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ウルトラSiの価格と耐用年数——メーカーが公表しているのは「2,550円/㎡」と「18年相当」です

「ウルトラSiを勧められた」「耐用年数を調べたら15年と書いてあった」——という方へ。

プレマテックスは材工設計価格表をPDFで公開していて、2026年9月版のウルトラSiは2,550円/㎡・塗装工程2回です。いっぽう耐用年数のほうは、ネット上で15年・15〜17年・16〜17年と数字が割れています。ところがメーカー公式が書いているのは年数そのものではなく、「約15年相当に近づく段階で初期の外観変化が見られ、18年相当を経過した段階で劣化の進行傾向が見られました」という促進耐候性試験の結果です。このページでは、公式の原文と標準施工仕様書だけを使って、価格・年数・使う量を並べます。(2026年9月13日確認)

このページの内容全13項目

先に結論

材工設計参考価格は2,550円/㎡・塗装工程2回(2026年9月版)。ただし300㎡以上が前提で、足場代・下地調整代は入っていません
メーカーは「期待耐用年数◯年」という書き方をしていません。書いてあるのは促進試験の「約15年相当で初期の外観変化」「18年相当で劣化の進行傾向」です
③所要量は0.12〜0.15kg/㎡/回×2回。外壁120㎡なら15kg缶で2〜3缶——見積書の缶数と突き合わせられます
④1液水性なのに屋根に対応。ただし屋根は「屋根用耐候性強化色」または「屋根用遮熱色」という別の色になります

いちばん誤解が多いのは②です。——年数の数字がネット上で割れているのは、メーカーが年数を断言していないからだと考えると、説明がつきます。順に見ていきます。

価格——材工設計参考価格は2,550円/㎡です

プレマテックスは「各種資料 > 仕様書」の最下段で、全製品の材工設計参考価格をPDFで公開しています。2026年9月版の「ウルトラペイントシリーズ」の欄は、次のとおりです。

製品名種別材工設計参考価格工程
ウルトラSiウルトラナノポリマーシリコン樹脂塗料2,550円/㎡2回
ウルトラクリヤーウルトラクリヤーシリコーン樹脂塗料2,700円/㎡2回
ウルトラフッ素ウルトララジカルコントロールフッ素樹脂塗料3,100円/㎡2回
ウルトラMUKI無機有機ウルトラハイブリッド塗料3,150円/㎡2回
ウルトラGゼロコートウルトラシリカ複合艶消し無機塗料3,150円/㎡2回
ウルトラルーフウルトラハイソリッド無機塗料3,150円/㎡2回
ウルトラ有機HRCウルトラ耐候形有機HRC塗料3,400円/㎡2回
ウルトラTOPウルトラUVプロテクト上塗材保護用コート1,350円/㎡1回

出典:プレマテックス「プレマテックス製品一覧(材工設計参考価格)」2026年9月版。荷姿はウルトラTOPを除き15kg缶・10kg缶・5kg缶の3種で、塗布面積/回はそれぞれ100〜125㎡・66〜83㎡・33〜41㎡と記載されています(ウルトラクリヤーのみ15kg缶で125〜150㎡)。

ウルトラSiは、このシリーズでいちばん安い行です。——シリーズ最上位のウルトラ有機HRC(3,400円)との差は850円/㎡。外壁120㎡なら10万2千円ほどの差になります。

もうひとつ、同じ価格表の別の欄も見ておくと位置が分かります。同社の「グランデシリコン」(水溶性2液溶剤形ハイグレードシリコン塗料)は3,550円/㎡です。同じ「シリコン」でも1,000円違います。違いは、ウルトラSiが1液水性で、グランデシリコンが2液の水溶性溶剤形だという点です。「シリコン塗料でいくら」という聞き方では、この差が見えません。

この2,550円に、入っていないもの

価格表の1ページ目に、前提が4行で書かれています。ここを読まずに㎡単価だけ持っていくと、見積書と食い違います。

材工設計価格表の冒頭(原文)
  • 「材工設計価格は目安としてご利用ください。」
  • 「材工設計価格は300㎡以上の場合の参考価格です。平米数の少ない場合は割高になります。」
  • 「足場代・下地調整代等は含まれていません。」
  • 「この材工設計参考価格は2026年9月のものです。」

