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新潟県の外壁塗装 悪質業者リストはあるのか——10件を全部開いたら、家の工事は0件でした

一覧は10件、家の工事は0件報道発表資料を10件すべて開きました。外壁塗装や屋根の工事が原因の処分は1件もありません

①建設業の監督処分
新潟県 土木部監理課「建設業者への監督処分」。過去5年分で10件(許可取消1件・営業停止9件/2026年9月9日時点)
10件の理由
官製談合3件/廃棄物2件/無許可の解体2件/経営事項審査の虚偽1件/欠格を隠した許可申請1件/工事中の死亡事故1件。手抜き・粗雑工事・瑕疵を理由にした処分は0件です
止まっている範囲
営業停止9件のうち5件が「公共工事に係るものに限る」。1年の処分も、この範囲でした。一般の家の工事は止まっていません
塗装の会社は
10件の中に塗装工事業の許可を持つ会社はいません。業種はとび・土工、土木、解体でした
②特定商取引法などの一覧
総務部県民生活課「処分等事業者一覧」。特商法・景品表示法・県の消費生活条例・割賦販売法の4本すべてが「処分等は、ありません」(過去5年分)
検索に出るページは
過去の処分ページ3本と、住宅修理の保険金申請代行をめぐる行政指導のページは、開くとすべて404でした。「過去5年分掲載」の運用で消えています
県が出している注意喚起
「きーつけなせや Vol.78」。「保険金が使えます!」「火災保険で修理できます!」と誘う住宅修理契約トラブルにご注意——県が屋根と外壁に触れているのはここだけです
相談窓口
新潟県消費生活センター 025-285-4196(相談専用)/建設業のことは土木部監理課建設業室 025-280-5386
このページの内容全20項目
  1. 新潟県が持っている一覧は、2つあります
  2. 建設業の10件を、報道発表資料まで全部開きました
  3. 理由で分けると、家の工事は0件でした
  4. 「営業停止」でも、半分は家の工事が止まっていません
  5. 1つの工事から3社。件数は、事件の数ではありません
  6. たった1件の許可取消は、工事ではなく申請書が原因でした
  7. もう1つの一覧は、4つの法律すべてが「処分等は、ありません」
  8. 検索で出てくる処分のページは、開くと消えています
  9. 廃業届は別のページにあり、塗装の許可を返した会社が並んでいます
  10. 県への相談は年3,952件。ただし数え方に注意が要ります
  11. 県が出している、屋根と外壁の注意喚起はこれ1本です
  12. 許可を持っていない会社も、県は処分できます
  13. 県が用意しているのは「悪い会社の名簿」ではなく「探し方」です
  14. 県が「必須」と書いている書類は4つです
  15. 困ったときの窓口(新潟県)
  16. 他の県は、どう公表しているか
  17. 新潟県内の市の助成金も見ておく
  18. 契約する前に、これだけ
  19. よくある質問
  20. 参考にした情報

新潟県が持っている一覧は、2つあります

「新潟県 外壁塗装 悪質業者リスト」で探している人が知りたいのは、県が名前を公表している会社があるかどうかだと思います。答えを先に書きます。

新潟県は一覧を2つ持っています。片方には10件載っていて、もう片方は0件です。

  • 建設業の監督処分(土木部監理課 建設業室)……過去5年分で10件。許可の取消が1件、営業停止が9件
  • 特定商取引法などの処分等事業者一覧(総務部 県民生活課)……過去5年分で0件。ページには「処分等は、ありません」とだけ書かれています

そして、これが大事なところです。10件を1件ずつ全部開いて処分の理由を読んだところ、一般の家の工事が原因のものは1件もありませんでした。塗装工事業の許可を持っている会社も、10件の中にはいませんでした。

つまり「新潟県が公表している悪質業者リスト」を外壁塗装のつもりで探すと、手ぶらで帰ることになります。ただしそれは「新潟に問題のある業者がいない」という意味ではありません。県が公表する仕組みが、家の塗り替えを拾う形になっていないだけです。この記事は、そこを1つずつ確かめていきます。

新潟県は2つの一覧を出していますが、そこにも塗装だけを抜き出す方法はありません。——業種で絞る欄が、そもそもありません。新潟県のページにも、国の「ネガティブ情報等検索サイト」にも。扱われているのは建設業全体で、塗装工事だけを取り出す方法は用意されていません。

