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外壁のブラウン——外装用の標準色49色のうち、茶色は4色。濃い茶は2色でした
ブラウンの外壁を調べると、出てくるのは「汚れが目立ちにくい」「落ち着いた高級感」という説明ばかりです。ところが実際に色を決める段になると、話が変わります。塗料メーカーが公開している標準色を1色ずつ数えてみたところ、外装用の上塗材の標準色49色のうち、茶色といえるのは4色でした。そのうち濃い茶は2色だけです。同じ会社でも、リシン・スタッコ用の標準色には14色、模様のある塗り壁用には15色あります。つまり「うちの壁をブラウンに」と言ったときに選べる色の数は、壁の仕上げ方によって3倍以上変わります。このページでは、数え直した結果と、そこから決まる見積もりの聞き方を整理します。
このページの内容全21項目
- 数えた結果——外装用の標準色49色のうち、茶色は4色
- その4色は、どんな見え方の茶か
- 「ダークブラウン」は、この4色の中にありません
- メリットとデメリットを、根拠のあるものだけ並べます
- だから「ブラウンで」では決まりません——見積もりで聞く3つ
- 模様のある壁のほうが、茶の選択肢は3倍あります
- 塗り壁・リシンなら、茶の「鮮やかさ」まで選べます
- 濃い茶は割高になることがある——メーカー自身が書いています
- 遮熱でブラウンにしたい場合——外壁用の遮熱の標準色28色に、茶は2色
- 屋根の「茶」11色は、瓦の赤茶——外壁の茶とは別の色です
- 褪色——茶は「赤と黄」でできている色です
- 「汚れが目立ちにくい」の中身——目立つ汚れもあります
- 「モカブラウン」「アースブラウン」は、色見本帳に載っていません
- 小さい色見本は、壁になると違って見えます
- 屋根・サッシ・木部との合わせ方
- 配色——ブラウン×白・ベージュ・グレー・黒
- 風水でブラウンを選ぶ場合
- ブラウンで後悔しやすい3つ
- 頼み方——「ブラウンで」から一歩進める
- よくある質問
- 参考にした情報
数えた結果——外装用の標準色49色のうち、茶色は4色
エスケー化研が公開している「標準色(マンセル値)」の対応表を、1行ずつ読んで数えました。この表は色番号にマンセル値(色相・明度・彩度の3つの数字)が併記されているので、色名に頼らずに機械的に仕分けができます。
茶色の範囲は、当サイトで「色相5R〜5Y・明度6.0以下・彩度2.0以上」と決めました。赤から黄色のあいだにあって、白っぽくなく、灰色でもない色——という切り方です。メーカーの分類ではありません。
| 色の系統 | 何に使う色か | 全色数 | うち茶色 |
|---|---|---|---|
| SR色 | 外装用上塗材(クリーンマイルド、水性セラタイト等) | 49色 | 4色 |
| AC色 | ベルアート等の意匠性塗り壁 | 99色 | 15色 |
| AS色 | リシン、スタッコ | 61色 | 14色 |
| RC色 | 屋根用(ヤネフレッシュ、ルーフスター等) | 45色 | 11色 |
| CLR色 | 屋根用の遮熱(クールタイト) | 41色 | 8色 |
| CT色 | 外壁用の遮熱(クールテクト) | 28色 | 2色 |
系統の使い分けは、メーカー自身が書いています。「SR色は外装用上塗材の標準色に設定されています」「AS色はリシン、スタッコの標準色です」——つまり、ふつうの塗り替えで最初に見せられる色見本はSR色です。そこに茶色が4色しか無い、というのが今回の数字の意味です。
その4色(マンセル値つき)
- SR-169(7.5YR6/2.4)——明るいほうの茶。ベージュ寄りに見えます
- SR-427(1.4YR6/2.4)——同じ明るさで、少し赤寄り
- SR-170(2.8YR3.8/3.2)——ここから濃い側。赤みのある茶
- SR-422(4YR2.8/3)——49色の中でいちばん暗い茶
マンセル値は「色相 明度/彩度」の順です。明度は数字が小さいほど暗く、彩度は数字が大きいほど鮮やかになります。
なお、この対応表にはメーカーの注記が付いています。「※あくまで近似の値ですので、予めご了承ください。」数値は目安として使い、最後は実物で確認してください、という意味です。
