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セミフロンスーパーマイルドⅡ——メーカーは「何年」ではなく「光沢保持率30%」で書いています

見積書に「セミフロンスーパーマイルドⅡ」と書かれていた方に向けたページです。KFケミカルの上塗り塗料で、資料の見出しは「超高耐候性 2液弱溶剤 無機・フッ素ハイブリッド塗料」。いちばん多い質問は「何年もちますか」だと思いますが、当サイトが確認した範囲では、メーカーの製品資料に年数の表示は見当たりませんでした。かわりに耐候性のグラフに「光沢保持率が30%を下回ると塗替えサインとなります」と書かれています。年数ではなく指標です。このページでは、塗布量・荷姿・可使時間・塗装できない条件——見積書を見ながら確かめられる数字を、メーカーの資料から並べました。

先に答えを書きます

  • フッ素だけの塗料ではありません。KFケミカルの資料は、この製品を「特殊変性したオルガノポリシロキサン系樹脂と4フッ化フッ素樹脂からなる2液常温反応硬化形の弱溶剤無機フッ素塗料」と説明しています。無機とフッ素のハイブリッドです。
  • 「何年もちますか」に、メーカーは年数で答えていません。公表されているのは試験のグラフで、そこに「光沢保持率が30%を下回ると塗替えサインとなります」と書かれています。年数ではなく指標です。
  • 2液型なので、塗れない日があります。湿度85%以上、気温5℃以下は塗装不可。そして混ぜたら可使時間内に使い切る必要があります(気温で3〜8時間)。
このページの内容全7項目

何の塗料か——「無機・フッ素ハイブリッド」の中身

見積書に「セミフロンスーパーマイルドⅡ」と書かれていたら、それはKFケミカルの上塗り塗料です。資料の見出しには「超高耐候性 2液弱溶剤 無機・フッ素ハイブリッド塗料」とあります。

中身の説明は、こうです。

セミフロンスーパーマイルドⅡは、特殊変性したオルガノポリシロキサン系樹脂と4フッ化フッ素樹脂からなる2液常温反応硬化形の弱溶剤無機フッ素塗料です。熱や紫外線に安定なポリシロキサンをフレキシブル性に優れた特殊成分を用いて樹脂を変性することで、無機の特長である優れた耐候性・耐汚染性と有機の特長である耐屈曲性・耐クラック性双方を兼ね備えた次世代の塗料です。

言い換えると——無機は硬くて長持ちするが、硬いぶん割れやすい。フッ素(有機)はしなやか。その2つを混ぜた、というのがこの製品の立て方です。同社は特長のひとつに「従来の無機系塗料に比べて、耐アルカリ性、耐屈曲性、耐クラック性に優れています」とも書いています。比較の相手は他社のフッ素ではなく、従来の無機系だという点に注目してください。

「フッ素ですか、無機ですか」と聞かれたら

どちらでもあります。塗料のグレードは「アクリル→ウレタン→シリコン→フッ素→無機」と一列に並べて説明されることが多いのですが、この製品はその並びの上のほうを混ぜたものです。

だから他社製品と比べるときは、グレードの名前ではなく試験のデータで比べることになります(塗料の種類とグレードのページ)。無機系の考え方は無機塗料はメーカーで何が違うかにもまとめました。

適用下地は、外壁が「金属・窯業系サイディング、リシン、モルタル、ALC、RC等塗替え塗膜のトップコート」。塗り替えの上塗りとして使う製品です。下地が何かで下塗り材が変わるので、自宅の外壁材が何かは先に分かっているほうが話が早くなります。

「耐用年数は何年ですか」——メーカーは年数で書いていません

この製品でいちばん多い質問が、これだと思います。

当サイトが確認した範囲(KFケミカルの製品資料PDF・2026年9月12日時点)では、「◯年もちます」という年数の表示は見当たりませんでした。そのかわり、資料には試験のグラフが2つ載っていて、そこにこう書かれています。

