外壁塗装30坪の費用相場——サイトごとに金額が違う理由まで

「外壁塗装 30坪」で調べると、60万円ほどと書くサイトも、100万円を超えると書くサイトもあります。どちらも嘘ではありません。前提が違うだけです。このページでは先に相場の帯を出し、そのあとで「なぜサイトごとに金額が違うのか」を種明かしします。届いた見積もりを自分で判断できるようになるのがゴールです。

このページの内容

30坪の相場表——届いた見積もりはここに当てる

延べ床面積30坪前後の2階建てが前提です。足場を組み、洗浄と下地の補修を済ませ、シーリングを直し、下塗りから上塗りまで3回を塗り切る——省略のない標準工事の金額(税込・足場代込み)です。

工事の範囲塗料のグレード費用の帯(税込)
外壁のみシリコン・ラジカル約100〜130万円
フッ素・無機約120〜160万円
外壁+屋根シリコン・ラジカル約130〜160万円
フッ素・無機約160〜200万円

※この帯の作り方は費用シミュレーターと同じ基準です(どのデータから作ったか、なぜ安い帯を省いてあるかは、シミュレーターのページで説明しています)。正確な数字は、建物をじかに見た見積もりだけが出せます。

いま手元に見積もりがある方は、まず工事の範囲(外壁だけか、屋根も入っているか)をそろえてからこの表に当ててください。範囲を確認せずに金額だけ比べるのが、いちばん多いつまずき方です。

相場がサイトごとにバラバラな3つの理由

同じ「30坪の相場」を調べているのに、あるサイトは「60〜90万円」、別のサイトは「100万円を超える」と書いています。検索結果の上位を片っ端から並べて確かめたところ、差の出どころは3つでした。

「外壁のみ」と「屋根込み」が混ざっている

相場記事の金額が、外壁だけの数字なのか屋根も含んだ数字なのかは、記事によって違います。この差だけで30万円前後動くので、条件を書かずに金額だけ並べると帯は一気に広がります。

記事の公開年が違う

塗料・足場・人件費の値上がりで、外壁塗装の費用はここ数年で確実に上がっています。数年前に公開された記事の数字は、当時は正しくても今の見積もりとは合いません。私たちが検索結果を確認した範囲でも、公開が古い記事ほど安い金額が載っていました。

安い帯は、工事の中身が違う

下限が60万円あたりから始まるサイトもあります。その帯には、下塗りを飛ばす、上塗りを1回減らすといった、完成した写真からは判別できない削り方が紛れ込みやすくなります。このページの表がその帯を含めていないのは、それが理由です。

つまり「サイトによって相場が違う」のは、誰かが間違えているからではなく、範囲・時期・工事の中身という前提をそろえずに金額だけが流通しているからです。値上がりの内訳(塗料・足場・人件費に何が起きているか)は相場・費用ガイドにまとめてあります。

「30坪」と塗る面積は、別の数字です

もうひとつ、金額に幅を持たせている種明かしをもうひとつ書きます。ふだん「30坪の家」と言うときの坪数は延べ床面積、つまり床の広さです。ところが塗装の見積もりは、実際に塗る外壁の表面積から組み立てられます。

同じ延べ床30坪でも、総2階の四角い家と、1階が広くて凹凸の多い家では、外壁の表面積が違います。窓が多ければ塗る面積は減り、そのぶん養生の手間は増えます。床の広さが同じでも、塗る面積と手間は家ごとに違う——だから「30坪ならいくら」の正確な答えは、現地で建物を測らないかぎり出せません。

