アルミサッシの塗装|塗れます。でも無理に塗るものでもありません

結論から書きます。アルミサッシは塗れます。専用の塗料があります。ただし、塗らないと壊れるものではありません。ここを取り違えると、必要のない工事にお金を払うことになります。

このページの内容

まず、アルミは放っておいても穴は開きません

「アルミサッシは塗装しないほうがいいのか」——よく調べられている質問です。これに答えるには、鉄との違いを知るのが早道です。

同じ「錆びる」でも、行き着く先が違う

鉄とアルミの、錆びたあとの違い 鉄は錆びると膨らみ、穴が開いたりちぎれたりするため塗装が必要。アルミは表面が白くくすむが穴は開かないため、塗装は美観のための選択になる。 鉄(雨樋の金具・手すり・霧除け) アルミ(サッシ) 錆びると膨らむ 塗膜が浮き、下から錆が広がる 表面が白くくすむ 粉をふいたような見た目になる 穴が開く・ちぎれる 部材そのものが壊れていく 穴は開かない 見た目は悪くなるが、割と丈夫 塗装は必要(保護のため) 塗装は選択(美観のため)
鉄部を塗るのは、放っておくと部材が壊れるからです。アルミサッシはそうではありません。この違いが、塗るかどうかの判断の土台になります。

鉄でできた部分——雨樋を留めている金具、手すり、霧除けなど——は、塗装をやめると錆びていきます。錆は膨らむので塗膜を押し上げ、進行すると穴が開いたり、ちぎれたりします。だから鉄部の塗装は「やったほうがいい」ではなく「やらないと壊れる」ものです。

いっぽうアルミは、そうはなりません。表面が白くくすんだり、粉をふいたようになることはありますが、そこから穴が開いて崩れていくというものではありません。アルミサッシは、思っている以上に丈夫です。

つまり、アルミサッシを塗る理由は「保護」ではなく「美観」です

ここが分かれ目です。「塗らないと傷みますよ」と言われて不安になる必要はありません。塗らなくても、サッシが壊れて使えなくなることは基本的にありません。

正直に言えば、アルミサッシは無理に塗るものでもありません。塗るとしたら、それは見た目を良くしたいからです。

それでも塗る人がいる理由

とはいえ、どうしても塗りたいという方はいます。理由はだいたい次のどちらかです。

外壁が綺麗になると、サッシが浮く

外壁を塗り替えて見違えるようになったとき、色あせてくすんだサッシだけが古いままに見えてしまう。よくある動機です。

色を変えたい

シルバーのサッシを黒やブロンズにしたい。外壁の色を変えるのに合わせて、窓まわりの印象も変えたい、という希望です。

どちらもまっとうな理由です。家の見た目は住む人の気分に直結します。ただ、「必要な工事」ではなく「やりたい工事」だと分かったうえで選ぶべきだ、というだけの話です。

塗れます。専用の塗料があります

アルミは塗料が密着しにくい素材です。普通の外壁用塗料をそのまま塗っても、うまくいきません。そのため昔から「アルミは塗れない」と言われてきました。

ただ現在は、アルミサッシに対応した専用の塗料があります。代表的なのがBAN-ZI(バンジ)の「RESIDE(リサイド)」です。

項目内容
対象の素材アルミサッシ・樹脂サッシ・樹脂サイディング
下地処理プライマー(下塗り)不要。目粗し(表面を軽く研磨すること)のみ
種類水性・アクリル変性エポキシ樹脂
塗装回数1〜2回
乾燥指触 約20分/塗装間隔 約1.5時間(20℃の場合)
施工条件温度5℃以上・湿度85%以下
納期色によっては1〜2週間かかることがあります

出典:BAN-ZI公式ネットショップの製品仕様(2026年8月時点)。

この塗料はホームセンターやネット通販でも買えるため、「DIY用品でしょ」と思われがちです。ですが、アルミサッシに塗れることになっている数少ない製品で、プロの現場でも使われます。BAN-ZIはもともと錆転換塗料(サビキラーなど)で知られる、一風変わった下地材を得意とするメーカーです。

