡
グランデ有機HRC(グランデ)水溶性2液溶剤 有機HRC4,350円/㎡
タテイル/タテイルフロン(タテイル)油性2液弱溶剤 超耐候形無機/水性2液フッ素ハイブリッド形無機4,900円/㎡
T2(タテイル2)(タテイル)油性2液弱溶剤 有機HRC樹脂5,500円/㎡
ウルトラTOP(上塗材保護用コート)上塗りの上に重ねる保護コート1,350円/㎡(1回)

出典:プレマテックス「プレマテックス製品一覧(材工設計参考価格)」2026年9月版。ウルトラTOPを除き塗装工程はいずれも2回です。同表の冒頭には「材工設計価格は300㎡以上の場合の参考価格です。平米数の少ない場合は割高になります。」「足場代・下地調整代等は含まれていません。」と明記されています。

1社の中で並べると見えること

同じ樹脂でも、溶媒と液数で値段が変わります。——「有機HRC」という同じ樹脂の製品が3つあり、1液水性のウルトラ有機HRCが3,400円、水溶性2液溶剤のグランデ有機HRCが4,350円、油性2液弱溶剤のT2が5,500円。2,100円の幅があります。

そしてグランデシリーズは400円ずつきれいに上がります(シリコン3,550/無機3,950/有機HRC4,350)。同じ溶媒・同じ液数で樹脂だけが違うので、グレードを1段上げるといくら増えるかが、そのまま読める表になっています。外壁120㎡なら1段で4万8千円の差です。

ですから「有機HRCで見積もりを」と伝えるだけでは、どれが出てくるか分かりません。製品名を最後まで確認してください。

工程の数と、使う量まで価格表に書いているメーカー

ここまでは「1㎡いくら」という数字を見てきました。東日本塗料の「積算単価表」は、その1行に工程の数と使う量まで入っています。断熱塗材のシリーズを例に、表をそのまま並べます。

工法名設計単価工程使う材料と使用量(kg/㎡)
断熱コートEX
波形スレート屋根面
4,100円3カチオン浸透エポプライマー 0.15/断熱コートEX 0.5/同 0.5
断熱コートEX
トタン・鋼板屋根面
4,200円3遮熱サビ止めプライマー 0.16/断熱コートEX 0.5/同 0.5
断熱コートEX
防水仕様
4,400円4遮熱サビ止めプライマー 0.16/端末テープ/断熱コートEX 0.5/同 0.5
断熱コートEX
壁面(壁紙面・スチップル仕上)
6,000円3カチオン浸透エポプライマー 0.15/断熱コートEX 0.5/同 0.5
断熱コート
波形スレート屋根面
5,400円5上の3工程+スーパートップ遮熱 0.15/同 0.15
断熱コート
防水仕様
5,700円6上に端末テープと仕上げ2工程が入ります

出典:東日本塗料「【内外装】積算単価表」(価格実施2025年4月1日・価格有効期限は次回改正まで)。同表の注記に「注1=工法はエアレス塗装の場合。」「※淡色を基準に積算しています。濃色については割高となりますのでお問い合わせください。」(断熱コートは「断熱コートの白を基準に積算しています」)。単位は円/㎡。2026年9月13日確認。

この表から、ほかの価格表では読めないことが3つ読めます。

ひとつめ。同じ製品でも、屋根か壁かで単価が違います。断熱コートEXは波形スレート屋根面で4,100円、壁面(壁紙面・スチップル仕上)で6,000円。壁のほうが1,900円高いという並びです。関西ペイントが「同じ塗料でも屋根材で価格が異なる」としていたのと同じ話が、屋根と壁のあいだにもあります。

ふたつめ。工程が増えると、いくら増えるかが分かります。断熱コートEX(3工程)4,100円に対し、仕上げのスーパートップ遮熱を2工程足した断熱コート(5工程)が5,400円。2工程で1,300円です。「3回塗りか、5回塗りか」は見積書でよく揉めるところですが、その差額の目安がメーカーの表に載っていることになります。

みっつめ。使う量が桁で違います。この断熱塗材は上塗り1回あたり0.5kg/㎡で、2回なら1.0kg/㎡。——このページの上で見た1液水性シリコン(ウルトラSi)は0.12〜0.15kg/㎡×2回で0.24〜0.30kg/㎡でした。3倍以上です。断熱や遮熱をうたう塗材が高いのは、樹脂のグレードだけでなく、そもそも厚く塗るという理由もあります。

この価格表の前提(原文)
  • 「記載価格は、300㎡以上を規準とします。」
  • 「下地処理・養生代・足場代・諸経費は別途見積となります。」
  • 「設計単価には、消費税は含みません。」
  • 「施工現場の下地条件、温度条件により施工方法及び単価も異なります。」
  • 「価格実施=2025年4月1日」「価格有効期限=次回改正まで」