その4色は、どんな見え方の茶か
4色といっても、並べると性格が違います。マンセル値の読み方さえ分かれば、色見本を開く前にだいたいの見当が付きます。色相の数字が小さいほど赤寄り、大きいほど黄寄り。明度が小さいほど暗く、彩度が大きいほど鮮やかです。
| 色番号 | マンセル値 | どういう茶か |
|---|---|---|
| SR-427 | 1.4YR6/2.4 | 4色でいちばん赤寄り。明るいので、ベージュに赤みを足したような見え方になります |
| SR-169 | 7.5YR6/2.4 | 同じ明るさで黄寄り。いわゆるライトブラウン・ベージュブラウンに近い側です |
| SR-170 | 2.8YR3.8/3.2 | ここから濃い側。赤みの残る茶で、レンガ色に近づきます |
| SR-422 | 4YR2.8/3 | 49色でいちばん暗い茶。ダークブラウンを標準色で探すなら、これが端です |
もうひとつ、この4色に共通していることがあります。彩度が2.4〜3.2の範囲に収まっていることです。彩度は鮮やかさの数字で、表全体の最大は14.0。つまり外装用の標準色の茶は、全部「くすんだ茶」です。はっきり赤みの出たレッドブラウンや、黄色の強いキャラメル系は、この4色の中にはありません。
よく使われる色名を当てはめるなら、ライトブラウン=SR-169、モカ・ベージュブラウン=SR-169かSR-427、ダークブラウン・こげ茶=SR-422、レッドブラウン=標準色の外(調色)——という対応になります。ただし色名に定義は無いので、この対応も当サイトの見立てです。
「ダークブラウン」は、この4色の中にありません
検索されている言葉のほうを見ると、ブラウンといっしょに調べられているのは「ダークブラウン」「こげ茶」「チャコールブラウン」——つまり濃い側です。ところが、外装用の標準色は全体として濃い色が少ない作りになっています。
| SR色49色を数えると | 結果 |
|---|---|
| 明度の中央値 | 7.6(かなり明るい側) |
| 明度5.0以下の色 | 6色(49色中) |
| そのうち茶色 | 2色(SR-170・SR-422) |
| 彩度の最大 | 3.6(表全体の最大は14.0) |
言いかえると、外壁用の標準色は「うすい色の集まり」です。そこに茶色を求めると、選べるのは明るいベージュ寄りの2色か、濃いめの2色かという話になります。イメージ写真で見るようなチョコレート色や、黒に近いこげ茶は、この49色の外側にあります。
外側にあるということは、調色(ちょうしょく)になるということです。調色は特別なことではありませんが、標準色から選ぶのとは手順も金額も変わります。次の章がその話です。
メリットとデメリットを、根拠のあるものだけ並べます
ブラウンで検索すると、メリットとデメリットの一覧がたくさん出てきます。ここではこのページで根拠を出せたものだけを並べます。書いていないものは「言えない」という意味です。
| 言えること | 根拠 |
|---|---|
| 茶系の汚れは目立ちにくい | 土ぼこり・砂・排気ガスは色が同化します。ただし白い汚れは逆です |
| 選べる標準色が少ない | 外装用の標準色49色のうち4色。彩度も2.4〜3.2に収まります |
| 濃い茶は割高になることがある | 設計価格表の前提に「濃色及び特殊鮮明色については割高となる場合があります」 |
| 遮熱と両立しにくい | 外壁用遮熱の標準色28色のうち茶は2色。暗くすると反射する分が減ります |
| 面積が大きいと暗く見える | 面積効果。濃い色ほど差が出ます |
逆に、当サイトで根拠を出せなかったものも書いておきます。「ブラウンは色あせしやすい」「ブラウンは高級感が出る」「ブラウンは 転売価値が上がる」——いずれも、比べられる公開データを見つけられていません。好みの問題として扱うのが正確です。
だから「ブラウンで」では決まりません——見積もりで聞く3つ
色の打ち合わせでいちばん多い行き違いは、お客さんは色のイメージを言っていて、業者は色番号を聞いているという食い違いです。ブラウンは標準色が少ないぶん、ここがずれやすい色です。聞くことは3つで足ります。
- 「その色は標準色ですか、調色ですか」——標準色ならSR-170のような番号が返ってきます。調色なら、差額と納期が発生するかを続けて聞いてください。