光沢保持率が 30% を下回ると塗替えサインとなります。

これが、メーカーが示している物差しです。年数ではなく、光沢がどれだけ残っているか。

この書き方は、むしろ確かめやすいです

「15年もちます」と書かれていても、どの条件で15年なのかは分かりません。いっぽう「光沢保持率30%を下回ったら塗り替え」なら、何を見ればいいかがはっきりします。

だから聞くのはこうなります——「この塗料の耐用年数は何年ですか」ではなく、「メーカーはどの試験で、どこまでのデータを公表していますか」。年数を即答する業者がいたら、その根拠を聞いてください。メーカー自身が年数で書いていないものを、施工店が年数で言い切るのは、出どころが別ということです。

塗り替えの周期そのものの考え方は外壁塗装は何年ごとかのページにまとめました。

なお同社は、特長のひとつとして「超高耐候性能を有する為、メンテナンス周期の延長が可能になります」と書いています。「延長が可能」という表現で、年数は示していません。

公表されている試験は2つあります

年数のかわりに公表されているのが、この2つです。どちらもグラフの形で載っています。

KFケミカルが公表している耐候性の試験
試験中身
宮古島7年暴露における耐候性比較実際に宮古島で7年間さらした比較。同社は「宮古島は本州に比べ、3倍以上塗膜の劣化があると言われており」としています。比較対象はA社水性シリコン・A社水性フッ素・B社弱溶剤フッ素
促進耐候性試験(XWOM)JIS K 5600-7-7 サイクルA キセノンランプ法。グラフの横軸は0〜10,000時間で、「耐候形1種のライン」が引かれている

読みどころは3つあります。

①「宮古島は本州の3倍以上」という前提が書いてある。だから7年の暴露が、本州の何年に相当するかは、そのまま掛け算できる数字ではありません。それでも条件を明記していることは、資料としては誠実な部類です。

②JISの試験方法の名前が書いてある。JIS K 5600-7-7(キセノンランプ法)は、他社も使う試験です。同じ試験で比べれば、他社製品と並べられるということでもあります。

③「耐候形1種のライン」が示されている。これは塗料の耐候性の等級で、そこを基準にどれだけ上かを見せる作りになっています。

当サイトはグラフから数値を読み取って書くことはしません(読み取りの誤差が出るためです)。数字を確かめたい方は、同社の製品資料PDFのグラフを直接ご覧ください。見積もりの場でも「このグラフを見せてください」と言えます。

何セット要るのか——塗布量と荷姿から出せます

ここは施主でも計算できます。同じ資料に、塗布量と荷姿の両方が載っています。

塗装条件と荷姿(KFケミカルの製品資料より)
項目内容
塗回数上塗り 2回
塗布量0.15〜0.18 kg/㎡/回
希釈塗料用シンナーA 0〜10%
塗装間隔(20℃)工程間4時間以上7日以内/最終養生24時間以上
混合比5:1(主剤:硬化剤)
荷姿15.6kgSET(13kg/2.6kg)・12kgSET(10kg/2kg)・6kgSET(5kg/1kg)
外壁120㎡で計算してみます

2回塗りなので、1㎡あたり 0.15〜0.18 × 2 = 0.30〜0.36kg
120㎡なら 36〜43.2kg 必要です。

15.6kgセットで割ると 2.3〜2.8セット——つまり3セット。これが上塗りの材料です。ここに下塗り材が別に要ります(適用下塗材は、セミフロンバインダーSiⅡ・KFマイルドシーラーⅡ・セミフロンフィラー・セミフロンフィラーエポ・セミフロンエポプライマーⅡ)。

「上塗りは何セットですか。下塗りは何を何回ですか」——見積書を見ながら聞ける質問です。単価だけを見比べるより、こちらのほうが中身が分かります(見積もりの内訳)。

塗れない日があります

2液反応硬化形の塗料なので、条件がはっきり決まっています。メーカーの「使用上の注意」から引きます。

塗装できない場合(KFケミカルの製品資料より)
条件内容
天候降雨、降雪、強風の場合
湿度湿度が85%以上ある場合
気温気温が5℃以下の場合や、施工後数時間以内に5℃以下になる可能性がある場合
下地被塗物が水で濡れていたり、錆、油等の異物が付着している場合

