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外壁塗装中の空き巣対策——足場より先に、2階の窓を見てください
家のまわりに足場が組まれると、多くの方が同じことを心配します。「これ、2階まで登れてしまうのでは」。その心配は正しいのですが、対策の順番を間違えると、お金だけかかって肝心なところが空いたままになります。このページは、警察庁が公表しているデータをもとに、効く順に並べ直したものです。工事期間だけの話ではなく、終わったあとにも残る話にしました。
※本ページはプロモーション(広告)を含みます。
このページの内容
- 先に結論——やることは3つです
- まず数字を正確に。「工事中に増える」という統計はありません
- それでも足場が問題になる理由——下見の項目に入っています
- 逆に、工事中は狙われにくくなる面もあります
- 本当に注意すべきは「工事をしていない日」
- 5分が分かれ目——だから補助錠が効きます
- 業者にお願いできること・聞いておくこと
- 自分でやる対策を、費用と手間の順に
- 旅行や帰省が工事と重なったら
- 万一のとき——保険と、業者の責任
- 工事のあとも残る対策にするなら
- よくある質問
先に結論——やることは3つです
細かい話に入る前に、結論を書きます。外壁塗装の期間中にやることは、この3つで足ります。
①ふだん閉めていない窓を、ぜんぶ施錠する——特に2階、そして浴室・トイレの小窓。ここが最大の穴です
②足場の昇降口をどう管理するか、業者に確認する——階段を塞ぐ、はしごを外す、といった対応は会社によって違います
③工程表をもらって、「職人が来ない日」を把握する——危ないのは工事中ではなく、足場だけが立っている日です
この3つは、どれもお金がかかりません。防犯カメラの設置や防犯ガラスへの交換は、たしかに効果があります。ただ、それは2〜3週間の工事のためにやることではなく、住まいの防犯として別に考えるほうが筋が通ります(最後の章に書きました)。
以下、なぜこの順番なのかを、公的なデータで説明していきます。
まず数字を正確に。「工事中に増える」という統計はありません
このテーマを扱うページの多くが「工事中の空き巣被害が増えています」と書き出します。ここは正直に書きます。外壁塗装中の住宅に限った被害統計は、公表されていません。警察庁の統計は、発生場所(一戸建住宅・共同住宅・事務所など)や手口別には集計されていますが、「その家が工事中だったか」までは分類されていないからです。
ですから、このページでは「工事中は◯倍危険」といった数字は使いません。代わりに、分かっていることだけを並べます。
公表されている数字
・侵入窃盗の認知件数=4万7,233件(前年比+9.8%)
・うち住宅を対象とした侵入窃盗=1万7,152件(前年比+7.2%)
・1日当たり約47件の侵入窃盗が発生している
・発生場所別では一戸建住宅が29.1%と最多(次いで一般事務所8.3%、生活環境営業6.7%)
・手口別では空き巣が最も多く、侵入窃盗全体の約4分の1を占める
もう少し補足すると、刑法犯の認知件数全体(令和7年=77万4,142件)は4年連続で増加しています。住宅対象の侵入窃盗も、長期的には減少傾向でしたが、ここ数年は増加に転じています。
そして、言葉の整理も入れておきます。警察庁の分類では、住宅に侵入する窃盗は3つに分かれます。
| 呼び方 | どういう状況か |
|---|---|
| 空き巣 | 家人が不在の住宅に侵入して金品を盗むもの |
| 忍込み(しのびこみ) | 夜間、家人が就寝した頃を見はからって侵入するもの |
| 居空き(いあき) | 家人が昼寝や食事をしているすきに侵入するもの |
外壁塗装の工事中に心配になるのは、このうち主に空き巣と忍込みです。日中に外出する家なら空き巣、足場が夜も立ったままである以上は忍込み——両方について考える必要があります。
※「在宅していれば安全」とは言い切れません。警察庁は、誰もいないと思って侵入した者が帰宅した家人と鉢合わせしたとき、強盗に変わることがあると注意を促しています。鉢合わせを避けるという意味でも、入られない状態を作るのが先です。
