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モスグリーン外壁——暗い緑の番号は、外壁用ではなく屋根用の色見本にありました

「モスグリーンの外壁にしたい」「落ち着いた深い緑がいい」——そう思って調べている方へ。このページは雰囲気の話ではなく、色見本の数字から始めます。エスケー化研が標準色をマンセル値つきで公開しているので、323色を全部数えました。結果を先に書きます。——緑は42色あります。ただし「暗い緑」は12色で、その12色すべてが屋根用の色でした。外壁を塗る上塗材の標準色(49色)に入っている緑は7色で、いちばん暗いものでも明度6.7=うすい緑です。つまり、モスグリーンの外壁は「標準色から選ぶ」ことができません。調色になります。

このページの内容全14項目

数えた結果——暗い緑は12色。その12色すべてが屋根用の色でした

「モスグリーン」に色番号はありません。色名なので、番号の側には最初から存在しないのです。では番号の世界で、その色に近いのはどこか。エスケー化研が標準色をマンセル値つきで公開しているので、323色を1色ずつ読んで、色相・明度・彩度に分けました(2026年9月14日・当サイト調べ)。

まず緑の総数です。色相がG(緑)・GY(緑黄)・BG(青緑)の色は、323色のうち42色ありました。数だけ見れば、青系(色相B・PB)の35色より多いです。

ところが、その42色を明るさの順に並べると、様子が変わります。

明るさ(明度)色数どの系統の色か
3.0〜5.0(暗い)12色RC色7色とCLR色5色だけ
5.1〜7.014色AC色6・RC色3・AS色2・CLR色2・SR色1
7.4〜9.1(明るい)16色SR色6・AC色4・CT色3・CLR色2・AS色1

数えた元は、エスケー化研が公開している標準色の対応表です。系統は6つで、SR49・AC99・AS61・RC45・CLR41・CT28=323色。この表に色番号とマンセル値が並んでいます(マンセル値は「色相 明度/彩度」の順)。色相と明るさの仕分けは当サイトが1行ずつ読んで行いました。

いちばん上の行が、このページの出発点です。——暗い緑は12色あります。そしてその12色は、RC色とCLR色にしかありません。

この2つが何なのかは、同じページに書かれています。RC色は「ヤネフレッシュシリーズ、ルーフスターシリーズ等」、CLR色は「クールタイトシリーズ」の色です。どちらも屋根用の塗料です。

12色を全部挙げておきます。RC-104(10GY4.4/3)/RC-109(2.8G3/0.5)/RC-114(6G3.5/4)/RC-125(1.4G3.8/5.5)/RC-129(6.1G4.2/7)/RC-142(8G3.9/3)/RC-146(4G3/1)/CLR-104/CLR-109/CLR-142/CLR-146/CLR-167(7.5G4.5/2.3)。CLRの番号は、同じ値がRC側にもあるものが多く、CLR-167だけが独自の値です。

このうちモスグリーンに近いのは、色相がGY(緑黄)のものだけです。モスグリーンは苔の色ですから、青寄りの緑ではなく、黄色寄りの緑です。42色を「色相がGY・明度5.0以下・彩度2.0以上」で絞ると、残るマンセル値は10GY4.4/3——ただ1つでした。番号でいうとRC-104とCLR-104で、どちらも屋根用です。

この帯の切り方は当サイトが決めたものです。メーカーに「モスグリーン」という区分はありません。切る位置をずらせば色数も動きます。数えた色数そのものではなく、暗い緑の番号が屋根用の側にしか並んでいなかったことを見ていただきたいところです。

外壁用の標準色(49色)の緑は7色。いちばん暗いのが明度6.7です

6つの系統のうち、いま住んでいる家の壁を塗る塗料の色はどれか——SR色の49色です。公式の説明は「SR色は外装用上塗材の標準色に設定されています」の一行で、対応製品に「クリーンマイルドシリーズ、水性セラタイトシリーズ、水性コンポシリーズ、水性セラミシリコン等」が並んでいます。塗り替えの見積書でよく見る名前です。

その49色のうち、緑系は7色でした。全部並べます。

色番号マンセル値明度彩度
SR-4254GY6.7/1.66.71.6
SR-1772.2GY7.8/0.37.80.3
SR-1313.5GY7.9/1.37.91.3
SR-4205G7.9/0.77.90.7
SR-4153GY8.8/1.18.81.1
SR-1033GY8.9/0.48.90.4
SR-41910GY8.9/0.58.90.5