混ぜたら、使い切らないといけません

2液型は主剤と硬化剤を混ぜて使います。混ぜた瞬間から反応が始まるので、使える時間に限りがあります

可使時間と塗装間隔(気温別)
季節気温可使時間塗装間隔
25〜35℃3時間以内2時間以上〜7日以内
春・秋15〜25℃5時間以内4時間以上〜7日以内
5〜15℃8時間以内6時間以上〜7日以内

メーカーは「可使時間を超えて使用しますと性能低下及び層間密着性を低下させる原因となります。可使時間を厳守し、必ず可使時間内に使い切って下さい」としています。そして「主剤と硬化剤の配合割合は厳守して下さい。配合割合を誤りますと、成膜不良が発生します」とも。

これは、工程表に効いてきます

夏の可使時間は3時間です。混ぜた材料を3時間で使い切る必要があるので、一度にたくさん混ぜられません。当然、1日で塗れる面積にも影響します。

そして塗装間隔にも「7日以内」という上限があります。雨が続いて工程が空いたときに、どう扱うのか。「雨で空いたらどうしますか」は、この塗料では特に意味のある質問です。

工期が短すぎる見積もりを見たら、この表を思い出してください。工程間は最低でも4時間(20℃)、最終養生は24時間以上です。

見積書で確かめる4つ

  • 下塗り下塗りは何を使いますかメーカーが適用下塗材を5つ指定しています。「素地、旧塗膜の状態により選定」とあるので、下地を見て選んだかが分かります
  • 数量上塗りは何セットですか塗布量0.15〜0.18kg/㎡/回×2回。120㎡なら3セット前後——桁が合っているかを見られます
  • 工程上塗りは2回ですか。工程間は何時間空けますか20℃で4時間以上7日以内最終養生24時間以上。工期が短すぎないかの物差しです
  • 天候湿度や気温で中止する基準はありますかメーカーは湿度85%以上・気温5℃以下は塗装不可としています。冬の工事では特に
  • 根拠耐用年数の根拠は何ですかメーカー資料に年数の表示は見当たりませんでした。年数を即答されたら、出どころを聞いてください

よくある質問

セミフロンスーパーマイルド2の耐用年数は何年ですか?

当サイトが確認した範囲(KFケミカルの製品資料PDF・2026年9月12日時点)では、年数の表示は見当たりませんでした。そのかわり同社は、耐候性のグラフに「光沢保持率が30%を下回ると塗替えサインとなります」と明記しています。

また特長として「超高耐候性能を有する為、メンテナンス周期の延長が可能になります」としていますが、ここでも年数は示していません。業者が年数を即答したら、その根拠を聞いてください。

セミフロンスーパーマイルドIIとは何ですか?

KFケミカルの上塗り塗料で、資料の見出しは「超高耐候性 2液弱溶剤 無機・フッ素ハイブリッド塗料」オルガノポリシロキサン系樹脂と4フッ化フッ素樹脂からなる2液常温反応硬化形とされています。

フッ素か無機かで言えば、どちらでもあります。同社は「従来の無機系塗料に比べて、耐アルカリ性、耐屈曲性、耐クラック性に優れています」としており、比較の相手を従来の無機系に置いているのが特徴です。

施工単価はいくらですか?

当サイトでは単価の目安を出しません。かわりに、材料の量から桁を確かめられます。塗布量は0.15〜0.18kg/㎡/回で2回塗りなので、外壁120㎡なら36〜43.2kg。15.6kgセットで3セット前後です。

見積書で比べるのは、①下塗り材の名前 ②上塗りのセット数 ③塗回数と工程間隔 ④足場の行——この4つです。単価だけを並べても、中身が同じとは限りません。

2液型と1液型は、何が違いますか?