それでも足場が問題になる理由——下見の項目に入っています
統計に「工事中」の分類はない。それでも足場に注意が必要なのは、侵入者の行動を分析した資料に、はっきり書かれているからです。
警察庁は、侵入者が下見でチェックする項目を次のように整理しています。
侵入者は下見を行うケースが多く、そのチェック項目は「(1)留守かどうか (2)侵入しやすい家かどうか (3)逃げやすいかどうか」。
<侵入しやすい家かどうかのチェックポイント>
・庭木など死角になるものがあるか
・足場になるものがあるか
・窓のクレセント錠の位置が開けやすいところにあるか
・犬がいないか
「足場になるものがあるか」——これは本来、エアコンの室外機、物置、ブロック塀、脚立の置きっぱなしなどを指しています。工事の足場は、その条件を一時的に、しかも家じゅうに作ってしまうわけです。
同じ資料の別のページでは、「侵入しにくい防犯環境の整備」として「侵入の足場になるような物を置かない」とも書かれています。国が対策として挙げていることの逆をやるのが、外壁塗装の足場だという事実は、まず押さえておく必要があります。
もう一つの問題は、2階の窓です
足場が本当に厄介なのは、ふだん人が届かない高さの窓に、手が届くようになることです。ここが効いてくる理由は、侵入口のデータを見ると分かります。
【一戸建住宅の侵入口】1位=窓/2位=表出入口/3位=その他の出入口
【一戸建住宅の侵入手口】1位=ガラス破り/2位=無締り/3位=合かぎ
一戸建てで最も多い侵入口は窓です。そして手口の1位はガラス破り——窓ガラスを割り、そこから手を入れてクレセント錠を外して入る方法です。警察庁は「通常のガラスであれば、わずか数秒で破壊できます」と書いています。
ここで、多くの家に共通する事実が問題になります。2階の窓は、施錠していないことが多い。1階は毎日確認するのに、2階の寝室や納戸、階段の踊り場の窓、浴室の小窓は「どうせ届かないから」と開けたまま、あるいは鍵を確認しないまま何年も過ぎている——これは珍しいことではありません。
足場は、その「どうせ届かない」を無効にします。しかも手口の2位は無締り、つまり鍵が掛かっていない場所からの侵入です。ガラスを割る必要すらない。
だからこのページの結論は、防犯カメラでもセンサーライトでもなく、「2階の窓を、ぜんぶ施錠する」から始まります。費用はゼロで、効果は最も大きいためです。
💡工事の初日、足場が組まれる日には家じゅうの窓を閉めることになります(養生のため、窓は基本的に開けられません)。そのときに「閉める」だけでなく「施錠する」まで一気にやってしまうのが、いちばん確実です。工事が始まってからでは、窓の外側にシートが張られて確認しづらくなります。
逆に、工事中は狙われにくくなる面もあります
ここは、あまり書かれていない話です。足場があるからといって、工事期間中がずっと危険なわけではありません。むしろ、条件によってはふだんより狙われにくい状態になります。
もう一度、下見のチェック項目を見てください。3つ目に「逃げやすいかどうか」があります。
<逃げやすいかどうかのチェックポイント>
・駅に近いか
・立ち話をしている人がいないか
・通行人が少ないか
また、犯行をあきらめた理由で多いのは「近所の人に声をかけられたり、ジロジロ見られた」とされています。侵入者は「近所づきあいが良く、連帯感のある住宅街」を嫌います。
外壁塗装の現場には、朝から夕方まで職人がいます。足場の上を人が動き、道路に車が停まり、近所の人が「やってるね」と声をかけていく。これは、侵入者がいちばん避けたい状況です。
つまり職人が作業している日中は、ふだんより人目が多い。「工事中だから危ない」と単純に言えるものではありません。実際、日中に足場を登れば、職人から見えます。塗装の作業は足場の上で行われるのですから、当然です。
ではいつ危ないのか。答えは、その職人がいない日です。
本当に注意すべきは「工事をしていない日」
