広告当サイトはアフィリエイト広告を利用しています
日本ペイントと関西ペイント、どっちがいいのか
見積書に書かれた塗料のメーカー名を検索して、ここに来た方が多いと思います。ところが調べても、出てくるのは「どちらも大手」「どちらも高性能」「用途に合わせて選びましょう」ばかりで、判断の材料になりません。それもそのはずで、性能を横に並べて優劣をつけられるだけの数字が、そもそも公開されていないからです。ここでは順位をつけません。かわりに、両社の公式ページを実際に読み比べて、何が公開されていて何が公開されていないかを並べます。ここに、施主にとって唯一はっきりした差がありました。
このページの内容
- 先に答え——会社名では決まりません
- 🔑ただし1つだけ、はっきり違うことがあります
- 日本ペイントが公開しているもの
- 関西ペイントが公開しているもの
- 価格と年数の両方を出しているのは1社だけでした
- では、提案されたらどうするか
- ネットに出ている「耐用年数」を鵜呑みにしない
- よくある質問
先に答え——会社名では決まりません
結論から書きます。塗料は、メーカー名で選ぶものではありません。製品名で選ぶものです。
理由は単純で、同じメーカーの中の差のほうが、メーカー間の差よりずっと大きいからです。日本ペイントの製品だけを並べても、外壁用の公表価格は水性のパーフェクトトップSiが1平方メートルあたり4,350円、フッ素のファインDFセラミックが同じ製品名のまま4,580円から8,120円まで開きます(塗料の平米単価)。1社の中で1.8倍動くものを、会社名で比べても意味がありません。
ですから「日本ペイントだから安心」「関西ペイントだから不安」という考え方は、いったん置いてください。見るべきは、見積書に書かれた製品名と、それを何工程で塗るかです。
そのうえで——この記事を書くために両社の公式ページを実際に読み比べたところ、施主にとって実務的に効いてくる差が、1つだけはっきりありました。性能ではありません。
ただし1つだけ、はっきり違うことがあります
それは「公式が何を公開しているか」です。塗料メーカー3社の公式ページで、施主が知りたい4つの項目がどう扱われているかを並べます。
| 公式で公開されているか | 日本ペイント | 関西ペイント | エスケー化研 |
|---|---|---|---|
| 材料と施工を含む平米単価 | ⭕️公開(材工価格) | ❌記載なし | ⭕️公開(設計価格) |
| 期待耐用年数 | 製品により記載なし | ❌記載なし | ⭕️公開(12〜15年など) |
| 工程・所要量・希釈率・乾燥時間 | ⭕️公開 | ⭕️公開(かなり細かい) | ⭕️公開 |
| 製品と適用部位の対応表 | ⭕️公開(上塗り塗料対比表) | ⭕️公開(製品×外壁・軒裏・鉄部・屋根) | ⭕️公開 |
読み取れることは1つです。関西ペイントは、施工する人が知りたいことは細かく出していて、施主が知りたい数字(価格と年数)は出していません。日本ペイントは価格を出しています。エスケー化研は価格も年数も出しています。
これは品質の話ではありません。公開のしかたの方針が違うだけです。ただし施主の立場からすると、「提案された塗料の金額が妥当かどうかを、自分で確かめられるかどうか」がここで分かれます。
日本ペイントが公開しているもの
日本ペイントは、主要な建築用塗料の製品ページに材工価格——材料と施工を含んだ1平方メートルあたりの価格——を載せています。たとえば戸建ての塗り替えでいちばんよく見る製品では、こうなっています。
| 製品 | 公表されている材工価格 |
|---|---|
| パーフェクトトップSi(水性系) | 4,350円/平方メートル(窯業系サイディング・3工程) |
| ファインパーフェクトトップSi(弱溶剤系) | 4,880円/平方メートル(窯業系サイディング・3工程) |
| ファインDFセラミック(フッ素) | 5,930円/平方メートル(3工程・平滑仕上げ) |
| ファインパーフェクトベスト(屋根用) | 5,420円/平方メートル(3工程) |
⚠️この数字をそのまま自分の家に当てはめないでください。公式に「原則として300㎡以上を基準といたします」と注記があります。30坪前後の戸建ての外壁は、ふつう100平方メートル台です。基準にまったく届きません。面積が小さいほど平米単価は上がるので、見積書の単価がこれより高くても、それだけで高すぎるとは言えません。詳しくは塗料の平米単価のページにまとめました。
それでも、この数字が公開されている意味は大きいです。製品名と工程数が分かれば、見積書の単価が「公式の何倍か」を自分で計算できるからです。3倍なら理由を聞く。1.2倍なら面積の話で説明がつく。桁の感覚を持てるかどうかが、素人にできる唯一の検算です。