2行目が、戸建てにいちばん効きます。——一般的な戸建ての外壁は100〜150㎡前後で、300㎡には届きません。メーカー自身が「平米数の少ない場合は割高になります」と書いているのですから、2,550円×自宅の面積=総額、という計算は成り立ちません。

3行目も同じです。足場は㎡あたりで別に積まれますし、下地調整(ひび割れの補修、既存塗膜のケレン、シーリングの打ち替え)も入っていません。見積書がこの2,550円より高いのは、多くの場合、そこに理由があります(見積書の内訳㎡単価の読み方)。

逆に、2,550円をかなり下回る見積書が出てきたら、そちらを聞いてください。塗り回数が2回になっているか、下塗り材が別行で入っているか。メーカーの表は「工程2回」と明記しています。

この「18年相当」という書き方そのものが、このメーカーの癖です。プレマテックスは製品を3階層に分けたうえで、年数ではなく「何倍もつか」で耐久性を示しています——グレードの並びと価格表の前提(300㎡以上が基準)はプレマテックスとはにまとめました。

「15年」「15〜17年」はどこから来たのか

ウルトラSiを検索すると、耐用年数として15年・15〜17年・16〜17年といった数字が出てきます。書いている会社によって違います。——そこで、メーカーが何と書いているかを確かめました。

まずプレマテックスの製品ページ(prematex.co.jp)には、年数の記載がありません。標準施工仕様書にもありません。年数に触れているのは、シリーズの専用サイト「ウルトラペイントシリーズ」(ultra-paint.com)のウルトラSiのページで、次の書き方です。

ウルトラペイントシリーズ公式サイトより(原文)

「ウルトラSiを塗布した試験片で促進耐候性試験を行った結果、約15年相当に近づく段階で初期の外観変化が見られ、18年相当を経過した段階で劣化の進行傾向が見られました。他のシリコン塗料と比較しても、その劣化進行は極めて緩やかです。また、屋根や外壁において著しい色あせやチョーキングが発生する塗り替え推奨期(光沢保持率40%未満)までは、まだ十分な耐候性を残していることがわかります。」

「ウルトラSiは低価格でありながら耐候性に優れ、塗り替え周期が15年以上と長いため、一度塗装すれば長期間塗り替えを行う必要がありません。」

読み取れることを整理します。

ひとつめ。「期待耐用年数は◯年です」という断言は、どこにもありません。——あるのは促進試験の結果と、「塗り替え周期が15年以上」という言い方です。だからネット上の数字が割れるのだと考えると、筋が通ります。

ふたつめ。年数が2つ出てきます。約15年相当が「初期の外観変化」、18年相当が「劣化の進行傾向」。この2つは意味が違います。15年で寿命が来るのでも、18年で塗り替えが必要になるのでもありません。次の項で、同社がこの言葉をどう定義しているかを見ます。

みっつめ。「塗り替え推奨期(光沢保持率40%未満)までは、まだ十分な耐候性を残している」と書かれています。——つまりメーカーの見立てでは、18年相当の時点でも塗り替え推奨期には達していない、ということになります。

同社の「期待耐用年数」の定義を読む

プレマテックスは、期待耐用年数という言葉そのものを説明したページを持っています。ここが、上の2つの年数を読むための鍵になります。

プレマテックス「期待耐用年数について」より(原文)
  • 「プレマテックスでは期待耐用年数を『塗膜の下地保護機能が著しく低下し塗り替えが必要とされる時期の目安』としています。」
  • 「期待耐用年数の設定にあたっては……劣化初期から劣化進行期へ移行し始める時期を目安に期待耐用年数を設定しています。」
  • 「※期待耐用年数は……保証年数ではありません。また、各製品の標準塗装仕様に準拠し、適切な施工および環境条件下で塗装された場合を前提としています。」
  • 「※期待耐用年数が経過しても、必ずしも直ちに塗り替えが必要な段階とは限りません。実際の建物では、色あせやチョーキングといった外観変化の程度を目安に、総合的にご判断ください。」

