広告当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

外壁塗装の高圧洗浄——「洗うだけの日」ではありません。塗装の寿命を決める日です

工程表の最初のほうにある「高圧洗浄」。ただ洗うだけに見えて、実はこの日の出来が、上に塗る塗料の寿命を左右します。塗料は、汚れや粉の上には密着できないからです。このページでは、仕組みの話は短めにして、施主が実際に気にすること——水道代はどちらが持つのか、雨の日でもやるのか、留守でいいのか、そして「洗ったのにかえって汚く見える」の正体——に答えます。最後に、金属サイディングの家だけは別ルールという、あまり書かれていない話もあります。

このページの内容全12項目

なぜ洗うのか——「密着の下ごしらえ」です

理屈はひとつだけです。塗料は、汚れ・コケ・古い塗膜の粉(チョーキング)の上には、まともに密着できません。その状態で塗れば、見た目は仕上がっても、塗膜が壁ではなく「汚れの層」に乗っているだけになります。剥がれが早く来るのは当然です。

だから塗装の前に、強い水流で汚れと、弱った塗膜を落とします。ここで手を抜くと、どんな高い塗料を使っても意味がなくなる——高圧洗浄は「洗う日」ではなく「塗装の寿命を仕込む日」だと考えてください。

見積書では、独立した行になっているのが普通です

高圧洗浄は「一式」に溶かされずに、項目として立っているかを確認してください。行として存在していれば、省かれにくくなります。見積もりの内訳の見方は内訳のページにまとめています。

当日、家はどうなるか

足場とメッシュシートで覆われた状態で、家の周りを水しぶきが回ります。施主側の「できなくなること」はこうなります。

項目当日の扱い
窓全部閉めます。鍵までしっかり。網戸のままの換気はできません(そもそも網戸は洗浄の前に外します——網戸はどうなる)
洗濯物外干しは不可。前日までに把握しておくと慌てません
車・自転車壁の近くにあるものは移動か養生。水しぶきと、落ちた汚れが飛びます(車の守り方は養生と飛散のページ)
外のもの植木鉢・すだれ・飾りなどは片付けるか、業者に伝えて養生してもらう
在宅留守でも構いません(外の作業なので)。ただし窓の閉め忘れがないよう、出る前に一周を

音は、それなりにします。エンジン式の洗浄機を使う現場では、音が大きい日のひとつと考えておいてください。在宅で仕事をする方は、この日を外すのが賢明です。工事全体のなかでの位置づけは工程と工期のページをどうぞ。

当日の音——「防音型ですか」と聞ける

洗浄の日は、工事のなかでも音が出る日です。——ただし音の出方には、機械による差があります。

塗装の実務者に聞いた話

「高圧洗浄機は開放型と防音型があって、今は防音が主流だけど、開放型を使うとうるさい。防音でもちょっとうるさいけどね。あと、意外とブシャーって壁に当たる音がするよ」

ここから、施主に使えることが2つ出てきます。

1.「高圧洗浄機は防音型ですか」と聞ける

ほとんどの施主が聞かない質問です。——だから即答できるかどうかで、その会社が機械まで把握しているかが分かります。

そして、これは近隣対策の質問でもあります。——音が出る日が事前に分かっていて、機械にも配慮がある会社なら、挨拶回りの中身も期待できます(ご近所への挨拶)。

2. 機械が静かでも、水が壁に当たる音は残ります

これは知っておいてください。——防音型を使っても、水が壁に当たる音そのものは消えません。「防音型だから静か」と期待しすぎると、当日に驚くことになります。

この2つは、会社によって答えがはっきり違います。——機械の型まで即答する会社もあれば、「洗います」としか言わない会社もあります。2〜3社に見てもらうときに聞いてみてください。近隣への配慮の差が、ここで見えます。

音が出る工程と日数は、別にまとめました(外壁塗装はうるさい?)。外壁塗装は騒音規制法の届出対象になっていないので、法律では守られていません。だからこそ、業者の配慮がそのまま結果になります。

水圧には、メーカーが決めた範囲があります

「高圧」と言うからには、どれくらいの圧なのか。塗料メーカーの施工仕様表に、数字で書かれています。

メーカーの記載(原文)

