外壁のカラーシミュレーション——無料の公式ツールを実際に開いて分類しました
「無料で使えるカラーシミュレーションはどれ?」——いちばん多い疑問です。塗料メーカーの公式ツールは実在しますし、無料で使えます。ただし調べてみると種類が3つに分かれていて、目的が違いました。そして「自宅の写真に色を当てるタイプ」を探している人は、少し遠回りをしている可能性があります——それは施主が自分で使うものではなく、業者が持っている道具だからです。実際に各社の公式ページを開いて確認した内容と、シミュレーションで色を決めてはいけない理由をまとめます。
このページの内容
- 無料の公式ツールは3タイプあります
- 実際に開いて確認した一覧
- 「日本ペイントのアプリは無料?」への答え
- 自宅の写真でやりたい人へ
- 🔑画面の色を信じてはいけない3つの理由
- 正しい使い方——絞る道具として
- シミュレーションどおりに仕上がるとは限りません
- よくある質問
- 参考にした情報
無料の公式ツールは3タイプあります
「カラーシミュレーション」とひとくくりにされていますが、実際に各社の公式ページを開くと目的の違う3種類がありました。
- ①塗り替え用のシミュレーター用意されたモデル住宅を選び、塗り替えたときの色を試すもの。いま住んでいる家を塗り替える人向けです。
- ②配色の提案コンテンツ色を試すのではなく、プロが作った配色パターンを見せてくれるもの。「どう組み合わせればいいか分からない」段階で効きます。
- ③外壁材(新築・張り替え)用のシミュレーター外壁材メーカーが提供しているもので、塗り替えではなく、材料を選ぶためのツール。3Dで外観を作れるものもあります。
塗り替えを考えている人が使うべきなのは①です。③はよくできていますが、「その外壁材に張り替える」前提なので、塗り替えの色選びには直結しません。
実際に開いて確認した一覧
2026年8月時点で、公式サイトを開いて確認した内容です。
| 提供元 | 名称・タイプ | 確認できた内容 |
|---|---|---|
| エスケー化研 | 住宅塗り替えシミュレーション ①塗り替え用 | 戸建住宅14種類のモデルから選ぶ方式。アパート・マンション・工場のモデルもあります。単色だけでなく、サイディングの凹凸を活かした2色塗り(TASAI工法)や多彩模様塗料のシミュレーションも試せます |
| 日本ペイント | PERFECT Color Design ②配色提案 | カラーコーディネーター監修の配色提案。お家の形状(築年数別・和洋折衷/南欧風/キューブ/洋風の複合屋根・寄棟・片流れ)、外観イメージ(アーバン/ナチュラル/グレイス/和風/カジュアル)、色の系統、人気ランキング(当社調べ)の4つの入口から選べます |
| ケイミュー | 自分でつくる!外観シミュレーション ③外壁材用 | 利用無料・会員登録不要・インストール不要と明記。41種類の3D住宅プランから選び、同社の外壁材で外観を作れます。作成したデザインはダウンロード可能(打合せに持参できます) |
| ニチハ | 住まCo(住宅外観シミュレーション) ③外壁材用 | 同社の外壁材ラインアップから外観をコーディネートするサービス |
| 関西ペイント | スマートカラー〜塗替えコーディネート〜 ①塗り替え用 | 公式ページに「実際の色合いは見本帳またはカラーサンプルで確認を」「画面上の色はモニターによって異なる」と注意書きがあります |
名称・内容は2026年8月時点で各社の公式ページを開いて確認したものです。ツールの仕様は変更されることがあります。第三者サイトで紹介されているアプリ名のうち、公式サイトで確認できなかったものは掲載していません。
「日本ペイントのアプリは無料?」への答え
この質問がとても多いので、確認した内容をそのまま書きます。
日本ペイントの公式サイトで確認できるのは「PERFECT Color Design」で、無料で使えます。ただしこれは自宅の写真に色を当てるツールではありません。カラーコーディネーターが作った配色プランを、家の形やイメージから探すコンテンツです。
使いどころははっきりしています。「何色にするか」より前の、「どう組み合わせるか分からない」段階です。外壁の色だけを単体で選んでも家はまとまらないので(ツートンのページ参照)、外壁・屋根・付帯部の組み合わせを提案として見られるのは実用的です。
自分の家に近い形状を選べるのもポイントで、寄棟・片流れ・複合屋根といった屋根の形から入れます。自分の家の屋根がどれか分からない場合は屋根の形のページで見分けられます。
