広告当サイトはアフィリエイト広告を利用しています
遮熱塗料・断熱塗料|効果とデメリット、そして「結局いちばん効くのは白」
「最強の遮熱塗料はどれですか」——よく聞かれる質問です。ただ、この答えは製品名ではありません。同じ製品のなかでも、色を変えるだけで日射反射率は3倍以上違います。まずそこから説明します。
このページの内容全11項目
遮熱・断熱は、樹脂のグレード(シリコン・フッ素・無機)とは別の軸です。どちらを先に決めるのか、値段の階段のどこで効いてくるのかは塗料の種類と違いにまとめてあります。
遮熱と断熱は、別のものです
まず言葉の整理から。似ていますが、やっていることが違います。
| 遮熱 | 断熱 | |
|---|---|---|
| やること | 太陽の熱を反射して、入れない | 熱が伝わるのを遅らせる |
| 効き方 | 屋根・外壁の表面温度が上がりにくくなる | 表面の熱が室内側へ移りにくくなる |
| 得意な場面 | 日射を直接受ける面(とくに屋根) | 夏の暑さだけでなく、冬の寒さにも関係します |
ざっくり言えば、遮熱は「はね返す」、断熱は「通しにくくする」です。だから遮熱塗料は日が当たる面ほど効きますし、逆に日陰の面ではあまり意味がありません。
なお「遮熱と断熱の両方をうたう製品」もあります。後述するキルコがそれにあたります。
この違いから、遮熱塗料の弱点もそのまま見えてきます。反射する光がない夜は働きません。日が落ちれば、塗った屋根も塗っていない屋根も同じように冷えていきます。熱を閉じ込める働きは持っていないので、「冬あたたかくなる」を期待する塗料ではありません。夏の、日射をまともに受ける面のための塗料です。
効果はあるのか
結論から言えば、表面温度を下げる効果はあります。これは体感の話ではなく、規格として定められているものです。
たとえば日本ペイントの屋根用遮熱塗料「サーモアイSi」は、JIS K5675「屋根用高日射反射率塗料」2種2級という規格に適合しています。日射をどれだけ反射するかが数値で管理されている、ということです。
ところで、遮熱塗料の効果を検索すると数字がきれいに割れています。「体感で2℃ほど」と書く塗装店の記事と、「表面温度が15〜20℃下がる」と書く屋根業者の記事が、同じ検索結果に並んでいる。どちらかが盛っているように見えますが、どちらも正しく、測っている場所が違うだけです。表面温度は大きく動き、屋根裏→室内→体感と段を下りるごとに、家の作りの影響が混ざって数字は小さくなっていきます。
遮熱の効果は、段を下りるたびに薄まります
ただし「部屋が何度涼しくなるか」は約束できません
屋根の表面温度が下がるのは確かです。しかし、それが室温として何度分になるかは、家によってまるで違います。天井裏の断熱材がどれだけ入っているか、窓の大きさや向き、家の構造——そちらの影響のほうが大きい場合もあります。
「遮熱塗料を塗れば、エアコンが要らなくなる」といった期待は持たないでください。効くけれども、家全体の暑さ対策の一部分です。
「最強の遮熱塗料」の答えは、製品ではなく色
ここが、このページで一番お伝えしたいところです。
遮熱塗料のカタログには、色ごとの日射反射率が載っています。そして同じ製品でも、色によってこれだけ違います。
同じ「サーモアイSi」でも、色で反射率が3.4倍違う
つまり「どのメーカーの遮熱塗料が最強か」を比べる前に、「何色にするか」を考えたほうが効果は大きいということです。極端に言えば、遮熱塗料の濃い色より、普通の塗料の白のほうが熱を反射するという状況すら起こりえます。
色の好みと、涼しさは、どこかで折り合いをつけることになります
「黒っぽい屋根にしたい。でも夏は涼しくしたい」——この希望は、ある程度までしか叶いません。遮熱塗料の濃い色は「同じ濃さの普通の塗料よりはマシ」という位置づけです。
どうしても濃い色にしたい場合は、その前提で選んでいると理解したうえで決めてください。色そのものの話は外壁塗装の色にまとめています。
デメリットは4つあります
単純に高い
同じグレードの一般的な塗料より高くなります。予算の中で、他に優先すべき工事がないかを先に考えてください。
濃い色では効果が落ちる
前章のとおりです。色を妥協できないなら、遮熱にお金をかける意味は小さくなります。
汚れると反射率が下がる