系統ごとの「いちばん暗い緑」の明度

系統ごとの、緑でいちばん暗い色の明度 エスケー化研の標準色323色から緑系42色を抜き出し、系統ごとに明度のいちばん小さい色を並べた棒グラフ。屋根用のRC色とCLR色は3.0まであるが、外壁用のSR色は6.7、外壁用遮熱のCT色は7.8で止まる。 3.0 RC(屋根) 3.0 CLR(屋根) 5.2 AC(塗り壁) 5.4 AS(リシン) 6.7 SR(外壁) 7.8 CT(外壁遮熱) 明度(0が黒・10が白/小さいほど暗い)
数字が小さいほど暗い色です。屋根用(RC・CLR)には明度3.0の緑があるのに、外壁の上塗材(SR色)はいちばん暗い緑でも6.7。外壁用の遮熱(CT色)は7.8で、もっと明るい側だけです。出典=エスケー化研の標準色(マンセル値)対応表を当サイトが全数集計(2026年9月14日)。

明度は6.7から8.9、彩度は0.3から1.6です。明度8.9は、ほとんど白に近い明るさです。彩度0.3は、緑と言われなければ灰色と区別がつかない程度の色味です。

いちばん暗いSR-425でも明度6.7です。「モスグリーン」がどのくらいの暗さを指すのかは、決まった定義がありません。このページでは苔の色として明度5.0以下の黄緑を置いていますが、これは当サイトの区切りです。その区切りで見るかぎり、エスケー化研の外装用上塗材の標準色に、この帯の緑は入っていません。

ここが、このページでいちばんお伝えしたいことです。——モスグリーンの外壁を「標準色の中から選ぶ」ことは、少なくともこのメーカーの標準色ではできません。番号が存在しているのは屋根用の側です。

なぜ外壁用に暗い緑が無いのか——標準色そのものが「淡い色の集まり」でした

緑だけの話ではありませんでした。SR色49色のうち、明度5.0以下の色は6色しかありません。SR-102(8YR3.7/0.8)/SR-170(2.8YR3.8/3.2)/SR-414(6.6YR4.3/0.9)/SR-422(4YR2.8/3)/SR-423(5.5R2.3/0.7)/SR-426(6B4.8/2)の6色で、緑は1色も入っていません。

彩度も同じ方向です。SR色の彩度は最大3.6(SR-404=1.6Y6.9/3.6)。一方、323色全体で見ると最大は14.0です。外壁用の標準色は、明るくて色味の薄い色の集まりとして作られているということになります。

屋根用と比べると、作りの違いがはっきりします。

系統用途(公式の記載)色数明度5.0以下
SR色外装用上塗材の標準色496色
RC色ヤネフレッシュ・ルーフスター等(屋根)4537色

同じくらいの色数なのに、暗い色が6色と37色。屋根は暗い色、外壁は明るい色で仕上げることが多い——その前提が色見本の作りに出ている、と読めます。

だから「暗い緑の番号が屋根用にしか無い」のは、緑が特別なのではなく、暗い色そのものが外壁用の標準色に少ないためです。

材料を変えると、少し落ち着いた黄緑が標準色にあります

ここまでは「上塗材で塗る」前提の話です。仕上げの材料が変わると、選べる色も変わります。

エスケー化研の系統のうち、AS色(61色)は「リシン、スタッコの標準色」だと公式に書かれています。対応製品は「シポカケン、ソフトリシン、セラミソフトリシン、セラミタイトリシン、シポロック、ソフトスタッコ、セラミソフトスタッコ」。AC色(99色)は「ベルアート、ベルアートSi、弾性ベルアート」——塗り壁で模様を付ける材料です。

この2つには、SR色に無い明るさの黄緑がありました。

色番号マンセル値明度彩度どの材料の標準色か
AC-17616GY5.2/1.65.21.6ベルアート(塗り壁)
AC-2214/AS-22141GY5.4/0.75.40.7塗り壁/リシン・スタッコ
AC-1584/AS-15840.5GY5.8/2.25.82.2塗り壁/リシン・スタッコ

AC-1584とAS-1584(0.5GY5.8/2.2)は彩度2.2——SR色の緑の最大1.6より色味があり、明度5.8で少し沈んでいます。この323色のなかでは、「くすんだ黄緑」にいちばん近い標準色がここでした。

ただし順番を間違えないでください。これは「リシンやスタッコで仕上げる場合の標準色」です。いまサイディングの家をこの色にしたいからといって、リシンに変えるという話にはなりません。いまの壁が何で仕上がっているかで、使える色見本のほうが決まります。壁の種類の見分け方は外壁材の種類のページにあります。