この定義を、さきほどの2つの年数に当てはめます。——「劣化初期から劣化進行期へ移行し始める時期」が期待耐用年数なのですから、「18年相当を経過した段階で劣化の進行傾向」のほうが、定義に近い数字ということになります。約15年相当のほうは「初期の外観変化」で、まだ劣化初期の話です。

ただし、これはメーカーが「18年です」と書いているわけではありません。同社の定義と、同社が公表した試験結果を突き合わせた、当サイトの読み方です。正確を期すなら、見積もりのときに「期待耐用年数は何年という扱いですか」と施工会社に聞き、根拠を示してもらってください。

もうひとつ、この会社が公開している表があります。促進試験の時間を、屋外の何年に換算しているかの倍率です。ここまで公開しているメーカーは多くありません。

試験機器放射照度1年間の放射露光量に対応する時間
スーパーUVテスター(メタルハライドランプ)1500W/㎡50〜60時間/1年
530W/㎡150〜180時間/1年
スーパーキセノンウェザーメーター(キセノンランプ)180W/㎡400〜500時間/1年
60W/㎡1400〜1500時間/1年

出典:同ページ。「※日本における年間平均放射露光量を4500MJ/m²とし、紫外線波長域の年間露光量を各試験機器の試験時間に換算しています。換算倍率は一般的な試験機関の換算式に基づく目安値です。」とされています。

「◯年相当」という言い方の中身が、これです。——たとえばスーパーUVテスターの1500W/㎡なら、900〜1,080時間の試験で「18年相当」になります。他社のカタログで「促進試験2,500時間」といった数字を見たときも、この換算を知っていれば、何年ぶんの話なのかを聞けます。

外壁120㎡なら、15kg缶が何缶要るか

プレマテックスは、製品ごとに標準施工仕様書をPDFで公開しています。ウルトラSi(内外部壁面)の内容です。

項目記載内容
種別ウルトラナノポリマーシリコン樹脂塗料
荷姿15kg、10kg、5kg
用途内外部壁面
適用基材一般外壁、コンクリート、モルタル、窯業系サイディングボード、吹付けタイル、スタッコ、リシンなど
下塗り「下地に応じた下塗り材をご使用ください。」
上塗りの調合ウルトラSi 15kg+清水 2〜8%
所要量/㎡/回0.12〜0.15kg(施工面積100〜125㎡)
施工器具・塗回数ウルトラローラー・2回
間隔時間(23℃)2時間以上 ※最終養生24h

出典:プレマテックス「ウルトラSi 標準施工仕様書(内外部壁面)」第3版 2024.02.21作成。

この数字で計算できます。外壁の塗る面積が120㎡だとします。

検算
  • 少ないほうの所要量:120㎡ × 0.12kg × 2回 = 28.8kg
  • 多いほうの所要量:120㎡ × 0.15kg × 2回 = 36kg
  • 15kg缶に換算すると 1.9缶〜2.4缶——実際には端数が出るので、2缶では足りないことがあり、3缶が必要になる場合があります

この数字を持っていると、見積書の見え方が変わります。——「ウルトラSi 一式」ではなく「ウルトラSi 15kg缶 3缶」と書いてある見積書なら、面積と突き合わせられます。缶数が1缶しか書かれていないのに120㎡を塗ることになっていたら、そこは聞いてください。

逆に、缶数を書かない会社が悪いわけではありません。塗料の量は現場でしか確定しないからです。聞き方としては「何缶を見込んでいますか」で十分です。答えられる会社は、仕様書を読んでいます(面積の考え方見積書のチェック)。

屋根にも塗れます。ただし色が別です

ウルトラSiの特徴として、公式が強く出しているのが屋根対応です。そして、その理由の説明が率直です。

ウルトラペイントシリーズ公式サイトより(原文)