表面に汚れが積もると、光を反射しにくくなります。年数が経つほど、当初の数値どおりとはいきません。
日陰の面には効きません
日射を反射するものなので、日が当たらなければ働きません。北面の外壁に塗っても、遮熱としての意味は薄いです。
そして、いちばん誤解されていること
「遮熱塗料だから長持ちする」わけではありません。何年もつかは、遮熱かどうかではなく塗料のグレード(シリコン・フッ素・無機など)で決まります。
遮熱・断熱・低汚染・防カビ——いろいろな機能をうたう塗料がありますが、耐用年数の話とは別だと切り分けて考えてください。グレードごとの違いは相場・費用ガイドで解説しています。
「遮熱塗料なら補助金が出る」も、そう単純ではありません
遮熱塗料を勧める理由として補助金の話が出ることがありますが、出る・出ないは塗料ではなく、お住まいの市町村の要綱で決まります。市によっては、塗装工事を省エネ補助の対象外と明記しているところもあります。制度の有無は助成金・補助金ガイドと東海3県の早見表で、市ごとに確認してください。
国の制度についても、同じことが言えます。国土交通省・環境省・経済産業省が連携する「住宅省エネ2026キャンペーン」で対象として公表されているのは、窓・ドアの断熱改修(先進的窓リノベ2026事業)、躯体(床・壁・天井)の断熱改修を含む工事(みらいエコ住宅2026事業)、高効率給湯器の設置(給湯省エネ2026事業)です。これらの事業では補助対象になる製品が事業ごとに定められていて、公式サイトで検索できます。遮熱塗料や断熱塗料を勧められたときは、「この塗料は、どの補助制度の対象製品ですか」と製品名で聞いてください。制度名も対象製品も公表されているので、答えられるはずです。答えが曖昧なまま「補助金が出ます」とだけ言われたら、その話は保留にしてください(国の制度の全体像は助成金・補助金ガイドにまとめました)。
「何度下がりますか」に、当サイトが数字で答えない理由
いちばん聞かれる質問だと思います。——ただ、この質問には落とし穴があります。
「屋根の表面温度」と「室温」は、別の数字です
メーカーが公表している実験データの多くは、屋根や外壁の表面の温度です。——「表面温度が◯℃下がった」という数字を、そのまま「部屋が◯℃涼しくなる」と読むことはできません。
屋根の表面から、部屋の中までの間に、これだけあります
屋根材 → 下地 → 小屋裏の空間 → 断熱材 → 天井
——この間に何が入っているかで、室温への伝わり方はまったく変わります。
つまり、同じ塗料を塗っても、家によって結果が違います。
- 天井の断熱材がしっかり入っている家——もともと熱が伝わりにくいので、変化は感じにくくなります
- 断熱材が薄い、または入っていない家——屋根からの熱の影響が大きいぶん、違いを感じやすい可能性があります
- 小屋裏の換気がとれている家——熱がこもりにくい作りです
だから「◯℃下がります」と言い切る説明には、前提を聞いてください。——表面温度の話なのか、室温の話なのか。どういう条件で測ったのか。ここが説明されないなら、その数字は自分の家に当てはめられません。
効果が出やすいのは、屋根です
外壁より屋根のほうが、遮熱の意味は大きくなります。——日射をまともに受ける面積が大きく、角度も真上に近いからです。
外壁は、面によって日の当たり方が違います。——北面に塗っても、遮熱としての働きはほとんど期待できません。だから「外壁も全面遮熱で」という提案が出てきたら、どの面に効くのかを聞いてみてください。
平屋は、屋根の面積が延べ床とほぼ同じです。——2階建てより屋根からの影響を受けやすい形ではあります(平屋の外壁塗装)。ただし、それでも上に書いた「間に何があるか」で結果は変わります。
汚れると効果が落ちる——では、洗えば戻るのか
デメリットの3つ目に挙げた「汚れると反射率が下がる」について、もう少し書いておきます。
光を反射する仕組みなので、表面に汚れが積もれば、反射しにくくなります。——これは避けられません。
だから、判断はこうなります
カタログの数値は「塗ったばかりの状態」の数字です。
——年数が経つほど、当初の値からは離れていきます。そこまで含めて、費用に見合うかを考えてください。
洗えばある程度は戻ると考えられますが、屋根を洗うには足場か、それに代わる安全対策が要ります。——「効果を保つために定期的に洗ってください」と言われても、現実には難しいのが正直なところです。