ここがこのページでいちばん伝えたいところです。外壁塗装の工期には、足場が立っているのに誰も来ない日が、必ず何日か含まれます。
「誰も来ない日」は、こうして生まれます
| いつ | 何が起きているか |
|---|---|
| 足場を組んだ翌日以降 | 足場は足場屋(専門の会社)が組みます。塗装の職人が入るのは、その後。近所への挨拶や高圧洗浄の段取りで、1〜2日空くことがあります |
| 高圧洗浄のあと | 洗浄した壁は乾かす必要があります。夏場で1日、冬場や日当たりの悪い面では2〜3日空くこともあります(高圧洗浄) |
| 雨の日 | 塗装は雨天では行えません。連日の雨なら、その間ずっと現場は止まります(時期と天候) |
| 強風の日 | 労働安全衛生規則は、高さ2m以上の箇所で「強風、大雨、大雪等の悪天候のため危険が予想されるとき」の作業を禁じています(第522条)。足場の組立て・解体も同様です(第564条)。風で止まるのは法令の要求であって、業者の怠慢ではありません |
| 日曜・祝日 | 多くの会社は日曜が休みです。足場はそのまま残ります |
| 塗り終わってから足場解体まで | 最終確認と足場屋の日程調整で、数日空くことがあります。ここは工事が終わった感覚になるので、いちばん気が緩みます |
足場のある期間を仮に15日とすると、そのうち職人が実際に作業している日は10日前後ということも普通にあります。残りの数日は、足場だけが立っている状態です。
そして夜は、毎日そうなります。職人が引き上げたあとの足場は、朝まで誰にも見られていません。
だから工程表をもらってください
ここまで読めば、工程表が防犯の道具になることが分かると思います。「いつ誰が来るのか」が書いてある紙は、裏返せば「いつ誰も来ないのか」が書いてある紙です。
工程表は、契約後であれば出してもらえるのが普通です。もらったら、次の3つに印をつけてください。
- 足場が立つ日から、塗装が始まるまでの空き
- 日曜・祝日
- 塗装完了から足場解体までの空き
印のついた日は、できるだけ家を空けない、空けるなら短く。それだけで、対策の密度が変わります。雨で予定がずれることは前提として、「今日は誰か来ますか」と聞ける関係を作っておくのが実際的です(工事の工程と日数)。
5分が分かれ目——だから補助錠が効きます
対策を考えるうえで、もう一つ知っておくと判断が変わるデータがあります。
侵入に手間取り、5分かかると侵入者の約7割はあきらめ、10分以上かかるとほとんどがあきらめるといいます。「侵入に時間をかけさせる」——これが、侵入されるかどうかの大きなポイントになります。
目指すのは「絶対に破られない家」ではありません。「5分かかる家」です。この基準は公的な制度にも組み込まれていて、玄関などに使われる錠の防犯性能表示は「5分未満/5分以上/10分以上」という区切りで表されます(特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律 第7条にもとづく指定建物錠の表示)。
5分という基準で考えると、やるべきことが具体的になります。
| 対策 | 目安の費用 | 何分ぶんの効果か |
|---|---|---|
| 窓の施錠 | 0円 | これが無いと、時間はゼロ秒です(手口2位=無締り) |
| 補助錠(窓の上下に追加する鍵) | 数百円〜/個 | ガラスを割って手を入れても、クレセント錠だけでは開かなくなります。もう一度割る手間が増える |
| 防犯フィルム | 数千円〜/枚 | ガラスが割れても穴が広がりにくくなり、手を入れるまでの時間が延びます |
| 雨戸・シャッターを閉める | 0円(付いていれば) | 警察庁も「不在にする際には、雨戸等を閉める」と挙げています |
| カーテンを閉める | 0円 | 時間は延びませんが、室内が見えない=下見の情報が減ります |
いちばん費用対効果が高いのは、2階の窓に補助錠を付けることです。ホームセンターで買えるサッシ用の簡易なものでも、「クレセント錠を外しただけでは開かない」状態は作れます。足場がある2〜3週間だけの話ではなく、そのまま付けておけるのも利点です。
