シリコンREVO1000——13〜16年・69色。屋根用とは、振っている性能が逆です
見積書でこの名前を見かけた方へ。アステックペイントが出している外壁用の塗料です。
公式の数字はこうです。期待耐用年数13〜16年、色は69色。機能表示は低汚染性〇・防カビ防藻性〇で、遮熱性は表示なし。
同じアステックの屋根用(スーパーシャネツサーモ)は、遮熱性〇で低汚染性も防カビ防藻性も表示なしでした。外壁用と屋根用で、振っている性能が逆になっています。(2026年8月30日確認)
まず、公式の数字
| 項目 | シリコンREVO1000 |
|---|---|
| 期待耐用年数 | 13〜16年 |
| 低汚染性 | 〇 |
| 遮熱性 | 表示なし(-) |
| 防水性 | 表示なし(-) |
| 防カビ・防藻性 | 〇 |
| 色 | 69色 |
🔑低汚染性と防カビ・防藻性の2つが〇になっているのが、この製品の性格です。外壁で困るのは、汚れの筋と、北面の緑。そこに対応した設計になっています。
「-IR」で変わるのは、遮熱だけです
この製品には「シリコンREVO1000-IR」という表記もあり、どちらを指しているのか分からなくなることがあります。IRが何を意味するかは、同じシリーズのフッ素グレードを並べると分かります。
| 項目 | フッ素REVO1000 | フッ素REVO1000-IR |
|---|---|---|
| 期待耐用年数 | 16〜20年 | 16〜20年(同じ) |
| 低汚染性 | 〇 | 〇(同じ) |
| 遮熱性 | 表示なし(-) | 〇 |
| 防カビ・防藻性 | 〇 | 〇(同じ) |
| 色 | 69色 | 69色(同じ) |
違うのは遮熱性の1行だけです。期待耐用年数は変わりません。
🔑つまり「-IR」は遮熱を足したもので、長持ちさせるものではありません。「IR付きのほうが上位グレードだから長くもつ」という説明を受けたら、公式の表示と食い違っています。年数を伸ばしたいならシリコンからフッ素へ、暑さを抑えたいならIRへ——上げる方向が別です。
⚠️そして外壁の遮熱は、屋根ほど効き方が単純ではありません。日射が直接当たる面と当たらない面があるからです。遮熱を足す価値があるかは、家の向きと窓の位置で変わります(遮熱塗料に効果はある?)。IRあり・なしの両方で見積もりを出してもらって、差額を見てから決めてください。
アステックの外壁塗料の階段
公式の期待耐用年数で並べると、きれいな階段になります。
| 製品 | 期待耐用年数 | 低汚染性 | 遮熱性 | 防カビ・防藻性 |
|---|---|---|---|---|
| スーパーラジカルシリコンGH | 12〜14年 | 〇 | - | 〇 |
| シリコンREVO1000 | 13〜16年 | 〇 | - | 〇 |
| フッ素REVO1000 | 16〜20年 | 〇 | - | 〇 |
| フッ素REVO1000-IR | 16〜20年 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 無機ハイブリッドウォール | 20年以上 | 〇 | - | (表示なし) |
シリコンREVO1000は下から2番目です。そして低汚染性と防カビ・防藻性は、どのグレードでも〇で共通しています。グレードを上げても、汚れにくさが上がるわけではない——という読み方ができます。
🔑上げると変わるのは、年数だけです。12〜14年 → 13〜16年 → 16〜20年 → 20年以上。その差額が、その年数に見合うかどうかが判断のすべてになります(外壁は何年もつのか)。
⚠️ひとつ気になるのが、いちばん上の無機ハイブリッドウォールで防カビ・防藻性の表示が消えることです。年数だけを見て一番上を選ぶと、下のグレードにあった表示が無くなる場合がある。「高いほうが全部いい」ではありません(無機塗料はメーカーで何が違う?)。
屋根用と外壁用で、性能の振り方が逆です
同じアステックの製品を、屋根用と外壁用で並べてみます。
| 項目 | スーパーシャネツサーモSi (屋根用) | シリコンREVO1000 (外壁用) |
|---|---|---|
| 期待耐用年数 | 13〜16年 | 13〜16年(同じ) |
| 遮熱性 | 〇 | 表示なし |
| 低汚染性 | 表示なし | 〇 |
| 防カビ・防藻性 | 表示なし | 〇 |
| 色 | 21色 | 69色 |
年数は同じ13〜16年なのに、〇が付く項目が入れ替わっています。
🔑理由は、困ることが違うからです。屋根は上から日射を受けるので暑さが問題になる。外壁は目線の高さにあって、汚れと緑が目につく。メーカーはそこに合わせて性能を振り分けています。
そして色数の差も同じ理屈です。屋根21色に対して外壁69色。外壁のほうが選ぶ人の目に入る面積が大きいので、選択肢が多く用意されています(外壁塗装の色のページ)。
⚠️だから「屋根と外壁を同じ塗料で」とはなりません。見積書に屋根と外壁で別の製品名が並んでいても、それが普通です。むしろ同じ名前が並んでいたら、なぜかを聞いてください。
「低汚染性〇」を、どこまで期待していいか