ですから、遮熱を選ぶかどうかは「10年後も効いているか」ではなく、「最初の数年で元が取れるか」で考えるほうが現実的です。そして、それを判断する材料は電気代の見込みではなく、差額の金額です。
見積もりの段階で聞くこと
「遮熱にした場合と、しなかった場合の差額はいくらですか。」
——この1問で、判断できるようになります。差額が小さいなら試す価値はありますし、大きいなら他に回せます。
そして、この差額は会社によって違います。——扱っている製品が違うからです。2〜3社に見てもらうときに、全社に同じ質問をしてみてください。
遮熱にすると、いくら増えるのか——同じ樹脂で比べると㎡420〜470円でした
「遮熱にすると高くなる」とは、よく言われます。ではいくら高いのか。——エスケー化研が公開している設計価格表には、同じメーカーの遮熱でない屋根用塗料と遮熱塗料が並んで載っています。樹脂のグレードをそろえて引き算すれば、遮熱の値段が出ます。
| 樹脂のグレード | 遮熱でない(ヤネフレッシュ) | 遮熱(クールタイト) | 差 |
|---|---|---|---|
| ポリウレタン | 4,560円/㎡ | 5,030円/㎡ | +470円 |
| シリコン | 5,010円/㎡ | 5,430円/㎡ | +420円 |
| ふっ素 | 5,890円/㎡ | 6,340円/㎡ | +450円 |
| 水性・ふっ素 | 5,170円/㎡ | 5,600円/㎡ | +430円 |
出典=エスケー化研「設計価格表2026年度版」屋根用塗料の頁。いずれもカラーベスト・スレート屋根の設計価格で、下塗材込みの数字です。ヤネフレッシュ/ヤネフレッシュSi/ヤネフレッシュF と、クールタイト/クールタイトSi/クールタイトF、水性ヤネフレッシュフッソ と 水性クールタイトフッソ を対にして比べました(対応づけは当サイトによるものです)。
4通り並べて、差は420〜470円/㎡。グレードが上がっても差はほとんど変わりません。遮熱そのものの値段は、樹脂のグレードとは別に、ほぼ一定で乗っているということです。
屋根120㎡なら、差は5.0〜5.6万円。——遮熱にするかどうかで工事全体の金額が跳ね上がるわけではありません。逆に「遮熱だから」と数十万円の差が出ている見積もりがあれば、それは遮熱以外の理由(塗料のグレードそのもの、工程、下地の補修)が混ざっています。見積書で比べるのは「遮熱かどうか」ではなく、製品名と塗る回数です(見積もりの内訳のページ)。
金属屋根はすこし事情が違います。同じ価格表の「クールタイトEL工法(金属屋根塗り替え用 遮熱防食工法)」はカラー鋼板・ガルバリウム鋼板向けで7,850円/㎡。備考に「上塗材がクールタイトSiの場合は㎡当り400円、クールタイトFの場合は㎡当り1,310円を加算してください」とあります。錆を止める工程が入るぶん、金属屋根では遮熱以前に単価が変わります(ガルバリウム屋根のページ/トタン屋根のページ)。
なお、ここに挙げたのは材料の設計価格です。実際の見積もりには足場・高圧洗浄・下地処理・縁切りが別に乗ります。屋根の平米単価の見方は平米単価のページにまとめました。
JISの認証がついているのは「艶有り」だけです
遮熱塗料にはJIS K 5675「屋根用高日射反射率塗料」という規格があります。当サイトが数字を鵜呑みにしない理由(何度下がるかの章)を書きましたが、規格に通っているかどうかは、確かめられる事実です。
ここに、見落とされやすい条件があります。エスケー化研の価格表で、クールタイトF・クールタイトSi・クールタイトの3製品にはJIS認証マークがついていますが、いずれも製品名のすぐ下に「[艶有りが対象]」と書かれています。備考欄にも「JIS K 5675(艶有り)」とあります。
同じ製品でも、艶消しや3分艶を選ぶとJIS認証の対象から外れます。——価格表の光沢欄には「艶有り/3分艶」と両方が載っているので、選べてしまう。「遮熱塗料にしました」と「JIS認証の遮熱塗料で塗りました」は、同じ工事とは限りません。
艶をどうするかは、遮熱とは別に決めたくなるところです(艶消しのほうが落ち着いて見えるため)。遮熱を目的にして選ぶなら、艶の指定は最後にしてください。順番を逆にすると、規格から外れたことに気づかないまま工事が終わります。艶そのものの話は艶あり・艶なしのページにあります。
