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外壁のクリヤー塗装——柄を残せる家と、残せない家

「せっかくのタイル調の柄を、塗りつぶしたくない」——その希望をかなえるのがクリヤー塗装(透明の塗料)です。ただし、どの家でもできるわけではありません。メーカーが適用外としている外壁材がありますし、壁の状態によっては、やらないほうがいいこともあります。このページは、自分の家でできるかどうかを判定するために書きました。

※本ページはプロモーション(広告)を含みます。

このページの内容

先に結論——判定は3ステップです

①壁を手でこする——白い粉が付く(チョーキング)なら、クリヤーは向きません
②外壁材の種類を確認する——光触媒処理されたサイディングは、メーカーが適用外としています
③補修跡・目立つ傷・以前の塗り替えがあるか——クリヤーは隠せません。そのまま残ります

➡️この3つが問題なければ、候補になります。ただし最終判断は、現地を見た会社にしてもらってください。

クリヤー塗装は、「やりたい人がやれる工事」ではなく「条件が合った家だけができる工事」です。ここを最初に押さえておくと、話が早くなります。

そしてもう一点、先に書いておきます。クリヤーは「きれいにする工事」ではなく「今の状態を保つ工事」です。色あせも、小さな傷も、そのまま残ります。ここを取り違えると、仕上がりを見たときに「思ったのと違う」となります。逆に「この柄のまま、あと10年もたせたい」という目的なら、これ以上の選択肢はありません。

クリヤー塗装とは何か

色の付いていない、透明な塗料を塗る工事です。「クリア塗装」「透明塗料」とも呼ばれます。

普通の外壁塗装は色を塗り重ねるので、もとの柄は消えます。タイル調も、石目調も、木目調も、塗ればただの一色になります。クリヤーは色を付けないので、下の柄がそのまま見えます。

普通の塗装クリヤー塗装
仕上がり選んだ色の単色(ツートンなどの塗り分けは可能)もとの柄がそのまま残る
色を変えられるか変えられます(色選び変えられません
下地の傷塗りつぶせますそのまま残ります
できる家ほとんどの家条件が合った家だけ
塗る回数下塗り+中塗り+上塗りクリヤーを重ねる(製品による)

向いているのは、こういう家です。——タイル調・石目調・木目調など、柄のある窯業系サイディング。新築から10年前後で、まだ柄がはっきり残っている状態(サイディングの基礎)。

向いている外壁材の見分け方

クリヤーを検討する価値があるのは、柄のある窯業系サイディングの家です。自分の家がどれかを、まず見てください。

柄のタイプ見た目の特徴クリヤーの価値
タイル調四角いタイルが並んだ柄。目地が格子状に入っています高い。塗りつぶすと「タイルだった面影」が完全に消えます
石目調・ストーン調石を積んだような凹凸と色ムラ高い。色ムラは塗料では再現しにくい部分です
木目調木の板を張ったような縦の筋と濃淡高い。単色に塗ると木目が完全に消えます
レンガ調レンガが積まれた柄。目地に凹凸高い
塗り壁調・シンプルな柄細かい凹凸だけで、絵柄はない低い。色を塗っても凹凸は残るので、無理にクリヤーにする理由が薄い
モルタル・ALC・金属サイディング柄のない塗り壁、パネル、金属板対象外に近い。柄がないので、クリヤーを選ぶ意味がありません(モルタルALC金属サイディング

判断の基準は単純です。——「塗りつぶしたら、もったいないと思うか」。もったいないと感じるなら検討する価値があり、そうでもないなら、色を塗るほうが選択肢は広がります。

築年数の目安

新築から10年前後までが、現実的な検討時期とされることが多い部分です。ただし年数より状態が優先——15年でもきれいな家もあれば、8年でチョーキングが出る家もあります。日当たり、風向き、周囲の環境で変わります劣化のサイン)。

💡クリヤーを希望するなら、迷っている時間が損になります。劣化が進むほど選択肢から外れていくためです。「まだ大丈夫そうだから、あと3年待とう」と考えているうちに、条件を満たさなくなる——これがクリヤー特有の事情です。早めに何社かに見てもらって、可否だけでも確かめておくと、判断の時間が作れます。