製品そのものの中身は、パーフェクトトップのページとフッ素塗料の値段のページに個別にまとめてあります。
関西ペイントが公開しているもの
次に関西ペイントです。戸建ての塗り替えでよく提案されるアレスダイナミックTOP(アレスダイナミックシリーズ)の公式ページを読みました。
公開されているのは、こういう項目です。
- 製品仕様が工程ごとに細かく出ています——素地調整の手順、工程、塗料名、荷姿、塗装方法、標準所要量、希釈率、塗り重ね乾燥時間(23℃)、適用下地。現場が手を動かすのに必要な情報は、むしろ丁寧です。
- 製品と部位の対応表があります——外壁・軒裏・鉄部・屋根の4列に、製品ごとに使えるかどうかが並んでいます。タイプ(水性か弱溶剤か)と樹脂系(シリコンか無機か)も同じ表に載っています。これはかなり親切な一覧で、日本ペイントの「上塗り塗料対比表」と同じ役割です。
- 艶を4段階から選べると明記されています——艶あり、7分艶、5分艶、3分艶。艶の選び方は仕上がりの印象を大きく変えるところなので、艶のページもあわせてどうぞ。
- 技術の説明は詳しく書かれています——「ラジカル」とは何か、それをどう抑えるか。公式の説明では、劣化の原因物質であるラジカルの発生を抑える技術として、高性能シリコンレジン・UVトラップ・ラジカルバリヤコート・HALSラジカルキャッチャーの4つが挙げられています。
そして、公式ページに書かれていなかったのが、価格と期待耐用年数です。製品ページにも、シリーズのページにも、平米単価や「何年もちます」という記載は見つかりませんでした。
誤解のないように書きますが、これは隠しているという話ではありません。塗料メーカーの一次的な取引相手は塗装店や販売店で、施主向けの価格を公表しない会社のほうが、業界ではむしろ普通です。関西ペイントは施工に必要な情報を出す方針で、日本ペイントとエスケー化研はそこに価格も足している——その違いです。
ただし、施主の側にできることは変わります。関西ペイントの製品を提案された場合、その単価が公式の何倍かを確かめる手段が、公式にはありません。だから確かめ方を変える必要があります。それが後半です。
価格と年数の両方を出しているのは1社だけでした
3社を並べたときに、いちばん情報を出しているのはエスケー化研でした。設計価格に加えて、期待耐用年数まで公表しています。
| 製品(エスケー化研) | 設計価格 | 期待耐用年数 |
|---|---|---|
| 水性セラミシリコン | 2,710円/平方メートル | 12〜15年 |
| エスケープレミアムシリコン | 2,920円/平方メートル | 14〜16年 |
| 水性弾性セラミシリコン | 2,930円/平方メートル | 12〜15年 |
ここで面白いことが起きています。2,920円(14〜16年)より、2,930円(12〜15年)のほうが高いのです。年数が短いほうが高い。後者はひび割れへの追従を買う製品だからで、金額は年数だけで決まっていないことが、メーカー自身の数字で分かります。
⚠️そしてエスケー化研の設計価格にも、「設計価格は、300㎡以上を基準とする材工共の価格であり、下地調整費は含んでおりません」という注記が付いています。公表価格は、どの会社のものでもマンションや工場を前提にした数字です。
エスケー化研は製品ページだけでなく全製品の設計価格表そのものも公開しています。値段の階段ごと読む方法はエスケー化研の塗料のページにまとめました。個別の製品はエスケープレミアムシリコン、水性セラミシリコン、エスケープレミアム無機のページにまとめています。
では、提案されたらどうするか
ここが実務です。メーカーによって確かめ方を変える必要はありません。どちらを提案されても、聞くことは同じ3つです。
- 製品名を、シリーズ名まで書いてもらう「シリコン塗料」では、上の表のどれなのか分かりません。「アレスダイナミックTOP」「パーフェクトトップSi」まで書かれていれば、公式ページで仕様を自分で読めます。書けない理由は、基本的にありません。
- 何工程で塗るかを書いてもらうここまで見てきた公表価格は、どれも下塗り1回と上塗り2回を足した3工程で計算されています。製品名が同じでも、この回数が違えば別の金額になります。だから工程数の書かれていない見積書は、そもそも公式の数字と突き合わせられません。
- 塗る面積が何平方メートルかを書いてもらう単価×面積が金額です。面積の出し方は会社によって違うので、同じ家に各社が何平方メートルと書くかを並べると、それだけで差が見えます。
この3つがそろえば、関西ペイントのように公式価格が出ていない製品でも、比較は成立します。公式の数字が使えないぶん、比べる相手をもう1社つくることが、そのまま物差しになるからです。自分で探す手間をかけずに複数社に見てもらうなら、一括見積もりサービスを使う手があります。やり方はこうです。
公式価格がない製品の確かめ方