もうひとつ。自治体の助成金で「高日射反射率塗料」を条件にしている場合、JISの等級や日射反射率の数値で線を引いていることがあります。艶の指定で条件を外さないよう、申請の要件を先に読んでください(助成金のページ)。
よく名前が挙がる製品
| 製品 | メーカー | 位置づけ |
|---|---|---|
| サーモアイ | 日本ペイント | 屋根用の遮熱塗料。色ごとの日射反射率が公表されています(サーモアイSiは弱溶剤2液形シリコン樹脂・JIS K5675 2種2級) |
| キルコ | シンマテリアルワン | 遮熱と断熱の両方をうたう製品。塗膜に中空ビーズを含ませ、反射だけでなく熱の伝わりにくさも持たせる考え方です |
| アドグリーンコート | NCK日本中央研究所 | 公式サイトが「遮熱塗料、断熱塗料」と両方の名前で紹介している水系の製品。「反射」と「放熱」の両方で効かせる、という説明の立て方をしています(下の章) |
サーモアイは「遮熱」の製品です。断熱塗料ではありません。ここは混同されやすいので、業者から製品名が出たときは「それは遮熱ですか、断熱ですか」と確認すると話が早いです。
ほかにも各メーカーが遮熱・断熱の製品を出しています。製品名で優劣を判断するより、カタログの日射反射率と、選ぶ色を見てください。
屋根用の2大製品(サーモアイSiと、エスケー化研のクールタイトSi)については、公式の規格・設計価格・色ごとの日射反射率を並べたページを用意しました=屋根の遮熱塗料を、公式の数字で比べる。色で反射率が3倍以上変わることが、メーカーの公表値で確認できます。
遮熱・断熱塗料を入れるかどうかは、屋根の形と、住み方で変わります。2階が暑い家と、そうでない家では効き方が違うからです。何社かに現地を見てもらって、提案してくるかどうかを比べてください。全社が勧めるなら効果が出やすい条件が揃っています。勧めない会社があるなら、その理由を聞く——そこにその会社の見立てが出ます。
アドグリーンコートを勧められたら——確かめられるのは3つです
見積書や提案で名前が挙がることのある製品です。メーカーはNCK日本中央研究所で、公式サイトは「遮熱塗料、断熱塗料は…アドグリーンコート®」と、遮熱と断熱の両方の名前で紹介しています。
公式の説明では、精密機器の熱対策に使われる「真球ナノ・ファインセラミックス」を建材塗料に応用したもので、太陽光の近赤外線の「反射」と「放熱」のWブラインド効果で建物の外皮を外気温と同程度に推移させる、とされています。反射だけでなく「冷めやすさ」で説明しているのが、他社の遮熱塗料との違いです。
そのうえで、施主が自分で確かめられることを3つ挙げます。製品の良し悪しを決めるためではなく、提案の中身を自分の家に引き寄せるためです。
①「濃彩色でも効果大」は、色ごとの反射率で確かめる
公式サイトには「濃彩色でも効果大」という項目があり、こう書かれています——「一般的に、遮熱塗料は光の反射を利用するため、反射率の高い白色(淡彩色)が主流です。アドグリーンコート®は太陽光を高反射させる特殊素材…を使用しています。だから、濃彩色でも十分な遮熱効果を発揮するのです」。
これは、このページで「最強の遮熱塗料の答えは製品ではなく色」と書いた内容と、正面から向き合う主張です。どちらが自分の家に当てはまるかは、選ぶ色の日射反射率が公表されているかどうかで確かめられます。サーモアイやクールタイトは色ごとの数値を公表しています。「私が選んだこの色の日射反射率は何%ですか」——これが1つ目です。
②「JIS認証製品です」は、規格番号と種・級まで聞く
公式サイトの製品ページには「アドグリーンコート®はJIS認証製品です」という見出しがあります。ただし当サイトが確認した範囲(2026年9月12日時点、同社の「アドグリーンコート®とは」のページ本文)では、規格番号や種・級の記載を見つけられませんでした。
JISの章に書いたとおり、屋根用の高日射反射率塗料の規格はJIS K 5675で、種と級まで書いてはじめて中身が分かります(たとえばサーモアイSiは2種2級)。「どのJISの、何種何級ですか」——これが2つ目です。答えが返ってくれば、他社製品と同じ土俵で並べられます。
③ 出てきた数字が「どの建物のものか」を見る