できない家——4つの条件

ここが本題です。次のどれかに当てはまると、クリヤーは選べないか、選ばないほうがいいことになります。

①チョーキングが出ている

壁を手でこすって白い粉が付く状態です。これは塗膜の表面が劣化している証拠。

この上にクリヤーを塗ると、粉の層ごと閉じ込めることになります。密着が確保できず、後で剥がれる原因になります。粉を洗い落とせばいいのでは、と思われるかもしれませんが、劣化した層は洗浄だけでは取り切れません。

チョーキングが出ている家は、色を付ける普通の塗装に切り替えるのが現実的です劣化のサイン)。

②傷・補修跡・シーリングの打ち替え跡がある

クリヤーは透明なので、下にあるものが全部見えます。

  • ひび割れを埋めた跡——補修材の色が浮いて見えます(ひび割れ
  • 欠けを直した跡——同じ柄には戻りません
  • シーリングの打ち替え跡——目地の色が変われば、そこだけ目立ちます(シーリング
  • 色あせのムラ——日の当たる面と当たらない面の差が、そのまま残ります
  • 過去に部分補修した箇所——雨樋を交換した跡、アンテナを外した跡、エアコンの配管を通した穴の処理。普段は気づかない箇所ほど、仕上がってから目に入ります

普通の塗装なら、これらは塗りつぶせます。クリヤーにはその力がありません。「きれいにする工事」ではなく「今の状態を保護する工事」——この違いが分かると、判断しやすくなります。

③すでに色付きの塗料で塗り替えている

2回目の塗り替えでクリヤーを選ぶ意味は、ほとんどありません。前回色を塗った時点で、もとの柄は消えているからです。クリヤーを塗っても、前回の色が透けて見えるだけです(2回目の外壁塗装)。

④外壁材が適用外のもの

これは次の章で詳しく扱います。メーカーが「使えない」としている組み合わせがあります。

光触媒のサイディングは、メーカーが適用外としています

ここは、あまり知られていない重要な点です。塗料メーカーの公式情報を引きます。

日本ペイント公式サイト「よくあるご質問」より

「外壁の窯業系サイディングの色やデザインを生かして塗り替えたい。どんな塗料がおすすめですか?」という質問に対し、同社はUVプロテクトクリヤーシリーズを挙げ、こう記しています。

いずれも光触媒処理された以外の特殊な窯業系サイディング(セラミック、ふっ素コート)にも塗装可能です。

読み方に注意してください。「セラミック、ふっ素コートにも塗装可能」——ここは前向きな情報です。ところが、その前に「光触媒処理された以外の」という条件が付いています。

つまり光触媒処理されたサイディングは、このシリーズの対象外ということです。

光触媒のサイディングとは

表面に光触媒のコーティングが施された外壁材です。太陽の光で汚れを分解し、雨で流すという仕組みで、セルフクリーニングをうたう製品に採用されています。

代表的なのがケイミューの「光セラ」です(光セラのページ)。他社にも同様の技術を使った製品があります。

光触媒は「有機物を分解する」働きを持っています。塗料も有機物なので、その上に塗った塗膜が影響を受け得る——これが、塗装しにくいとされる理由です。

⚠️「光触媒だから絶対に塗れない」という話ではありません。光触媒対応をうたう専用の下塗り材や仕様が存在します。ただし「どのクリヤーでも塗れる」わけではないのは確かで、日本ペイントは自社のUVプロテクトクリヤーシリーズについて適用外と明記しています。——だから、外壁材の製品名を業者に伝えてください。そこから使える仕様があるかを調べてもらうのが正しい順序です。

難付着サイディングとの関係

光触媒のほか、フッ素コート・無機コート・親水コートなど、表面に特殊な処理がされたサイディングは「難付着サイディング」と呼ばれます。塗料が付きにくいという意味です。

これらには、専用の下塗り材(プライマー)を使う仕様があります。そして難付着サイディング用のクリヤーも、メーカーから出ています。つまり「難付着=クリヤー不可」ではありません——製品と仕様の組み合わせ次第です(難付着サイディング)。

ここでも結論は同じです。——外壁材の製品名を伝えて、対応する仕様があるかを調べてもらう。一般論では決まりません。

クリヤーにする利点

条件が合う家にとっては、はっきりした利点があります。

利点中身
柄が残るこれが最大の理由。タイル調・石目調・木目調をそのまま維持できます
色選びで悩まない色を決める必要がありません。「思っていた色と違った」という失敗が起きません色の失敗
汚れにくくなる製品がある日本ペイントのピュアライド水性UVプロテクトクリヤーは親水性塗膜とされ、付着した汚れを雨で浮かせて洗い流すと説明されています
紫外線から守る同シリーズは紫外線吸収剤を配合し、外壁の劣化を抑制するとしています
防藻・防かび同製品には防藻・防かび性があるとされています(コケ・カビ

