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無機塗料は、メーカーで何が違うのか——エスケーと関西ペイントを公式仕様で比べる
無機塗料を勧められて調べると、どのメーカーも「超高耐候」「フッ素を超える」と書いていて、違いが分かりません。結論から言うとどちらも「無機100%」ではなく、無機と有機の混合物です。そこは同じ。では何が違うのか——公式の塗装仕様を突き合わせると、はっきり分かれるのは3点でした。弾性下地に追従すると書いてあるか・中塗が専用品か・そして価格が公開されているかです。どれも見積書の読み方が変わるところなので、順に見ていきます。
このページの内容
- 🔑先に結論——どちらも「無機100%」ではありません
- 公式が名乗っている名前を、そのまま並べます
- 公式の製品仕様を、同じ項目で並べます
- 🔑弾性下地——両社とも対応。ただし条件の書き方が違います
- 工程の数が違います——MUKIは中塗も専用品
- 水性1液か、二液弱溶剤か
- 塗る量の比べ方——「標準塗坪」と「標準所要量」は前提が違います
- 「ラジカルコントロール技術」の中身
- 🔑価格——エスケーは㎡いくらか公開されています
- 屋根まで無機で揃うのは、片方だけ
- 結局、どちらを選べばいいのか
- よくある質問
先に結論——どちらも「無機100%」ではありません
これは両社に共通する、いちばん大事な前提です。「無機塗料」と呼ばれていても、中身は無機と有機の混合物です。両社とも公式にそう書いています。隠しているわけではありません。
なぜ混ぜるのかという理屈は、エスケープレミアム無機のページに書きました。塗り替えでは既存の塗膜の上に塗るので、完全な無機だと硬すぎて追従できない——そういう話です。ここではその先、「メーカーによって何が違うのか」だけを扱います。
公式仕様を突き合わせて、はっきり違ったのは次の3点でした。
| エスケープレミアム無機 エスケー化研 | アレスダイナミックMUKI 関西ペイント | |
|---|---|---|
| 弾性下地への対応 | 公式に明記 「水性弾性サーフエポなどとの組み合わせにもご使用いただけます」 艶の条件なし | 公式に明記 ※艶ありのみ対応 |
| 選べるつや | 水性=3段階(艶有り・半艶・3分艶) マイルド=4段階(艶有り・7分・5分・3分) | 公式ページで段階の記載を確認できず |
| 工程 | 下塗+上塗(下塗材は下地で選ぶ) | 中塗も専用品(MUKI 中塗) |
| 屋根用 | あり(無機ルーフ/無機ルーフ遮熱) | 外壁用として案内 |
| 価格の公開 | 🔑設計価格表を公開 ㎡6,280〜8,100円(100㎡・下塗材込み) | 確認した範囲では見つからず |
公式が名乗っている名前を、そのまま並べます
製品の性格は、メーカーが付けている「一般名称」に出ます。宣伝文句ではなく、分類として書いている名前のほうです。
| 製品 | 公式の一般名称・説明 |
|---|---|
| エスケープレミアム無機 | 超低汚染ハイブリッド水性無機塗料 |
| エスケープレミアム無機マイルド | 超低汚染ハイブリッド二液弱溶剤形無機塗料 |
| アレスダイナミックMUKI | 無機有機ハイブリッド塗料/「超耐候性超低汚染ハルスハイリッチ」 |
3つとも「ハイブリッド」が入っています。エスケー化研は「無機成分をナノレベル(分子レベル)で複合化する無機ハイブリッド技術」と説明し、関西ペイントは「『無機』の強靭さと『有機』の柔軟性、そしてフッソレジンの素材の保護機能を高効率で配合」と説明しています。
関西ペイントの説明で目を引くのは、フッ素が出てくることです。公式は「従来の最高位グレード『フッソ樹脂塗料』を超越」と書きながら、その中身に「最高グレードのフッソレジン」を配合していると説明しています。フッ素を超えるために、フッ素を使っている——という構成です。
⚠️どちらの説明もメーカー自身のものです。当サイトは試験をしていないので、どちらが優れているかの判定はしません。ここで確認できるのは「何をどう名乗っているか」までです。
公式の製品仕様を、同じ項目で並べます
比較記事でいちばん困るのは、片方の情報しか無いことです。エスケー化研は製品ページに「製品仕様」の表を出しているので、そのまま引きます。