外壁(改装)の下地調整の欄——「高圧水洗(5〜15MPa=50〜150kgf/cm²)にて旧塗膜に付着している塵、ほこり、汚れなどを除去してください。」

ここで大事なのは、下限だけでなく上限があることです。5〜15MPa。強ければ強いほど良い、ではありません。

誤解実際
「圧が強いほどきれいになる」汚れは落ちますが、上限を超えると下地を傷めます。だからメーカーは範囲で指定しています
「うちのは高圧洗浄機だから同じ」家庭用の機械は、業務用より圧が低いものが一般的です。ただし低ければ安全というわけでもなく、落としきれなければ次の工程に響きます
「洗浄は前作業だから、どうでもいい」仕様表では「下地調整」という正式な工程です。ここが不十分だと、塗膜が付きません(剥がれ)

聞き方はこれで足ります。——「洗浄は何MPaくらいでやりますか」。数字で返ってくれば、機械と手順を分かっている人です。「強力にやります」だけなら、もう一歩聞いてください。

この圧力の指定は、塗料の製品と下地によって変わります。上の数字はエスケー化研の「クリーンマイルドシリコン・フッソ」カタログ、外壁(改装)の仕様のものです(2026年9月10日に当サイトが確認)。塗る製品が違えば、指定も変わり得ます。金属系の外壁など、下地によって扱いが変わる場合はこちらの章もご覧ください。

国の仕様書では、洗浄は「下地調整」の工程です

洗浄を「おまけ」だと思っている方がいますが、そうではありません。

国土交通省の「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」では、既存の塗り替えの工程表のなかに、はっきり位置づけられています。

同 表4.5.5 ほかより

下地調整の工程として——
「粉化物、付着物等は、高圧水洗機を使用して除去し、清掃を行う」
「高圧水洗機は、粉化物、付着物等の除去に適したものとする」
「工程は表4.5.5により、処理範囲は特記による。特記がなければ、既存仕上げ面全体とする」

3つ目に注目してください。——「処理範囲は特記による」=どこまで洗うかは、あらかじめ決めるものという扱いです。決めなければ「全体」になります。

だから、こう聞けます
「洗浄は、どこまでやってもらえますか。屋根も、付帯部も入りますか。」

——壁だけ洗って、雨樋や軒天はそのまま塗る、ということが起こり得ます。

「洗う」と「削る」は別の工事です

同じ仕様書には、もうひとつ別の工法が載っています。——高圧水洗工法といって、「高圧水洗機を使用し、既存塗膜及び下地コンクリートの劣化部を除去する」ものです。

つまり、水の力で古い塗膜を落とす工事で、汚れを流す洗浄とは目的が違います。

見積書に「高圧洗浄」とだけ書かれている場合、どちらの意味かは書かれていません。——古い塗膜が浮いている家なら、「落とす」ほうの作業が必要になることがあります(塗膜の剥がれ)。気になるなら「古い塗膜はどこまで落としますか」と聞いてください。

この仕様書は国の建物を直すためのもので、戸建ての工事がこの通りに行われるわけではありません。——ただ「洗浄は下地調整の一部」「範囲は先に決めるもの」という考え方は、戸建てでも同じです。

水道代は、誰が持つのか

意外と直前まで話題にならないのが、これです。高圧洗浄の水は、多くの現場で施主の家の水道(外の水栓)から取ります。

では水道代はどちらの負担か——これは決まりがあるわけではなく、会社によって扱いが分かれます。施主負担として扱う会社もあれば、見積もりに含める会社もあります。金額の大小より、あとから「聞いていない」となるのが一番もめるので、確認の仕方だけ覚えてください。

契約前に、この一言

「洗浄の水はうちの水道を使いますか。水道代の扱いはどうなりますか」——これだけです。書面に残っていればなお確実です。ほかに契約前に決めておくことは契約前チェックのページに一覧があります。

雨の日でも、やることがあります

「雨だから今日は中止だろう」と思っていたら、洗浄だけ始まった——これで不安になる方がいます。おかしなことではありません。

塗装は雨の日にできませんが、高圧洗浄はもともと水を使う作業です。小雨程度なら実施する会社は普通にあります(強い雨や風のときは、足場上の安全の問題で中止判断もあります)。雨で洗浄をやっていること自体は、手抜きのサインではありません。

気にするべきなのは雨かどうかではなく、次の章の「乾燥」のほうです。

洗浄のあとの「乾燥」が本体です

洗った壁は、水を含んでいます。濡れた壁の上に塗ることはできません。だから洗浄と下塗りのあいだには、乾かす時間が挟まります。

どれくらい乾かすかは、季節・気温・壁の素材で変わります。夏と冬では乾き方がまるで違うので、「必ず◯日」という数字はここでは書きません。守られるべきなのは日数ではなく、塗料メーカーが定める施工条件(下地が乾いていること)のほうです。