自宅の写真でやりたい人へ
「モデル住宅ではなく、うちの家の写真で見たい」——当然の希望です。ここで知っておくと近道になることがあります。
自宅の写真を使うタイプのシミュレーションは、塗料メーカーが「塗装会社向け」に提供しているものが中心です。たとえばアステックペイントの「マイカラーシミュレーション」は、施工会社が施主に提案するためのツールとして案内されています。
つまり自宅の写真でのシミュレーションは、業者に頼むのがいちばん早いということです。実際、見積もりや打ち合わせの段階で「うちの写真でシミュレーションを作ってもらえますか」と聞けば、対応できる業者はその場で分かります。無料で作ってくれる会社もあります。
これは業者を見分ける材料にもなります。作れる/作れないは会社の設備の話なので優劣ではありませんが、「作れません」と答えたときに、代わりに何を提案してくるか——塗り板を作る、近くの施工事例に案内する、色見本を大きいサイズで用意する——そこに丁寧さが出ます。
ここでもうひとつ。シミュレーションは1社だけに作ってもらうと、比べる相手がいません。同じ家の写真でも、提案してくる配色は会社によって変わります。片方は無難にまとめ、もう片方は屋根とのコントラストを提案してくる——提案の幅そのものが選ぶ材料になります。複数社に見てもらえば、色の提案と金額の両方が並びます。色を先に決め切ってから業者を探すより、「まだ迷っている」状態で相談したほうが、選択肢は増えます。
画面の色を信じてはいけない3つの理由
ここがこのページでいちばん大事なところです。シミュレーションで色を「決めて」はいけません。理由は3つあります。
- 1モニターによって色が変わります同じ画像でも、パソコン・スマホ・機種・明るさ設定で発色が違います。メーカー自身が公式ページに「画面上の色はご使用のモニターによって実際の色合いと異なって表示されます」と書いています。作った側がそう言っているものを、色決定の根拠にはできません
- 2面積効果があります同じ色でも、壁一面になると明るく見えます。小さな画面や色見本で見た印象より、実物は明るく・薄く感じられます。シミュレーションの画像は「小さな面積」なので、この誤差が必ず乗ります(色のページ)
- 3光が再現されていません実際の外壁は、朝・昼・夕方で見え方が変わります。北面と南面でも違います。曇りの日と晴れの日でも違う。画面の中の家は、そのどれでもない一定の光の下にあります
つまりシミュレーションは「その色がどう見えるか」を教えてくれる道具ではありません。「その組み合わせが好みかどうか」を確かめる道具です。
正しい使い方——絞る道具として
そのうえで、シミュレーションは使う価値のある道具です。順番を守れば効きます。
- ①系統を2〜3個に絞るグレー系・ベージュ系・ネイビー系のように、方向を決めるところまで使います。ここまでは画面で十分です。
- ②画像を保存して、打ち合わせに持っていく「この雰囲気にしたい」を言葉で伝えるのは難しいので、画像があると話が速くなります。「この写真に近い色番はどれですか」と聞けば、日塗工の色番での具体的な会話に入れます。
- ③最後は塗り板を、屋外の光で見るここを省いてはいけません。A4以上の実物サンプル(塗り板)を作ってもらい、実際の壁に当てて、時間帯を変えて見る。晴れの日と曇りの日で見られればなお良いです。
この3段階を踏めば、「塗り上がってから思っていた色と違う」はほぼ防げます。逆に、①だけで決めると高い確率で後悔します。色ごとの後悔しやすいパターンはやめたほうがいい色はある?にまとめました。
シミュレーションどおりに仕上がるとは限りません
画面の色と実物が違うという話をしましたが、もうひとつ別の理由があります。同じ色番を指定しても、仕上がりは業者によって変わります。
下地をどこまで落とすか、塗料をどれだけ薄めるか、乾燥時間をきちんと取るか——この3つで、色の出方も、ツヤも、もちも変わります。シミュレーションはあくまで「その色で塗ったら」という前提の絵であって、その前提が成立するかどうかは施工の中身次第だということです。詳しくはやめたほうがいい色はある?の後半に書きました。
だから色を決め切ってから業者を探すより、色を絞った状態で複数社に相談するほうが、判断材料は増えます。同じ色で見積もりを出してもらえば、金額だけでなく「何回塗るか」「下地に何をするか」の差も並びます——一括見積もりサービスの比較はそのための入口です。
よくある質問
無料のカラーシミュレーションアプリはありますか?