県の公式ページはここです。——新潟県「建設業者への監督処分」(2026年9月14日に当サイトがアクセスして確認)。

基準だけを出している県もあります(栃木県沖縄県)。県によって、出しているものが違います。

建設業の10件を、報道発表資料まで全部開きました

新潟県の「建設業者への監督処分」のページには、表が2つあります。建設業許可の取消(過去5年分掲載)と営業停止処分(過去5年分掲載)です。どちらも1行ごとに「報道発表資料」へのリンクが付いていて、そこに処分の理由が全文で書かれています。

県はこう書いています。「令和5年7月1日以降に建設業許可の取消及び営業停止処分を行うものについては、県報への掲載を廃止し、当ページでの公告に統一しました」。以前は県報を見ないと分からなかったものが、いまはこのページ1枚に集まっているということです。

表だけを見ても、分かるのは会社名・所在地・許可番号・処分の期間だけです。何をしてその処分になったのかは、報道発表資料を開かないと1文字も出てきません。そこで当サイトは10件すべてのPDFを開きました。

当サイトは会社名を書きません。名前を知りたい方は、この記事の最後にある県の公表ページで直接ご覧ください。県が出している一次情報がいちばん正確です。

理由で分けると、家の工事は0件でした

10件の処分理由を、原因ごとに分けるとこうなります。

処分の原因件数中身
官製談合(公契約関係競売等妨害)3件県の地域振興局が発注した工事で、予定価格の教示を受けて落札
廃棄物の不法な処理2件1件は樹木の枝葉など約156キログラムの焼却。もう1件は自社の土地に、産業廃棄物のガラス・コンクリートくず等約350キログラムと、特別管理産業廃棄物である廃石綿等約780キログラムを埋めたもの
無許可の解体工事2件許可を受けずに解体工事に着手した会社と、その会社に下請に出した元請
経営事項審査の虚偽記載1件完成工事高を水増しして申請し、その結果通知書を公共工事の発注者に提出
欠格要件を隠した許可申請1件代表者に確定した罰金刑があったのに「該当しない」と書いた誓約書を添えて新規許可を取得
工事中の死亡事故1件つり足場が海中に転落し、作業していた従業員2名が転落。1名が死亡、1名が負傷

10件のうち、工事のやり方そのものが原因になっているのは、死亡事故の1件だけです。残り9件は、入札・廃棄物・書類・許可という、施主からは見えないところで起きています。

そして「手抜き工事」「粗雑工事」「施工不良」を理由にした処分は、10件の中に1件もありませんでした。外壁塗装や屋根の工事が理由になっているものも、1件もありません。

これは新潟だけの話ではありません。当サイトが同じやり方で調べた他の県でも、県が公表している建設業の監督処分は、公共工事と会社の管理をめぐる話が大半を占めます。建設業法の監督処分は、もともと戸建ての塗り替えを見張るための仕組みではないのだと考えたほうが、実態に合っています。

「営業停止」でも、半分は家の工事が止まっていません

ここが、いちばん誤解されやすいところです。営業停止と書いてあっても、止まっている範囲は処分ごとに違います。報道発表資料には「範囲」という欄があり、そこに書いてある文が答えです。

10件の範囲を数えるとこうなりました。

止まっている範囲件数一般の家の工事は
「公共工事に係るものに限る」5件止まっていません
「建設業の営業の全部」2件止まっています
「公共工事に関するものを除く」(解体工事業)2件止まっています(解体工事のみ)
許可の取消1件許可そのものが無くなりました

営業停止9件のうち5件は、範囲が「公共工事に係るものに限る」でした。このうちには120日が2件、1年が1件も含まれます。1年間の営業停止と聞くと会社が完全に止まっているように読めますが、その1年のあいだも、一般の家からの仕事は法律上できる状態です。

逆の形もあります。無許可の解体をめぐる2件は、範囲が「解体工事業に関する営業(但し、公共工事に関するものを除く)」でした。こちらは民間の仕事だけが止まり、公共工事は止まっていません。

読み方をまとめると、こうなります。

  • 「営業停止◯日」という数字の大きさより、「範囲」の一文のほうが、あなたに関係があります
  • 範囲に「公共工事」と書いてあるときは、その工事の話であって、家の塗り替えの話ではありません
  • 止まっているのが「営業の全部」なのかどうかは、報道発表資料を開かないと分かりません