- 「板見本は出してもらえますか」——色見本帳の小さなチップではなく、A4以上の板です。晴れた日に、実際の壁の前で、屋外で見ます。
- 「見積書か契約書に、色番号かマンセル値を書いてもらえますか」——「ダークブラウン」という文字だけでは、塗り上がってから違うと言っても根拠になりません。
調色の差額は会社と製品によって幅があるので、当サイトでは金額を書きません。ただし「無料です」と言われた場合も、何色まで無料なのか・途中で変更したらどうなるのかまでは確かめておくと安全です。
模様のある壁のほうが、茶の選択肢は3倍あります
もう一度、最初の表を見てください。同じ会社の色見本でも、リシン・スタッコ用に14色、意匠性の塗り壁用に15色の茶があります。外装用上塗材の4色と比べると3倍以上です。
これは、茶色がどういう場面で使われてきた色かを表しています。土や木の質感に寄せる仕上げ——吹き付けのざらざらした肌、こて塗りの塗り壁——では、茶系の色が最初から多く用意されている。一方、つるっとしたサイディングを塗り替えるための上塗材では、白・ベージュ・グレーが中心になります。
| うちの壁が | 茶色の選べる幅 | 関連するページ |
|---|---|---|
| サイディング(板を張った壁) | SR色4色+調色 | サイディング外壁の塗装 |
| モルタル・吹き付け仕上げ | 上から塗るならSR色4色。仕上げ材ごと変えるならAS色14色 | このデコボコは何か/モルタル外壁 |
| 意匠性の塗り壁にしたい | AC色15色 | ベルアート/ジョリパット |
「茶色にしたい」が先にあるなら、色の話の前に仕上げの話をしたほうが早いことがあります。ただし仕上げを変える工事は塗り替えよりも高くなるので、色のためだけに決めるものではありません。
塗り壁・リシンなら、茶の「鮮やかさ」まで選べます
色数だけでなく、選べる幅も違います。3つの系統を同じ物差しで並べると、こうなります。
| 系統 | 茶の色数 | 明度の幅 | 彩度の幅 |
|---|---|---|---|
| SR色(外装用上塗材) | 4色 | 2.8〜6.0 | 2.4〜3.2 |
| AS色(リシン・スタッコ) | 14色 | 3.8〜5.9 | 2.0〜5.5 |
| AC色(意匠性の塗り壁) | 15色 | 4.3〜6.0 | 2.1〜5.5 |
読み取れることは2つあります。いちばん暗い茶があるのはSR色(SR-422・明度2.8)のほうで、これは意外に思うかもしれません。一方で、彩度はAS色・AC色のほうが5.5まで伸びています。はっきりした赤茶・黄茶は、塗り壁側にしかありません。
中間の明るさで色味を選び分けたい——たとえば「同じくらいの濃さで、もう少し赤くない茶」という頼み方をしたい場合、SR色だと選択肢が実質2色しかありません。そこがいちばんの差です。何社かに同じ壁を見てもらうと、どの系統の色見本を持ってくるかが会社によって違います。
ただし、サイディングの壁を塗り壁の仕上げに変えるのは、塗り替えとは別の工事です。色のためだけに決めるものではありません。いま吹き付け仕上げの家なら、同じ系統で選び直せる可能性があります(このデコボコは何か)。
濃い茶は割高になることがある——メーカー自身が書いています
エスケー化研の設計価格表(2026年版)には、価格の前提としてこう書かれています。
設計価格表の前提条件から
「淡色をベースに積算しています。濃色及び特殊鮮明色については割高となる場合があります。」
同じ欄には、ほかにもこう並んでいます。「設計価格には、法定福利費、下地調整費、足場代、養生費、運搬費、諸経費は含まれておりません。」「改装の場合は下地の状況や仕様により割高になりますので予めご了承ください。」「設計価格には、消費税は含まれておりません。」
読むべきところは2つです。ひとつは、濃い色を選ぶと材料の側で金額が動きうるとメーカーが明記していること。もうひとつは、そもそも設計価格に足場も下地処理も入っていないので、この表の数字をそのまま見積もりの相場として使えないことです(塗料の単価表の読み方)。
ブラウンの場合、選ぶ4色のうちSR-170とSR-422は明度3.8と2.8——濃色の側です。「標準色の中から選んだのに、あとから差額が出た」と感じたときは、この行を根拠に聞いてみてください。