4社目も「300㎡以上」でした。——プレマテックス・エスケー化研・菊水化学工業・関西ペイント(外壁)・東日本塗料。会社をまたいで同じ基準です。そして5社とも、足場代と下地調整代は入っていません。

「グレードの階段」どおりには並んでいません

塗料の説明でよく見るアクリル→ウレタン→シリコン→フッ素→無機という階段があります。上に行くほど高くて長持ち、という説明です。ところが上の一覧は、その階段どおりに並んでいません。

どれも同じ「シリコン系」の枠に入る製品でありながら、公表価格は2,500円/㎡から4,880円/㎡まで開いています。水性か弱溶剤か、どの下地に塗るか、下塗りを含むか、何工程か——同じ枠の中の条件差のほうが、金額を大きく動かしているということです。

同じことはフッ素でも起きています。ファインDFセラミックは同じ製品名のまま、2工程のトップコートで4,580円/㎡、4工程の吹付タイルで8,120円/㎡——1.8倍の幅が公式の価格表に並んでいます(フッ素塗料の値段)。

ですから「シリコンだからこの単価が相場」という当て方はできません。当てられるのは製品名まで分かったときだけです。なお、メーカーごとに公表している項目そのものが違います(価格を出す会社・出さない会社があります)。その違いは日本ペイントと関西ペイントの比べ方にまとめました。グレードの階段そのものの読み方は塗料の種類のページに整理しました。

※軒天・鉄部・基礎といった付帯部の単価は、別ページにまとめました。同じ設計価格表の中で、付帯部は「50㎡の場合は1.80倍」という注記が付いています(付帯部の塗装単価)。

屋根用——メーカー公表の平米単価

屋根は下塗り材の指定が細かく、下地(スレートか金属か)で価格が分かれます。

製品(メーカー)スレート屋根金属・トタン屋根
クールタイトSi
(エスケー化研)
5,430円/㎡(下塗材込)5,380円/㎡(下塗材込)
サーモアイSi
(日本ペイント)
6,400円/㎡(3工程・下塗りサーモアイシーラー)6,240円/㎡(3工程・下塗りサーモアイプライマー)
ファインパーフェクトベスト
(日本ペイント)
5,420円/㎡(3工程・下塗りはファイン浸透シーラー透明またはホワイト)※適用下地はスレート屋根
パーフェクトクーラーベスト
(日本ペイント・遮熱)
5,450円/㎡(3工程・下塗りはパーフェクトクーラーサーフの場合)
ファインDFベスト
(日本ペイント・フッ素)
7,120円/㎡(3工程・下塗りはファイン浸透シーラー)※適用下地はスレート屋根
サーモアイDF
(日本ペイント・フッ素・遮熱)
7,580円/㎡(3工程・下塗りサーモアイシーラー・平滑)7,420円/㎡(3工程・下塗りサーモアイプライマー・平滑)
ガイナ
(日進産業)
4,300円/㎡(屋根面塗装のみ・白色)

同じ塗料でも、屋根材が違うと単価が変わります

上の表は屋根材を2列に分けていますが、実際はもっと細かく分かれています。エスケー化研の設計価格表は、同じ製品を下地ごとに別の行で載せています。

製品下地設計価格指定されている下塗材
一液プレミアムルーフシリコン
超耐候形一液弱溶剤特殊シリコン樹脂屋根用塗料・艶有り
トタン屋根3,940円/㎡マイルドサビガード
トタン屋根4,000円/㎡SKマイルドボーセイ
カラーベスト4,390円/㎡一液マイルドシーラーES
スレート屋根4,600円/㎡マイルドシーラーEPO
エスケープレミアムルーフSi
超耐候形二液NAD特殊シリコン樹脂屋根用塗料
トタン屋根4,870円/㎡SKマイルドボーセイ
カラーベスト・スレート屋根5,250円/㎡マイルドシーラーEPO
クールタイトF
低汚染・超耐久型ふっ素樹脂系屋根用遮熱塗料
トタン屋根6,290円/㎡トタンはクールタイトプライマー、カラーベスト・スレートはマイルドシーラーEPOホワイト
カラーベスト・スレート屋根6,340円/㎡
クールタイトSi
同・アクリルシリコン樹脂系
トタン屋根5,380円/㎡同上
カラーベスト・スレート屋根5,430円/㎡

エスケー化研「設計価格表2026年度版」掲載19頁「屋根用塗料」より、当サイトが書き出しました(2026年9月10日確認)。いずれもシーラー・プライマー込みの価格です。クールタイトSi・FにはJIS K 5675(屋根用高日射反射率塗料2種)の認証マークが付いています(艶有りが対象)。

この表が教えてくれること

①同じ上塗りで、660円/㎡の差が出ます。一液プレミアムルーフシリコンは、トタン屋根なら3,940円/㎡、スレート屋根なら4,600円/㎡。上塗りは同じ製品です。違うのは下塗材だけ。