💡ここに挙げた性能は、メーカーが自社製品について公表している内容です。製品によって性能も仕様も異なりますし、実際の効果は立地・下地・施工の質で変わります。当サイトが独自に検証した数値ではない点は、正直に書いておきます。

先に知っておくべき欠点

利点より、こちらを先に理解してください。あとで後悔しないためです。

①今の状態が、そのまま10年続きます

いちばん大きい点です。クリヤーは保護するだけなので、気に入らない部分も、そのまま保護されます。

「柄は好きだけど、少し色あせてきた」——その色あせた状態で固定されます。新築時に戻るわけではありません。

②色を変えられません

当たり前ですが、イメージチェンジはできません。「そろそろ雰囲気を変えたい」という希望があるなら、クリヤーは選択肢から外れます。

③やり直しがききにくい

クリヤーを塗った上に、次回また色を塗ることは可能です。ただしクリヤーの塗膜が下地になるので、次回の仕様は「クリヤーの上に塗る」前提で決めることになります。次に塗り替えるときは、今回クリヤーを塗ったことを必ず伝えてください2回目の外壁塗装)。

④判断できる会社が限られます

外壁材の判別、適用可否の確認、専用仕様の手配——これができる会社に頼む必要があります。「クリヤーでいけますよ」と即答する会社より、「外壁材を確認させてください」と言う会社のほうが確実です。

⑤タイミングを逃すと選べなくなります

これが実務上いちばん重要かもしれません。チョーキングが出てからでは遅いので、クリヤーを希望するなら、劣化が進む前に動く必要があります。

目安は新築から10年前後とされることが多いのですが、年数より壁の状態が優先です。手でこすって粉が付かないうちに検討してください塗り替え時期の判断)。

クリヤーが選べなかったときの代替案

「柄を残したかったのに、できないと言われた」——このとき、諦める前に知っておくといい選択肢があります。

代替案中身向いている場合
①多彩仕上げ(柄を再現する塗装)複数の色を使って、石目調やタイル調の風合いを作る工法。専用の塗料と技術が要ります柄そのものにこだわりがある場合。⚠️扱える会社が限られ、費用も変わります
②もとの色に近い単色で塗る柄は消えますが、家の印象は大きく変わりません「派手に変わるのは嫌」という場合。いちばん現実的です
③目地だけ色を変える(ツートン)面ごとに色を分けて、のっぺりした印象を避ける方法(ツートンカラー単色だと物足りない場合
④サイディングを張り替える・重ねる柄のある新しい外壁材にする張り替えカバー工法下地の傷みが進んでいる場合。金額の桁が変わります

いちばん多いのは②です。そして実際にやってみると、思ったほど印象は変わりません——柄が消えても、色が近ければ遠目には分かりにくいからです。

💡迷ったら、色見本を「家の壁に当てて」確認してください。小さな見本と、家1軒ぶんの面積では印象がまったく違います。できればA4以上の大きさで、実際の壁の横に置いて、朝と夕方の2回見る——これで失敗はかなり減ります(色選びのページカラーシミュレーション)。

費用はどうなるのか

「色を塗らないぶん安い」と思われがちですが、そうとは限りません。

費目クリヤーの場合
足場変わりません。家の大きさで決まります(見積もりの内訳
高圧洗浄変わりません。むしろ下地の状態がそのまま出るので、洗浄は丁寧さが要ります
下地補修ここが難しい。補修跡が見えてしまうため、大きな補修が必要な家はそもそも向きません
シーリング打ち替えが必要な場合、目地の色が変わって見えることがあります。事前に相談を
塗料代製品によります。高意匠サイディング用のクリヤーは、一般的なシリコン塗料より単価が高い場合があります
塗る回数製品の仕様によります。「下塗りが要るのか」「何回塗るのか」を見積書で確認見積書の見方

当サイトは、クリヤー塗装の相場金額を出しません。製品によって単価が大きく違い、確認できていない数字を相場として書かないためです。

知りたい場合は、同じ家について「クリヤーの場合」と「色を塗る場合」の両方で見積もりを出してもらってください。——これがいちばん確実で、比較もできます。複数社に同じ依頼をすれば、金額の幅も見えてきます。