1つの工事から3社。件数は、事件の数ではありません

10件を並べていて気づいたことがあります。同じ1つの工事から、複数の会社の処分が出ています。

官製談合の3件は、いずれも県の地域振興局が発注した同じ取水工の工事に関係していました。3社が別々に処分されているので表では3行になりますが、もとの事件は共通しています。

無許可の解体をめぐる2件も同じです。同じ商業施設の解体工事で、許可なしで工事に着手した側と、その会社に下請に出した元請の側が、それぞれ処分を受けています。片方は「必要な建設業許可を受けないで工事に着手していた」こと、もう片方は「必要な建設業許可を受けないで建設業を営む者と下請契約を締結していた」ことが理由です。

ここから読み取れることが2つあります。

1つめ。件数を「事件の数」と読むと、実際より多く見えます。10件のうち5件は、2つの事件から出たものでした。

2つめ。無許可の会社に仕事を出した側も処分されます。これは施主にとっても他人事ではありません。頼んだ会社が下請に出すとき、その下請が許可を持っているかどうかは、元請の責任として問われます。500万円以上の工事を頼むなら、「この工事は誰が施工するのか」を契約の前に聞いておく意味があります。

たった1件の許可取消は、工事ではなく申請書が原因でした

過去5年で唯一の許可取消は、令和5年11月6日に出ています。理由はこうでした。

代表者が刑法の傷害罪で罰金50万円の判決を受け、平成31年1月29日に刑が確定していました。この時点で建設業法第8条第8号の欠格要件に当たっていたのに、令和2年2月6日付けの建設業許可申請書に「欠格要件には該当しない」と書いた誓約書と、賞罰がないと書いた略歴書を添えて申請し、同月26日に新規の許可を受けていました。

県は、これが建設業法第29条第1項第7号(不正の手段による許可)に当たるとして、許可を取り消しています。

読者にとって意味があるのは、ここです。この会社は、許可を持っている状態で約3年9か月営業していました。その間に許可番号を見ても、何も分かりません。

だから「許可を持っているから安心」とは言い切れません。許可は、申請の書類がそろっていることの証明であって、工事の質や経営者の人柄の証明ではないからです。業者選びで見るべき点を、許可の有無だけに寄せないでください。

もう1つの一覧は、4つの法律すべてが「処分等は、ありません」

家の訪問販売のトラブルを扱うのは、建設業の部署ではありません。総務部 県民生活課です。ここが「新潟県の処分等事業者一覧」というページを持っています。

2026年9月9日時点で当サイトが見た内容は、こうでした(ページの更新日は2025年3月17日)。

法律掲載範囲件数
特定商取引に関する法律過去5年分処分等は、ありません
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)過去5年分処分等は、ありません
新潟県消費生活の安定及び向上に関する条例過去5年分処分等は、ありません
割賦販売法過去5年分処分等は、ありません

4本すべてが0件です。訪問販売でも、広告の表示でも、県の条例でも、分割払いの契約でも、過去5年で公表された処分はありません。

他の県では、この一覧に外壁や屋根の訪問販売が並ぶことがあります。当サイトが調べた県のなかには、屋根の塗装工事の訪問販売に対して業務停止21か月という処分が載っていた県もありました。新潟県のこのページは、いま白紙です。

ここで気をつけてほしいことがあります。0件は「新潟に訪問販売のトラブルが無い」という意味ではありません。次の章のとおり、相談そのものは県に届いています。0件が意味しているのは、「過去5年のあいだに、県が特定商取引法にもとづく処分を公表していない」という、それだけのことです。

検索で出てくる処分のページは、開くと消えています

「新潟県 特定商取引法 処分」と検索すると、いくつかの処分のページが検索結果に出てきます。当サイトはそれを1本ずつ開きました。

結果は、3本とも「お探しのページを見つけることができませんでした」でした。寝具の訪問販売業者に対する行政処分のページ、特定商取引法第8条第1項にもとづく業務停止命令のページ、同法第7条にもとづく指示のページ——いずれも消えています。

もう1つ、外壁塗装を調べている人には見逃せないページも消えていました。「住宅の修繕費用の補償に係る保険金申請代行や当該修繕等の役務を提供する5事業者に対する行政指導について」というページです。タイトルだけが検索結果に残っていて、開くと404になります。

これは県が隠しているという話ではありません。県が「過去5年分掲載」と決めているので、5年を過ぎたものは順に消えていく——そういう運用だと読むのが自然です。

ただ、読者にとっての意味は変わりません。

  • 検索結果に処分のタイトルが出ていても、いま開けるとは限りません
  • まとめサイトが「新潟県で処分された業者」として紹介している事例は、県のページではもう確認できないことがあります
  • 確認できないものを根拠にしないでください。いま開ける県のページだけを見てください