②同じ屋根材でも、下塗材の選択で動きます。トタン屋根の行が2つあり、マイルドサビガードなら3,940円/㎡、SKマイルドボーセイなら4,000円/㎡。金属屋根の下塗りは、さび止めをどれにするかの選択です(トタン屋根)。

③だから見積もりで屋根材を聞かれます。「うちの屋根は何ですか」が決まらないと、下塗材が決まらず、単価も決まりません。「カラーベスト」「コロニアル」「スレート」「トタン」——どれなのかを最初に確かめてください(屋根材の製品名/スレート屋根)。

逆に言うと、見積書に「屋根塗装 一式」としか書かれていない場合、この選択が見えません。上塗りの製品名だけでなく、下塗材の製品名まで書いてあるかを見てください。屋根の見積書の読み方は屋根の見積書の見方にまとめています。

外壁用と比べると、屋根用のほうが平米単価は高めです。下塗り材が専用品であること、工程数、作業姿勢の違いなどが背景にあります。屋根塗装の金額全体の考え方は屋根だけ塗る費用のページにまとめました。

この数字が戸建てに当てはまらない理由

ここがこのページでいちばん大事なところです。上の価格には、ほぼ共通して同じ注記が付いています。

メーカー公式の注記(原文)

エスケー化研「設計価格表2026年度版」の巻末——「設計価格は、新築下地で同一淡彩色300m2以上を(特に指定がない場合)基準とする材工共の価格です。」

同じ注記の並びに、こう続きます——「設計価格には、法定福利費、下地調整費、足場代、養生費、運搬費、諸経費は含まれておりません。」「改装の場合は下地の状況や仕様により割高になりますので予めご了承ください。」「淡色をベースに積算しています。濃色及び特殊鮮明色については割高となる場合があります。」

日本ペイント——「原則として300㎡以上を基準といたします」/日進産業(ガイナ)——材工価格は300㎡以上の屋根が基準と注記

この一文には、条件が3つ入っています。「新築下地で」「同一淡彩色」「300㎡以上」。ふつう注目されるのは面積だけですが、戸建ての塗り替えは、3つとも外れます。

メーカーが基準にしている条件戸建ての塗り替えでは
新築下地外れます。塗り替えは「改装」です。同じ注記に「改装の場合は下地の状況や仕様により割高になります」と書かれています
同一淡彩色外れることがあります。「淡色をベースに積算しています。濃色及び特殊鮮明色については割高となる場合があります」——濃い色や鮮やかな色に変えるなら、この条件から出ます
300㎡以上外れます。30坪前後の家の外壁は、おおむね100㎡台。基準の3分の1ほどです

つまり公表されている単価は、新しい建物に、淡い色で、まとまった面積を塗ることを前提にした数字です。マンションや工場、あるいは新築時の塗装がこれに当たります。築十数年の戸建てを、好きな色に塗り替える工事は、メーカーが基準にした条件のどれにも当てはまっていません。

では、面積が小さいと実際どれだけ変わるのか

ここを数字で公開しているメーカーが3社あります。書き方はそれぞれ違い、出てくる答えも、3社目で変わりました。

1社目はスズカファインです。ビーズコートSiの材工単価を、面積の帯ごとに公表しています。

施工面積公式の材工単価(ビーズコートSi)
300㎡以上2,500円/㎡
300㎡未満3,250円/㎡(+30%)
100㎡未満375,000円/一式(平米単価ではなくなる)
50㎡未満250,000円/一式

読み取れることが2つあります。①面積が小さくなると単価は上がる(この例では300㎡を切った時点で+30%)。②さらに小さくなると、メーカー自身が平米単価をやめて「一式」に切り替えている——小さい工事は面積に比例しないということを、メーカーが価格表で認めているわけです。

2社目——「100㎡」の列がある価格表

もう1社はエスケー化研です。こちらは帯ではなく、価格表そのものが2列に分かれています。「100㎡」と「300㎡以上」です。

同社の設計価格表2026年度版を最初から最後まで見ましたが、この2列を持っているのは2ページ・3シリーズだけでした(エスケープレミアムシリーズ/エスケープレミアム無機シリーズ/エスケープレミアムTASAI工法)。ほかのページは設計価格の列が1本だけで、その基準は巻末の注記(300㎡以上)に任されています。上の注記にある「(特に指定がない場合)」が効いているところです。

エスケープレミアム無機(窯業系サイディング)の行を、下塗材ごとに並べます。いずれもシーラー込みの材工共・円/㎡です。

下塗材100㎡300㎡以上差
エスケーハイブリッドシーラーEPO6,2804,830+1,450
水性ハイブリッドシーラー6,3304,870+1,460
水性SDサーフエポプレミアム6,9905,380+1,610
マイルドSDサーフエポプレミアム7,3805,680+1,700