「一般的な1液水性塗料は外壁用がほとんどであり、耐候性が求められる屋根塗装には2液タイプや油性(溶剤)タイプが推奨されてきました。ウルトラSiは『屋根用耐候性強化色』『屋根用遮熱色』対応。環境条件の厳しい屋根において真価を発揮します。」

メーカー自身が、1液水性は屋根に向かないとされてきたと書いています。——そのうえで、専用の色を用意することで対応した、という説明の順序です。

ここで大事なのは、屋根に塗るときは「屋根用耐候性強化色」または「屋根用遮熱色」という別の色になるという点です。外壁の標準色をそのまま屋根に塗る仕様ではありません。標準施工仕様書も、外壁用と屋根用で別のPDFになっています。

項目外壁(内外部壁面)屋根用耐候性強化色
荷姿15kg、10kg、5kg15kgのみ
用途内外部壁面一般屋根
適用基材一般外壁、コンクリート、モルタル、窯業系サイディングボード、吹付けタイル、スタッコ、リシンなど金属系屋根、窯業系屋根、アスファルトシングル、陶器瓦など
所要量/㎡/回0.12〜0.15kg(100〜125㎡)0.125〜0.16kg(93〜120㎡)
清水(希釈)2〜8%0〜10%
塗回数2回2回

出典:プレマテックス「ウルトラSi 標準施工仕様書(内外部壁面)」「ウルトラSi 屋根用耐候性強化色 標準施工仕様書」。

屋根用のほうが所要量がやや多く、同じ15kg缶で塗れる面積が少なくなります。屋根と外壁を同じ㎡単価で見積もられていたら、一度聞いてみてください。

公式は「屋根と外壁(標準色)の耐候性差の生じない施工を可能にし、屋根と外壁の塗り替え周期も合うため長期的なコスト削減にもつながります」とも書いています。——屋根と外壁を別々の時期に塗ると足場を2回組むことになるので、周期をそろえる考え方そのものは理にかなっています(屋根塗装の費用)。

仕様書に書いてある「やってはいけない」

「ウルトラSi デメリット」で調べている方もいます。——欠点の話は評判として書かれがちですが、もっと確かなのは、メーカー自身が仕様書に書いている注意事項です。主なものを挙げます。

ウルトラSi 標準施工仕様書「注意事項」より(原文の抜粋)
  • 「シーリング材の上に施工する場合、シーリング材の種類等により、汚染、密着不良、割れが発生することがありますので、基本的には行わないでください。やむを得ず塗装する場合は、重ね塗り適合性を十分確認の上、施工してください。」
  • 「施工環境が気温5℃以下の場合、湿度85%RH以上の場合、結露が発生する可能性がある場合、外部の施工で降雨が予想される場合には施工を避けてください。」
  • 「被塗物の表面温度が5℃以下の場合は塗装を避けてください。」
  • 「セメント質下地は、表面の含水率が10%以下(pH10以下)になるまで放置してください。……モルタルの乾燥時間は夏期で1週間、冬期で2週間必要です。コンクリート下地は夏期で2週間、冬期で3週間以上の乾燥が必要です。」
  • 「塗料の使用期限は未開封の状態で水性製品6ヶ月、油性製品12ヶ月です。」
  • 「希釈は仕様の調合割合を守り十分に攪拌してください。調合割合を誤ると光沢や隠蔽性が悪くなります。
  • 「目地部が深い場合はハケなどで塗装してください。」

1つめが、いちばん実務に効きます。——外壁塗装では、シーリング(コーキング)を打ってから上に塗装する「先打ち」と、塗装のあとに打つ「後打ち」があります。この仕様書は、シーリングの上に塗ることを「基本的には行わないでください」としています。

「だから先打ちは手抜きだ」という話ではありません。シーリング材の種類によっては可能で、メーカーも「やむを得ず塗装する場合は、重ね塗り適合性を十分確認の上」と続けています。聞くとすれば、「シーリングは先打ちですか、後打ちですか。先打ちなら、使うシーリング材とウルトラSiの重ね塗り適合性は確認済みですか」です(コーキングの費用シーリングの切れ)。