| 項目 | エスケープレミアム無機 水性 | エスケープレミアム無機マイルド 弱溶剤形 |
|---|---|---|
| 一般名称 | 超低汚染ハイブリッド水性無機塗料 | 超低汚染ハイブリッド二液弱溶剤形無機塗料 |
| 液型 | 一液 | 二液 |
| 希釈 | 清水(水で薄める) | 塗料用シンナーA |
| 艶の状況 | 艶有り・半艶・3分艶=3段階 | 艶有り・7分艶・5分艶・3分艶=4段階 |
| 荷姿 | 15kg石油缶、4kg缶 | 15kgセット(主剤12.5kg+硬化剤2.5kg)、3.6kgセット |
| 標準塗坪 | 43〜68㎡/15kg缶、11〜18㎡/4kg缶 | 43〜68㎡/15kgセット、10〜16㎡/3.6kgセット |
| ホルムアルデヒド放散等級 | F☆☆☆☆ | F☆☆☆☆ |
| 塗装方法 | 吹付・ローラー・刷毛 | 吹付・ローラー・刷毛 |
ここで意外なのは、両方とも「標準塗坪 43〜68㎡」で同じだということです。水性でも弱溶剤でも、1缶で塗れる面積は変わりません。「溶剤のほうが濃いから少なくて済む」といった話ではない、ということが公式の数字で分かります。
もう1つ、マイルドにだけ書かれている特長があります。
幅広い下地適用性——弱溶剤で構成されているため、旧塗膜の種類を問わず、優れた密着性、下地適用性を示します。(エスケー化研公式・エスケープレミアム無機マイルド)
「旧塗膜の種類を問わず」——これは前に何が塗ってあるか分からない家で効いてくる性質です。塗り替えの回数を重ねた家、途中で業者が変わっている家では、下の塗膜が何なのかが分からないことがあります。そういうときに弱溶剤が選ばれる理由が、公式に書かれているということです。水性と油性(溶剤)の違いのページもあわせてご覧ください。
弾性下地——両社とも対応。ただし条件の書き方が違います
ここが、施主にとっていちばん実際的な違いかもしれません。関西ペイントは公式にこう書いています。
弾性下地にも対応——固い特性を持つ無機を、弾性下地にも追従する柔軟性を持たせ、ひび割れに強い塗膜を形成します。(※艶ありのみ対応)(関西ペイント公式)
無機塗料の弱点として、よく「硬いのでひび割れに弱い」と言われます。関西ペイントはそこに正面から答えていて、弾性下地に対応すると明記しています。
ただし条件が付いています。「※艶ありのみ対応」です。つまりつやを落とすと、この性質は使えません。「ぴかぴかは避けたい」と「ひび割れに強くしたい」は、この製品では両立しません。
では、エスケー化研はどうか。製品ページの「特長」に、こう書かれています。
柔軟性——有機樹脂の柔軟性を併せ持つため、「水性弾性サーフエポ」などとの組み合わせにもご使用いただけます。(エスケー化研公式・エスケープレミアム無機/同マイルド。両方に同じ記載)
🔑つまり、両社とも弾性下地に対応しています。「関西ペイントだけ」ではありませんでした。違うのは、条件の書き方です。
| 書き方 | つやの条件 | |
|---|---|---|
| エスケー化研 | 弾性の下塗材(水性弾性サーフエポ)との組み合わせで使える | 条件の記載なし |
| 関西ペイント | 塗料そのものが弾性下地に追従する | ※艶ありのみ対応 |
この違いは、施主にとって次の形で出てきます。
- つやを落としたい+ひび割れが気になる——関西ペイントは「艶ありのみ」なので、そこがぶつかります。エスケー側はつやの条件が書かれていないので、選択肢が残ります
- 下塗材まで指定されるかどうか——エスケー側は「弾性の下塗材と組み合わせて」という書き方なので、見積書の下塗の行に何が書いてあるかが効いてきます
⚠️ここは公式サイトの記載を突き合わせた結果であって、性能を比べたものではありません。ご自宅の下地が本当に弾性かどうかは、現物を見た人にしか分かりません。「うちの下地は弾性ですが、この塗料と下塗材の組み合わせで大丈夫ですか」——この聞き方だと、両社どちらでも答えが返ってきます。モルタルのひび割れそのものについては外壁のひび割れのページに書いています。
工程の数が違います——MUKIは中塗も専用品
関西ペイントが公開している標準塗装仕様です。適用下地はコンクリート・モルタル・ALC・窯業系サイディングボード・各種旧塗膜。