同じ製品、同じ壁、同じ下塗材で、面積が違うだけで1,400〜1,700円/㎡変わります。外壁120㎡なら、それだけで17万〜20万円の差です。

ここまでの2社は、同じ+30%でした

上の4行を割り算すると、100㎡は300㎡以上の1.30倍です(6,280÷4,830=1.30、7,380÷5,680=1.30)。3シリーズのどの行を取っても同じで、ずれるのは十円単位に丸めたぶんだけでした。

そしてスズカファインが「300㎡未満は+30%」と書いていた数字と、これが一致します。別々の会社が、別々の書き方で、同じ+30%を出している——ここまでなら「小面積の割増はおよそ3割」と言えそうに見えます。ところが3社目で、そうはいきませんでした。

もう1つ、この表は下塗材の選び方でも金額が動くことを示しています。同じプレミアム無機を同じ窯業系サイディングに塗るのに、100㎡の列で6,280円から7,380円まで1,100円/㎡の幅があります。外壁120㎡なら13万円ほどです。見積書に下塗りの製品名が書いてあるかどうかは、この幅を確かめられるかどうかという話でもあります。

3社目——菊水化学の「150㎡」の列で、話が変わりました

3社目は菊水化学工業です。同社も全製品の設計価格を1枚のPDFで公開していて(「設計価格 2026」全32ページ)、「ロイヤルセレクション」というシリーズには「150㎡」と「300㎡以上」の2列があります。

エスケー化研が100㎡、菊水化学が150㎡。基準の300㎡に近いのは、菊水化学の150㎡のほうです。——ということは、割増も小さいはずだと思って割り算しました。結果は逆でした。

製品名(品種)150㎡300㎡以上倍率
ロイヤル無機α
(1液水系超低汚染ハイエンド無機塗料)
5,9004,1001.44倍
ロイヤル無機
(1液水系超低汚染ハイブリッド無機塗料)
5,2003,6001.44倍
ロイヤルシリコン
(1液水系トリプルブロック型シリコン樹脂塗料)
4,2002,9501.42倍
ロイヤル無機α遮熱6,2004,3001.44倍
ロイヤル無機遮熱5,5003,8001.45倍
ロイヤルシリコン遮熱4,4003,1001.42倍
ロイヤル無機αクリヤー
(サイディング用・2液弱溶剤形)
5,7003,8001.50倍
ロイヤル無機クリヤー(同)4,7003,2001.47倍
ロイヤルセラクリヤー(同)4,2002,9001.45倍
ロイヤル無機フレッシュ遮熱
(砂壁調意匠性塗材用)
6,5004,4001.48倍
ロイヤルフレッシュ遮熱(同)5,0003,4001.47倍

出典:菊水化学工業「設計価格 2026」(Ver.1-1)の「33 ロイヤルセレクション」外壁用上塗材・外壁用上塗材(遮熱)・サイディング用クリヤー・砂壁調意匠性塗材用上塗材。単位は円/㎡の設計価格材工共。倍率は当サイトの計算です。2026年9月13日確認。

3社を並べると、一致していませんでした

メーカー小さいほうの面積300㎡以上に対する倍率
スズカファイン300㎡未満1.30倍(+30%と明記)
エスケー化研100㎡1.30倍
菊水化学工業150㎡1.42〜1.50倍

面積が大きいほうが、割増が大きくなっています。エスケー化研の100㎡で1.30倍、菊水化学の150㎡で1.42〜1.50倍。面積だけで決まっているなら、逆になるはずの並びです。

ここから言えることは、2つです。

ひとつめ。「面積が小さいと単価が上がる」は、3社とも同じでした。——書き方(帯で示すか、列で示すか)は違っても、向きは一致しています。この原則自体は信頼してよさそうです。

ふたつめ。割増の幅は、会社によって違います。——「小面積は3割増し」という数字を、業界共通の割増率のように使うことはできません。当サイトも、前の項で2社が一致したところまでで止めるべきでした。3社目を見て、そこは修正しています。

読者にとっての意味は、はっきりしています。——自宅の面積での金額は、自宅の面積で出してもらうしかありません。公表されている300㎡以上の単価に、自分で3割を足して当てるという使い方は、少なくともこの3社の数字では成り立ちません(面積の考え方)。

菊水化学の価格表が前提にしていること

同社の価格表も、冒頭に条件が並んでいます。エスケー化研の巻末注記とほぼ同じ内容ですが、書き方が少し違います。

菊水化学工業「設計価格 2026」の共通注意事項より(原文)
  • 「価格は、当社標準仕様による新築工事で同一色300㎡以上を基準とします。小面積及び特殊な場合は、別途お見積りさせていただきます。」
  • 「仕上塗材の価格は下地調整費を含みません。」
  • 「改修・塗替の場合は、下地の状況や仕様により異なる場合がありますのでご相談ください。」
  • 「淡色を基準に積算しています。特殊鮮明色・濃色及び特別仕様は割高になる場合があります。」
  • 「この設計価格は、法定福利費・消費税を含んでいません。」
  • 「価格は、全国共通標準価格です。ただし遠隔地、地域によっては若干価格が異なる場合があります」