廃業届は別のページにあり、塗装の許可を返した会社が並んでいます

新潟県は、監督処分とは別のページで「廃業届の提出があった建設業許可業者に係る許可の取消し」を公告しています。月ごとと年度ごとのPDFで出ています。

県は、このページの冒頭で3つの注意書きを付けています。読まずに数えると意味を取り違えるので、そのまま引きます。

  • 「廃業届とは、建設業許可の要件を欠いた場合に許可を有する業者等が許可行政庁へ提出するもの……したがって、違法行為等に基づく許可取消とは異なります」
  • 「掲載されている建設業者は、許可を受けての建設業の営業を廃止した業者であり、事実上の営業を継続している業者も含まれます」
  • 「掲載されている建設業者には、一部廃業した業者……も含まれます。したがって、取り消していない許可業種については引続き許可を有しています」

さらに、法人成りや事業承継のときにも廃業届は出ます。つまり、ここに名前があること自体は、悪いことをした証拠ではありません。

そのうえで、当サイトはPDFを開いて数えました。業種の略語表が県のページに載っていて、「(塗)塗装工事業」と書いてあるので、塗装の許可を返した行を拾えます。

期間公告の行数うち塗装工事業を含む行
令和7年度(1年間)289行17行
令和8年4月〜9月(半年)142行11行

当サイトが2026年9月9日にPDFを開いて数えた数字です。「行」であって「社」ではありません(1つの会社が一般と特定で2行に分かれることがあります)。また商号に「塗装店」と入っていても、返した業種が塗装工事業でない会社は数えていません(令和7年度に1件、令和8年度に1件ありました)。

読み方は2つです。

1つめ。塗装の許可を返す会社は、毎月のように出ています。半年で11行というのは、月に2行前後ということです。長く続けてきた工務店が世代交代で許可を整理する例もあれば、事業をたたむ例もあります。

2つめ。許可を返しても、工事はできます。県が同じページに書いているとおり、1件の請負金額が500万円に満たない工事(建築一式なら1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事)は、許可がなくてもできます。戸建ての外壁塗装は、たいていこの金額に収まります。だから「許可を返した=もう工事をしていない」とは限りません。

県への相談は年3,952件。ただし数え方に注意が要ります

処分が0件でも、相談は届いています。新潟県消費生活センターが毎月出している「消費生活相談の概況」から、令和7年度の分をまとめます。

項目令和6年度令和7年度
相談件数3,065件3,952件(+887件・28.9%増)

令和7年度の上位5品目は、商品一般511件・化粧品237件・健康食品148件・不動産貸借120件・役務その他サービス117件でした。住宅の工事は、上位5つに入っていません。

販売の形で見ると、令和7年度の累計で訪問販売は135件でした。3,952件のうちの約3.4パーセントです。

ここで、数字の読み方を1つだけ。この3,952件は「新潟県消費生活センター」が受けた件数であって、新潟県全体の件数ではありません。県のページには、新潟市・長岡市・上越市・三条市・柏崎市・新発田市をはじめ21の市町村が独自の消費生活センターや相談窓口を持っていることが、リンク付きで載っています。お住まいの市に窓口があれば、その相談はそちらで受けられ、県センターの数字には入りません。

だから「新潟県の相談は年3,952件」と書いてある数字を、県内すべての相談だと読まないでください。実際にはもっと多いはずです。

県が出している、屋根と外壁の注意喚起はこれ1本です

新潟県は「トラブルを防ぐ!住宅リフォームの進め方」というページを持っていて、そこから1本だけPDFが下がっています。県民生活課が出している「新潟くらしの安全かわら版 きーつけなせや Vol.78」です。発行は令和元年7月30日です。

タイトルはこうです。「〜災害に便乗した悪質商法!〜『保険金が使えます!』『火災保険で修理できます!』と誘う住宅修理契約トラブルにご注意!」

本文から、外壁塗装を考えている人に効く箇所を引きます。

  • 「悪質商法は災害発生地域だけが狙われるとは限りません」
  • 「『台風の影響で屋根瓦が壊れている』『火災保険を使って修理できる』などと勧誘する業者がきても、すぐに修理サービス契約をしてはいけません」
  • 「修理費用や保険金請求手続きに『消費者の負担がない』ことを強調していても、保険金の範囲に収まるとは限りません。被害状況、修理内容によって、追加工事や自己負担金が発生することもあります」
  • 「見積もりや工事の内容、解約したい場合の対応方法など納得できるまで事前に十分に確認しましょう」