何年もつのか

製品のグレードによります。クリヤーにも、シリコン系・フッ素系・無機系といった樹脂の違いがあり、期待される年数はそれぞれ違います塗料は何年もつのか)。

ただし、クリヤー特有の注意が1つあります。

クリヤーは「塗り替え時期が分かりにくい」

色付きの塗装なら、色あせ・チョーキング・変色で劣化が見えます。ところが透明な塗膜は、劣化しても見た目に出にくい。

➡️気づいたときには下のサイディング自体が傷んでいることがあります。年数で管理する意識が、色付きより必要です。

だから、施工した年と使った製品名は必ず記録しておいてください。保証書と一緒に保管しておけば、次に検討するときの判断材料になります。

施工の流れ——普通の塗装とどこが違うか

工程そのものは似ていますが、クリヤーには「ここが特に重要」という部分があります。

工程クリヤーの場合、ここが違う
足場・養生変わりません(養生
高圧洗浄🔴ここが決定的に重要です。汚れやコケが残ると、透明な塗膜の下に閉じ込められます。色を塗るなら隠れる汚れも、クリヤーでは残ります(高圧洗浄
乾燥洗浄後は十分に乾かす必要があります。下地に水分が残ったまま塗ると、密着不良の原因になります
下地補修🔴補修跡が見えます。どこまで直すか、どう見えるかを着工前に確認
シーリング打ち替えると目地の色が変わって見えることがあります。色の選定を相談シーリング
下塗り製品による。難付着サイディングには専用のプライマーが必要です(難付着サイディング
クリヤー塗り🔴ムラが出ると目立ちます。透明なので「塗ったかどうか」が見えにくく、塗り残しに気づきにくい——職人の技量が出る部分です

つまりクリヤーは、洗浄と下地処理の丁寧さがそのまま仕上がりになる工事です。色で隠せない以上、手を抜けない——これは施主にとって利点でもあります。

💡洗浄が終わった段階で、一度見せてもらってください。「洗浄後、塗る前の状態を確認させてください」と伝えておけば、汚れが残っていないか、補修跡がどう見えるかを、塗る前に確認できます。塗ってからでは戻せません。

クリヤーで後悔する3つのパターン

①「思ったより変わらなかった」

いちばん多い後悔です。クリヤーは今の状態を保護する工事なので、塗り替えた実感が薄い。

足場が外れて壁を見たとき、「洗っただけに見える」と感じる方がいます。実際には保護膜が付いているのですが、見た目の変化は小さい——ここを理解しないまま契約すると、満足度が下がります。

逆に言えば、「変わらないこと」が目的なら成功です。期待値をどこに置くかの問題です。

②「補修跡が目立ってしまった」

着工前は気にならなかった小さな傷や、シーリングを打ち替えた目地の色が、仕上がってから目立つケースです。

防ぐ方法は1つ。——洗浄が終わった段階で、塗る前の壁を確認させてもらう。そこで気になる箇所があれば、塗る前に相談できます。塗ってからでは戻せません。

③「数年で剥がれた」

下地の判定を誤った場合に起きます。チョーキングが残っていた、難付着サイディングに専用の下塗りを使わなかった、光触媒の外壁に適用外の製品を塗った——原因はいくつかあります(剥がれる原因)。

だから「できます」と即答する会社より、外壁材を確認してから答える会社を選んでください。そして保証の範囲を書面で確認してください——剥がれたときに誰がどう直すのかは、契約前に決めておくことです(保証の読み方)。

🔑この3つに共通するのは、「事前に聞いていれば防げた」という点です。クリヤーは仕上がりのイメージが伝わりにくい工事なので、施工事例の写真を見せてもらってください。できれば近所で施工した家を——実物を見れば、期待値のずれはほぼ消えます(現地調査で聞くこと)。

頼むときに確認すること

この4つを聞けば足ります。

1「うちの外壁材は何ですか。クリヤーは使えますか」
→ 製品名まで分かるのが理想。新築時の図面や仕様書があれば出してください

2「使う予定のクリヤーの製品名を教えてください」
→ メーカー名だけでは分かりません。グレード(シリコン/フッ素/無機)も確認

3「下塗りは要りますか。何回塗りますか」
→ 難付着サイディングなら専用の下塗りが必要になります(難付着サイディング

4「補修が必要な箇所は、仕上がりにどう出ますか」
クリヤーは隠せません。どこがどう見えるかを、着工前に聞いておく

そして、いちばん大事なこと。——「クリヤーは難しいと思います」と言われたら、その理由を聞いてください。

断る理由が「チョーキングが出ている」「補修跡が目立つ」「外壁材が対応していない」なら、それは正しい判断です。逆に「うちでは扱っていないので」なら、扱っている会社を探せばいい——理由によって、次の一手が変わります。