関西ペイントも設計価格表を公開しています(カタログNo.265・2026年7月現在)。そしてこの会社だけ、基準の書き方が違いました。——「材工共設計価格です。施工規模300㎡以上(屋根は100㎡以上)を基準と致します。これより少ない面積の場合は割高となります。」。外壁と屋根で基準を分けているのは、ここまで見た会社の中でこの1社だけです(屋根の話は屋根塗装の費用のページ)。

「新築工事で」「同一色」「300㎡以上」——条件が3つあるところまで、エスケー化研とまったく同じです。そして「小面積及び特殊な場合は、別途お見積りさせていただきます」と続きます。150㎡の列を持っていてなお、そう書かれています。

もう1つ、この価格表で気づくことがあります。150㎡の列があるのは上塗材だけで、下塗材の行は「300㎡以上」の価格しか載っていません。ロイヤルバンノウエポ(サイディング下地1,100円/㎡・モルタル下地1,450円/㎡)、ロイヤルパワーシーラーSP(1,000〜1,300円/㎡)、ロイヤルサーフ(1,250円/㎡)——いずれも150㎡の欄は「−」です。上塗材でも、ロイヤルプロテクト(保護クリヤー2,000円/㎡)とロイヤルトップスター(付帯部用2,900円/㎡)は同じく「−」でした。

つまり小面積の価格を出している製品と、出していない製品があります。「メーカーの価格表に載っているから」という理由で単価を当てるときは、その行に自分の面積の列があるかどうかまで見てください。

同じ製品が、同じ価格表に2回、違う値段で載っています

ここが、平米単価をいちばんややこしくしているところだと思います。エスケープレミアムシリコンを例にします。

どこに載っているか公表価格条件
「上塗材」のページ2,920円/㎡上塗材としての価格。下塗りは含まない
「エスケープレミアムシリーズ」のページ3,910円/㎡窯業系サイディング・水性ハイブリッドシーラー込み・300㎡以上
同上(100㎡の列)5,080円/㎡同じ条件で100㎡

2,920円と5,080円の差は1.74倍。どちらもエスケー化研の公表値で、どちらも正しい数字です。違っているのは「下塗りを含むか」と「100㎡か300㎡か」の2点だけです。

ですから、「シリコンの平米単価は◯◯円」という話は、条件を言わないと意味がありません。同じ会社の同じ製品ですら、条件しだいで倍近く動くからです。下の一覧でエスケー化研の3製品に「上塗材としての価格」と付けているのは、そのためです。

ですから、見積書の単価が上の一覧より高くても、それだけでは高すぎるとは言えません。むしろ、公表単価どおりの金額が並んでいたら、そちらのほうを確認したくなります——何が抜けているのか、と。

サイトによって平米単価が2,000円とも9,000円とも書いてある理由

単価の差は、塗料だけでなく前提の違いでも出ます

平米単価が違う理由平米単価は塗料の種類、塗る面積、下地補修の有無、足場や付帯部を含むかで異なる。塗料の種類塗る面積下地の状態含む工事数字を比べる前に、条件を同じにする
単価の数字は、条件の説明が付いて初めて比較できます。

平米単価を調べていると、数字がまるでそろっていないことに気づくと思います。2,000円台と書いてあるページもあれば、5,000〜9,000円と書いてあるページもあります。どれかが間違っているというより、単価の中に入れているものが違います。

その単価に入っているものだいたいの水準
上塗りの塗料と手間だけ2,000〜3,000円台。メーカーの「上塗材」ページの数字がここ
下塗りまで含む(材工共)4,000〜6,000円台。300㎡以上ならこのあたり
同じものを100㎡で5,000〜7,000円台。上の1.30倍
足場・洗浄・下地調整・諸経費まで全部入れて面積で割るここまで入れると、もっと大きくなります。ただしそれは「単価」ではなく、工事の総額を面積で割った数字です

ですから、単価どうしを見比べるときは、金額より先に「何が入っているか」をそろえてください。そこがそろっていない数字は、そもそも比べられません。

「下地調整費は含みません」の意味

もう一つの注記も効いてきます。下地調整費は含まれていません。下地調整とは、塗る前に壁を整える工程のことで、具体的には次のようなものです。

  • 高圧洗浄汚れや古い塗膜の粉を落とす工程。
  • ひび割れの補修本数と処理方法で積み上がります(外壁のひび割れ)。
  • 目地のシーリング打ち替えか増し打ちかで金額が変わります(コーキングの打ち替え)。
  • ケレン・下地の手当て鉄部のサビ落としなど。

これらは全部、平米単価の外側にあります。だから「塗料の単価×面積」で総額を計算しても、実際の見積もりには届きません。足場も同じく別枠です(見積書の内訳)。

「材料だけの値段」とは、別の数字です

もう一つ混同されやすいのが、材料価格と材工価格です。メーカーによっては、缶単位の材料価格も公開しています。たとえばガイナは14kg缶で68,000円、7kg缶で43,000円(いずれも消費税・送料を含まない、と公式に注記)という材料価格と、屋根面塗装のみで4,300円/㎡という材工価格の両方を公表しています。