A社が関西ペイントのアレスダイナミックTOPで3工程120平方メートル、B社が日本ペイントのパーフェクトトップSiで3工程120平方メートル——この形にそろえば、金額の差はそのまま比べられます。公式の単価は、あくまで「桁が合っているか」を見るための物差しであって、本当の物差しは、同じ条件で出てきたもう1枚の見積書です。
見積書のどこを見るかは見積もりの内訳のページに、同じ条件で頼む言い方は見積もりの取り方にまとめました。金額そのものが妥当かどうかは100万円は妥当かのページへ。
ネットに出ている「耐用年数」を鵜呑みにしない
最後に、この記事を書きながらいちばん気になったことを書いておきます。
関西ペイントの製品について、検索すると「耐用年数は◯〜◯年」と具体的な数字を書いているページがたくさん出てきます。ところが、公式の製品ページにその記載は見つかりませんでした。
この差がどこから来ているのかは、こちらでは分かりません。カタログや資料に載っているのかもしれませんし、施工店の経験値かもしれません。分からないので、ぬりごろでは書きません。根拠を示せない年数を、あたかも公式の数字のように並べたくないからです。
そのうえで、塗料の耐用年数という数字そのものの読み方も知っておいてください。メーカーが年数を公表している場合でも、「次の塗り替え時期の目安。地域、立地条件、方角等により異なるので参考値として」といった注記が添えられているのがふつうです。試験室で出した数字であって、あなたの家の南面が何年もつかを約束したものではありません。この話は塗料の種類のページで詳しく書いています。
そして、塗料の年数より先に効いてくるのが下地の状態と、下塗りをきちんとやるかどうかです。上塗りの銘柄で悩む前に、いまの壁がどうなっているかを見たほうが、判断は早くなります。
よくある質問
結局、どちらのメーカーがいいのですか?
順位はつけません。どちらも戸建ての塗り替えで日常的に使われているメーカーで、公式が公開している技術資料の水準も高いです。選ぶ単位はメーカーではなく製品で、しかも同じメーカーの中の価格差のほうが、メーカー間の差より大きいというのがこのページの答えです。強いて実務的な差を挙げるなら、日本ペイントは公式に材工価格があるので、施主が単価を検算しやすいという一点です。
塗装店が「うちは◯◯ペイントを使っています」と言うのは、判断材料になりますか?
ある程度はなります。ただし「どのメーカーか」より「なぜその製品を、あなたの家に選んだか」を説明できるかのほうが、はるかに大きな判断材料です。下地の種類、日当たり、前回の塗膜の状態——理由が家の話になっているかどうかを聞いてみてください。理由がメーカーの宣伝文句のままなら、そこは深掘りする価値があります(業者選びガイド)。
関西ペイントが価格を出していないのは、不透明ということですか?
いいえ。塗料メーカーの取引相手は塗装店や販売店なので、施主向けの価格を出さない会社のほうが業界では多数派です。関西ペイントは工程・所要量・希釈率・乾燥時間といった施工に必要な情報を、かなり細かく公開しています。方針の違いであって、姿勢の良し悪しではありません。
同じ「ラジカル制御」なら、どちらを選んでも同じですか?
同じとは言えません。ラジカル制御というのは樹脂のグレードではなく、劣化を抑えるための機能の呼び名で、その中身は製品ごとに違います。ただし、その違いを施主が横に並べて判定するのは、現実には無理です。だから判断は「どちらの技術が上か」ではなく、「同じ条件で出てきた2枚の見積書のどちらが納得できるか」に置き換えてください。ラジカルという言葉の意味は塗料の種類のページに整理しています。
見積書に製品名が書かれていません。どう頼めばいいですか?
「使う塗料の商品名と、塗り回数、塗る面積を書いていただけますか」で足ります。言いにくい依頼ではありません。この3つは、まっとうな会社なら見積もりを作る時点で決まっているものです。見積もりの取り方のページに、複数社に同じ条件で頼むときの言い方をまとめています。
最終確認日:2026年8月23日。出典:関西ペイント 公式サイト「アレスダイナミックTOP」製品ページおよび「アレスダイナミックシリーズ」ラインアップページ(特長、艶の段階、ラジカル制御に関する4つの技術、製品仕様=工程・荷姿・塗装方法・標準所要量・希釈率・塗り重ね乾燥時間・適用下地、製品と適用部位の対応表。閲覧時点で平米単価および期待耐用年数の記載は確認できませんでした)/日本ペイント 公式サイト 各製品ページ(材工価格および「原則として300㎡以上を基準といたします」の注記)/エスケー化研 公式サイト 各製品ページ(設計価格・期待耐用年数および「設計価格は、300㎡以上を基準とする材工共の価格であり、下地調整費は含んでおりません」の注記)。価格・仕様は改定されることがあります。契約前に必ず各社の最新の公表内容をご確認ください。