よくある質問

自分の家の外壁材が何か分かりません

新築時の図面・仕様書・引き渡し書類を探してみてください。メーカー名と製品名が書かれていることがあります。見つからなければ、業者が現物を見て判断します——表面の質感、目地の形状、厚み、裏側の刻印などから絞り込めることが多いためです。「たぶん大丈夫でしょう」で進めず、確認してもらってください現地調査)。

チョーキングが少しだけ出ています。クリヤーは無理ですか?

「少しだけ」の程度によります。そしてそれを判断できるのは、実際に触った人だけです。当サイトが写真も見ずに可否を言うことはできません。ただし一般論として、チョーキングはクリヤーにとって不利な条件です。複数社に見てもらって、判断が割れるようなら、無理をしないほうが安全——剥がれたときのやり直しは、最初から色を塗るより高くつきます(剥がれる原因)。

クリヤーを塗ると、汚れが目立たなくなりますか?

製品によります。日本ペイントは自社のピュアライド水性UVプロテクトクリヤーについて親水性塗膜とし、汚れを雨で浮かせて洗い流せると説明しています。ただし「汚れない」ではありません。立地(交通量、周囲の環境、日当たり)で汚れ方は変わります。今すでに付いている汚れは、クリヤーを塗っても消えません——洗浄で落ちる範囲までです。

タイル調の目地の部分だけ色を変えられますか?

クリヤーは全面に塗るものなので、部分的な色替えはできません。柄の一部だけを塗り分ける工法(多彩仕上げなど、柄を再現する塗装)は別に存在しますが、クリヤーとはまったく別の工事です。費用も工程も変わるので、希望があるなら「柄を再現したい」と伝えて、対応できるかを聞いてください

クリヤーは1回塗りですか?

製品の仕様によります。下塗りが必要な場合もあれば、クリヤーを複数回重ねる仕様もあります。「何を、何回塗るのか」は見積書で確認してください(見積書の見方)。「クリヤー一式」としか書かれていない場合は、工程を聞いておくと後で食い違いません。

光セラの家です。塗り替えはどうなりますか?

光セラは光触媒のコーティングが施された製品です(光セラのページ)。日本ペイントはUVプロテクトクリヤーシリーズについて「光触媒処理された以外の」と明記しており、光触媒品は対象外としています。ただし、これは同シリーズについての話で、光触媒に対応する下塗り材や仕様が他にないとは限りません。「光セラなのですが、どういう仕様になりますか」と製品名を伝えて聞いてください。その場で答えられなくても、調べて折り返すと言える会社なら十分です。

クリヤーにすると、次の塗り替えは早くなりますか?

そうとは限りません。期待される年数はクリヤーの樹脂グレードで決まります。ただし前述のとおり劣化が見た目に出にくいので、「気づくのが遅れる」というリスクはあります。施工年と製品名を記録し、10年前後で一度点検してもらうのが現実的な運用です。

クリヤーと「艶あり・艶なし」は関係ありますか?

関係します。クリヤーにも艶の度合いを選べる製品があります。艶ありにすると濡れたような光沢が出て、新築時より艶が強く感じられることがあります。「もとの風合いのままがいい」なら、艶を抑えた仕様があるかを聞いてください艶の選び方)。これは好みの問題なので、正解はありません——ただし塗ってからでは変えられないので、先に決めておく必要があります。

1階だけクリヤー、2階は色を塗る、はできますか?

技術的には可能ですが、慎重に考えてください。境目がはっきり出ますし、年数が経つと色の変化の仕方が違ってきます。もし1階だけ傷んでいる(車の排気や跳ね返りで汚れやすい)という事情なら、全面を色で塗るほうが、10年後もきれいに見えることが多い——これは会社と相談してください。

クリヤーを塗った家は、次も同じ会社に頼むべきですか?

