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シリコン塗料のデメリット——よく言われる4つを、メーカーが公開している資料に当ててみました
「シリコン塗料のデメリット」で調べると、だいたい同じ4つが出てきます。重ね塗りで弾く/硬くてひび割れやすい/顔料が沈殿しやすい/硬化が遅い。このページでは、その4つを塗料メーカーが自分で公開している製品情報に当てて、1つずつ確かめました。結果を先に書くと、①はむしろ逆で、メーカーは「旧塗膜の種類を問わず、優れた密着性を示します」を特長として挙げています。そして本当に効いてくる差は、年数と、足場を何回組むかのほうでした。
先に答えを書きます
- 「重ね塗りで弾く」は逆です。エスケー化研はシリコン塗料の特長に「旧塗膜の種類を問わず、優れた密着性を示します」と書き、適用下地に「各種旧塗膜(活膜)」を挙げています。塗り重ねで困るのはフッ素・無機・光触媒の側です。
- 「硬くてひび割れやすい」は製品の選び方の話です。同じシリーズに弾性クリーンマイルドシリコンがあり、特長タグは「ひび割れ追従性」、期待耐用年数は12〜15年で通常版と同じ。差は450円/㎡でした。
- 「撹拌が要る」「硬化が遅い」は2液型の作法です。同じシリーズのフッ素も二液で、条件は同じ。シリコン固有の話ではありません。
- 本当の差は年数です。フッ素との差は3〜5年と920円/㎡。ただし1年あたりに割ると重なります。効いてくるのは足場を何回組むかのほうです。
このページの内容全11項目
よく見かける4つの「デメリット」
「シリコン塗料 デメリット」で調べると、だいたい同じ4つが出てきます。先に並べておきます。
- 1. 重ね塗りで塗料を弾く次に塗り替えるとき、密着が悪くなる——という説明
- 2. 塗膜が硬く、柔軟性が低いのでひび割れやすい地震や下地の動きに追従できない——という説明
- 3. 顔料が沈殿しやすく、頻繁に撹拌が要る低粘度なので扱いにくい——という説明
- 4. 硬化が遅い乾燥に時間がかかり、天候の影響を受けやすい——という説明
ここから先は、この4つを塗料メーカーが自分で公開している資料に当てて確かめます。使うのは、エスケー化研の「クリーンマイルドシリコン」と「弾性クリーンマイルドシリコン」、比較用に同じシリーズの「クリーンマイルドフッソ」の製品ページです。同じ会社の、同じシリーズの中で比べると、条件がそろって差だけが見えます。
①「重ね塗りで弾く」——メーカーは逆のことを、特長として書いています
クリーンマイルドシリコンの製品ページには、特長が6つ並んでいます。その5番目がこれです。
幅広い下地適用性——弱溶剤で構成されているため、旧塗膜の種類を問わず、優れた密着性を示します。
「旧塗膜の種類を問わず」——塗り重ねにくいどころか、塗り重ねやすいことを売りにしているわけです。適用下地の欄にも、はっきり書かれています。
コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、スレート板、GRC板、押出成形セメント板、各種サイディングボード、各種旧塗膜(活膜)など
では、弾かれるのは何か
塗り重ねで困る下地は、実際にあります。ただしそれはシリコンではありません。別のメーカーの資料が、線をはっきり引いています。シーカ・ジャパンの変性無機塗料のカタログです。
リシン面、吹付けタイル面、弾性塗材面等の既存塗膜でアクリルシリコン系まで適用できます。フッ素系下地は適用できません。
アクリルシリコンまでは塗れて、フッ素からは塗れない。同じカタログの別の項には、理由にあたる説明もあります。
フッ素や無機系などの難接着塗装処理がされている下地については、付着性が十分に発揮されないおそれがありますので、ご使用の場合は最寄の営業所へご相談下さい。
この注意書きが「難接着」として挙げているのはフッ素と無機系で、当サイトの難付着サイディングのページでは、塗料メーカー各社の下塗材の適用下地から光触媒コーティング・無機系コーティングも同じ扱いになることを整理しています。