だから外壁のモスグリーンは「調色」になります——見積もりで聞く3つ

標準色に無い色を頼むと、塗料は「調色」になります。色を作る作業です。珍しいことではありませんが、標準色から選ぶときとは違う確認が必要になります。

  • 1「この色は標準色ですか。標準色でないなら、差額はいくらですか」——エスケー化研は設計価格表の前提として「淡色をベースに積算しています。濃色及び特殊鮮明色については割高となる場合があります」と書いています。色が決まる前の見積書は、淡い色で計算されていることがあります。仕組みは色で塗料の値段が変わる話に、単価の前提は平米単価のページにあります
  • 2「調色した色で、板見本を出してもらえますか」——標準色には見本帳の板がありますが、調色の色は作らないと現物がありません。現物を見ないまま決める色になりがちなのが、調色のいちばんの弱点です。
  • 3「決めた色を、マンセル値か色番号で見積書に書いてください」——「モスグリーン」という文字では、次の塗り替えのときに同じ色が出せません。数値が書面に残っていれば、別の会社でも再現できます。

ここで1つ、モスグリーンに有利な話があります。——上の但し書きは「濃色」と「特殊鮮明色」の2つを挙げています。モスグリーンは暗い色なので「濃色」には当たりますが、上で見た10GY4.4/3の彩度は3.0——鮮やかな色ではありません。

比べると分かります。ネイビーの帯には彩度5〜9の鮮やかな青が並んでいて、濃色と特殊鮮明色の両方を踏みやすい色でした。一方、ここで見た10GY4.4/3の彩度は3.0です。同じ「暗い色」でも、割高になりやすさは同じではありません。

屋根用の番号を、そのまま外壁に使えるのか。——マンセル値は「色の座標」なので、伝えることはできます。「RC-104と同じ10GY4.4/3で調色してください」という頼み方は成立します。ただし、外壁用塗料の標準色として存在するわけではありません。調色になるので、上の3つの確認はそのまま必要です。

そしてエスケー化研自身が、対応表に「※あくまで近似の値ですので、予めご了承ください。」と書いています。マンセル値は色の目安であって、色そのものではありません。最後は板を見て決める、という結論は変わりません。

遮熱塗料でモスグリーンにしたい場合

夏の暑さを気にして遮熱塗料を検討している方は、もう1段ぶん選択肢が狭くなります。

エスケー化研のCT色(28色)は「クールテクトシリーズ」の色で、外壁用の遮熱塗料です。その28色のうち緑系は3色——CT-103(3GY8.9/0.4)/CT-177(2.2GY7.8/0.3)/CT-420(5G7.9/0.7)。明度7.8から8.9の、うすい緑ばかりです。

CT色で明度5.0以下の色は、そもそも2色しかありません(CT-422=4YR2.8/3とCT-423=5.5R2.3/0.7)。暗い色は、遮熱の標準色にはほとんど用意されていません。

理由は仕組みのほうにあります。遮熱塗料は日射を反射して温度上昇を抑えるので、暗い色にすると反射する分が減ります。暗い色の遮熱製品も作れますが、明るい色と同じ効き方は期待できません。効き方と限界は遮熱塗料のデメリットと効果にまとめています。

「モスグリーンで、遮熱で」を両方通そうとすると、調色したうえで反射の性能は落ちる、という組み合わせになります。どちらを優先するかは、先に決めておいたほうが話が早いです。

「モスグリーン」という色名も、見本帳には載っていません

塗装の打ち合わせで使われるのは日塗工(日本塗料工業会)の色見本帳ですが、そこに「モスグリーン」という見出しの色はありません。見本帳の色は「05-60L」のような記号で並んでいます。

正確に言うと、この体系に「色名」という項目がありません。日本塗料工業会のペイントカラー検索システムは「マンセル値や色票番号から検索できます」と書いていて、色で引くキーは番号とマンセル値の2つだけです(2026年9月14日に同会の公式ページで確認)。モスグリーンが特別に漏れているのではなく、どの色名も載っていません。

色名は各社が自由に付けられて、番号だけが全社で共通です。だから「モスグリーンでお願いします」だけだと、A社は明るいオリーブ寄りを、B社は深い深緑を持ってきます。どちらも嘘ではありません。その名前に、決まった番号が無いからです。