遮熱でブラウンにしたい場合——外壁用の遮熱の標準色28色に、茶は2色
外壁用の遮熱塗料(クールテクトシリーズ)の標準色はCT色で、28色あります。そのうち茶色はCT-169(7.5YR6/2.4)とCT-422(4YR2.8/3)の2色。番号とマンセル値を見ると分かるとおり、SR色にあった4色のうち2色と同じ色です。
CT色28色のうち、明度5.0以下の暗い色は2色しかありません。遮熱は、光を反射させて熱を減らす仕組みなので、暗い色にすると反射できる分が減ります。色見本の作り自体が、その前提でできています。
屋根側は事情が逆です。屋根用のRC色は45色のうち37色が明度5.0以下で、濃い色が前提になっています。屋根は暗く、外壁は明るく——という作り分けが、色数にそのまま出ています。遮熱そのものの考え方は遮熱塗料のページにまとめました。
屋根の「茶」11色は、瓦の赤茶——外壁の茶とは別の色です
屋根用の標準色(RC色45色)にも茶は11色あります。ここで色番号だけを見て「屋根に茶があるなら外壁にも出せるはず」と考えると、思っていた色になりません。中身が違うからです。
| 外装用(SR色)の茶4色 | 屋根用(RC色)の茶11色 | |
|---|---|---|
| 彩度の幅 | 2.4〜3.2 | 3.0〜14.0 |
| 彩度6.0以上の色 | 0色 | 5色 |
| どんな色か | くすんだ茶 | 赤みの強い茶——瓦やレンガの色 |
いちばん鮮やかなRC-135は8.5R5.2/14で、これは323色ぜんぶの中で彩度の最大です。屋根の茶は「赤褐色」と呼んだほうが近い色で、壁一面に塗る色として想定されていません。
屋根と壁の両方を茶系でまとめたい場合は、色番号ではなくマンセル値で会話してください。「屋根はRC-141(8.5YR5.3/6)、壁はSR-170(2.8YR3.8/3.2)」のように並べると、赤みと明るさがどれだけ離れているかが数字で見えます(屋根塗装)。
褪色——茶は「赤と黄」でできている色です
「濃い色は色あせしやすい」とよく言われます。当サイトでは、色ごとの耐候性を横に並べて比べられる公開データを見つけられていません。だから「ブラウンは色あせしやすい」とは書きません。
手がかりになる記載はあります。プレマテックスは屋根用の「耐候性強化色」について、「黄・赤の有機顔料を一切使わない」と説明しています。裏を返せば、黄と赤の有機顔料は、その会社が耐候性のために避けた対象だということです。茶色はマンセル値でいうとYR(黄赤)——まさに黄と赤で作る色です。
ただしこれは屋根の色についての記載です。外壁のブラウンが色あせしやすい根拠にはなりません。受ける日射の量そのものが違うからで、同社パンフレットの東京地点の数字では、屋根と外壁でおよそ1.5倍の差があります。色の種類よりも、塗料のグレードと日当たりのほうが先に効きます。
「汚れが目立ちにくい」の中身——目立つ汚れもあります
ブラウンの説明でいちばん多いのが「汚れが目立ちにくい」です。これは汚れの色による、というのが正確なところです。
| 汚れ | ブラウンでの見え方 |
|---|---|
| 土ぼこり・砂・排気ガス | 目立ちにくい。汚れ自体が茶系なので同化します |
| 雨だれ(窓下の黒い筋) | 濃いブラウンなら目立ちにくく、明るいブラウンでは目立ちます |
| チョーキング(白い粉) | 目立ちます。濃い色ほど白く浮きます(チョーキング) |
| 水あか・白い筋 | 目立ちます。濃い側ほど差が出ます |
| コケ・藻(緑) | 目立ちます。茶と緑は色が離れています(コケ・カビ) |
つまり「汚れに強い色」ではなく、茶色い汚れが目立たない色です。白っぽい汚れが出たときは、むしろ明るい色より見えます。同じブラウンでも明るい側と濃い側で逆になる項目があるので、「ブラウンだから汚れない」という一言で決めないほうが安全です。
「モカブラウン」「アースブラウン」は、色見本帳に載っていません
ブラウンで検索すると、モカブラウン・アースブラウン・チャコールブラウン・レッドブラウンといった色名が出てきます。ところが、一般社団法人 日本塗料工業会の「塗料用標準色」色見本帳では、色は「05-60L」のような記号で並んでいて、こうした色名の見出しはありません。