つまり①は、順番が逆になっています。次の塗り替えで選択肢が狭まるのは、上のグレードを選んだときのほうです。シリコンで塗った壁は、次にほぼ何でも選べます。
ただし、正確に書いておきます
メーカーが挙げている理由は「弱溶剤で構成されているため」です。樹脂がシリコンだから、ではありません。同じ「シリコン塗料」でも、水性のものにそのまま当てはまるとは書かれていません。見積書の製品名が「水性〜」で始まるなら、その製品の適用下地を見てください。水性と油性(溶剤)の違いにまとめています。
②「硬くてひび割れやすい」——同じシリーズに「ひび割れ追従性」の弾性版があります
エスケー化研は、同じクリーンマイルドのシリーズに弾性クリーンマイルドシリコンを持っています。製品ページの特長タグに、そのまま「ひび割れ追従性」と書かれています。一般名称はこうです。
超低汚染・超耐久性NAD型特殊弾性アクリルシリコン樹脂塗料
大事なのは、柔らかくしたぶん年数が落ちていないことです。2つを並べます。
| クリーンマイルドシリコン | 弾性クリーンマイルドシリコン | |
|---|---|---|
| 特長タグ | 超低汚染性/防かび・防藻性/透湿性 | 同左+ひび割れ追従性 |
| 期待耐用年数 | 12〜15年 | 12〜15年 |
| 設計価格 | 3,180円/㎡ (複層塗材の上塗りに用いる場合) | 3,630円/㎡ |
| 適用下地 | コンクリート、モルタル、ALC、サイディング、各種旧塗膜(活膜)、金属など | 防水形仕上塗材や可とう形改修塗材の上塗り(ここが違います) |
| 荷姿 | 主剤13.5kg+硬化剤1.5kg(15kgセット) | 主剤13.5kg+硬化剤2.5kg(16kgセット) |
※いずれもエスケー化研の製品ページ(2026年9月13日確認)。設計価格は後述の3つの条件つきです。
差は450円/㎡。外壁120㎡なら54,000円です。期待耐用年数は同じ12〜15年。つまり「シリコンは硬い」は、製品の選び方の話であって、シリコンという樹脂の限界ではありません。
ただし、どんな壁でも弾性にできるわけではありません
表の最後の行が肝心です。弾性版の適用下地は「防水形仕上塗材や可とう形改修塗材の上塗り」——つまり下に弾性の層があることが前提です。硬い下地の上に弾性の上塗りだけ乗せても、下が割れれば一緒に割れます。ここは当サイトの水性セラミシリコンのページで「弾性の正体は上塗りではない」として詳しく書きました。
そしてもう一つ。外壁のひび割れは、塗膜の硬さ以外の原因でも起きます。下地そのものが動く、目地のシーリングが切れる——といった原因です。ひび割れの補修とシーリングのひび割れをご覧ください。塗料を柔らかくして解決する問題なのかどうかを、先に見てもらってください。
③④「撹拌が要る」「硬化が遅い」——これは2液型の話です
3つ目と4つ目は、性格が違います。どちらも「施工する側の手間」の話で、読者が受け取る品質の話ではありません。そしてシリコン固有でもありません。
クリーンマイルドシリコンの製品仕様を見ると、こう書かれています。
- 製品カテゴリ=弱溶剤形塗料/二液
- 荷姿=主剤13.5kg石油缶+硬化剤1.5kg缶
- 希釈=塗料用シンナーA
主剤と硬化剤を混ぜて使う2液型です。2液型は、混ぜたら決まった時間内に使い切らなければならず、よく撹拌する必要があり、混ぜてから硬化が進みます。——これはフッ素でも無機でも、2液型なら全部同じです。事実、同じシリーズのクリーンマイルドフッソも二液です。
だから③④は、「シリコンのデメリット」ではなく「2液型の作法」と読み替えるのが正確です。そして2液型そのものは、当サイトではむしろ手がかりとして扱っています。塗料の種類とグレードのページで書いたとおり、硬化剤を入れ忘れても塗った直後の見た目は変わりません。見積書に「2液」と書かれているなら、現場でどう混ぜるかを聞けます。
そして1液か2液かは、シリコンというグレードで決まっているわけではありません。製品名の頭にたいてい書かれています(「1液水性〜」「2液〜」)。③④が気になるのであれば、見るのは樹脂の名前ではなく、その1行です。