2つめと3つめは、冬の工期の話です。気温5℃以下では塗れません。真冬に工事を予定している場合、「雨で延びた」以外に「気温で延びた」も起こり得ます。あらかじめ知っておくと、現場の判断を疑わずに済みます(塗装の時期)。

4つめは新築や補修直後のケース、5つめは買い置きの塗料が使われていないかの目安になります。水性は未開封でも6ヶ月です。

なお艶は、公式に「艶あり・3分艶からお選びいただけます」とあります。艶消しを希望する場合は、同じシリーズの「ウルトラGゼロコート」(ウルトラシリカ複合艶消し無機塗料・3,150円/㎡)が別にあります。

ウルトラTOPを足すと、いくらになるか

ウルトラSiを勧める会社の多くが、あわせて「ウルトラTOP」を提案します。価格表ではウルトラUVプロテクト上塗材保護用コート・1,350円/㎡・1回です。

足し算をしてみます。

組み合わせ材工設計参考価格の合計
ウルトラSi のみ2,550円/㎡
ウルトラSi + ウルトラTOP3,900円/㎡
(参考)ウルトラMUKI のみ3,150円/㎡
(参考)ウルトラ有機HRC のみ3,400円/㎡

いずれも同じ材工設計価格表(2026年9月版)の数字を足したものです。実際の見積金額ではありません。

ウルトラSiにウルトラTOPを足すと、シリーズ最上位のウルトラ有機HRC単体より高くなります。——これは「損だ」という意味ではありません。保護コートを重ねることと、上塗り材そのもののグレードを上げることは、別のことだからです。

ただし判断するための材料にはなります。組み合わせを勧められたら、聞くことは1つです。——「上塗りのグレードを上げるのではなく、この組み合わせにする理由は何ですか」。納得のいく答えが返ってくるなら、それでいいと思います。

同じメーカーの他の製品と並べる

プレマテックスには、ウルトラペイントシリーズのほかに「タテイルシリーズ」「グランデシリーズ」があります。同じ価格表に並んでいるので、位置関係がそのまま読めます。

製品名種別材工設計参考価格
ウルトラSi1液水性シリコン(ウルトラナノポリマー)2,550円/㎡
ウルトラ有機HRC1液水性 有機HRC3,400円/㎡
タテイルαサンクール プレミアムエディション油性2液弱溶剤 超低汚染形無機・遮熱タイプ3,350円/㎡
タテイルα プレミアムエディション油性2液弱溶剤 超低汚染形無機3,500円/㎡
グランデシリコン水溶性2液溶剤形 ハイグレードシリコン3,550円/㎡
タテイルアクア水性2液反応硬化形無機4,000円/㎡
タテイル/タテイルフロン油性2液弱溶剤 超耐候形無機/水性2液フッ素ハイブリッド形無機4,900円/㎡
T2(タテイル2)油性2液弱溶剤形 有機HRC樹脂5,500円/㎡

出典:同価格表(2026年9月版)。塗装工程はいずれも2回です。

この表で目を引くのは、ウルトラSi(2,550円)とタテイルα プレミアムエディション(3,500円)の差が950円しかないことです。タテイルαのほうは、パンフレット12ページの図に期待耐用年数「約18〜20年」が示されています(タテイルαの評判と価格)。なお同じ「有機HRC」の樹脂を使った上位製品として、水溶性2液溶剤形のグランデ有機HRC(4,350円/㎡)もあります。

ウルトラSiが「18年相当で劣化の進行傾向」、タテイルαが「約18〜20年」。同じメーカーの中では、近い位置にあることになります。——ただし書かれ方も試験の示し方も違うので、この2つを同じ物差しで比べることはできません。並べて見えるのは「シリーズが違えば、値段のつき方も情報の出し方も違う」ということまでです。

もうひとつ。タテイルシリーズは施工店が限られます。ウルトラSiは1液水性で扱う会社が多いので、同じ製品名で相見積もりを取りやすいのが実務上の利点です。塗料を指定して複数社に頼めるなら、金額の差が「塗料の差」ではなく「工事の差」として読めます(無機塗料はメーカーで何が違う?)。