| 工程 | 材料 | 標準所要量 kg/㎡/回 | 塗り重ね乾燥時間 23℃ |
|---|---|---|---|
| 下塗 | アレスダイナミック防水フィラー (主剤16kg+強化剤0.08kg) | 0.50〜1.50 | 乾燥面8時間以上/湿潤面16時間以上 |
| 中塗 | アレスダイナミックMUKI 中塗 | 0.12〜0.14 | 2時間以上7日以内 |
| 上塗 | アレスダイナミックMUKI | 0.12〜0.14 | — |
注目してほしいのは「中塗」の行です。ここに「アレスダイナミックMUKI 中塗」という専用品が指定されています。上塗と同じ製品を2回塗るのではなく、中塗専用の材料があるということです。
これは見積書の読み方に効きます。「アレスダイナミックMUKIで3回塗り」と書いてあった場合、中塗が専用品なのか、上塗を2回塗っているのかで中身が変わります。「中塗は何を使いますか」と聞けば分かります。
もう1つ、下塗が「防水フィラー」で、しかも強化剤が標準で入っています。だから乾燥時間が乾燥面8時間/湿潤面16時間と、下地の状態で分けて書かれています。この強化剤が何なのかはアレスダイナミックTOPのページで詳しく書きました(速乾剤ではなく、濡れた下地にも密着させる添加剤です)。
⚠️下塗にはアレスダイナミックフィラー(微弾性)・プラサフ・シーラーアクア・シーラーマイルドなど複数の選択肢が用意されています。どれを使うかは下地の状態で決まります。見積書に下塗の名前が書いてあれば、その会社は下地を見て選んでいる、ということです。
水性1液か、二液弱溶剤か
「マイルド」という言葉が両社に出てきます。意味は同じで、弱溶剤系のことです。
| 製品 | 液型・希釈 |
|---|---|
| エスケープレミアム無機 | 水性 |
| エスケープレミアム無機マイルド | 二液・弱溶剤形 |
| アレスダイナミックMUKI | 水性の1液システム(公式「周辺環境にもやさしく安心」) |
ここでの違いは「1液か2液か」です。2液型は使う直前に主剤と硬化剤を混ぜるもので、混ぜたら時間内に使い切る必要があります。そのぶん現場の管理が要ります。1液型は開けてそのまま塗れるので手間が少ない。
どちらが良いという話ではありません。ただし2液型を使う工事は、それだけ手順が増えるということは知っておいてください。「なぜマイルド(弱溶剤)なんですか」と聞けば、下地や立地の理由が返ってくるはずです。水性と溶剤の使い分けは水性塗料と油性塗料の違いにまとめています。
塗る量の比べ方——「標準塗坪」と「標準所要量」は前提が違います
両社の数字は、単位からして違います。そのまま並べると比べたつもりになるので、ここは分けて書きます。
| 公表している数字 | 意味 | |
|---|---|---|
| エスケー化研 | 標準塗坪 43〜68㎡/15kg缶 | 1缶で何㎡塗れるか |
| 関西ペイント | 標準所要量 0.12〜0.14kg/㎡/回 | 1㎡を1回塗るのに何kg要るか |
片方は「缶から見た数字」、もう片方は「1回の塗りから見た数字」です。何回塗る前提かが書かれていないので、単純な割り算で比べることはできません。当サイトはここで無理に換算しません——根拠のない数字を作ることになるからです。
そのかわり、施主にとって使えることが1つあります。エスケーの「標準塗坪」は缶の数の話なので、見積書に材料の数量(何缶)が書かれていれば、家の面積と照らせます。たとえば外壁が120㎡で、15kg缶が4缶なら、43〜68㎡×4=172〜272㎡ぶんです。塗る回数と、はみ出しやロスを考えれば、おかしくない範囲かどうかの見当はつきます。
⚠️これは検算であって、判定ではありません。実際の使用量は下地の吸い込み、凹凸の深さ、塗装方法(吹付か、ローラーか)で大きく変わります。エスケー化研自身も「標準塗坪は、一般的なものであり、下地の状態や環境などによる所要量の増減に応じて変わることがあります」と注記しています。数字が合わないことより、聞いたときに理由を説明できるかどうかを見てください。見積書の数量の読み方は見積書の内訳のページにまとめました。
「ラジカルコントロール技術」の中身