この製品の売りは低汚染性です。ただし〇が付いているからといって、汚れないわけではありません。
参考になるのが、外壁材メーカーの書き方です。ケイミューは親水コートの説明で、防汚効果について「排気ガスや埃、砂塵に対して効果を発揮する」「錆やカビ・苔・藻の発生に対しては十分な洗浄効果は発揮されません」と対象を明示していました。
塗料の低汚染性も、同じように「何に効くか」で読むのが実際的です。空気中の埃や排気ガスが付きにくくなることと、北面に藻が生えないことは別の話です。REVOには防カビ・防藻性も〇が付いているので、そちらは別項目として立っています。
⚠️そして、どんな塗料でも汚れが集中する場所があります。窓サッシの下、換気フードの下、笠木の水切りが効いていないところ——水の流れが原因の汚れは、塗料の性能では止まりません。そこは部材や納まりの話になります。
現地を見てもらうときに、いま汚れている場所を指さして「これは塗料で変わりますか」と聞いてみてください。「変わります」としか言わない会社と、「そこは水の当たり方なので別の手を打ちます」と答える会社に分かれます。後者のほうが、汚れの原因を見ています。
艶を落としたいなら、別の製品名になります
「艶ありは嫌だ」という要望は多いのですが、アステックの場合、艶を落とすと製品名そのものが変わることがあります。
同社のラインアップには「超低汚染リファイン艶消1000MS-IR」という、製品名に「艶消」が入ったものがあります。同じ塗料の艶違いではなく、別の製品として立っているという並び方です。
🔑だから「REVO1000を艶消しで」と頼んでも、そのまま通るとは限りません。艶を落とした仕様があるのか、それとも別シリーズに移るのかは、見積もりの段階で確認する話になります。
艶の選び方そのものについては外壁塗装の艶あり・艶なしのページにまとめました。「艶消しは長持ちしない」という通説がメーカーの回答と違うという話も、そちらに書いています。
艶を落としたいなら、その希望を最初に伝えて見積もりを取ってください。あとから「艶消しにしたい」と言うと、製品ごと組み替えになって金額が変わることがあります。
下塗りにも製品名があります
アステックには上塗りだけでなく、下塗り材にも個別の製品名が付いています。公式のラインアップで確認できるものだけでも、こう並んでいます。
| 製品 | 色 | 位置づけ |
|---|---|---|
| エポパワーシーラーJY | 透明 | 下塗り(シーラー) |
| エクセルエポシーラー | — | 下塗り(シーラー) |
| アステックシンナーDX/リガードシンナー | 透明 | 希釈剤 |
🔑見積書に上塗りの名前しか書かれていないときは、下塗りが何なのか分かりません。下地の状態によって使い分けるものなので、「下塗り 一式」で済ませてある見積書は、そこをまだ決めていない可能性があります。
⚠️そして希釈剤にも製品名があるということは、希釈率が決まっているということです。ここは施主が確かめる話ではありませんが、下塗り材の名前を答えられる会社かどうかは、そのままメーカーの仕様に沿って施工する会社かどうかの目安になります。
69色から、どう絞るか
色数が多いのは選べる幅が広いということですが、69色を全部並べて選ぶのは現実的ではありません。
実務では、こういう順で絞ることになります。
- ①付帯部の色を先に決める——雨樋・破風・軒天。ここが決まると外壁の候補が自然に狭まります
- ②屋根の色と合わせる——屋根用は21色なので、屋根から決めたほうが選択肢が少なくて早い
- ③3〜4色に絞ってから、大きい色見本を屋外で見る——小さい色見本と実際の壁では見え方が変わります
面積が大きくなるほど、色は明るく鮮やかに見えます。色見本で「ちょうどいい」と思った色は、壁一面になると想像より明るく出ることがあります(外壁塗装の色のページ)。
🔑そして色を変えると、汚れの目立ち方も変わります。白は埃の筋が出やすく、濃い色は退色が分かりやすい。低汚染性が〇でも、色の選び方で見え方は変わります(グレーを選ぶ前に)。
見積書で確認する3点
- ①「-IR」が付いているか——付いていれば遮熱あり、なければ遮熱なし。年数は変わりません。見積書と提案書で表記が食い違っていないかも見ます
- ②下塗り材は何か——製品名が書いてあるか、「下塗り 一式」で済まされているか。アステックには専用の下塗り材(エポパワーシーラー、エクセルエポシーラーなど)があります
- ③シリコンかフッ素か——13〜16年か16〜20年かが変わります。「REVO1000」という数字は同じなので、頭の樹脂名を見ないと区別できません
🔑③は間違えやすいところです。「REVO1000で見積もりました」と言われても、シリコンなのかフッ素なのかで期待耐用年数が3〜4年変わります。製品名は最後まで読んでください。
①〜③はすべて紙の上で判定できます。現地に立ち会う必要も、専門用語で問い詰める必要もありません。受け取った見積書のこの3行に線を引いて、並べてみてください。書き分けている会社と、まとめてしまう会社がはっきり分かれます。
価格は公表されていません
アステックペイントは製品ページに価格を載せていません。塗装店を通す仕組みだからです(アステックペイントは他のメーカーと何が違う?)。