試験成績——JISの何に合格しているか

公式サイトの末尾に、試験成績が書かれています。

ウルトラペイントシリーズ公式サイト「試験成績」より(原文)
  • 「JIS K 5660 つや有り合成樹脂エマルションペイント——『容器の中の状態』『塗装作業性』『塗膜の外観』『付着性』『耐水性』『耐アルカリ性』『促進耐候性』」
  • 「JIS K 5600 塗料一般試験方法——『耐おもり落下性』」
  • 「全項合格」

JIS K 5660 は「つや有り合成樹脂エマルションペイント」の規格です。エマルションペイント=水性塗料のことで、ウルトラSiが1液水性であることと一致します。合格しているのは、この規格が定める7項目です。

注意したいのは、「JIS合格=耐用年数の保証」ではないことです。促進耐候性の項目はありますが、それは規格が定める条件をクリアしたという意味で、屋外で何年もつかとは別の話になります。この点は、同社が期待耐用年数のページで「保証年数ではありません」と書いているのと同じ趣旨です。

なお、この塗料はパッケージにウルトラマンが使われています。公式の説明は「本製品の魅力を最大限にお伝えするため、地球の平和を守るヒーローの象徴、ウルトラマンを起用しました」というもので、円谷プロの正式なライセンスによるものです(仕様書PDFにも「ⓒ 円谷プロ」の表記があります)。性能とは関係ありませんが、「聞いたことのない塗料で不安」という方の材料にはなると思います。

見積書で、この5つを確かめてください

①塗り回数が「2回」になっているか——メーカーの価格表も仕様書も、工程は2回です

②下塗り材の名前が書かれているか——仕様書は「下地に応じた下塗り材をご使用ください」とだけ書いていて、製品を指定していません。何を使うかは会社が決めます

③缶数が面積と合うか——120㎡なら15kg缶で2〜3缶。上の検算を使ってください

④屋根も塗るなら、色が「屋根用」になっているか——屋根用耐候性強化色・屋根用遮熱色は外壁の標準色と別です

⑤シーリングは先打ちか後打ちか——仕様書は上に塗ることを「基本的には行わないでください」としています

この5つは、全部その場で聞けます。——そして5つとも、答えが仕様書に書いてあることなので、答えられる会社と答えられない会社に分かれます。それ自体が、判断の材料になります。

金額の比較は、そのあとです。同じ塗料・同じ回数・同じ面積で並べてはじめて、差が読めます(見積もりの取り方)。

よくある質問

ウルトラSiの耐用年数は何年ですか?

メーカーは年数を断言していません。——公式サイトにあるのは「約15年相当に近づく段階で初期の外観変化が見られ、18年相当を経過した段階で劣化の進行傾向が見られました」という促進耐候性試験の結果と、「塗り替え周期が15年以上と長い」という記述です。同社は期待耐用年数を「劣化初期から劣化進行期へ移行し始める時期」と定義しているので、この定義に照らすと18年相当のほうが近い数字と読めますが、これは当サイトの読み方です。また同社は「期待耐用年数は保証年数ではありません」とも明記しています。

ウルトラSiの価格は1㎡いくらですか?

メーカーの材工設計参考価格は2,550円/㎡・塗装工程2回です(2026年9月版)。——ただし価格表の冒頭に「材工設計価格は300㎡以上の場合の参考価格です。平米数の少ない場合は割高になります。」「足場代・下地調整代等は含まれていません。」と書かれています。戸建ての外壁は100〜150㎡前後なので、この単価に自宅の面積を掛けても総額にはなりません。

ウルトラSiとウルトラTOPはセットで頼むものですか?

セットが前提という書き方は、メーカーの資料にはありません。——ウルトラTOPは「ウルトラUVプロテクト上塗材保護用コート」として価格表に別の行で載っており、1,350円/㎡・1回です。ウルトラSiと足すと3,900円/㎡になり、同じシリーズの上位品であるウルトラ有機HRC単体(3,400円/㎡)より高くなります。どちらが良いという話ではありませんが、勧められたときは「上塗りのグレードを上げるのではなく、この組み合わせにする理由は何ですか」と聞いてみてください。

ウルトラSiのデメリットは何ですか?