本当の弱点は、年数です——フッ素との差を、同じシリーズで測る
ここまで4つを当てましたが、ここで見た2社の資料(エスケー化研・シーカ・ジャパン)の範囲では、そのまま裏が取れたものはありませんでした。では、シリコンを選ぶときに資料で確かめられる差は何か。年数です。同じエスケー化研のクリーンマイルドシリーズで、シリコンとフッ素を並べます。
| クリーンマイルドシリコン | クリーンマイルドフッソ | |
|---|---|---|
| 期待耐用年数 | 12〜15年 | 15〜20年 |
| 設計価格 | 3,180円/㎡ | 4,100円/㎡ |
| 標準塗坪 | 42〜68㎡/15kgセット | 42〜68㎡/15kgセット |
| 希釈 | 塗料用シンナーA | 塗料用シンナーA |
| 適用下地 | 同じ(各種旧塗膜(活膜)などを含む) | |
※いずれもエスケー化研の製品ページ(2026年9月13日確認)。どちらも二液・弱溶剤形で、標準塗坪も希釈も同じです。比べているのは樹脂の違いだけになります。
差は920円/㎡と3〜5年。外壁120㎡なら、金額の差は110,400円です。
メーカーは期待耐用年数の意味も書いています。
期待耐用年数は、次の塗り替え時期の目安です。地域、立地条件、方角等により異なりますので、参考値としてお考えください。
「寿命」ではなく「次に塗るまでの目安」だ、ということです。何年ごとに塗り替えるかも合わせてご覧ください。
1年あたりに割ると、差はほとんど消えます
「フッ素は高いけれど長持ちするから、長い目で見れば得」——これもよく聞く説明です。上の数字で割ってみます。
| ㎡単価 | 期待耐用年数 | 1年あたり(㎡) | |
|---|---|---|---|
| シリコン | 3,180円 | 12〜15年 | 212〜265円 |
| フッ素 | 4,100円 | 15〜20年 | 205〜273円 |
重なっています。シリコンが212〜265円、フッ素が205〜273円。メーカーが出している数字で割るかぎり、「1年あたりどちらが得か」は決まりません。
ここは正直に書いておきます。この計算は「塗料の単価だけ」を割ったものです。実際の工事には足場・洗浄・養生・シーリング・付帯部が乗るので、そこを含めると話が変わります——そして変わる方向は、次の章のとおりです。
効いてくるのは、足場を何回組むかです
30年住むと考えて、塗り替えの回数を数えます。
| 期待耐用年数 | 30年で塗る回数 | |
|---|---|---|
| シリコン | 12〜15年 | 2〜3回 |
| フッ素 | 15〜20年 | 1〜2回 |
最大で1回分の差です。そして1回の工事には、塗料代以外がまるごと1式ついてきます。足場、洗浄、養生、シーリングの打ち替え、付帯部の塗装——ここは塗料のグレードを上げても下げても、ほぼ変わらない部分です。
だから、判断の順番はこうなります。
- 1. あと何年その家に住むかを決める12年後にもう一度足場を組む前提で問題ないなら、シリコンで足ります。次の1回を減らしたいなら、上のグレードに払う意味が出ます
- 2. 壁以外の予定と合わせる屋根、ベランダの防水、雨樋——足場が要る工事は、まとめると1回分の足場が浮きます。先に予定を並べてください
- 3. そのうえで見積書を2〜3社塗料の単価が110,400円違っても、足場や下地補修の書き方でそれ以上動くことがあります。見積もりの内訳のどの行が動いているかを見てください
「シリコンで十分ですか」という問いの答えは、塗料の性能ではなく、この3つで決まります。
設計価格には、3つの条件が付いています
上で使った3,180円/㎡・4,100円/㎡は、メーカーが公開している設計価格です。そのまま見積書と比べると話が合わなくなるので、注記をそのまま引きます。
設計価格は、300㎡以上を基準とする材工共の価格であり、下地調整費は含んでおりません。