この構造はグレージュブルーグレーとまったく同じです。色名で頼むのをやめて、明るさの範囲で頼み、最後に番号で残す。

緑系は、呼び名の多い色でもあります。オリーブグリーン・カーキ・深緑・苔色・アースカラー——いずれも定義はありません。言葉を増やすより、「明るいか暗いか」「黄色寄りか青寄りか」の2軸で伝えるほうが早く伝わります。

暗い色に共通して起きること——3つだけ先に知っておく

モスグリーンに特有の話ではなく、暗い色すべてに共通する性質です。当サイトではネイビーのページで詳しく書いているので、ここでは要点だけにします。

起きること中身
面積効果が逆向き明るい色は壁になるとより明るく見えますが、暗い色は壁になるとより暗く見えます。小さな見本で「ちょうどいい」と思った濃さは、壁で重くなります(詳しく
白い粉が目立つ塗膜が古くなると表面に粉が出ます(チョーキング)。白い粉は暗い色ほど目立ちます(詳しく
色あせの見え方褪せる量ではなく目立ち方が違います。暗い色は、褪せた部分と褪せていない部分の差が見えやすい側です(詳しく

モスグリーンで1つだけ違うのは、彩度です。ネイビーの標準色は彩度5.1〜9.0の鮮やかな青ですが、モスグリーンの座標は彩度3.0前後。彩度が低い色は、褪せても「くすんだ色がもう少しくすむ」方向に動くので、鮮やかな色よりは変化が分かりにくい側です。

これは色の仕組みから言えることで、年数の裏付けがある話ではありません。色ごとの耐候性を横並びで比較できる公開データは、当サイトでは見つけられませんでした。

褪色——緑は「黄の顔料」を使う色です

当サイトは「モスグリーンは褪色しやすい」とは断定しません。比較できるデータが無いためです。ただ、関連する事実が1つあります。

塗料メーカーのプレマテックスには、屋根用に「耐候性強化色」という区分があります。その説明にあるのが「黄・赤の有機顔料を一切使わない」の一行です。耐候性のために外す顔料として名前が挙がっているのが、黄と赤だということです。

モスグリーンは緑黄(GY)——黄色寄りの緑です。顔料の組み合わせでいえば、黄を使って作る色になります。ここは無関係ではありません。

ただし、これは屋根用の色についての記載です。外壁の断定には使えません。同社の資料では、屋根と外壁の日射量比は約1.5倍(東京地点南向き・屋根 傾斜角20度 3.67kWh/㎡/外壁 傾斜角90度 2.52kWh/㎡)とされています。屋根のほうが条件が厳しい前提で設けられた区分だということです。

長く保ちたいなら、色より先に塗料のグレードと日当たりの条件で考えてください。グレードごとの持ちは塗料の種類と違いに、年数の考え方は何年ごとに塗るかにあります。

汚れは目立つのか

色名ではなく明るさで決まります。外壁に付く汚れには2種類あって、方向が逆です。

  • 黒っぽい汚れ(排気ガス・雨だれ・カビ・コケ)は明るい色ほど目立つ
  • 白っぽい汚れ(チョーキングの粉・水あか)は暗い色ほど目立つ

モスグリーンは暗い側なので、黒い汚れは目立ちにくく、白い粉は目立ちやすい組み合わせになります。「暗い色だから汚れに強い」ではありません。強い相手と弱い相手が入れ替わるだけです。汚れの中身はグレーのページに詳しく書きました。

もう1つ、緑だけの事情があります。——北面や樹木の近くではコケや藻が出やすく、その色が緑です。壁がもともと緑だと、コケが出ても気づきにくくなります。気づきにくいことは、放っておける理由にはなりません。塗り替えのとき、北面と塀ぎわを別に見てもらってください。出やすい面と洗って済む場合はコケ・カビ・藻のページにあります。

屋根・サッシ・木部との合わせ方

塗り替えでは、変えられないものから決めます。順番は、①サッシ、②玄関ドア、③屋根、④外壁。サッシと玄関ドアは塗り替えないことが多いので、先に決まりとして扱います。新築の外観選びとは順番が逆です。

合わせる相手考え方
屋根モスグリーンは暗い色なので、屋根で締める効果が働きません。屋根もこげ茶や黒にすると全体が重くなります。明るい灰色の屋根と合わせると輪郭が出ます
サッシブロンズ(茶)のサッシと色相がそろいます。モスグリーンは黄色寄りなので、茶系と喧嘩しません。白いサッシだと明度差が大きく、窓の枠が線として強く出ます
木部・木目相性のよい相手です。木の色(黄赤〜黄)とモスグリーン(緑黄)は色相が隣なので、外構の木塀やウッドデッキとまとまります
付帯部軒天は白か明るいベージュ。暗い壁に暗い軒天を合わせると、家全体が沈みます(付帯部の塗装
ツートン1階をモスグリーン、2階を白やアイボリーにすると、暗さが目線の高さに収まります。逆にすると上が重くなります(ツートンの分け方