3つめが、いちばん効きます。「自己負担ゼロ」と言われたときに疑うべきなのは、金額ではなく「保険金の範囲に収まるかどうか」です。保険金がいくら下りるかは保険会社が決めることで、訪問してきた業者が決められることではありません。それなのに契約書には工事の代金が書いてあるので、保険金が想定より少なければ、その差額はあなたが払うことになります。

新潟は雪と風雨が強い土地です。災害のあとに屋根と外壁の話を持ちかけられる場面は、他の地域より起きやすいと考えておいて損はありません。県自身も「災害発生地域だけが狙われるとは限りません」と書いています。

このPDFは令和元年(2019年)の発行です。連絡先などは古くなっている可能性があります。相談するときは、この記事の「困ったときの窓口」に載せた現在の番号をお使いください。

許可を持っていない会社も、県は処分できます

10件のうち1件は、表の「新潟県知事許可番号」の欄に「建設業許可なし」と書かれていました。許可を持っていない会社が、営業停止3日の処分を受けています。

これは大事な点です。「許可を持っていないから、県は何もできない」ではありません。新潟県は監督処分基準を2本に分けて公開していて、1本は知事許可業者向け、もう1本は「許可を受けないで建設業を営む者に対する監督処分基準」です。どちらも令和8年1月5日改正のPDFとして、県のページから開けます。

もう1つ、同じページには「名ばかり営業所通報窓口」のPDFも置かれています。実体のない営業所で許可を取っている疑いがあるときに、県へ知らせるための窓口です。県は、立入検査をするかどうか判断できるように、できる限り具体的に報告してほしいと書いています。

あなたが施主として使える形にすると、こうなります。

  • 相手が無許可でも、「県に言っても無駄」ということはありません
  • 相談先は土木部監理課 建設業室(025-280-5386)です
  • ただし建設業法は、契約の取り消しや返金をしてくれる仕組みではありません。お金の話は消費生活センターや法テラスが窓口になります

県が用意しているのは「悪い会社の名簿」ではなく「探し方」です

ここまでで、県の一覧からは外壁塗装の答えが出ないことが分かりました。では新潟県は何も用意していないのかというと、そうではありません。「トラブルを防ぐ!住宅リフォームの進め方」のページに、業者を探すための検索先が4つ並べてあります。

検索できるもの何が分かるか
住宅リフォーム事業者団体登録制度に登録された団体の加盟事業者国土交通省が一定の基準を満たすと認めた事業者団体に、加盟しているかどうか
住宅リフォームエキスパート(増改築相談員)登録された相談員がいるかどうか
住まい再建事業者災害で被災した住宅の補修工事ができる事業者かどうか
既存住宅状況調査技術者基礎や外壁のひび割れ、雨漏りなどの劣化を検査・調査できる技術者かどうか

4つめは、外壁塗装を考えている人と相性がいいです。県は「基礎や外壁などのひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合などの検査・調査を実施できる技術者」と説明しています。塗るかどうかを決める前に、いまの状態を見てもらう相手として使えます。

ただし、当たり前のことを1つ書いておきます。これらの検索に載っていることは、工事がうまいことの証明ではありません。載っているのは団体に加盟しているか、登録を受けているか、という事実だけです。載っていないから悪い会社、でもありません。地元で長くやっている小さな塗装店は、こうした登録を持たないことのほうが普通です。

使い方としては、「知り合いに頼める人がいない」ときの入り口だと考えるのがちょうどいいと思います。そこで見つけた会社も含めて、次の章の書類をそろえてもらってください。

県が「必須」と書いている書類は4つです

新潟県のページには、契約のときに必要な書類が表でまとめてあります。県が「(必須)」と書いているのは4つで、そこに打合せ記録が加わります。

書類県の説明
請負契約書(必須)契約者、契約金額、工期、支払い時期と方法などを確認
請負契約約款(必須)契約に関する細かい約束事。遅延損害金や瑕疵担保責任、紛争の解決方法など
見積書(必須)契約金額と明細を記載。設計図書と照合し、内容工事範囲を確認。「工事一式」の費用のみ記載されていたら、明細を取り寄せる
設計図書(必須)平面図などの設計図、各部屋の内装仕上材一覧を記入した仕上表など。打ち合わせで決めた内容が盛り込まれているか確認
打合せ記録いつ何が決定されたかの記録。打ち合わせの都度作成