標準塗坪は、一般的なものであり、下地の状態や環境などによる所要量の増減に応じて変わることがあります。
読み替えると、こうなります。
- 1. 300㎡以上が基準戸建ての外壁はだいたい100〜150㎡です。基準の半分以下——つまり戸建ては設計価格より高くなるのが普通です。「設計価格より高い」は、それ自体では高すぎる根拠になりません
- 2. 材工共材料費と施工費が入った価格です。材料だけの値段ではありません
- 3. 下地調整費は含まないケレン、ひび割れ補修、シーリング、洗浄は別です。傷んだ壁ほど、ここが増えます
だから設計価格の使い道は、「金額が妥当か」の判定ではなく「グレード間の差」を測ることです。920円/㎡という差は、300㎡でも120㎡でも同じ向きに働きます。㎡単価の考え方と妥当な金額かの見方もご覧ください。
シリコンでいい家、上のグレードに払う意味がある家
ここまでの数字で整理します。順位はつけられませんが、条件で分かれます。
| こういう家 | 考え方 |
|---|---|
| 12〜15年後にもう一度塗る前提で問題ない | シリコンで足ります。浮いた110,400円ぶんを、下地補修やシーリングの打ち替えに回すほうが効きます |
| 屋根やベランダも近いうちに手を入れる | 足場をまとめる計画が先。塗料のグレードより回数のほうが金額に効きます |
| 次の1回を減らしたい(高齢・売却予定なし) | 上のグレードに払う意味が出ます。ただし次の塗り替えで選べる塗料が狭まります(①の章) |
| 目地の多いサイディング、ひび割れが出ている | 柔らかさが要るかを先に見てもらう。弾性版は下地に条件があります(②の章) |
| すでにフッ素・無機・光触媒で塗られている | 塗れる塗料が限られます。前回の書類を探してください(難付着サイディング) |
見積もりのときに確かめる質問
「シリコンで」と言われたとき、あるいは自分で指定したいときに、そのまま使える質問です。
- 「メーカー名と製品名を書いてください」——「シリコン塗装一式」では、上で見た数字のどれにも当てはめられません
- 「1液ですか、2液ですか」——2液なら、混ぜ方と可使時間の話ができます
- 「水性ですか、弱溶剤ですか」——旧塗膜への密着の説明が変わります(①の章)
- 「前回の塗料は何でしたか」——フッ素・無機・光触媒だと、選べる塗料が変わります
- 「期待耐用年数は、メーカーが何年と書いていますか」——製品名が分かれば、施主でも公式ページで確かめられます
- 「ひび割れが心配なのですが、弾性にする必要はありますか」——要る/要らないの理由を聞く質問です
- 「下地調整は別の行になっていますか」——設計価格に含まれていない部分です
全部でなくて構いません。1つ目が書かれているかどうかだけで、その先の話ができるかが決まります。
よくある質問
シリコン塗料のデメリットは何ですか?
よく挙げられる4つ(重ね塗りで弾く/硬くてひび割れやすい/顔料が沈殿しやすい/硬化が遅い)を、エスケー化研の製品ページに当てて確かめました。1つ目は逆で、メーカーは「弱溶剤で構成されているため、旧塗膜の種類を問わず、優れた密着性を示します」を特長に挙げ、適用下地に「各種旧塗膜(活膜)など」を書いています。2つ目は、同じシリーズに「ひび割れ追従性」をうたう弾性版があり、期待耐用年数は12〜15年で通常版と変わりません。3つ目と4つ目は2液型の作法で、同じシリーズのフッ素も二液です。資料で裏が取れる弱点は、年数のほうでした——フッ素の15〜20年に対して12〜15年です。
シリコン塗料の耐用年数は何年ですか?
エスケー化研のクリーンマイルドシリコンは、製品ページで期待耐用年数12〜15年としています(2026年9月13日確認)。同じシリーズのクリーンマイルドフッソは15〜20年です。メーカーは同じページで「期待耐用年数は、次の塗り替え時期の目安です。地域、立地条件、方角等により異なりますので、参考値としてお考えください」と断っています。つまり「その年数で壊れる」ではなく「そのころ次を考える」という数字です。
外壁塗装はシリコンで十分ですか?