「所要量」と「塗付量」は別の言葉です(菊水化学工業の定義)

缶の値段から自分で計算しようとすると、必ずこの2語に当たります。菊水化学工業の設計価格表は、巻頭でこう定義しています。

  • 「所要量」とは、施工器具や施工方法による様々なロスを考慮した値で、希釈液を考慮せず、製品のみの使用質量です。
  • 「塗付量」とは、実際に施工面に塗り付ける量で、希釈液を考慮せず製品のみの使用質量です。
  • いずれも「なお、2回塗りの場合、2回分の所要量(塗付量)が記載されております。」

つまり所要量のほうが、ローラーや刷毛に残るぶんだけ大きい数字になります。缶数を計算するときに使うのは所要量のほうです。そしてその数字が1回分なのか2回分なのかで、答えが倍変わります。メーカーの資料を読むときは、この2語のどちらが書かれているかを見てください。

この2つを並べると、塗装工事の金額の性格が見えます。缶の値段を見て「材料はこれだけしかしないのに、なぜ見積もりはこの額なのか」と考えると、ずれます。塗装は、足場を組み、洗い、下地を直し、乾かしながら3工程を重ねる作業で、金額の多くはそちらに乗っています。

DIYを検討する場合も同じ見方が要ります。材料代だけなら安く見えますが、足場・養生・乾燥時間の管理・高所作業の安全がまるごと自分の側に来ます。自分でやれる範囲の線引きはDIYのページにまとめました。

では、見積書の何を見るのか

単価の絶対値で判断できないなら、何を見ればいいのか。3つあります。

  • 1製品名が書かれているか「シリコン塗料」だけでは、上の表のどれなのか分かりません。製品名が書かれていれば、メーカーの公式ページで期待耐用年数も価格も自分で確かめられます。書けない理由は、基本的にありません
  • 2塗り回数(工程数)が書かれているか上の価格はいずれも3工程(下塗り+上塗り2回)が前提です。同じ製品名でも、回数が減れば金額は下がります。安い見積もりは、たいていどこかが引き算されています
  • 3面積が何㎡と書かれているか単価×面積が金額です。面積の出し方は会社によって違います。同じ家に各社が何㎡と書くかを並べると、それだけで差が見えます。国の積算基準では窓の差し引き方(1か所0.5㎡以下は引かない)まで決まっています——数え方は塗装面積の出し方のページへ(屋根の見積書の見方)

この3つが書かれていれば、金額の妥当性は自分で検算できます。逆に「外壁塗装工事 一式」で終わっている見積書は、比べる手がかりがありません。見積書の読み方は見積書の内訳のページ、金額そのものの妥当性はこの金額は妥当?のページにまとめています。

そして、この3点がいちばん効くのは「2通目の見積書を持っているとき」です。1通だけだと、製品名も回数も面積も「そういうものか」で終わってしまう。同じ家を別の会社にも見てもらうと、3つとも並べて比べられます——同じ壁を各社が何㎡と書くかだけでも、金額の差の理由が見えてきます。

よくある質問

見積書では、単価より先に3つを確認します

見積書の単価を読む三つの確認見積書の単価は、塗料の商品名、塗る面積と回数、下地処理など含む範囲を確認して読む。商品名面積・回数含む範囲単価の行を、工事内容と切り離して読まない
単価だけを比べるより、見積書の条件をそろえるほうが判断に役立ちます。

平米単価が安ければ、総額も安くなりますか?

そうとは限りません。——単価×面積なので、面積の出し方が違えば総額は変わります。単価だけを見比べるのではなく、㎡数もそろえて比べてください(塗装面積の出し方)。

単価に何が含まれているのですか?

会社によって違います。——塗料代だけの場合もあれば、手間まで含む場合もあります。だから「この単価には何が入っていますか」と聞いてください。ここがそろっていないと、比較になりません。

グレードを上げると、いくら変わりますか?

差額は面積によります。——判断のしかたとしては、「安い塗料で2回塗る(足場も2回)」と「長持ちする塗料で1回」を比べてください。塗料の差額が足場代を超えるなら、安いほうを選ぶ意味があります。

いちばん安い塗料でも大丈夫ですか?

持ちが短くなるだけで、悪いものではありません。——次の塗り替えまでの年数を買っていると考えてください。「10年後に住み替えや建て替えを考えている」なら、高いグレードにお金をかける理由は薄くなります。

相場より安い単価を出されました

行を数えてください。——下塗り・中塗り・上塗りが別の行になっているか。高圧洗浄と下地補修の行があるか。製品名が書いてあるか。安いのではなく、やらない工事が多いだけということがあります(手抜き工事の見抜き方)。

塗料の量から検算できますか?