エスケープレミアム無機の説明には、無機の話とは別に「ラジカルコントロール技術」が出てきます。最上位の無機なのに、なぜ下のグレードの技術名が付いているのか——ここが分かりにくいところです。
公式の説明は、こうです。
塗膜内に発生するラジカルを独自の高緻密無機シールド層と高緻密有機シールド層のダブルシールドで抑えます。わずかに発生したラジカルもラジカルキャッチャーが捕捉します。(エスケー化研公式)
ラジカルは、塗料に入っている白い顔料(酸化チタン)に紫外線が当たると出てくる物質で、これが塗膜を内側から壊していきます。外壁を触ると白い粉が付く「チョーキング」の正体もこれです。
つまりエスケー化研は、無機の樹脂で強くするのと、ラジカルの発生そのものを抑えるのを両方やっていると説明しています。「無機だからラジカル制御は要らない」ではないということです。
関西ペイントも同じ考え方で、アレスダイナミックシリーズは高性能シリコンレジン・UVトラップ・ラジカルバリヤコート・HALSラジカルキャッチャーという4つの技術でラジカルを抑えると説明しています。MUKIの一般名称に入っている「ハルスハイリッチ」の「ハルス(HALS)」は、このラジカルキャッチャーのことです。やろうとしていることは、両社とも同じです。
グレードの並びそのものは塗料の種類とグレードのページに、ラジカル制御形の主力どうしの比較はパーフェクトトップとアレスダイナミックTOPの違いにまとめています。
価格——エスケーは㎡いくらか公開されています
無機は各社の最上位グレードで、金額が大きくなります。だからこそここが効きます。
エスケー化研は「設計価格表」を公式サイトで公開しています。2026年度版から、エスケープレミアム無機シリーズの数字をそのまま引きます。単位は円/㎡で、シーラー・プライマー(下塗材)込みの価格です。
| 製品/下地 | 下塗材 | 100㎡ | 300㎡以上 |
|---|---|---|---|
| プレミアム無機 コンクリート・モルタル | エスケー弾性プレミアムフィラー(薄付け) | 6,770 | 5,210 |
| 同(厚付け) | 7,870 | 6,050 | |
| プレミアム無機 窯業系サイディング | エスケーハイブリッドシーラーEPO | 6,280 | 4,830 |
| 水性ハイブリッドシーラー | 6,330 | 4,870 | |
| 水性SDサーフエポプレミアム | 6,990 | 5,380 | |
| マイルドSDサーフエポプレミアム | 7,380 | 5,680 | |
| プレミアム無機マイルド コンクリート・モルタル(厚付け) | エスケー弾性プレミアムフィラー | 8,100 | 6,230 |
ここから読み取れることが3つあります。
- 🔑下塗材で、㎡あたり最大1,100円変わります。同じサイディング・同じ上塗りなのに、6,280円と7,380円。外壁120㎡なら13万円の差です。「上塗りが同じなら同じ金額のはず」ではない、ということが公式の数字で分かります
- 300㎡以上になると、2割強下がります。6,990円→5,380円で約23%。戸建ての外壁は100㎡前後なので、見るのは左の列です。マンションの大規模修繕の数字を持ってきて「相場はもっと安い」と言われたら、それは右の列の話です
- 水性とマイルド(弱溶剤)では、マイルドのほうが高い。モルタル厚付けで7,870円と8,100円です
⚠️設計価格は、そのまま見積書の金額になるものではありません。メーカーが設計者向けに示している基準で、実際は会社の仕入れや工事の条件で変わります。ですが「この製品はだいたいどの帯にいるのか」を知る材料としては、これ以上のものがありません。エスケー化研の価格表の読み方そのものはエスケー化研の塗料のページに書いています。
エスケー化研は設計価格表を公式サイトで公開していますが、関西ペイントは確認した範囲では見つかりませんでした(製品一覧・アレス特設ページで確認)。これは品質とは無関係で、公開しないメーカーのほうが多数派です。
効いてくるのは、金額が大きいときです。無機は1割ずれるだけで数万円変わります。エスケーなら公式の数字と見積書を照らせますが、関西ペイントの製品では、複数社の見積もりを並べる以外に確かめる方法がありません。アレスダイナミックMUKIで提案を受けている方は、同じ工事をもう1社にも出してもらうのが、公開されていない価格の代わりになります。