塗料の性能ではなく、3つの条件で決まります。①12〜15年後にもう一度足場を組む前提で問題ないか、②屋根やベランダなど足場が要る工事を近いうちにまとめる予定があるか、③次の1回を減らしたいか。メーカーの設計価格で比べると、シリコン3,180円/㎡・フッ素4,100円/㎡で差は920円/㎡(外壁120㎡なら110,400円)。ただし1年あたりに割るとシリコン212〜265円・フッ素205〜273円で重なります。浮いた分を下地補修やシーリングの打ち替えに回すほうが効く家も多くあります。
シリコンの上には塗り替えできないのですか?
できます。エスケー化研は自社のシリコン塗料の適用下地に「各種旧塗膜(活膜)など」と明記しています。むしろ塗り重ねで制約が出るのは上のグレードのほうで、シーカ・ジャパンの変性無機塗料のカタログは「リシン面、吹付けタイル面、弾性塗材面等の既存塗膜でアクリルシリコン系まで適用できます。フッ素系下地は適用できません」と書いています。「難接着」と呼ばれるのはフッ素・無機・光触媒です。ただしメーカーが挙げている理由は「弱溶剤で構成されているため」なので、水性のシリコンにそのまま当てはまるとは書かれていません。製品名を確かめてください。
シリコン塗料はひび割れやすいですか?
「柔らかいシリコン」は選べます。エスケー化研の弾性クリーンマイルドシリコンは特長タグに「ひび割れ追従性」を掲げ、一般名称も「特殊弾性アクリルシリコン樹脂塗料」です。期待耐用年数は12〜15年で通常版と同じ、設計価格は3,630円/㎡(通常版は3,180円/㎡)です。ただし適用下地が「防水形仕上塗材や可とう形改修塗材の上塗り」と限定されていて、下に弾性の層があることが前提です。そして外壁のひび割れは、塗膜の硬さより下地の動きやシーリングの切れが原因になることが多いので、柔らかくして解決する話なのかを先に見てもらってください。
シリコンとフッ素、どちらが長い目で見て得ですか?
メーカーの数字で割るかぎり、決まりません。エスケー化研の同じシリーズで、シリコンは3,180円/㎡÷12〜15年=1年あたり212〜265円、フッ素は4,100円/㎡÷15〜20年=205〜273円。範囲が重なります。差が出るのは足場の回数です。30年で見るとシリコンが2〜3回、フッ素が1〜2回——最大で1回分。1回の工事には足場・洗浄・養生・シーリング・付帯部がまるごと付いてくるので、そこが塗料代の差より大きく動きます。
設計価格と見積もりの金額が合いません
設計価格には条件が付いています。エスケー化研は「設計価格は、300㎡以上を基準とする材工共の価格であり、下地調整費は含んでおりません」と注記しています。戸建ての外壁はだいたい100〜150㎡なので基準の半分以下、さらにケレン・ひび割れ補修・シーリング・洗浄は別。つまり戸建てが設計価格より高くなるのは普通のことで、それ自体は高すぎる根拠になりません。設計価格の使い道は、金額の判定ではなくグレード間の差を測ることです。
見積書が「シリコン塗装一式」でした
メーカー名と製品名を書いてもらってください。製品名が分かれば、期待耐用年数も設計価格も適用下地も、施主がメーカーの公式ページで確かめられます。逆に製品名がないと、このページで並べた数字のどれにも当てはめられません。あわせて「1液か2液か」「水性か弱溶剤か」も聞いておくと、旧塗膜への密着と現場の作法の話ができます。
シリコンは汚れやすいですか?