⚠️ただし窓の外側に器具を貼り付けるタイプは、塗装工事中には向きません。サッシまわりは養生されますし、シーリングの打ち替え作業で邪魔になることもあります。室内側で完結するものを選んでください。迷ったら、工事が始まる前に業者へ「この窓、外側に何か付けても大丈夫ですか」と聞けば済みます。
業者にお願いできること・聞いておくこと
防犯は、施主だけでやるものではありません。足場を建てているのは業者ですから、業者側でできることがあります。ただし——ここは正直に書きますが——どこまでやるかは会社によって違います。法律で「足場に第三者が登れないようにしなさい」と決まっているわけではないためです。
だからこそ、聞く価値があります。次の6つを、見積もりや契約前の打ち合わせで確認してください。1社にだけ聞いても、その答えが普通なのか手厚いのかは分かりません。数社に同じ6つを投げてみると、はじめて基準ができます。
1. 昇降階段・はしごの扱い
足場には、職人が上り下りするための階段やはしごが付きます。ここが地上から丸見えの位置にあると、誰でも登れます。「作業が終わったあと、昇降口はどうしていますか」と聞いてください。
会社によって、はしごを外して寝かせておく/一段目に単管を渡して塞ぐ/出入口に施錠するといった対応があります。「特に何もしていません」という答えでも、それが普通の会社もあります。だから、責めるのではなく「やってもらえますか」と頼むのが正解です。頼まれれば対応する会社は多いはずです。
2. メッシュシート(飛散防止ネット)の透け具合
足場には塗料の飛散を防ぐシートが張られます。これが外から中を見えにくくする=死角を作るという面があります。下見のチェック項目の1つ目が「庭木など死角になるものがあるか」だったことを思い出してください。
実務では目の粗さが違うシートがあり、透けやすいものと、ほぼ見えないものがあります。「シートはどのくらい透けますか」と聞いておくと、家の周囲がどう見えるようになるのかが事前に分かります。防犯上は透ける方が有利、飛散防止の確実性では細かい方が有利——ここは相反するので、隣家との距離や道路付けを踏まえて業者と相談する話になります。
3. 工程表をもらえるか
前の章のとおりです。「誰も来ない日」を知るための資料として頼んでください。紙で出せない会社でも、口頭で「日曜は休みです」「洗浄の後は2日空きます」と説明できれば十分です。
4. 足場が立っている総日数
工期そのものよりも、「足場が立っている日数」を聞いてください。塗装の作業日数が10日でも、足場は前後に余裕を持って15日立っていることがあります。リスクのある期間は、後者の長さです。
そしてここが業者選びに直結します。工期が延びるほど、足場のある日数も延びます。天候による順延は避けられませんが、職人の人数と段取りは会社によって差が出るところです(工期が延びる理由)。同じ家の同じ工事でも、「足場は何日立ちますか」の答えは会社で変わります。気になるなら複数社に見積もりを取って、その数字を並べてみてください——金額だけでなく、段取りの詰め方が見えます。
5. 作業員の出入りと、家の中の扱い
「トイレはどうされますか」「家の中に入る必要はありますか」——これは失礼な質問ではありません。事前に決めておいたほうが、お互い気まずくならずに済みます。
多くの現場では、職人は近くのコンビニや公園のトイレを使うか、現場に簡易トイレを置きます。家の中に入るのは、室内から窓まわりを確認する必要があるときくらいです。取り決めておけば、「今日は誰か家に入ったのか」を迷わずに済みます。
6. 鍵は預けない
これは確認ではなく、原則です。外壁塗装は外の工事ですから、家の鍵を預ける必要はありません。「留守中も作業したいので鍵を」と言われたら、その理由を必ず聞いてください。
警察庁のデータでも、一戸建ての侵入手口の3位は「合かぎ」です。鍵を玄関先の植木鉢の下やポストに隠して外出するのも危険だと明記されています。工事中は、業者のためにも鍵を隠す習慣をやめてください。職人の出入りが多い期間に隠し場所を使うのは、いちばん避けたい組み合わせです。