公式サイトは、効果検証の条件をかなり具体的に公開しています。平成25年8月1日〜8月25日、連続温度測定器(USB温度ロガー)で1時間ごとに連続24時間測定、屋根裏の鉄骨部分と腰高の看板部分に設置。結果は屋根裏13℃低下、腰高6℃低下。
ここで見てほしいのは数字ではなく、その検証が「工場・倉庫・店舗・コンテナ・プレハブ」の章に置かれていることです。施主コメントも倉庫の作業環境の話です。屋根裏に断熱材の入っていない鉄骨の建物と、天井に断熱材のある木造の戸建てでは、熱の入り方が違います。
住宅の例としては、公式に別の数字も載っています——ある住宅で、施工前年の7月20日〜8月19日の使用量712KWに対し、施工後の同期間が432KW(前年比40%減、領収証添付)。ただしこれは1件の事例で、前年との比較です。その夏の暑さ、在宅時間、エアコンの使い方が違えば数字は動きます。同じ公式サイトの全体の謳い文句は「電気代20%削減」で、40%という数字とは別のものです。
だから3つ目は、「うちと同じ木造の戸建てで、同じ地域の事例はありますか」。あれば、それが自分の家に近い数字です。
当サイトは特定の製品を勧めることも、避けるように言うこともしません。「何度下がりますか」に数字で答えない理由と同じで、効き方は建物と住み方で変わるからです。上の3つは、どのメーカーの遮熱・断熱塗料を勧められたときにも、そのまま使える質問です。
向いている家、そうでもない家
| 状況 | |
|---|---|
| 効きやすい | 屋根が濃い色で、2階が夏に暑い家。日射をまともに受ける切妻・片流れの屋根。金属屋根 |
| 効きにくい | すでに屋根が明るい色の家。天井裏の断熱がしっかりしている家。日陰が多い立地 |
迷ったら、まず「屋根を明るい色にできるか」を考えてください。それが可能なら、遮熱塗料を使うかどうかに関わらず、暑さ対策としては大きく前進します。そのうえで予算が許すなら遮熱塗料を選ぶ、という順番が合理的です。
よくある質問
遮熱塗料にすると、何度下がりますか?
数字では答えられません。——メーカーが公表しているデータの多くは屋根や外壁の「表面温度」で、室温とは別の数字だからです。屋根の表面から部屋までの間に下地・小屋裏・断熱材・天井があり、そこに何が入っているかで伝わり方が変わります。「◯℃下がる」と言われたら、表面の話か室温の話かを聞いてください。
エアコン代は安くなりますか?
安くなる可能性はありますが、いくらとは言えません。——家の断熱、間取り、使い方、地域で変わるからです。電気代の見込みで判断するより、「遮熱にした場合としない場合の差額」で判断するほうが確実です。差額が小さいなら試す価値はあります。
外壁も全面、遮熱にしたほうがいいですか?
面によります。——日射を反射する仕組みなので、北面に塗っても遮熱としての働きはほとんど期待できません。効果が出やすいのは屋根、次に西面・南面です。「どの面に効きますか」と聞いてみてください。
断熱塗料なら、断熱材の代わりになりますか?
なりません。——塗膜の厚みは、断熱材とは桁が違います。「遮熱」と「断熱」は別のもので、そもそも狙っていることが違います。断熱を目的にするなら、天井裏の断熱材や窓のほうが効きます。
遮熱塗料は長持ちしますか?
遮熱かどうかと、何年もつかは別の話です。——耐用年数を決めるのは塗料のグレード(シリコン・フッ素・無機など)です。「遮熱だから長持ち」ではありません。ここは切り分けて考えてください。
汚れたら、洗えば効果は戻りますか?
ある程度は戻ると考えられますが、屋根を洗うには足場か、それに代わる安全対策が要ります。——「定期的に洗ってください」と言われても、現実には難しいのが正直なところです。カタログの数値は塗ったばかりの状態のものだと理解したうえで選んでください。
屋根に遮熱塗料を塗るといくらくらいしますか?
同じメーカーの同じ樹脂グレードで比べると、遮熱にする追加は㎡あたり420〜470円でした。カラーベスト・スレート屋根の場合、ポリウレタンがヤネフレッシュ4,560円に対しクールタイト5,030円、シリコンが5,010円に対し5,430円、ふっ素が5,890円に対し6,340円です。屋根120㎡なら差は5.0〜5.6万円。ただしこれは材料の設計価格で、足場・高圧洗浄・下地処理は別に必要です(値段の章)。
遮熱塗料を艶消しにしても大丈夫ですか?