塗料メーカー・外壁材メーカーがブラウザで使える無料ツールを公開しています(上の一覧)。ケイミューのツールは「利用無料・会員登録不要・インストール不要」と明記されています。第三者サイトではアプリ名がいくつも紹介されていますが、当サイトでは公式ページで確認できたものだけを載せています。
シミュレーションの色と、実際の仕上がりはどれくらい違いますか?
「どれくらい」を数字で言うことはできません——モニター・面積・光の3つが重なるためです。確実なのは同じ方向にズレやすいことで、実物は画面で見た色より明るく・薄く感じられることが多いです。濃いめが好みなら、候補より一段濃い色も塗り板で見ておくと選びやすくなります。
業者のシミュレーションは有料ですか?
会社によります。無料で作る会社もあれば、契約後のサービスとしている会社もあります。見積もりの段階で「シミュレーションは作ってもらえますか」と聞いてください。それ自体が、その会社が色決めにどれくらい手間をかけるかの目安になります。
屋根の色もシミュレーションできますか?
できるツールが多いです。ただし屋根は塗料の選択肢が外壁と違い、製品の「純正色」から選ぶ形になることがあります。また色によって夏の暑さが変わります(遮熱塗料のページ)。屋根は見た目だけで決めない領域です。
サイディングの模様は、シミュレーションどおりに残りますか?
ここは注意が必要です。模様のあるサイディングを単色で塗りつぶすと、凹凸の陰影が消えて平らに見えます。エスケー化研のツールでは凸部だけ別の色を乗せる2色塗り(TASAI工法)や多彩模様塗料のシミュレーションも用意されています。模様を残したいなら、その工法に対応できる業者かどうかを先に確認してください(サイディングのページ)。
参考にした情報
- エスケー化研「住宅塗り替えシミュレーション」(公式・戸建住宅14種のモデル/TASAI工法・マルチカラーⅡのシミュレーション対応/2026年8月確認)
- 日本ペイント「PERFECT Color Design」(公式・カラーコーディネーター監修の配色提案/お家の形状・外観イメージ・色の系統・人気ランキングの4つの入口/2026年8月確認)
- ケイミュー「自分でつくる!外観シミュレーション」(公式・利用無料/会員登録不要/41種類の3D住宅プラン/データ出力可/2026年8月確認)
- ニチハ「住まCo」(公式・外観シミュレーションサービス)、関西ペイント「スマートカラー〜塗替えコーディネート〜」(公式・画面上の色はモニターによって異なる旨の注記あり)
- アステックペイント「マイカラーシミュレーション」(公式および同社のパートナー向けサイトで、施工会社が施主に提案するためのツールとして案内されている)
最終確認日:2026年8月23日。各ツールの名称・仕様・利用条件は変更される場合があります。最新の内容は各社の公式サイトでご確認ください。画面上の色は実際の塗料の色とは異なります。
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