できます。——製品ごとに1㎡あたりの標準塗付け量がカタログに載っています。面積×塗付け量×塗る回数で、必要な量のおおよそが出ます。「使った缶を片付ける前に写真に撮っておいてもらえますか」と頼めば、あとから突き合わせられます。

シリコン塗料の平米単価はいくらですか?

製品によって開きがあります。メーカー公表値では、エスケー化研の水性セラミシリコンが2,710円/㎡(複層塗材の上塗りに用いる場合)、エスケープレミアムシリコンが2,920円/㎡、日本ペイントのパーフェクトトップSiが4,350円/㎡(窯業系サイディング・3工程)などです。ただしエスケー化研の2つは「上塗材」としての価格で、下塗りを含みません。同じエスケープレミアムシリコンでも、下塗り込みなら300㎡以上で3,910円/㎡、100㎡の列では5,080円/㎡と公表されています。いずれも300㎡以上・新築下地・同一淡彩色を基準とした材工価格で、戸建ての塗り替えではこの単価より高くなります。

屋根塗装の平米単価はいくらですか?

メーカー公表値では、エスケー化研のクールタイトSiがスレート屋根5,430円/㎡(下塗材込)、日本ペイントのサーモアイSiがスレート屋根6,400円/㎡(3工程)などです。外壁用より高めで、下地がスレートか金属かでも変わります。

見積書の単価がメーカーの公表価格より高いのですが、ぼったくりですか?

それだけでは判断できません。公表価格は300㎡以上を基準としており、戸建て1棟はその面積に届きません。実際に、面積別の単価を公開しているメーカー2社が、そろって+30%という差を示しています(300㎡を切った時点で+30%、100㎡の列は300㎡以上の1.30倍)。片方はさらに小さい工事で平米単価をやめ、一式に切り替えています。高いかどうかは、製品名・工程数・面積を揃えて他社と比べるのが確実です。

塗料の単価×面積で総額を計算できますか?

できません。公表価格には下地調整費(洗浄・ひび割れ補修・シーリングなど)が含まれていないと明記されています。足場も別です。総額の組み立ては見積書の内訳のページをご覧ください。

見積書の「材工共」とはどういう意味ですか?

材料と施工が共に入っている、という意味です。——材料(材)と施工(工)が共に入っている、という意味です。「ざいこうとも」と読みます。「材工」だけで同じ意味に使うこともあります。逆に材料費と施工費を分けて書く方式は「材工分離」「材工別」と呼ばれます。ただし材工共の1行に入っているのは材料代と職人の手間までで、足場・高圧洗浄・下地調整・諸経費は入っていません。

外壁が100㎡くらいの家だと、いくらになりますか?

メーカーの公表値なら「塗る部分だけ」で63万〜74万円ほどです。——エスケー化研が100㎡の列を公開しているので、そこから読めます。エスケープレミアム無機を窯業系サイディングに塗る場合、100㎡の列は下塗材しだいで6,280〜7,380円/㎡。100㎡なら63万〜74万円です。ただしこれは塗る部分だけの金額で、足場・高圧洗浄・下地調整・諸経費・消費税はすべて別です。総額の組み立ては見積書の内訳、坪数からの目安は30坪の相場をご覧ください。

なぜサイトによって平米単価が2,000円だったり9,000円だったりするのですか?

単価の中に入れているものが違うからです。——上塗りの塗料と手間だけなら2,000〜3,000円台、下塗りまで含めると4,000〜6,000円台、それを100㎡の条件で見ると5,000〜7,000円台になります。さらに足場・洗浄・下地調整・諸経費まで入れて面積で割れば、もっと大きくなります。金額を見比べる前に、何が入っているかをそろえてください。

高い塗料を選べば長持ちしますか?

単純にはそうなりません。同じメーカーの製品でも、2,920円/㎡(期待耐用年数14〜16年)より2,930円/㎡(12〜15年)のほうが高いという例があります。後者はひび割れへの追従を買う製品だからです。金額は「年数」だけでなく「何の機能を買うか」で決まっています。

ただし、ここまで見てきたとおりこの単価がそのまま自分の家に当てはまることはありません。戸建ての面積では条件が違いますし、下地の状態でも変わります。実際の金額は、何社かに現地を見てもらって出してもらうしかありません。そのとき、このページの数字は「提案された塗料が相場からどのあたりか」を確かめる物差しとして使えます。

屋根の見積もりで、なぜ屋根材の種類を聞かれるのですか?

下塗材が屋根材ごとに決まっていて、それで単価が変わるからです。エスケー化研の設計価格表は同じ製品を下地ごとに別の行で載せていて、一液プレミアムルーフシリコンならトタン屋根3,940円/㎡・カラーベスト4,390円/㎡・スレート屋根4,600円/㎡。上塗りは同じ製品で、違うのは下塗材だけです(マイルドサビガード/一液マイルドシーラーES/マイルドシーラーEPO)。つまり屋根材が決まらないと下塗材が決まらず、単価も決まりません。

屋根の見積書では、どこを見ればいいですか?