見た目の好みで選ぶぶんには問題ありませんが、JISの認証からは外れます。エスケー化研の設計価格表では、クールタイトF・クールタイトSi・クールタイトのJIS認証マークにいずれも「艶有りが対象」と付記され、備考にも「JIS K 5675(艶有り)」とあります。艶有りと3分艶の両方が選べるので、指定しないまま3分艶になることがあります。助成金が高日射反射率塗料を条件にしている場合は、艶の指定で要件を外さないよう先に確認してください(艶の章)。
アドグリーンコートを勧められました。どうでしょうか?
当サイトは製品の優劣を判定しません。かわりに、その場で確かめられる3つを用意しました。①選んだ色の日射反射率は何%か ②「JIS認証」はどの規格の何種何級か ③出てきた数字は、うちと同じ木造の戸建ての事例か。
とくに③は大事です。公式サイトが公開している屋根裏13℃低下という検証は、工場・倉庫・店舗などの章に置かれたもので、屋根裏に断熱材のない鉄骨の建物の話です。天井に断熱材のある木造の戸建てとは、熱の入り方が違います。
あわせて読みたい
ガイナのデメリット
厚く塗るほど効く。ただし一度に厚塗りすると割れる
エスケープレミアム無機
「無機」は無機100%ではありません
パーフェクトトップ
なぜ、どの見積書にもこれが出てくるのか
外壁塗装の色
色見本の見方と、色によって塗料の値段が変わる話
アルミサッシの塗装
塗れます。でも無理に塗るものでもありません
相場・費用ガイド
塗料グレード別の金額と耐用年数
参考にした情報
- NCK日本中央研究所株式会社「アドグリーンコート®とは」「屋根の遮熱」「濃彩色でも効果大」——「アドグリーンコート®はJIS認証製品です」の見出し、真球ナノ・ファインセラミックスと「反射」と「放熱」のWブラインド効果の説明、「電気代20%削減!」の記載、濃彩色でも効果を発揮するとの説明、屋根遮熱塗装による効果検証(平成25年8月1日〜25日、USB温度ロガーで1時間毎・連続24時間測定、屋根裏鉄骨部分と腰高看板部分に設置、屋根裏13℃低下・腰高6℃低下)と、それが工場・倉庫・店舗・コンテナ・プレハブの章に置かれていること、住宅の実績例(2010年7月20日〜8月19日 712KW→2011年同期間 432KW、前年比40%減、領収証添付)(2026年9月12日確認)
- 日本ペイント「サーモアイSi」製品ページ(屋根用遮熱塗料・JIS K5675 2種2級・全45色の日射反射率)
- 日本ペイント「サーモアイシリーズ」(赤外線透過テクノロジーによる上塗りと下塗りのダブル反射)
- 株式会社シンマテリアルワン「キルコ」(遮熱効果と断熱効果による温度抑制)
- 塗料の販売・調色に携わった経験のある実務者への取材
日射反射率などの数値はメーカー公表値で、製品や改訂により変わることがあります。実際の効果は建物の構造・断熱の状態・立地によって異なります。最終確認日:2026年8月16日。
今回あらたに確認した出典(2026年9月10日)=エスケー化研「設計価格表2026年度版(建築塗料・建築仕上塗材)」屋根用塗料の頁——ヤネフレッシュ4,560円/㎡・ヤネフレッシュSi 5,010円/㎡・ヤネフレッシュF 5,890円/㎡、クールタイト5,030円/㎡・クールタイトSi 5,430円/㎡・クールタイトF 6,340円/㎡(いずれもカラーベスト・スレート屋根、下塗材込み)、水性ヤネフレッシュフッソ5,170円/㎡・水性クールタイトフッソ5,600円/㎡、クールタイトEL工法7,850円/㎡(カラー鋼板・ガルバリウム鋼板)と「上塗材がクールタイトSiの場合は㎡当り400円、クールタイトFの場合は㎡当り1,310円を加算してください」の備考、ならびに「JISマークはJIS認証製品(JIS K 5675 屋根用高日射反射率塗料2種)」の表記と、クールタイトF・クールタイトSi・クールタイトに付された「[艶有りが対象]」「JIS K 5675(艶有り)」の記載。遮熱/非遮熱の対応づけは当サイトによるものです。