その必要はありません。ただし今回使った製品名と施工年を記録しておいてください。次の会社が仕様を決めるときに必要になります。「クリヤーが塗ってある」と分からずに普通の塗料を塗ると、密着の問題が出ることがあります2回目の外壁塗装)。書類は1つの封筒にまとめておくのが確実です。

見積もりに「クリヤー」としか書いてありません

製品名とグレードを聞いてください。クリヤーにもシリコン系・フッ素系・無機系があり、期待される年数も価格も違います。「クリヤー 一式」だけでは、他社と比べることもできません(見積書の見方)。そして下塗りの有無と塗る回数も確認——ここまで書面にしてもらえば、比較できる形になります。

クリヤーは「高意匠サイディング」専用ですか?

製品の用途としてはそう書かれていることが多いです。日本ペイントのピュアライド水性UVプロテクトクリヤーも、用途を「各種意匠性サイディングボードおよび高意匠サイディングボードの塗り替え塗装」としています。「高意匠」とは、柄や質感に凝った上位グレードのサイディングのこと。つまりクリヤーは、もともと柄を残す価値がある外壁材のために作られている——ここが製品の性格です。

近所でクリヤーを塗った家があります。同じようにできますか?

外壁材が同じとは限りません。同じ時期に建った家でも、メーカーも製品もグレードも違うことがあります。参考にはなりますが、根拠にはなりません。ただし「あの家を塗った会社に聞いてみる」のは有効です——近所で施工実績があるということは、その地域の外壁材に慣れている可能性があります(どこに頼むか)。

クリヤーだと工期は短くなりますか?

大きくは変わりません。足場、洗浄、乾燥、シーリング、塗装、片付け——工程の数はほぼ同じだからです。むしろ洗浄と乾燥に時間をかける必要があるぶん、短縮する理由がありません。「クリヤーだから早い」と言われたら、どの工程を短くするのか聞いてください工程と日数)。

「クリヤーはやめたほうがいい」と書いてあるサイトがあります

条件が合わない家について言えば、そのとおりです。チョーキングが出ている、補修跡がある、外壁材が適用外——この状態でクリヤーを選べば、失敗します。だから「やめたほうがいい」と書かれる。

ただし、条件が合う家にとっては合理的な選択です。柄のある高意匠サイディングを単色に塗りつぶすのは、それはそれで「もったいない」判断になり得ます。一般論としての可否ではなく、あなたの家がどちらかを確かめるのが先です。それは現地を見た人にしか判断できません現地調査)。

クリヤーの見積もりと、色を塗る見積もりで迷っています

両方の見積書を並べて、3点で比べてください。総額の差期待される年数の差(クリヤーの樹脂グレードと、色付き塗料のグレードを揃えて比較)③10年後、どちらの状態でいたいか

③がいちばん大事です。金額の差が小さいなら、好みで決めていい部分です。逆に差が大きいなら、その差額が「柄を残すこと」に見合うかどうか——ここは価値観の問題なので、当サイトが答えを出すことではありません。複数社に両方のパターンで出してもらえば、判断の材料はそろいます。

DIYでクリヤーを塗れますか?

おすすめしません。2階建ての外壁を安全に塗るには足場が必要で、足場のない高所作業は法令が求める安全対策を満たせませんDIYのページ)。加えてクリヤーは失敗が全部見えます——ムラも、刷毛目も、塗り残しも、透明だからこそ目立ちます。下地の判定を間違えれば、数年で剥がれます。

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クリヤーは、遅れると選べなくなります

参考にした情報

  • 日本ペイント株式会社「よくあるご質問」——外壁の窯業系サイディングの色やデザインを生かして塗り替えたい場合の推奨としてUVプロテクトクリヤーシリーズを挙げ、「いずれも光触媒処理された以外の特殊な窯業系サイディング(セラミック、ふっ素コート)にも塗装可能です」と記載
  • 日本ペイント株式会社「ピュアライド水性UVプロテクトクリヤー」製品ページ——水性2液形高意匠サイディングボード用シリコン系外壁保護クリヤー、セラミック系樹脂と紫外線吸収剤による劣化抑制、親水性塗膜による汚れの洗い流し、防藻・防かび性、用途は各種意匠性サイディングボードおよび高意匠サイディングボードの塗り替え塗装

最終確認日:2026年8月26日。掲載した性能・適用範囲は各メーカーが自社製品について公表している内容であり、当サイトが検証したものではありません。製品の仕様は変更されることがあります。クリヤー塗装の可否は外壁材の種類・製品・壁の状態によって異なるため、実際の判断は現地を確認した施工会社および塗料メーカーにご確認ください。