この仕組みには良し悪しがあります。比べる相手が「同じ製品を出している別の会社」に限られるので、他社の塗料と横並びにしにくい。逆に言えば、製品名が一致していれば、あとは中身と金額の勝負になります。同じ「シリコンREVO1000」で何社に出してもらえるかを試してみてください。扱っている会社の数そのものが、地域によって違います。
「高いのか安いのか」が分からない、という問題
この製品を調べていて行き詰まるのは、たいてい金額の相場が出てこないところです。理由ははっきりしています。メーカーによって、価格の公開方針がまったく違うからです。
| メーカー | 価格の扱い | 施主が確かめる方法 |
|---|---|---|
| エスケー化研 | 設計価格表を公開(塗料別の㎡単価が並ぶ) | 公表値と見積書を突き合わせられる |
| アステックペイント | 非公開(製品ページに金額の記載なし) | 見積もりを複数取って相対で見るしかない |
🔑だから同じ「シリコングレードの外壁塗料」でも、確かめ方が変わります。エスケーの製品なら公表単価という物差しがある。アステックの製品には、その物差しがありません。
⚠️ここで注意したいのが、公表単価と見積書の単価は別ものだということです。エスケーの設計価格は300㎡以上を基準にしたものなので、戸建てではそのまま当てはまりません(エスケー化研の設計価格のページ)。「公表値より高い=ぼったくり」ではありません。
つまりどちらのメーカーでも、最後は見積書を並べることになります。違うのは、出発点に公表値があるかどうかだけです。アステックの製品で提案を受けているなら、なおさら複数社に出してもらう意味があります。物差しが無いぶん、比較そのものが物差しになります。
この製品が向いている家、そうでもない家
公式の表示から読める範囲で、素直に整理します。断定はしません。数字が示している傾向の話です。
| 条件 | 読み取れること |
|---|---|
| 汚れの筋や北面の緑が気になっている | 低汚染性〇・防カビ防藻性〇が立っている製品なので、方向は合っています |
| 次の塗り替えまで長く空けたい | 13〜16年。もっと空けたいならフッ素(16〜20年)や無機(20年以上)が上にあります |
| 夏の暑さを何とかしたい | この製品に遮熱の表示はありません。「-IR」か、屋根側の遮熱を検討する話になります |
| 色をじっくり選びたい | 69色。同社の屋根用21色より幅があります |
| 公表単価と突き合わせたい | アステックは非公開。公表値で確かめたいなら別メーカーの製品という選び方もあります |
🔑いちばん大事なのは、いちばん下の行かもしれません。「その塗料が良いかどうか」より、「自分が納得して決められる材料があるかどうか」で選ぶ、という考え方です。
提案された製品に納得できないまま契約すると、あとで「本当にこれでよかったのか」が残ります。同じ家に、別の会社が別のメーカーで提案してきたら、その2つを並べてください。片方が公表単価のある製品なら、そこが判断の足場になります。
よくある質問
- 耐用年数は何年ですか?
- 公式表示で期待耐用年数13〜16年です。保証年数ではありません。外壁の向き、下地の状態、地域の環境で変わります。
- 「-IR」が付くと何が変わりますか?
- 遮熱性が加わるだけです。フッ素REVO1000とフッ素REVO1000-IRを並べると、期待耐用年数はどちらも16〜20年で同じ、低汚染性も防カビ防藻性も同じ〇。変わるのは遮熱性が表示なしから〇になる点だけです。
- 色は何色ありますか?
- 69色です。同じアステックの屋根用(スーパーシャネツサーモSi・F)が21色なので、外壁用は色数が多く設定されています。
- 汚れにくさは期待できますか?
- 低汚染性〇、防カビ・防藻性〇と公式に表示されています。屋根用が遮熱のみ〇なのと対照的です。
- アステックの中でどのグレードですか?
- 期待耐用年数で並べるとスーパーラジカルシリコンGH 12〜14年 → シリコンREVO1000 13〜16年 → フッ素REVO1000/-IR 16〜20年 → 無機ハイブリッドウォール 20年以上。下から2番目です。
- いくらかかりますか?
- 公表されていません。製品ページに金額の記載がなく、施工店を経由する販売のためです。地域や会社によって扱いの有無も変わります。
参考にした情報
- アステックペイント公式 製品ページ「シリコンREVO1000」(期待耐用年数13〜16年、低汚染性〇・遮熱性-・防水性-・防カビ防藻性〇、69色)
- 同「フッ素REVO1000」「フッ素REVO1000-IR」(いずれも期待耐用年数16〜20年、69色。遮熱性の表示のみ異なる)
- 同「スーパーラジカルシリコンGH」(12〜14年)「無機ハイブリッドウォール」(20年以上)「スーパーシャネツサーモSi」(屋根用・13〜16年・21色)
最終確認日:2026年8月30日。ラインアップと機能表示は改訂されます。とくに「-IR」の有無や樹脂グレードは見積書の表記で確かめてください。
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