外壁塗装の色|色見本の見方と、色で値段が変わる話
外壁の色を選ぶとき、ほとんどの人が知らないことが1つあります。色によって、塗料そのものの値段が変わります。しかも、濃い色まで行くと倍以上になることもあります。まず色見本の見方から、そして値段の話までまとめました。
このページの内容
- 色見本は「日塗工」で見る
- 色によって、塗料の値段が変わります
- いま検索されている色
- ツヤは5段階から選べます
- サイディングは単色で塗ると模様が消えます
- 屋根の色は事情が違います
- 黒っぽい色は夏に熱くなります
色見本は「日塗工」で見る
塗装業者と色の話をすると、「日塗工(にっとこう)」という言葉が出てきます。一般社団法人 日本塗料工業会が出している塗料用標準色の色見本帳のことで、国内メーカーのほとんどの製品で、この番号を使って色を指定できます。
「この色でお願いします」と伝えるとき、カタログの雰囲気ではなくこの番号で指定すれば、メーカーが違っても同じ色になります。だから現場では日塗工が共通言語になっています。
色番号の読み方
日塗工の番号は、次のように分かれています。
日塗工の色番号は3つの情報でできている
つまりN-90は明るいグレー、N-30はかなり濃いグレーです。数字を見れば明るさの見当がつきます。
色見本は小さな紙片なので、実際に外壁一面に塗ると見本より明るく感じることがあります。気になる場合は、大きめの色見本を借りられるか業者に聞いてみてください。ただ、現場の感覚では「思っていた色と全然違った」という失敗はそれほど多くありません。日塗工の番号で確認していれば、おおむね思ったとおりの色になります。
色によって、塗料の値段が変わります
ここが、このページで一番お伝えしたいことです。
塗料は、メーカーに発注するときに「淡彩色」「中彩色」「濃彩色」といった色のランクで分かれていて、ランクによって値段が変わります。さらに赤系・青系・黄系といった色の系統ごとにも区分があります。
理由はシンプルで、顔料の値段です
色をつくる顔料そのものの価格が違います。いちばん安いのは白系で、鮮やかな色・濃い色になるほど高くなります。濃彩色まで行くと、倍以上になることもあります。とくに赤系と青系の濃い色は、はっきり高いです。
おおまかなイメージ:原色に近づくほど高い
「明るさ」だけでは決まりません
ここは誤解されやすいところです。「濃い色=暗い色」ではありません。
たとえば無彩色のグレーなら、N-30あたりから濃彩色として扱われることがあります。ところが05-60L——さきほどの読み方でいうと赤系で、明度は60(中くらいの明るさ)——のような色も、濃彩色に分類されることがあります。明るさが中くらいでも、色の系統と鮮やかさによって濃彩になるわけです。
だから「何番から濃彩」とは言い切れません
区分の線引きはメーカーによって違いますし、呼び方も各社で変わります。ネット上の「N-◯◯以下が濃彩」という説明を鵜呑みにしないでください。
確実なのは、色見本帳に価格ランクが書かれていることと、業者に聞けば分かることです。
見積もりの前に、この一言を
- 色を決める前この色にすると、塗料の値段は変わりますか?気に入った色が濃彩色だった場合、先に知っておけば「この色の淡いほうにする」といった選択ができます。塗り始めてからでは遅いです
- 見積書を見てこの見積もりは、どの色で計算していますか?色が決まる前の見積書は、標準的な色で計算されていることがあります。あとから濃い色を選ぶと差額が出る場合があります
もうひとつ、現場の話を。出にくい色は、どうしても出にくいということがあります。とくに紫系の濃い色などは、調色しても思ったとおりに発色しないことがあります。これは職人側の悩みで、めったに起きることではありませんが、珍しい色を希望するときは早めに相談してください。
いま検索されている色
参考までに、外壁の色として実際にどれくらい調べられているかを見てみます。Googleでの月間検索数です。
| 色 | 月間検索数(外壁塗装+色名) |
|---|---|
| グレー | 720——他を大きく引き離しています |
| 黒 | 210 |
| 白 | 140 |
| ネイビー | 110 |
出典:ラッコキーワード 一括キーワード調査(集計期間2025年8月〜2026年7月・地域Japan・2026年8月時点)。
グレーが圧倒的です。汚れが目立ちにくく、どんな屋根や玄関ドアとも合わせやすいこと、そして無彩色なので塗料のランクとしても選びやすいことが理由として考えられます。