評判よりも、仕様書の注意事項を見るのが確実です。——気温5℃以下・湿度85%RH以上・結露のおそれ・降雨予想のときは施工できません。被塗物の表面温度が5℃以下でも塗れません。つまり真冬の工期は天気だけでなく気温でも動きます。また未開封の使用期限は水性で6ヶ月です。そしてメーカーは「シーリング材の上に施工する場合……基本的には行わないでください」としています。艶は艶ありと3分艶の2種類で、艶消しを希望する場合は同シリーズのウルトラGゼロコートが別にあります。

ウルトラSiは屋根にも塗れますか?

塗れます。ただし色が別になります。——公式は「屋根用耐候性強化色」「屋根用遮熱色」に対応と説明しており、標準施工仕様書も外壁用(内外部壁面)と屋根用で別になっています。屋根用耐候性強化色は荷姿が15kgのみ、所要量は0.125〜0.16kg/㎡/回(施工面積93〜120㎡)、清水の希釈は0〜10%です。外壁より所要量がやや多いので、屋根と外壁を同じ㎡単価で見積もられていたら確認してください。

希釈はどれくらいですか?

清水で2〜8%です(外壁の場合)。——標準施工仕様書の調合欄に「ウルトラSi 15kg/清水 2〜8%」と書かれています。屋根用耐候性強化色は0〜10%です。同じ仕様書の注意事項に「希釈は仕様の調合割合を守り十分に攪拌してください。調合割合を誤ると光沢や隠蔽性が悪くなります。」とあります。仕上がりの艶が出ない、色がうまく隠れないといった不具合の一因になる、ということです。

外壁120㎡だと、塗料は何缶必要ですか?

15kg缶で2〜3缶が計算上の目安です。——標準施工仕様書の所要量は0.12〜0.15kg/㎡/回で、塗回数は2回。120㎡なら28.8〜36kgとなり、15kg缶に換算すると1.9〜2.4缶です。端数が出るので、実際には3缶になることがあります。ただし塗る面積は窓の差し引き方でも変わるので、この計算は「桁が合っているか」を見るためのものと考えてください。

ウルトラSiは一般的なシリコン塗料と何が違うのですか?

同じメーカーの中でも、種別と価格が違います。——ウルトラSiは「ウルトラナノポリマーシリコン樹脂塗料」で1液水性、材工設計参考価格2,550円/㎡。同社の「グランデシリコン」は「水溶性2液溶剤形ハイグレードシリコン塗料」で3,550円/㎡です。同じシリコンでも1,000円/㎡違います。メーカーの説明では、ウルトラSiは多重ラジカル制御形酸化チタンを住宅塗装分野で業界に先駆けて採用した点を特長としています。「シリコン塗料でいくらですか」という聞き方では、この違いが見えません。

塗料を指定して見積もりを頼めますか?

頼めます。むしろウルトラSiは、それがしやすい塗料です。——1液水性で扱う会社が多いため、「ウルトラSiの2回塗りで」と条件をそろえて複数社に出してもらえます。同じメーカーでもタテイルシリーズは施工店が限られるので、同じ製品での相見積もりが取りにくくなります。条件をそろえて金額が割れた場合、差の理由は足場・下地調整・下塗り材のどれかに絞られます。

JISに合格しているとありますが、耐用年数の保証になりますか?