周りの環境も色に乗ります。庭木が多い家では、壁の緑と葉の緑が近づいて、家の輪郭がぼやけることがあります。緑地の隣なら、少し灰色寄りの緑にするか、付帯部で色を締めるのが一つの手です。

頼み方——「モスグリーンで」では決まりません

ここまでの数字を、打ち合わせで言う言葉に置き換えます。

  • 1「暗さの違う板見本を2〜3枚、A4で出してください」——明るいオリーブ寄りと深い苔色では、同じ「モスグリーン」でも別の色です。どのあたりを指しているのかは、板を並べないと合いません
  • 2「これは標準色ですか。標準色でないなら差額はいくらですか」——外壁用の上塗材の標準色に暗い緑が無いので、調色になる前提で聞いておきます
  • 3「決めた色をマンセル値か色番号で見積書に書いてください」——色名では残りません。数値が残っていれば「言っていた色と違う」がなくなります
  • 4「板見本は、外で2回見せてください」——晴れの日と曇りの日。暗い色は、曇りの日にいちばん沈んで見えます

1つだけ、強くお願いしたいことがあります。——施工写真やカラーシミュレーションだけで決めないでください。

エスケー化研も、標準色のページに「画面上の色は、ご使用のモニターによって、実際の色とは異なって表示されますのでご注意ください。」と書いています。メーカー自身が、画面の色と実物は違うと断っているということです。画面の明るさの設定によって、暗い色の見え方は変わります。使いどころと限界はカラーシミュレーションのページに書きました。

そして、色は最後に決めてください。塗料のグレード(何年もたせるか)と、下地の状態(ひび割れやシーリングをどう直すか)が先です。順番の話は色の決め方にあります。

よくある質問

モスグリーン外壁は、標準色の中から選べますか?

エスケー化研の標準色でいうと、選べません。外装用上塗材の標準色(SR色49色)の緑系は7色で、明度6.7〜8.9・彩度0.3〜1.6——すべて「うすい緑」です。いちばん暗いSR-425でも明度6.7で、モスグリーンとして思い浮かべる暗さ(明度4前後)には届きません。暗い緑の番号は屋根用のRC色・CLR色にあります。1社の標準色を数えた結果なので、他社では色数が違います。

モスグリーンに近い色番号を教えてください。

マンセル値でいえば10GY4.4/3です。エスケー化研の番号ではRC-104とCLR-104が同じ値で、どちらも屋根用(RC=ヤネフレッシュ・ルーフスター等、CLR=クールタイト)です。少し明るめでよければ、リシン・スタッコと塗り壁の標準色にAS-1584/AC-1584(0.5GY5.8/2.2)とAC-1761(6GY5.2/1.6)があります。他社の塗料は番号体系が違うので、番号よりマンセル値のほうを控えてください。

屋根用の色番号を、外壁の塗料で出してもらえますか?

調色すれば伝えられます。マンセル値は色の座標なので、「10GY4.4/3で調色してください」という頼み方は成立します。ただし外壁用塗料の標準色として存在するわけではないので、調色の差額と板見本の確認が必要になります。エスケー化研も対応表に「※あくまで近似の値ですので、予めご了承ください。」と書いているので、数値は目安として渡し、最後は実物の板で決めてください。

なぜ外壁用の標準色に暗い緑が無いのですか?

緑が特別なのではなく、暗い色そのものが外壁用の標準色に少ないためです。SR色49色のうち明度5.0以下は6色だけで、そこに緑は入っていません。彩度も最大3.6です(323色全体の最大は14.0)。一方、屋根用のRC色は45色のうち37色が明度5.0以下。屋根は暗く、外壁は明るく仕上げるという前提が、色見本の作りにそのまま出ています。

モスグリーンは汚れが目立ちますか?

黒っぽい汚れは目立ちにくく、白っぽい汚れは目立ちやすい側です。排気ガス・雨だれ・カビは明るい色ほど差が出るので、暗いモスグリーンでは目立ちにくくなります。逆にチョーキングの粉や水あかは暗い色ほど白く浮きます。もう1つ、緑だけの事情として、コケや藻の色が壁の色と近いので、出ていても気づきにくいことがあります。北面と塀ぎわは別に見てもらってください。

モスグリーンは色あせしやすいですか?