いっぽうで黒とネイビーは、濃い色ならではの注意点があります。値段が上がりやすいこと、そして次の章で書くとおり夏に熱を持ちやすいことです。
ツヤは5段階から選べます
色と同じくらい仕上がりの印象を変えるのがツヤです。多くの製品で、次のように段階が用意されています。
| ツヤ | 印象 |
|---|---|
| ツヤあり | 光沢がしっかり出ます。新築のような仕上がり |
| 7分ツヤ | やや光沢を抑えた仕上がり |
| 半ツヤ(5分) | 中間。落ち着いた印象になります |
| 3分ツヤ | かなりマットに近づきます |
| 艶消し | 光沢のない、しっとりした仕上がり |
ツヤを落とすと、多少の割増になります。また、製品によっては最初から艶消しのものもあるので、その場合は選ぶ必要がありません。
艶消しには、知っておくべき弱点があります
艶消しは汚れがつきやすく、そして目立ちやすいです。表面に細かな凹凸ができるぶん、汚れが留まりやすくなります。落ち着いた見た目は魅力ですが、幹線道路沿いなど汚れやすい環境では、ツヤを残したほうが長くきれいに見えます。
サイディングは単色で塗ると模様が消えます
いまの住宅で多い窯業系サイディングには、レンガ調・石目調・タイル調といった模様がついています。
ここに1色で塗りつぶすと、その模様が消えてしまいます。凹凸は残りますが、色の陰影がなくなるため、のっぺりとした印象になります。せっかくの意匠が失われるのは、正直もったいないところです。
これに対して、2色を使って意匠を残す塗り方があります。まず全面をベースになる色で塗り、そのあと毛の短いローラーで、出っ張っている部分だけ別の色を乗せるという方法です。エスケー化研の「窯業系サイディング多彩塗り替え工法 エスケープレミアムTASAI工法」などがこれにあたり、各メーカーが名前を変えて同種の工法を持っています。
値段は上がりますが、見栄えは格段に良くなります。模様のあるサイディングにお住まいなら、単色で塗る前に一度相談してみる価値があります。
対応できる業者は限られます。また、いわゆる「特殊塗装」と呼ばれる仕上げになると、施工できる店がさらに限られ、金額も大きく上がります。まずは「うちのサイディングで2色塗りはできますか」と聞いてみてください。
屋根の色は事情が違います
外壁と同じ感覚で屋根の色を選ぼうとすると、少し勝手が違います。
屋根用の塗料には「純正色」と呼ばれる、あらかじめ用意された色があります。この中から選ぶぶんには、基本的に値段は同じか、少し高くなる程度です。外壁のように色で大きく変わるわけではありません。
ただし製品によっては調色そのものができないものもあります。「この色にしたい」と思っても、屋根では選べないことがある、と知っておいてください。
黒っぽい色は夏に熱くなります
これは色選びの現実的な話です。黒系の外壁や屋根は、夏に熱を持ちます。近年の夏を考えると、無視できない要素です。
暑さを和らげたい場合、遮熱塗料(日本ペイントの「サーモアイ」など)という選択肢があります。太陽光を反射して、表面温度の上昇を抑えるタイプの塗料です。断熱塗料(「キルコ」など)はまた別のもので、熱の伝わりを抑える考え方の製品です。どちらも通常の塗料より高くなります。
ただし、遮熱でいちばん効くのは結局「白」です
遮熱塗料はカタログに色ごとの反射率が載っています。そこを見ると、白がもっとも反射率が高いことが分かります。つまり「黒っぽい色にしたいけれど涼しくしたい」という希望は、ある程度までしか叶いません。色の好みと涼しさは、どこかで折り合いをつける必要があります。
もうひとつ大事なことを。遮熱・断熱・低汚染・防カビなど、いろいろな機能をうたう塗料がありますが、「結局、何年もつのか」は機能ではなく塗料のグレードで決まります。遮熱だから長持ちする、ということではありません。耐用年数はシリコン・フッ素・無機といったグレードの話です。
あわせて読みたい
参考にした情報
- 一般社団法人 日本塗料工業会「塗料用標準色」色見本帳(色番号の体系)
- エスケー化研「エスケープレミアムシリーズ」(窯業系サイディング多彩塗り替え工法 エスケープレミアムTASAI工法)
- 塗料メーカー各社の製品カタログ(色のランク区分・ツヤの段階・遮熱塗料の日射反射率)
- ラッコキーワード 一括キーワード調査(集計期間2025年8月〜2026年7月・地域Japan)
- 塗料の販売・調色に携わった経験のある実務者への取材
色のランク区分・価格差・ツヤの設定は、メーカーおよび製品によって異なります。実際の金額は、必ず見積もりを取って確認してください。最終確認日:2026年8月16日。