なりません。——公式に記載があるのはJIS K 5660「つや有り合成樹脂エマルションペイント」の7項目(容器の中の状態・塗装作業性・塗膜の外観・付着性・耐水性・耐アルカリ性・促進耐候性)と、JIS K 5600「塗料一般試験方法」の耐おもり落下性に全項合格、という内容です。規格が定める条件をクリアしたという意味であって、屋外で何年もつかを保証するものではありません。同社自身も、期待耐用年数について「保証年数ではありません」と書いています。

参考にした情報

  • プレマテックス株式会社 公式サイト「製品情報 > 上塗り材 > ウルトラSi」(2026年9月13日確認)——製品分類「ウルトラナノポリマーシリコン樹脂塗料」、「クラス最高レベルの耐候性と優れたコストパフォーマンスをかなえた1液水性シリコン樹脂塗料」、ウルトラマン起用の説明(「本製品の魅力を最大限にお伝えするため、地球の平和を守るヒーローの象徴、ウルトラマンを起用しました」「ⓒ 円谷プロ」)
  • 同 公式サイト「各種資料 > 仕様書 > プレマテックス製品一覧(材工設計参考価格)」2026年9月版——ウルトラペイントシリーズ全8製品およびタテイルシリーズ・グランデシリーズの製品名/荷姿/塗布面積(回)/材工設計参考価格/塗装工程、ならびに冒頭の4行(「材工設計価格は目安としてご利用ください。」「材工設計価格は300㎡以上の場合の参考価格です。平米数の少ない場合は割高になります。」「足場代・下地調整代等は含まれていません。」「この材工設計参考価格は2026年9月のものです。」)
  • 同 公式サイト「ウルトラSi 標準施工仕様書(内外部壁面)」第3版 2024.02.21作成——種別・荷姿・用途・適用基材、素地調整/下塗り/上塗りの工程、所要量0.12〜0.15kg/㎡/回(施工面積100〜125㎡)、清水2〜8%、ウルトラローラー、塗回数2、間隔時間2時間以上(最終養生24h)、および注意事項全文(使用期限、施工環境、被塗物の表面温度、セメント質下地の含水率とモルタル・コンクリートの乾燥時間、シーリング材の上への施工、希釈の調合割合、目地部の塗装ほか)
  • 同 公式サイト「ウルトラSi 屋根用耐候性強化色 標準施工仕様書」——荷姿15kg、用途 一般屋根、適用基材(金属系屋根・窯業系屋根・アスファルトシングル・陶器瓦など)、所要量0.125〜0.16kg/㎡/回(施工面積93〜120㎡)、清水0〜10%、塗回数2
  • 同 公式サイト「トピックス&コンテンツ > 期待耐用年数について」(2026年9月13日確認)——期待耐用年数の定義(「塗膜の下地保護機能が著しく低下し塗り替えが必要とされる時期の目安」)、促進耐候性試験による劣化進行の4段階分類、設定基準(「劣化初期から劣化進行期へ移行し始める時期を目安に」)、試験機器と屋外ばく露のおおよその換算倍率(スーパーUVテスター1500W/㎡=50〜60時間/1年、530W/㎡=150〜180時間/1年、スーパーキセノンウェザーメーター180W/㎡=400〜500時間/1年、60W/㎡=1400〜1500時間/1年。年間平均放射露光量4500MJ/m²)、および2つの注記(保証年数ではないこと、経過しても直ちに塗り替えが必要とは限らないこと)
  • ウルトラペイントシリーズ 公式サイト(ultra-paint.com)「ウルトラSi 製品情報」(2026年9月13日確認)——促進耐候性試験の結果(「約15年相当に近づく段階で初期の外観変化が見られ、18年相当を経過した段階で劣化の進行傾向が見られました」「塗り替え推奨期(光沢保持率40%未満)までは、まだ十分な耐候性を残している」)、「塗り替え周期が15年以上と長い」、屋根塗装についての記述(「一般的な1液水性塗料は外壁用がほとんどであり、耐候性が求められる屋根塗装には2液タイプや油性(溶剤)タイプが推奨されてきました」)、艶(「艶あり・3分艶からお選びいただけます」)、試験成績(JIS K 5660 つや有り合成樹脂エマルションペイントの7項目/JIS K 5600 塗料一般試験方法「耐おもり落下性」・全項合格)
  • 最終確認日:2026年9月13日。製品の仕様・価格は改定されることがあります。実際の工事については、現地を確認した施工会社にご確認ください。

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