混ぜるかどうかです。この製品は主剤と硬化剤を5:1で混ぜて使います。メーカーは「配合割合を誤りますと、成膜不良が発生します」としています。

そして混ぜたら可使時間内に使い切る必要があります(夏3時間・春秋5時間・冬8時間)。一度にたくさん混ぜられないので、段取りが要る塗料です。現場で「今日はどこまで塗りますか」と聞くと、考えているかどうかが見えます。

冬でも塗れますか?

条件があります。メーカーは「気温が5℃以下の場合や、施工後数時間以内に5℃以下になる可能性がある場合」は塗装できないとしています。「今は5℃以上だから大丈夫」ではなく、塗ったあと数時間の見込みまで含めて判断する書き方です。

湿度も85%以上は不可。さらに強風時も避けるとされています。冬や梅雨の工事では、中止の基準を先に聞いておくと、工期がずれたときに揉めません。

どんな外壁に塗れますか?

資料の適用下地は、外壁が「金属・窯業系サイディング、リシン、モルタル、ALC、RC等塗替え塗膜のトップコート」。塗り替えの上塗りとして使う製品です。

ただし下塗り材は下地によって変わります(メーカーは「下塗り材は素地、旧塗膜の状態により適合下塗り材より選定下さい」としています)。まず自宅の外壁が何かを確かめておくと、提案の中身が読めるようになります。

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塗料名が分かっているときは、その名前で比べるのがいちばん早いです。何社かに同じ塗料で出してもらって、下塗り・セット数・工程間隔を並べてください。同じ名前でも中身が違うことが分かります。

参考にした情報

  • 株式会社KFケミカル「セミフロンスーパーマイルドⅡ(製品資料)」——製品の位置づけ(「超高耐候性 2液弱溶剤 無機・フッ素ハイブリッド塗料」「特殊変性したオルガノポリシロキサン系樹脂と4フッ化フッ素樹脂からなる2液常温反応硬化形の弱溶剤無機フッ素塗料」)、特長5点(反応硬化形/超高耐候性能によりメンテナンス周期の延長が可能/主成分が無機質で難燃性に優れる/従来の無機系塗料に比べ耐アルカリ性・耐屈曲性・耐クラック性に優れる/常温硬化)、耐候性のグラフ2点(宮古島7年暴露における耐候性比較、および促進耐候性試験(XWOM)JIS K 5600-7-7 サイクルA キセノンランプ法)と「光沢保持率が 30% を下回ると塗替えサインとなります。」の記載、「宮古島は本州に比べ、3 倍以上塗膜の劣化があると言われており」の注記、適用下地(外壁:金属・窯業系サイディング、リシン、モルタル、ALC、RC等塗替え塗膜のトップコート)、塗料性状(混合比5:1、比重、固形分、消防法の危険物区分=第4類第2石油類)、塗装条件(上塗り2回、塗布量0.15〜0.18kg/㎡/回、希釈0〜10%、塗装間隔20℃で工程間4時間以上7日以内・最終養生24時間以上)、可使時間及び塗装間隔(夏25〜35℃=3時間以内/春・秋15〜25℃=5時間以内/冬5〜15℃=8時間以内)、荷姿(15.6kgSET・12kgSET・6kgSET)、適用下塗材5種、使用上の注意(配合割合の厳守、可使時間を超えた使用による性能低下・層間密着性の低下、塗装できない場合=降雨・降雪・強風/湿度85%以上/気温5℃以下または施工後数時間以内に5℃以下になる可能性がある場合/被塗物が濡れている・錆や油等の異物が付着)(2026年9月12日確認)

最終確認日:2026年9月12日。「耐用年数の表示が見当たらなかった」のは、上記の製品資料PDFを確認した範囲での話です。同社の他の資料やカタログに別の記載がある可能性は否定できません。製品の仕様は改定されることがあります。当サイトは特定の塗料を勧めることも、避けるように言うこともしません。実際の仕様・適合は、現地を確認した施工者とメーカーの最新資料でご確認ください。