💡この6つを一度に聞くと長くなりますが、実際には「防犯が心配で。足場の昇降口とか、工程表とか、その辺どうされていますか」の一言で足ります。返ってくる答えの具体性が、そのまま会社の性格を表します。慣れている会社なら、聞く前から説明してくれることもあります。
自分でやる対策を、費用と手間の順に
ここまでの内容を、実行する順に並べ直します。上から順にやれば、費用ゼロのものから片付きます。
費用0円・今日できること
- 2階を含む全部の窓を施錠する——浴室、トイレ、階段、納戸を忘れずに。普段開けない窓ほど危ないという逆説があります
- 雨戸・シャッターがある窓は閉める——警察庁も対策として挙げています。ただし工事中は塗装のために開けておく必要が出る場合がありますので、業者と相談してください(雨戸の塗装/シャッターボックス)
- カーテンを閉める——留守かどうか、中に何があるかを見せない
- 足場の下や庭に、脚立・工具・自転車を置いたままにしない——工事中は職人の道具も置かれます。自分の物は片付けておく
- 郵便物を溜めない——警察庁は「侵入者が留守を見抜く方法で最も多いのは、インターホンで呼んでみること」とし、郵便受けに新聞や手紙が溜まっているのも危険としています
- 近所に工事を伝えておく——「見慣れない人が出入りします」と一言あるだけで、近所の目が働きます。挨拶は業者が回るのが基本ですが、施主からの一言はここで効いてきます(近所への挨拶)
数千円まででできること
- 窓の補助錠——2階を優先。前の章のとおり、時間を稼ぐという意味で効果が大きい
- 防犯フィルム——ガラス破りに時間をかけさせる。貼るのは室内側なので工事の邪魔になりません
- センサーライト・防犯ブザー——電池式なら工事に影響しません。ただし配線が要るタイプは、外壁を塗るときに一度外すことになります。設置は工事後がおすすめです
貴重品の扱い
現金・通帳・印鑑・貴金属を家の外(銀行の貸金庫など)に移すという対策は、たしかに確実です。ただ、2〜3週間のためにそこまでするかは、家庭の事情によります。
現実的な線を引くなら、「通帳と印鑑を同じ場所に置かない」「工事期間中は現金を家に置きすぎない」くらいで十分なことが多いはずです。被害額が大きくなりやすいのは、まとまった現金と貴金属だからです。
⚠️片付けそのものが必要になる場面もあります。ベランダやバルコニーの床を塗る工事、ベランダ防水が含まれる場合は、そこに置いてある物をどける必要があります。そのタイミングで貴重品の置き場所も見直すと、二度手間になりません。
旅行や帰省が工事と重なったら
「工事中に家を空けても大丈夫ですか」——これはよく出る質問です。結論としては、空けても工事は進みます。外壁塗装は外の作業なので、立ち会いが必須なのは初日の打ち合わせと、完了検査くらいです。
ただし、長期で空けるなら、事前に3つ決めておいてください。
- 連絡が取れる方法——電話がつながらない時間帯があるなら伝えておく。色の最終確認や、下地の傷みが見つかったときの判断で連絡が来ることがあります
- 不在であることを、業者にだけ伝える——近所に「留守にします」と広く言う必要はありません
- 郵便物を止める——溜まった郵便は、下見の材料になります。長期なら郵便局の一時停止も使えます
そして「留守にするから工事を止めてほしい」は、避けたほうが無難です。足場が立ったまま工事だけ止まる——それがいちばん避けたい状態だからです。どうしても長期不在が避けられないなら、日程そのものをずらせないか相談するほうが筋が通ります。
工事中の暮らし全般(洗濯物、窓、車、ペット)は工事中の暮らしのページにまとめています。
万一のとき——保険と、業者の責任
起きてほしくない話ですが、入られてしまった場合にどうなるかも書いておきます。
まず警察へ
被害に気づいたら、室内を片付ける前に110番してください。指紋や足跡が証拠になります。保険の請求でも、警察への届出が前提になるのが通常です。
保険はどうなるか