色名は各社が自分で付けているものです。だから3社に「モカブラウンで」と言えば、3色出てきます。グレージュでも同じことが起きます。
色名ではなく、こう残す
打ち合わせの最後に、「色番号(またはマンセル値)」「どの製品の色見本か」「艶あり・艶消しのどちらか」の3つを書き残してください。艶が違うと、同じ番号でも見え方がかなり変わります。
小さい色見本は、壁になると違って見えます
色見本帳のチップは数センチ角です。それが数十平方メートルの壁になります。一般に明るい色は面積が大きいほど明るく、暗い色は面積が大きいほど暗く重く見えます。ブラウンは濃い側を選ぶ人が多いので、「思ったより暗い」が起きやすい色です。
対策は単純で、迷ったら見本より1段階明るいほうを選ぶことと、板見本を屋外で、壁に当てて、晴れの日と曇りの日に見ることです。エスケー化研も標準色のページに「画面上の色は、ご使用のモニターによって、実際の色とは異なって表示されますのでご注意ください。」と書いています。施工事例の写真で色を決めるのは、いちばん外しやすい方法です(カラーシミュレーション)。
屋根・サッシ・木部との合わせ方
ブラウンは、家にもともと付いている部材の色と当たりやすい色です。順番に見てください。
| 合わせる相手 | 見るところ |
|---|---|
| サッシ | ブロンズ(茶系)のサッシなら相性はいい反面、壁とサッシの茶が微妙に違うと目立ちます。壁を離した色にするか、はっきり濃くするほうがまとまります |
| 屋根 | 屋根用の色は濃い側が前提です。壁を濃いブラウンにすると、屋根との明るさの差が小さくなって、家全体がひとかたまりに見えます(屋根塗装) |
| 木部・玄関ドア | 木目のドアと茶の壁は同系色になります。同系色でそろえるか、壁側を明確に暗くするか(玄関ドア) |
| 付帯部(雨どい・破風・幕板) | 濃いブラウンの壁に濃い付帯部だと、輪郭が消えます。1段階の差を付けるかどうかを先に決めてください(付帯部) |
ツートンにする場合は、色より先に境目の位置が決まります。ブラウン×白・ブラウン×ベージュは定番ですが、境目が中途半端だと色に関係なく落ち着きません(外壁のツートン)。
配色——ブラウン×白・ベージュ・グレー・黒
「外壁 ブラウン ベージュ」「外壁 ブラウン グレー」「外壁 ダークブラウン ツートン」——検索されている組み合わせは、だいたいこの4つに収まります。ここで大事なのは、相性のよしあしより先に、明るさの差をどれだけ付けるかが決まることです。
| 組み合わせ | 起きやすいこと | 決めておくこと |
|---|---|---|
| ブラウン × 白・クリーム | 明るさの差が大きいので、境目がはっきり出ます。失敗は少ない代わりに、境目の位置のずれも目立ちます | 境目を「階の区切り」か「面の区切り」のどちらに合わせるか |
| ブラウン × ベージュ | 同系色でまとまりますが、明るさの差が小さいと「塗り分けた意味が見えない」仕上がりになります | 明度で2段階以上の差を付けるか、質感で差を付けるか |
| ブラウン × グレー | 茶は黄赤(YR)、グレーは色みのない色。茶側の赤みが強いと、グレーが青く見えます | 茶の色相(SR-427は1.4YR=赤寄り/SR-169は7.5YR=黄寄り)をどちらにするか |
| ダークブラウン × 黒 | 明るさの差が小さく、離れて見ると1色に見えます。汚れも見分けにくくなります | 本当に2色に分ける必要があるか。1色で通す選択も含めて考える |
そして、色より先に境目です。1階と2階で分けるのか、出っ張った面だけ変えるのか、途中の帯(幕板)で切るのか。ここが決まっていないまま色だけ決めると、どの組み合わせでも落ち着きません。境目の取り方は外壁のツートンにまとめました。
打ち合わせでは、「2色とも色番号で」書き残してください。ツートンは「濃いほうはこの色で、薄いほうはお任せ」になりやすく、そこが後悔の入り口になります。付帯部(雨どい・破風・幕板)を何色にするかも、この時点で一緒に決めておくと戻りがありません。
風水でブラウンを選ぶ場合
「外壁 ブラウン 風水」で調べる方も多い語です。風水の説明は会社によって内容が変わります。同じ茶色について、方位別のおすすめが各社で食い違っているのが実情です。