主要4メーカーの公開状況をまとめた表はパーフェクトトップとアレスダイナミックTOPの違いに、エスケーの価格表の読み方はエスケー化研のページにあります。
屋根まで無機で揃うのは、片方だけ
外壁だけを見ていると気づきませんが、屋根用のラインアップが違います。
エスケー化研は、屋根用の無機として「エスケープレミアム無機ルーフ」と「エスケープレミアム無機ルーフ遮熱」を出していて、どちらも二液弱溶剤形です。設計価格も公開されていて、カラーベスト・スレートで7,380円/㎡(100㎡・エスケー強化シーラー込み)、遮熱タイプは7,870円/㎡。金属屋根・トタン屋根の行も別に立っています。
公式は屋根についてこう書いています。
外壁以上に過酷な環境にさらされる屋根には、無機塗料での塗り替えをお薦めします。(エスケー化研公式・無機塗料ページ)
これは施主にとって、実際的な意味があります。外壁と屋根を同じ工事でやるとき、同じメーカーで揃えられるかどうかが変わるからです。揃えなければならない決まりはありませんが、1社で仕入れが済むぶん、話が早いことはあります。
⚠️ただし「屋根も無機にすべき」という話ではありません。屋根は外壁より面積が小さいので、グレードを上げても総額への影響は外壁ほど大きくありません。逆に言えば、屋根だけ先に無機にするという選び方も成り立ちます。屋根の塗料の考え方は屋根塗装のページに、遮熱の効き方は屋根の遮熱塗料のページにまとめています。
結局、どちらを選べばいいのか
正直に言えば、施主の側から製品を指名できる場面は限られます。どのメーカーと取引があるかは会社ごとに決まっていて、扱っていない製品は出てこないからです。そのうえで、提案を受けたときに見るべき点を並べます。
| あなたの状況 | 見るべき点 |
|---|---|
| 屋根も同じメーカーで揃えたい | エスケー化研。無機ルーフ・無機ルーフ遮熱があり、設計価格も公開されています |
| 前に何が塗ってあるか分からない | エスケー化研のマイルド。公式に「旧塗膜の種類を問わず、優れた密着性」と明記されています |
| 下塗りまで含めて金額を確かめたい | エスケー化研。下塗材ごとの設計価格が公開されていて、㎡あたり最大1,100円の差が読み取れます |
| モルタルで細かいひび割れがある | 関西ペイントは弾性下地への追従を明記(※艶ありのみ)。両社に「うちの下地で大丈夫か」を聞く |
| つやを落としたい+ひび割れが気になる | エスケー化研。関西ペイントの弾性下地対応は※艶ありのみですが、エスケー側はつやの条件が書かれていません |
| 見積書の単価を自分で検算したい | エスケー化研。設計価格表が公開されています |
| 手順を増やしたくない | アレスダイナミックMUKIは水性1液。エスケーのマイルドは二液 |
そして、いちばん大事なことを最後に。無機は最上位グレードなので金額が跳ね上がります。「無機にすべきかどうか」自体を先に考えてください——その判断のしかたはエスケープレミアム無機のページの後半にまとめてあります。メーカーを選ぶより前の話です。そして「無機にするかどうか」は、いまの外壁があと何年もつ状態なのかで変わります——それは現地を見た人にしか分かりません。複数社に見てもらうと、「無機を勧める会社」と「シリコンで十分と言う会社」に分かれることがあります。その理由を両方に聞けるのが、いちばん確かな判断材料です。
よくある質問
結局どちらの無機塗料が長持ちしますか?
比べられません。両社とも促進耐候性試験の結果は公表していますが、試験条件が同じではないので、数字を並べても優劣は出ません。当サイトは試験をしていないので判定もしません。無機同士で迷うより、「そもそも無機にすべきか」を先に決めるほうが金額へのインパクトが大きいです。
「無機なのに有機が入っている」のは、ごまかしですか?
違います。両社とも公式に「ハイブリッド」と明記していて、隠していません。完全な無機は硬すぎて、塗り替えの下地に追従できない——という技術的な理由があります。詳しくはエスケープレミアム無機のページに書きました。
「マイルド」が付くと何が変わりますか?