盗難による被害は、火災保険の「家財」の契約に盗難補償が含まれていれば、その対象になり得ます。建物の一部(割られた窓ガラスなど)も、契約内容によっては建物の補償で扱われます。
ただし、ここは断定できません。補償の範囲は契約ごとに違い、家財を契約していない(建物だけの契約)場合は、盗まれた物は対象外です。また現金は限度額が決まっていることが多く、そもそも家財の盗難補償を外している契約もあります。
やるべきことは1つです。工事が始まる前に、自分の保険証券を確認しておく。「家財」「盗難」の2語があるかどうかを見るだけでも違います。分からなければ保険会社か代理店に電話すれば教えてもらえます(火災保険と外壁塗装)。
業者に責任を問えるか
原則として、第三者が侵入して盗みを働いたことの責任は、その侵入者にあります。足場を組んだこと自体が業者の過失になるわけではありません。足場は工事に必要なものだからです。
ただし個別の事情によっては話が変わります。たとえば、鍵を預けていた、施錠を業者に依頼していた、といった取り決めがあった場合です。だからこそ「鍵は預けない」「家の中に入る場面を決めておく」が効いてきます。曖昧なままだと、起きたあとに誰の責任かで揉めます。
⚠️このページで法律上の結論を出すことはできません。実際に被害が発生した場合は、警察と保険会社、そして必要なら消費生活センターに相談してください。契約や工事をめぐるトラブル全般はトラブルの相談先にまとめています。
工事のあとも残る対策にするなら
ここまでは「工事の2〜3週間をどう乗り切るか」の話でした。最後に、足場をきっかけに、住まいの防犯そのものを見直すという選択肢を書いておきます。
理由は単純で、足場が組まれている期間は、窓まわりの工事がしやすいからです。2階の窓は、ふだんなら手を付けるだけで足場代がかかります。すでに足場があるなら、その費用が二重にかからない。
窓の断熱と防犯は、同じ工事でまとめられます
窓の内側にもう一枚窓を付ける内窓(二重窓)は、断熱のための工事として知られていますが、結果として窓が2枚になる=侵入に時間がかかるようになります。ガラスを2回割る必要があるからです。5分の壁の話と、そのままつながります。
そしてこの工事には国の補助制度があります。
・住宅の開口部(窓・ドア)の断熱改修を対象とした補助制度
・1戸あたり上限100万円/予算1,125億円
・申請するのは登録事業者(施主が直接申請するものではありません)
・2026年12月31日まで(予算の上限に達した時点で終了)
注意点として、国費が充当されている他の制度との併用はできません。市町村の助成金を使う予定があるなら、どちらが有利かを先に確認してください(助成金・補助金のページ/アルミサッシと窓の改修)。
もう一つ、防犯性能の高い建物部品(CP部品)という選択肢もあります。官民合同会議が定めた試験に合格した部品で、「侵入に5分以上かかる」ことが性能の基準になっています。防犯ガラス、防犯フィルム、面格子、シャッターなどが対象です。窓を替えるなら、この表示があるかどうかを見ると選びやすくなります。
💡順番として無理のないのは、まず費用ゼロの対策で工事期間を乗り切る → 工事が終わってから、必要なら窓の改修を考えるです。ただし窓の工事も一緒にやるなら、外壁塗装の見積もりを取る段階で伝えておく必要があります。足場の使い方と日程が変わるためです。複数社に見積もりを取るなら、その希望を最初から伝えて、対応できる会社を選ぶのが早い——これはどこに頼むかの判断にも関わります。
よくある質問
足場が組まれると、本当に空き巣は増えるのですか?
「増える」と示す公的な統計は、公表されていません。分かっているのは、①一戸建ての侵入口は窓が最も多い ②侵入者の下見項目に「足場になるものがあるか」が入っている ③手口の2位は無締り——という3点です。足場は、この3つが噛み合いやすい条件を作ります。ただし工事中は職人の出入りで人目が増える面もあり、「足場がある=必ず危険」ではありません。注意すべき条件が変わる、と考えるのが正確です。
足場に登れないようにする決まりはないのですか?