エスケー化研のクリーンマイルドシリコンは、特長の1番目に「超低汚染性——セラミック複合の特殊技術で従来にない超低汚染を実現しました」を挙げ、「防かび・防藻性」「透湿性」も並べています(2026年9月13日確認)。つまり汚れにくさは、シリコンかフッ素かというグレードではなく、その製品に何が入っているかで決まります。ここも製品名が分かれば確かめられる部分です。
「デメリット」を調べた先に、決め手は出てきませんでした
4つのうち3つは、メーカーの資料に当てると別の話でした。残った1つ(年数)も、1年あたりに割ると差が重なります。だから「シリコンはやめたほうがいいか」の答えは、塗料の側からは出てきません。決まるのは、あと何年その家に住むか、足場が要る工事を何回に分けるか、傷んだ下地にいくら使うか——家の側の条件です。そこまで決めてから見積書を並べると、金額の理由が読めるようになります。
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製品名まで決まっているなら、その名前を書いた状態で2〜3社に出してもらうのがいちばん早い確かめ方です。同じ製品・同じ面積で並べれば、差が出ているのは工事の中身のほうだと分かります。
参考にした情報
- エスケー化研株式会社「クリーンマイルドシリコン」——製品カテゴリ「弱溶剤形塗料/二液/シリコン樹脂系/超低汚染性/防かび・防藻性/透湿性」、特長の「幅広い下地適用性——弱溶剤で構成されているため、旧塗膜の種類を問わず、優れた密着性を示します。」および「超低汚染性——セラミック複合の特殊技術で従来にない超低汚染を実現しました」、一般名称「超低汚染・超耐久性NAD型特殊アクリルシリコン樹脂塗料」、ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆、適用下地「コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、スレート板、GRC板、押出成形セメント板、各種サイディングボード、各種旧塗膜(活膜)など」および金属、荷姿「主剤:13.5kg石油缶、3.6kg缶/硬化剤:1.5kg缶、0.4kg缶」、標準塗坪「42〜68㎡/15kgセット」、設計価格「3,180円/㎡(複層塗材の上塗りに用いる場合)」、艶の状況「艶有り、7分艶、5分艶、3分艶」、希釈「塗料用シンナーA」、期待耐用年数「12〜15年」、備考の「設計価格は、300㎡以上を基準とする材工共の価格であり、下地調整費は含んでおりません。」「標準塗坪は、一般的なものであり、下地の状態や環境などによる所要量の増減に応じて変わることがあります。」「期待耐用年数は、次の塗り替え時期の目安です。地域、立地条件、方角等により異なりますので、参考値としてお考えください。」(2026年9月13日確認)
- エスケー化研株式会社「弾性クリーンマイルドシリコン」——製品カテゴリに「ひび割れ追従性」、特長「超耐久性——耐候形1種に相当する性能を示します」、一般名称「超低汚染・超耐久性NAD型特殊弾性アクリルシリコン樹脂塗料」、用途「戸建て住宅、マンションの外装/店舗、事務所、工場、倉庫などの外装/学校などの公共施設の外装」、適用下地「防水形仕上塗材や可とう形改修塗材の上塗り」、荷姿「主剤:13.5kg石油缶、3.6kg缶/硬化剤:2.5kg缶、0.67kg缶」、標準塗坪「45〜53㎡/16kgセット、12〜14㎡/4.27kgセット」、設計価格「3,630円/㎡」、期待耐用年数「12〜15年」(2026年9月13日確認)
- エスケー化研株式会社「クリーンマイルドフッソ」——適用下地はクリーンマイルドシリコンと同じ(「各種旧塗膜(活膜)など」を含む)、標準塗坪「42〜68㎡/15kgセット」、希釈「塗料用シンナーA」、設計価格「4,100円/㎡(複層塗材の上塗りに用いる場合)」、期待耐用年数「15〜20年」(2026年9月13日確認)
- シーカ・ジャパン株式会社「スーパーセランフレックス カタログ(PDF)」——施工上の注意点の「リシン面、吹付けタイル面、弾性塗材面等の既存塗膜でアクリルシリコン系まで適用できます。フッ素系下地は適用できません。また既存塗膜の種類により所要量は変わります。」および「フッ素や無機系などの難接着塗装処理がされている下地については、付着性が十分に発揮されないおそれがありますので、ご使用の場合は最寄の営業所へご相談下さい。」(2026年9月13日確認)。この製品自体の解説はダイヤスーパーセランフレックスのページにあります
- ※設計価格・期待耐用年数・適用下地は、メーカーおよび製品ごとに異なります。ご自宅にどの製品が使えるかは、建物を直接見た施工業者にご確認ください。