実務の側から言えることは1つだけで、風水で色の方向が決まったとしても、最後に決めるのは色番号です。「南西に茶がいい」と分かったあと、SR-169なのかSR-422なのかは風水では決まりません。方位別の話と、各社の言い分の違いは外壁の色と風水にまとめました。
ブラウンで後悔しやすい3つ
- 思ったより赤い。茶色はマンセル値でYR(黄赤)です。標準色の4色のうちSR-427は1.4YR、SR-170は2.8YR——数字が小さいほど赤寄りになります。板見本を赤みの違う2枚で比べてください。
- 思ったより暗い。面積効果です。濃い側を選ぶなら、見本の段階で1段階明るいほうも並べて出してもらってください。
- 白い汚れが出てから気づく。チョーキングの粉や水あかは、濃いブラウンでいちばん目立ちます。北面や水がかかる場所を先に見ておくと、覚悟が決まります。
やめたほうがいい色かどうかで迷っている方は、やめたほうがいい色はある?もあわせてどうぞ。後悔が起きる軸は色そのものではなく、決め方のほうにあります。
頼み方——「ブラウンで」から一歩進める
ここまでを1枚にまとめると、こうなります。
- うちの壁の仕上げを先に確かめる(サイディングか、吹き付けか、塗り壁か)
- 標準色の茶4色を見せてもらう。そこに好みの色があるなら、それが最短
- 無ければ調色。差額・納期・板見本の3つを確認する
- 板見本をA4以上で、屋外で、壁に当てて見る
- 決まったら、色番号かマンセル値と、艶の有無を書面に残す
この5つは、どの会社に頼んでも同じです。逆に、この手順を面倒がる会社かどうかで、色以外のところの進め方も見えてきます。同じ壁を何社かに見てもらうと、色の話をどこまで具体的に進められるかで、会社の差がいちばん出ます。
よくある質問
外壁のブラウンは、標準色の中から選べますか?
選べますが、数は多くありません。エスケー化研の外装用上塗材の標準色(SR色49色)のうち、茶色といえるのは4色です。明るい側がSR-169(7.5YR6/2.4)とSR-427(1.4YR6/2.4)、濃い側がSR-170(2.8YR3.8/3.2)とSR-422(4YR2.8/3)。この4色に好みの色があれば、調色の手間も差額もかかりません。1社の標準色を数えた結果なので、他社では色数が違います。
ダークブラウンにしたいのですが、色番号はありますか?
外装用の標準色でいちばん暗い茶はSR-422(4YR2.8/3)です。これより暗い茶、たとえば黒に近いこげ茶は標準色の外なので調色になります。SR色49色は明度の中央値が7.6で、明度5.0以下は6色しかありません。そもそも外壁用の標準色が「うすい色の集まり」なので、濃い色を求めると標準色の外に出ます。調色になるかどうかは、見積もりの段階で必ず確認してください。
ブラウンは汚れが目立ちませんか?
茶色い汚れは目立ちません。土ぼこり・砂・排気ガスは色が同化します。ただし白っぽい汚れは逆で、チョーキングの粉や水あかは濃いブラウンほど白く浮きます。コケや藻の緑も、茶とは色が離れているので見えます。「汚れに強い色」ではなく「茶色い汚れが目立たない色」と考えてください。明るいブラウンと濃いブラウンでは、項目によって目立ち方が逆になります。
外壁のブラウンは色あせしやすいですか?
断定できません。色ごとの耐候性を横に並べて比べられる公開データを見つけられていないためです。手がかりは、プレマテックスが屋根用の「耐候性強化色」について「黄・赤の有機顔料を一切使わない」と書いていること。茶色はマンセル値でYR(黄赤)、まさに黄と赤で作る色です。ただし屋根用の色についての記載なので、外壁の話に持ち込んで断定はできません。色よりも、塗料のグレードと日当たりのほうが効きます。
遮熱塗料でブラウンにできますか?
標準色では2色だけです。外壁用遮熱のクールテクトシリーズ(CT色28色)の茶はCT-169とCT-422で、どちらもSR色と同じ色です。CT色28色のうち明度5.0以下は2色しかありません。遮熱は光を反射させて熱を減らす仕組みなので、暗い色にすると反射できる分が減ります。調色で濃いブラウンにすることはできますが、明るい色と同じ効き方は期待しないでください。
「モカブラウン」の色見本はどこで見られますか?