労働安全衛生規則は、足場で働く人の安全を確保するための決まりです。たとえば悪天候時の作業禁止(第522条)や、足場の組立て・解体時の立入禁止措置(第564条)が定められています。これらは工事関係者の安全を守るためのもので、夜間に第三者が登ることを直接想定した規定ではありません。ですから昇降口の管理は会社ごとの運用になります。だからこそ「どうしていますか」と聞く意味があります。
ご近所が工事中で、うちの2階が見えるようになりました
隣家に足場が組まれると、そこから自分の家の2階が見えたり、乗り移れる位置関係になることがあります。この場合も、やることは同じです。2階の窓を施錠し、カーテンを閉める。気になるなら、工事をしている会社に「うちの側の昇降口だけ塞げませんか」と相談するのは、無理な依頼ではありません。隣家の工事で困っているときの相談の仕方は工事中の暮らしにまとめています。
防犯カメラを付けたいのですが、工事中でも設置できますか?
外壁に固定するタイプは、塗装工事とぶつかります。壁を塗るときに一度外す必要があり、取り付け穴の処理も出てくるからです。付けるなら工事のあとが基本です。工事期間中だけなら、置き型・電池式で、壁に穴を開けないものを玄関内側や窓の内側に置く方法があります。「カメラ作動中」の表示だけでも、下見の段階で敬遠される材料にはなります。
工事の職人さんを疑うようで、聞きづらいのですが
聞き方の問題です。「盗まれませんか」ではなく、「足場の昇降口って、夜はどうされていますか」と聞けば、それは手順の確認です。現場を数えきれないほどこなしている会社なら、同じ質問を何度も受けているはずです。むしろ答えが具体的かどうかで、その会社の現場慣れが見えます。職人を疑うのではなく、家の外に一時的に階段ができることへの対処を相談する——その姿勢で十分伝わります。
工事中、家にいたほうがいいですか?
いる必要はありません。共働きで日中は誰もいない家でも、外壁塗装は問題なく進みます。むしろ日中は職人がいるので、家が無人の時間帯としてはリスクが低いほうです。気をつけるのは夜間と、職人が来ない日——このページの中心はそこにあります。
足場が立っている期間を短くできませんか?
ある程度は会社によります。職人の人数、天候による予備日の取り方、足場屋との日程調整——ここに差が出ます。ただし「早ければ良い」ではありません。塗料には乾燥時間があり、それを守らないと仕上がりに影響します。工期を無理に詰めさせるのは有害です。聞くべきは「最短で何日ですか」ではなく「足場は何日立ちますか」——この数字が分かれば、対策の期間が決まります(工程と日数)。この日数は見積もりを取る段階で聞けますので、契約前に確かめてください。
足場なしで塗ってもらえば、この心配は消えますか?
2階建て以上の外壁塗装で足場を省くのは、安全上も品質上も勧められません。足場のない工事は、労働安全衛生規則が求める作業床の確保ができず、塗り残しやムラの原因にもなります。「足場代を無料にします」という営業には、別の注意が必要です(足場なしの工事/点検商法の見分け方)。防犯上の心配は、このページの方法で下げられます。足場を省くという解き方をしないでください。
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「足場代無料」「今すぐ」に共通する型
参考にした情報
- 警察庁「住まいる防犯110番」——侵入窃盗の認知状況(令和7年=4万7,233件、住宅対象1万7,152件、1日当たり約47件)/発生場所別認知件数(一戸建住宅29.1%)/手口別(空き巣が最多・約4分の1)/一戸建住宅の侵入手口と侵入口の順位/空き巣・忍込み・居空きの定義
- 警察庁「侵入者プロファイリング~心理と行動」——下見のチェック項目(留守か/侵入しやすいか/逃げやすいか)、「足場になるものがあるか」、犯行を諦めた理由、5分・10分の目安、留守を見抜く方法
- 特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律 第7条にもとづく指定建物錠の防犯性能表示(5分未満/5分以上/10分以上)
- 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第522条(悪天候時の作業禁止)、第564条(足場の組立て等の作業)/e-Gov法令検索
- 環境省「先進的窓リノベ2026事業」——1戸あたり上限100万円、予算1,125億円、登録事業者による申請、2026年12月31日まで(予算上限で終了)
最終確認日:2026年8月26日。統計値は警察庁が公表している令和7年の数値です。外壁塗装中の住宅に限定した被害統計は公表されていないため、本ページでは工事中の被害増加を示す数値は用いていません。足場の管理方法・保険の補償範囲は、会社や契約ごとに異なります。実際の対応は施工会社と保険会社にご確認ください。