弱溶剤系になります。エスケープレミアム無機マイルドの公式の一般名称は「超低汚染ハイブリッド二液弱溶剤形無機塗料」で、二液型です。二液は使う直前に混ぜて、時間内に使い切る必要があるので、現場の管理が増えます。水性か弱溶剤かは、下地と立地で決まります。
見積書に「アレスダイナミックMUKI 3回塗り」とあります。これで十分ですか?
中塗が何かを確認してください。公式の標準仕様では、中塗に「アレスダイナミックMUKI 中塗」という専用品が指定されています。上塗を2回塗るのと、専用の中塗を挟むのは別のことです。「中塗は何を使いますか」と聞けば分かります。下塗の名前も一緒に確認しておくと確実です。
無機にすると、いくらぐらい上がりますか?
金額の帯は、当サイトでは出しません。グレードを1段上げたときの差は、塗る面積と、下地にどれだけ手を入れるかで変わるからです。確実なのは、同じ工事条件で「シリコンの場合」と「無機の場合」の2本を出してもらうことです。1社に2パターン出してもらえば、あなたの家での差額がそのまま分かります。メーカーの価格表と突き合わせたい場合は、エスケー化研なら設計価格表が公開されています。
ひび割れがある家に無機は向きませんか?
製品によります。関西ペイントは「弾性下地にも追従する柔軟性を持たせ、ひび割れに強い塗膜を形成」と公式に書いています(※艶ありのみ対応)。ただし、これは「うちの家に合う」という意味ではありません。ひび割れの幅・原因・下地の種類で対応が変わるので、現地を見た会社に「この下地に、この塗料で大丈夫ですか」と聞いてください。
無機塗料は、㎡いくらくらいですか?
エスケー化研の設計価格でいうと、外壁で㎡6,280〜8,100円(100㎡・下塗材込み)です。これは公式が公開している数字で、実際の見積書の金額とは違います。意外なのは、下塗材の違いだけで最大1,100円/㎡変わることです——外壁120㎡なら13万円の差になります。見積書を見るときは、上塗りの名前だけでなく下塗りの名前も確認してください。なお300㎡以上だと2割強下がるので、戸建ての方が見るのは100㎡の列です。
無機なのに「ラジカル制御」と書いてあるのはなぜですか?
やっていることが2つあるからです。1つは無機の樹脂で塗膜そのものを強くすること、もう1つは劣化の原因物質(ラジカル)が出るのを抑えること。エスケー化研は「高緻密無機シールド層と高緻密有機シールド層のダブルシールド」+「ラジカルキャッチャー」と説明しています。ラジカル制御は樹脂のグレード名ではなく、劣化を抑える仕組みの名前なので、無機と両立します。
弾性下地なのですが、無機は使えますか?
両社とも、公式に対応をうたっています。ただし書き方が違います。エスケー化研は「水性弾性サーフエポなどとの組み合わせにもご使用いただけます」(艶の条件なし)、関西ペイントは塗料そのものが弾性下地に追従するとしたうえで「※艶ありのみ対応」としています。つやを落としたいなら、この差が効きます。ご自宅の下地が弾性かどうかは現地で判断する話なので、「うちの下地は弾性ですが、この塗料と下塗材の組み合わせで大丈夫ですか」と聞いてください。
屋根も無機にしたほうがいいですか?
「したほうがいい」とは言えませんが、選択肢はあります。エスケー化研は屋根用の無機(プレミアム無機ルーフ/同 遮熱)を出していて、公式は「外壁以上に過酷な環境にさらされる屋根には、無機塗料での塗り替えをお薦めします」としています。ただし屋根は外壁より面積が小さいので、グレードを上げても総額への影響は外壁ほど大きくありません。屋根だけ無機にするという選び方も成り立ちます。まず「無機にすべきか」自体を決めてください。
出典と確認日:本ページの仕様・特長は関西ペイント株式会社「アレスダイナミックMUKI」製品ページ(「MUKI」とは?/安心の超高耐候性と機能/製品仕様)、仕様・特長・設計価格はエスケー化研株式会社「エスケープレミアム無機」「エスケープレミアム無機マイルド」製品ページ(特長・製品仕様)、同「無機塗料」特集ページ、同「設計価格表」2026年度版(PDF)によります(いずれも2026年8月29日確認)。⚠️所要量はメーカーの標準値です。実際に必要な量は下地の傷み方で変わります。⚠️価格の公開状況は、上記日に公式サイトで確認できた範囲の話です。