色見本帳には載っていません。日本塗料工業会の「塗料用標準色」は「05-60L」のような記号で色が並んでいて、モカブラウンやアースブラウンといった色名の見出しはありません。色名は各社が自分で付けているものなので、3社に頼めば3色出てきます。見たい色がある場合は、その写真を持っていって「これに近い板見本を2〜3枚出してください」と頼むのが現実的です。
ブラウンの外壁に合う色は何ですか?
白・クリーム・ベージュが定番です。ただし色の組み合わせより先に決まるものがあります。ツートンにするなら境目の位置、単色にするならサッシと付帯部の色です。ブロンズ(茶系)のサッシがある家では、壁の茶とサッシの茶がわずかに違うと目立つので、はっきり離すか、しっかり濃くするかのどちらかになります。境目の決め方はツートンのページにまとめました。
塗ってみたら思っていたブラウンと違いました。やり直してもらえますか?
書面に何が残っているかで変わります。色番号やマンセル値が見積書・契約書に書かれていて、その番号と違う色で塗られたのなら、話をする根拠になります。「ダークブラウン」という文字だけだと、思っていた色と違うという主張になり、判断が難しくなります。だから色が決まった時点で、色番号と製品名と艶の有無を書き残してください。濃い色は面積が大きいほど暗く見えるので、板見本の段階で確かめるのがいちばん確実です。
あわせて読みたい
参考にした情報
- エスケー化研 公式サイトの標準色(マンセル値)対応表(2026年9月15日に取得)。SR49・AC99・AS61・RC45・CLR41・CT28の色番号とマンセル値。系統の用途について書かれているのは2か所だけで、「SR色は外装用上塗材の標準色に設定されています」と「AS色はリシン、スタッコの標準色です」です。対応製品は系統ごとに列挙されており、SR色にはクリーンマイルドシリーズや水性セラタイトシリーズなど、AC色にはベルアート系、RC色にはヤネフレッシュ系とルーフスター系、CLR色にはクールタイトシリーズ、CT色にはクールテクトシリーズが挙げられています。注記「※あくまで近似の値ですので、予めご了承ください。」「画面上の色は、ご使用のモニターによって、実際の色とは異なって表示されますのでご注意ください。」も引用しました。茶色の色数(SR4・AC15・AS14・RC11・CLR8・CT2)、SR色の明度の中央値7.6・明度5.0以下6色・彩度の最大3.6、RC色45色のうち明度5.0以下37色、CT色28色のうち明度5.0以下2色は、この対応表を当サイトが1行ずつ読んで数えた結果です。
- エスケー化研「設計価格表」2026年版(PDF)の前提条件——「淡色をベースに積算しています。濃色及び特殊鮮明色については割高となる場合があります。」「設計価格には、法定福利費、下地調整費、足場代、養生費、運搬費、諸経費は含まれておりません。」「改装の場合は下地の状況や仕様により割高になりますので予めご了承ください。」「設計価格には、消費税は含まれておりません。」の各記載。
- 一般社団法人 日本塗料工業会「塗料用標準色」色見本帳。色は「05-60L」のような記号で並んでおり、「モカブラウン」「アースブラウン」といった色名の見出しはありません。
- プレマテックスの屋根用「耐候性強化色」——「黄・赤の有機顔料を一切使わない」という説明。日射量の比較は同社パンフレット(NEDOの日射量データベースをもとに同社が作成したもの)で、東京地点の南向きについて屋根と外壁を並べています。いずれも屋根の色についての資料であり、外壁のブラウンの褪色を示すものではありません。
- 当サイトの関連ページ——色の決め方/グレー/グレージュ/ネイビー/モスグリーン/遮熱塗料/チョーキング
「ブラウン」は、業界に共通の定義がある言葉ではありません。ここでは日常で使われている意味のまま扱い、数えるにあたって「色相5R〜5Y・明度6.0以下・彩度2.0以上」という帯を当サイトで決めました。メーカーがこう分類しているわけではありません。色番号も1社(エスケー化研)のもので、他社では体系そのものが違います。加えて、同じ番号の色でも、日の当たり方・天気・壁の肌・隣の建物の色で見え方が動きます。数字はあくまで話を合わせるための道具で、決めるのは現物の板見本です。最終確認日:2026年9月15日。