工程表で見る場所は、ここです

洗浄の日と、下塗りの日がどう並んでいるか。詰まりすぎているように見えたら、「洗浄後の乾燥はどう確認しますか」と聞いてください。まともな会社なら、壁の状態を見て判断していると答えられます。工期を無理に詰めさせないことが、施主にできるいちばんの品質管理です——この理屈は工程のページで繰り返し書いているとおりです。

「洗ったのに汚い」の正体

洗浄が終わった壁を見て、「あれ、思ったよりきれいになっていない」と感じることがあります。検索でも「洗浄後 汚い」「汚れ残り」と調べられています。ここは冷静に、3つに切り分けてください。

見えているもの正体どう考えるか
色あせ・まだら・シミ汚れではなく、塗膜の劣化。洗って汚れが落ちたぶん、下の劣化がはっきり見えるようになった正常です。このあと塗装で覆われます。むしろ「洗浄がちゃんと効いた」証拠でもあります
緑や黒の点が残っている根の深いコケ・カビ・藻水流だけで取り切れない場合、薬剤を使う洗浄(バイオ洗浄などと呼ばれます)という選択肢があります。追加費用の話になるので、契約前に壁の状態を見てもらうのが理想です(コケ・カビのページ)
明らかに洗っていない面がある作業範囲の認識ズレか、本当に雑か写真を撮って、「この面はこれからですか」と確認。決めつけず、事実の質問から入るのがこじれないコツです

とくに1行目は覚えておいてください。洗浄は「汚れを落とす」工程であって、「壁を新品に見せる」工程ではありません。新品に見せるのは、このあとの塗装の仕事です。

金属サイディングの家は、別ルールです

最後に、あまり書かれていない大事な話です。ガルバリウムなどの金属サイディングについて、メーカーは「外壁の洗浄には高圧洗浄機を使用しないでください」と明記しています(変形や漏水のおそれがあるため)。日常の手入れは、ホースの水と柔らかいスポンジ——高圧洗浄機ではないのです。

「外壁の洗浄=高圧洗浄」というイメージは、業界の中でも強い。だからこそ、金属の壁を前にどう洗うかは、その会社の経験値が出る場面になります。塗り替え工事でどう扱うかは会社の判断がありえますが、少なくともメーカーの維持管理案内を知っているかどうかは聞けば分かります。詳しくはガルバリウム外壁のページにまとめました。

  • 水道洗浄の水はうちの水道ですか。水道代の扱いは?決まりがなく、会社で扱いが割れる部分。あとから聞くともめるので先に
  • 乾燥洗浄のあと、乾燥はどう確認して下塗りに進みますか?日数ではなく「状態をどう見るか」を答えられるかが見どころ
  • 素材(金属サイディングの場合)うちの外壁材の洗浄方法は、メーカーの案内に沿っていますか?高圧洗浄NGの素材があることを知っている会社かどうかが、この一問で分かります

※このページは塗り替え工事の中の洗浄の話です。塗らずに洗うだけを頼む場合は、メーカーの言い分が変わります(外壁クリーニングの料金)。

よくある質問

洗浄の日、窓は開けられますか?

開けられません。——水が入ります。洗浄の日は窓を閉め切りになると考えてください。夏場はエアコンが必要になります。室外機まわりの扱いも含めて、前日までに確認しておくと安心です(工事中のエアコン)。

洗浄の日は、立ち会ったほうがいいですか?

立ち会えるなら、この日は価値があります。——どこまで洗っているかが目で見て分かる数少ない工程だからです。屋根、雨樋、軒天、そして北面。とくにコケや藻が出やすい北面がどうなったかを見ておくと、あとの判断材料になります。

「バイオ洗浄」を勧められました。必要ですか?

薬剤を使って、コケや藻を落としやすくする方法です。——必要かどうかは、生えている量によります。北側で緑色になっているような家では意味がありますが、汚れが土埃程度なら、水だけで足りることもあります。「うちの状態だと、なぜ必要ですか」と聞いてください。理由が言えるなら、その提案は具体的です。

洗浄したら、思ったよりきれいになりませんでした

それは失敗ではないことが多いです。——塗膜そのものが劣化して色が抜けている場合、洗っても戻りません。汚れを落とすのが洗浄で、色を戻すのは塗装です。洗浄の目的は見た目ではなく、塗料を密着させることです。

洗浄から塗装まで、どれくらい空けますか?

乾くまでです。——ここを詰めると、あとで膨れや剥がれの原因になります。季節と天気で変わるので日数は一律に言えませんが、「翌日すぐ塗ります」と言われたら、乾燥をどう確かめるのかを聞いてください。国の仕様書でも、防水や塗装は「下地の乾燥が不十分な場合は施工しない」という前提で書かれています。

洗浄の水が、隣の家にかかりませんか?