このページの帯は、その揺れ幅を含んだ「モノサシ」として使ってください。自分の条件(坪数・範囲・グレード)を変えて試したい方は費用シミュレーターが早いです。

帯と比べたら、次にどう動くか

見積もりを表に当てた結果は、「帯の中」「帯より高い」「帯を大きく下回る」の3つしかありません。それぞれ次にやることが違います。

届いた見積もりを、帯に当てたら

見積もり金額を相場の帯と比べたあとの判断の流れ 見積もりを相場表に当て、帯の中なら内訳を確認して2〜3社で比較する。帯より高い場合は何の上乗せかを聞き、名前のつく理由なら正当な場合がある。帯を大きく下回る場合は塗り回数・下塗り・シーリングを確認する。どの場合も金額だけでは決めない。 見積もりを、上の相場表に当てる 先に「外壁のみ/屋根込み」の範囲をそろえる 帯の中だった 相場としては妥当です 塗料名・塗り回数・シーリング の書かれ方を確認して、 2〜3社を同じ条件で比べる 帯より高かった 「何が上乗せか」を聞く 傷みの補修・3階建て・濃い色 などは正当な理由になりうる。 説明が返ってこなければ保留 帯を大きく下回った どこかが省かれていないか確認 ①塗り回数 ②下塗りの塗料名 ③シーリングは打ち替えか 答えが曖昧なら候補から外す どの場合も、金額だけでは決めない
帯は「合格ライン」ではなく質問を始めるための基準線です。高くても安くても、筋の通った説明が返ってくる会社を残してください。

帯より高くても、正当なことがあります

帯の上限を超えたからといって、その見積もりが「高すぎる」とは限りません。上乗せに名前がついているかを見てください。

  • 下地の補修が増えた——ひび割れや剥がれの処理が多ければ、そのぶん金額は上がります。放置してから塗るほうが結局高くつく、というのはこのことです
  • 3階建て・隣家との距離が近い——足場が大きくなったり、組み方に手間がかかったりします
  • 濃い色や原色に近い色を選んだ——濃彩色は顔料が高く、同じグレードでも塗料代が変わります。色と金額の関係は外壁塗装の色で詳しく書いています
  • ベランダの防水や雨樋の交換を足した——これらは塗装工事の外側に足される項目です。足場が立っているうちに済ませてしまう発想自体は理にかなっています

逆に、金額が上がっているのに見積書のどの行が増えたのか説明できない場合は、いったん持ち帰ってください。その場で決める必要はありません。

帯を大きく下回る金額が出てきたら

先に書いたとおり、この表は安すぎる帯を含めない作りになっています。ですから、表を大きく下回る見積もりが来たときに確認することは、値引きの理由ではなく工事の中身です。聞くことは3つだけです。

  • 回数塗りは何回ですか。下塗りに使う塗料の商品名も、見積書に書いてもらえますか商品名まで書面に残せるなら、その工程は実際にやる前提になっています
  • 洗浄高圧洗浄と下地処理は、見積もりの金額に入っていますか入っていないなら、その安さは工程の省略で作られています
  • 目地シーリングは打ち替えですか、増し打ちですかどちらなのかで工事量が大きく変わる項目です。答えを書面に残してもらいましょう

まともな会社なら、この3つには即答できます。答えがあいまいなまま安さだけを推してくる場合、その安さは工事が終わった時点では目に見えない場所から出ています。なぜ安すぎる受注が手抜きにつながりやすいのか、その構造はトラブルとクーリングオフのページに書きました。

安くしたい気持ち自体は当然です。ただ、その手段は「いちばん安い1社を探すこと」ではなく、同じ条件で複数社を比べて、説明のつく金額を選ぶことです。

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この表の出どころ

  • 金額の帯は費用シミュレーターと同一基準(出典の一覧と、低価格帯を除いた考え方はシミュレーターの「この帯の根拠」欄に記載)
  • 「サイトごとに金額が違う理由」の節は、「外壁塗装 30坪」の検索結果上位(紹介サイト・塗装店のブログ計8件)の公開金額と公開年を実際に確認して書いています

この表は判断の目安で、見積書の代わりにはなりません。掲載金額は年1回見直します。最終確認日:2026年8月17日。