断定できません。色ごとの耐候性を横に並べて比べられる公開データが見つからなかったためです。手がかりになるのは、プレマテックスが屋根用の「耐候性強化色」について「黄・赤の有機顔料を一切使わない」と書いていること。モスグリーンは緑黄(GY)で、黄を使って作る色です。ただし屋根用の色についての記載なので、外壁の話に持ち込んで断定はできません(同社資料で屋根と外壁の日射量比は約1.5倍)。色より、塗料のグレードと日当たりのほうが効きます。

遮熱塗料でモスグリーンにできますか?

標準色では選べません。外壁用遮熱のクールテクトシリーズ(CT色28色)の緑系は3色で、明度7.8〜8.9のうすい緑だけです。CT色全体でも明度5.0以下は2色しかありません。仕組みのうえでも、暗い色にすると反射する分が減ります。調色して暗い緑にすることはできますが、明るい色と同じ遮熱の効き方は期待しないでください。

施工写真で見たモスグリーンと同じ色にできますか?

同じにはできない前提で進めてください。写真の色は撮影の光・カメラ・画面で変わります。エスケー化研も標準色のページに「画面上の色は、ご使用のモニターによって、実際の色とは異なって表示されますのでご注意ください。」と書いています。画面の明るさの設定によって、暗い色の見え方は変わります。できることは、その写真を持っていって「これに近い暗さの板見本を2〜3枚出してください」と頼むことです。

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参考にした情報

  • エスケー化研 公式サイトの標準色(マンセル値)の対応表(2026年9月14日に取得)。6系統でSR49・AC99・AS61・RC45・CLR41・CT28の計323色、それぞれに色番号とマンセル値が併記されています。系統の用途として公式に書かれているのは「SR色は外装用上塗材の標準色に設定されています」「AS色はリシン、スタッコの標準色です」の2つで、対応製品としてSR色=「クリーンマイルドシリーズ、水性セラタイトシリーズ、水性コンポシリーズ、水性セラミシリコン等」/AC色=「ベルアート、ベルアートSi、弾性ベルアート」/AS色=「シポカケン、ソフトリシン、セラミソフトリシン、セラミタイトリシン、シポロック、ソフトスタッコ、セラミソフトスタッコ」/RC色=「ヤネフレッシュシリーズ、ルーフスターシリーズ等」/CLR色=「クールタイトシリーズ」/CT色=「クールテクトシリーズ」が挙げられています。同ページの注記「※あくまで近似の値ですので、予めご了承ください。」「画面上の色は、ご使用のモニターによって、実際の色とは異なって表示されますのでご注意ください。」も引用しました。緑系(G・GY・BG)42色、明度5.0以下の緑12色(RC色7・CLR色5)、SR色49色の緑7色、SR色で明度5.0以下の6色、SR色の彩度の最大3.6、RC色45色のうち明度5.0以下37色、CT色28色の緑3色は、この対応表を当サイトが1行ずつ読んで数えた結果です
  • エスケー化研「設計価格表」の前提条件——「淡色をベースに積算しています。濃色及び特殊鮮明色については割高となる場合があります」の記載
  • 一般社団法人 日本塗料工業会「塗料用標準色」色見本帳。色は「05-60L」のような記号で並んでおり、「モスグリーン」という色名の見出しはありません
  • プレマテックス——屋根用「耐候性強化色」の説明にある「黄・赤の有機顔料を一切使わない」の記載。あわせて同社パンフレットの日射量(東京地点南向きで屋根 傾斜角20度 3.67kWh/㎡、外壁 傾斜角90度 2.52kWh/㎡=約1.5倍。NEDO日射量データベースより同社作成)。屋根用の色についての記載なので、外壁のモスグリーンが褪色しやすいかどうかの根拠にはなりません
  • 当サイトの関連ページ——ネイビーグレーグレージュブルーグレー色の決め方遮熱塗料コケ・カビ

「モスグリーン」という色名に業界の共通定義はありません。本ページは、一般的に使われている意味で扱っています。「色相GY・明度5.0以下・彩度2.0以上」という帯の切り方は当サイトのもので、メーカーの分類ではありません。挙げた色番号は1社(エスケー化研)のもので、他社は番号の体系が違います。また色は、光の当たり方・天候・壁の素材・隣の建物で見え方が変わります。最後は必ず現物の板見本と色番で確認してください。最終確認日:2026年9月14日。