塗らないほうがいい部分があります

「サッシを塗る」といっても、全部を塗るわけではありません。

動く部分は塗りません

とくにレールは避けます。塗膜の厚みのぶんだけ寸法が変わるため、窓の開け閉めに影響が出ます。戸車やパッキンなど、動いたり触れ合ったりする部分も同じです。

塗るのは動きのない枠の部分になります。「サッシを全部塗ってピカピカに」というイメージとは、少し違うかもしれません。

それから、サッシの種類によっては、そもそも塗るべきでないものがあります。

  • 防火設備の認定を受けているサッシ——認定の条件が変わってしまう可能性があります
  • 樹脂複合枠の高性能サッシ(断熱・高気密タイプ)——メーカー保証の対象外になる可能性があります

これは施主が図面を見て判断できるものではありません。「うちのサッシ、塗って大丈夫なタイプですか」と業者に確認してください。答えられない業者なら、やめておいたほうが無難です。

何年もつのか

塗料メーカーや施工業者の資料では、6〜10年程度とされることが多いようです。ただし、これは条件が揃った場合の目安です。

  • 日当たり——南面・西面は紫外線を受け続けます
  • 雨のかかり方——庇のない窓は濡れる時間が長くなります
  • 海が近いか——潮風のある地域は条件が厳しくなります
  • 手が触れる場所か——サッシは人が触る部分でもあります

外壁と同じサイクルとは限りません

外壁の塗り替えは、シリコンやフッ素なら10年以上を見込みます。サッシの塗装がそれと同じだけもつとは限りません。

「一度塗れば、次の外壁塗装まで気にしなくていい」とは考えず、途中で手を入れる可能性があるものとして選んでください。

頼むなら、外壁と一緒がいい

やると決めたなら、外壁塗装と同じタイミングで頼むのが合理的です。理由は足場です。

2階の窓を塗るには足場が要ります。サッシだけのために足場を組むと、工事そのものより足場代のほうが高くつきかねません。外壁塗装で足場を組むタイミングなら、その追加費用はかかりません。

逆に、足場が要らない場所——1階の窓や勝手口、玄関まわり——なら、単独で頼んでも構いません。ここは分けて考えて大丈夫です。

費用については、ここでは金額を書きません。塗る面積も窓の数も家によって違ううえ、近年は材料費の変動もあります。数字だけが一人歩きするのを避けたいので、「足場が要るかどうかで大きく変わる」という構造だけお伝えしておきます。実際の金額は、外壁の見積もりを取るときに一緒に出してもらってください。

塗る前に確認する3つ

  • 自分に塗りたい理由は、見た目ですか?「傷むから」と言われて不安になっているだけなら、その心配は要りません。アルミは放っておいても穴は開きません
  • 業者にうちのサッシ、塗って大丈夫なタイプですか?防火設備の認定を受けたサッシや、樹脂複合の高性能サッシは避けたほうがいい場合があります。ここを即答できるかどうかは、経験の目安にもなります
  • 業者にどこまで塗って、どこを塗らずに残しますか?レールなど動く部分は塗りません。仕上がりのイメージを先にすり合わせておくと、あとで「思ったのと違う」が起きません

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参考にした情報

  • 株式会社BAN-ZI 公式ネットショップ「樹脂建材用塗料 RESIDE」製品仕様
  • 防火設備の認定サッシ・樹脂複合サッシの塗装に関する、塗装業者各社の公開情報
  • 塗料の販売・調色に携わった経験のある実務者への取材(耐久年数の実感・可動部の扱い・施工時期の考え方)

製品の仕様は改訂されることがあります。施工前に必ず最新のメーカー情報をご確認ください。サッシの種類による可否の判断は、実際に現物を見た施工業者にご相談ください。最終確認日:2026年8月16日。