上塗りの製品名だけでなく、下塗材の製品名まで書いてあるかを見てください。屋根は下塗材が下地ごとに指定されていて、そこで金額が動きます。同じトタン屋根でも、さび止めをマイルドサビガードにするかSKマイルドボーセイにするかで単価が違います(3,940円/㎡と4,000円/㎡)。「屋根塗装 一式」だけの見積書では、この選択が見えません。

参考にした情報

  • 東日本塗料株式会社「【内外装】積算単価表」(価格実施2025年4月1日・価格有効期限は次回改正まで)——遮熱シリーズ「断熱コートEX」「断熱コート」の工法名/設計単価/工程/使用材料/容量/使用量(kg/㎡)の各行、および巻頭のINFORMATION(「記載価格は、300㎡以上を規準とします。」「下地処理・養生代・足場代・諸経費は別途見積となります。」「設計単価には、消費税は含みません。」「施工現場の下地条件、温度条件により施工方法及び単価も異なります。」「各製品をご使用の際は必ずカタログをご参照下さい。」)。同PDFは画像のみでテキスト層を持たないため、当サイトでOCRしたうえで該当ページを画像として開き、表の行と数値を目視で照合しています。2026年9月13日確認
  • 関西ペイント株式会社「設計価格表」(カタログNo.265・2026年7月現在)——「設計価格表について」(2026年7月現在のものであり消費税を含まないこと/標準膜厚・標準所要量は同社の標準数値であり個々の施主規格値とは若干相違することがあること)および「設計価格表の注意事項」全6項(とくに「材工共設計価格です。施工規模300㎡以上(屋根は100㎡以上)を基準と致します。これより少ない面積の場合は割高となります。」)。2026年9月13日確認
  • 菊水化学工業株式会社「設計価格 2026」(Ver.1-1・全32ページ)——「33 ロイヤルセレクション」の外壁用上塗材・同(遮熱)・サイディング用クリヤー・砂壁調意匠性塗材用上塗材・屋根用上塗材・下塗材・基礎巾木保護材・付帯部用上塗材の各行(設計価格材工共・円/㎡、150㎡列と300㎡以上列)、および巻頭「カタログのご利用案内 共通注意事項」全13項(新築工事で同一色300㎡以上を基準とすること、小面積及び特殊な場合は別途見積りとすること、仕上塗材の価格は下地調整費を含まないこと、改修・塗替は下地の状況や仕様により異なること、淡色を基準に積算していること、法定福利費・消費税を含まないこと、全国共通標準価格であること、「所要量」と「塗付量」の定義、2026年6月時点で算出したものであることほか)。2026年9月13日確認
  • プレマテックス株式会社 公式サイト「各種資料 > 仕様書 > プレマテックス製品一覧(材工設計参考価格)」2026年9月版——ウルトラペイントシリーズ・タテイルシリーズ・グランデシリーズ各製品の製品名/種別/荷姿/塗布面積(回)/材工設計参考価格/塗装工程、および冒頭の但し書き(目安であること/300㎡以上を前提とし平米数が少ないと割高になること/足場代・下地調整代等を含まないこと/2026年9月時点の価格であること)。2026年9月13日確認
  • 各製品の価格・期待耐用年数・注記は、メーカー各社の公式サイトで当サイトが確認した内容です。製品ごとの原文引用と確認日は、それぞれの個別ページに記載しています——エスケープレミアムシリコン/セラミシリコン(水性・弾性)/ビーズコートSi/パーフェクトトップ/ジョリパットと石材調/サーモアイSi・クールタイトSi/ガイナ
  • 面積別の材工単価(300㎡以上/300㎡未満/100㎡未満/50㎡未満)はスズカファインの公表値。出典はビーズコートSiのページに記載
  • エスケー化研「設計価格表2026年度版」(同社公式サイトの製品情報>価格表より・2026年9月9日に当サイトが確認)。掲載19頁「屋根用塗料」(一液プレミアムルーフシリコン/エスケープレミアムルーフSi/クールタイトF・Si の下地別価格と指定下塗材、JIS K 5675の認証)は2026年9月10日に確認。100㎡と300㎡以上の2列を持つのは掲載27頁(エスケープレミアムシリーズ)・28頁(エスケープレミアム無機シリーズ・エスケープレミアムTASAI工法)。上塗材の単価は掲載17頁。基準と除外項目の注記は巻末(掲載33頁の後)
  • 足場の単価および見積書の構成は見積書の内訳のページの根拠を参照

最終確認日:2026年9月9日(エスケー化研の設計価格表2026年度版を確認)。メーカーの公表価格は改定されることがあります。また、ここに挙げた価格はメーカーが示す標準的な価格であり、実際の工事金額とは異なります。最新の内容は各メーカーの公式資料をご確認ください。

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