かかる可能性があるので、養生と挨拶で対応します。——足場に張るメッシュシートは、この飛散を抑えるためのものでもあります。隣家の車や洗濯物は、当日どうするかを先に伝えておくのが確実です(工事中の車はどうする)。

洗浄の費用は、見積書のどこを見ればいいですか?

「高圧洗浄」という行の、数量(㎡)と単価です。——数量が塗る面積とかけ離れていないかを見てください。屋根も洗うなら、屋根の分の行があるはずです。行が無い、または「一式」だけなら、どこまで洗うのかを聞いてください(見積書の内訳)。

家庭用の高圧洗浄機で、自分でやれば安くなりませんか?

おすすめしません。理由は3つ。①2階以上は足場がないと物理的に洗えず、ハシゴ作業は危険です。②水圧のかけ方を誤ると、塗膜やシーリングを傷めたり、壁の継ぎ目から中に水を入れたりするおそれがあります。③そして仮にうまく洗えても、そのあと塗装しなければ密着の下ごしらえとしては意味がなく、掃除としてなら業者に頼むほどの汚れかをまず見るべきだからです。壁の汚れ落としの考え方はコケ・カビのページをどうぞ。

高圧洗浄だけ頼むことはできますか?

掃除の目的で洗浄だけ請ける業者はあります。ただし塗装工事の一部としての洗浄とは目的が違います。「壁がきれいになれば塗装はまだ先送りできるのでは」と考えている場合は、洗浄で落ちるのは汚れだけで塗膜の寿命は戻らない、という点だけ押さえてください。塗り時の判断はチョーキングとひび割れのページにあります。

費用はどれくらいですか?

このサイトでは金額を書きません。見積もりの中で「高圧洗浄」が面積×単価の行として立っているかを確認するのが実務的です。行が立っていれば他社と比べられます。全体のどこにお金が乗るのかは見積もりの内訳のページで扱っています。

洗浄の日、近所に何か言っておくべきですか?

近隣挨拶は業者がやるのが標準で、洗浄の水しぶき・音もその挨拶でカバーされる範囲です。ただし隣家との距離が近い・洗濯物や車への影響がありそうな場合は、業者に「隣にはいつ伝えますか」と確認しておくと安心です。挨拶まわりの実際は差し入れ・挨拶のページに書きました。

高圧洗浄の水圧は、どれくらいが適正ですか?

塗料メーカーの施工仕様表に数字があります。エスケー化研の外壁(改装)の下地調整には「高圧水洗(5〜15MPa=50〜150kgf/cm²)にて旧塗膜に付着している塵、ほこり、汚れなどを除去してください」と書かれています。大事なのは上限があることです。強ければ強いほど良いわけではなく、超えると下地を傷めます。「洗浄は何MPaくらいでやりますか」と聞いて、数字で返ってくるかを見てください。なお指定は塗る製品と下地によって変わります。

あわせて読みたい

工程と工期

洗浄は何日目か。住みながらの2週間の全体像

ガルバリウム外壁

メーカーは高圧洗浄NGと明記。金属の家の別ルール

コケ・カビ・汚れ

水流で落ちる汚れと、薬剤が要る汚れ

チョーキング

洗浄で落ちる「粉」の正体は、塗膜の寿命のサイン

契約前チェック

水道・電気の扱いは契約前に書面で

見積もりの内訳

洗浄が「一式」に溶けていないかを見る

高圧洗浄は仕上がりを左右するのに、終わると見えなくなる工程です。だから見積書での扱いを確かめる価値があります。何社かの見積書を並べて、洗浄の数量と単価が書かれているかを見てください。「一式」で済ませている会社と、面積で出している会社があります。どこをどれだけ洗うのかが書かれていれば、当日の作業も確かめやすくなります。

参考にした情報

  • アイジー工業株式会社「アイジーサイディングの維持管理について」——金属サイディングの洗浄に高圧洗浄機を使用しない旨、日常の手入れ方法(ガルバリウム外壁のページで詳述)
  • 塗料メーカー各社が公開している施工条件(下地の乾燥状態に関する規定)
  • 塗料の販売・調色に携わった経験のある実務者への取材(乾燥は気温次第で変わること、工期を詰めることが手抜きの入り口になる構造)

洗浄の方法・時間・水道の扱いは、現場と会社によって異なります。このページは一般的な考え方の整理です。最終確認日:2026年8月21日。