県はさらに、「小規模な工事でも必ず契約書を取り交わしましょう」と書いています。外壁塗装は「小規模な工事」に見えやすいので、ここは効きます。

見積書の欄にある一文が、いちばん実用的です。「工事一式」の費用のみ記載されていたら、明細を取り寄せる——外壁塗装の見積書で「外壁塗装工事一式 ◯◯万円」とだけ書いてあるものは、そのままでは他社と比べられません。見積書のどこを見るかを先に知っておくと、明細を出してもらったあとの読み方まで通ります。

県は相見積もりについても書いています。「あらかじめ業者に相見積もりであることや、無料の範囲で見積もりを作成してほしいことを伝えましょう」。黙って何社も呼ぶのではなく、そう伝えたうえで頼むのが県の推奨です。

困ったときの窓口(新潟県)

相談したいこと窓口連絡先
訪問販売、契約の解除、返金新潟県消費生活センター025-285-4196(相談専用)/来所して相談したい場合は、あらかじめ電話で予約
いちばん近い窓口につなぐ消費者ホットライン188(局番なし)
建設業者の許可、無許可の疑い新潟県 土木部監理課 建設業室025-280-5386
住宅全般新潟県 建築住宅課 街並み推進係025-280-5442
工事の不具合、見積りのチェック住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)建築士による電話相談、リフォームの見積チェック、弁護士会での面談相談
法的なトラブル全般法テラス新潟どこに相談したらいいか分からないときも可
脅された、しつこく居座られた警察相談専用電話#9110

お住まいが新潟市・長岡市・上越市・三条市・柏崎市・新発田市・小千谷市・加茂市・十日町市・見附市・村上市・燕市・糸魚川市・妙高市・五泉市・阿賀野市・佐渡市・魚沼市・南魚沼市・胎内市・聖籠町のいずれかなら、その市町村にも消費生活の相談窓口があります。県のページからリンクがたどれます。

まだ契約していないなら、消費生活センターに電話するのがいちばん早いです。契約してしまったあとでも、訪問販売ならクーリング・オフができる場合があります。日数の数え方や書き方は窓口で教えてもらえます。

他の県は、どう公表しているか

当サイトは同じやり方で、他の県の公表ページも1件ずつ開いています。並べると、新潟の「10件・家の工事は0件」がどういう位置にあるか分かります。

  • 熊本県……基準に「監督処分の内容については、速やかに公表する」とあるのに、掲載先が見当たらない。点検商法の相談は5年で5.2倍
  • 千葉県……県が「報道発表したものについてのみ、ホームページに掲載しております」と明記していて、掲載は1件だけ
  • 兵庫県……63件を全部開いても、手抜き・粗雑工事・瑕疵は0件
  • 徳島県……一覧の9割が廃業届。特定商取引法では屋根の塗装工事の訪問販売に業務停止21か月
  • 香川県……一覧が2つの課に分かれている
  • 広島県……監督処分の隣に廃業届の公告が並ぶ
  • 岡山県……監督処分簿を52件すべて開くと、54%が書類・届出の不備
  • 大阪府……469件。54件が許可なしの業者
  • 神奈川県愛知県宮城県

共通しているのは1つです。どの県でも、県の一覧から「この塗装店は危ない」を読み取ることはできません。県が公表しているのは、建設業という業界を監督した記録であって、消費者向けの評価ではないからです。悪質業者の見分け方は、一覧ではなく手元の見積書と契約書で判断するしかありません。

新潟県内の市の助成金も見ておく

外壁塗装で使える市の助成金があるかどうかは、市によってまったく違います。「県に制度があるか」ではなく「あなたの市にあるか」で決まります。

助成金がある市では、たいてい「市内に本店がある業者」という条件が付きます。会社を選ぶときの材料が1つ増えるということでもあります。

契約する前に、これだけ

新潟県の一覧を見ても、目の前の会社の良し悪しは分かりませんでした。分かるのは、あなたの手元に集まる紙のほうです。

  1. その場で契約しない。県が「必要のない勧誘は、きっぱりと断りましょう」と書いています
  2. 「工事一式」の見積書は受け取らない。県が明細を取り寄せるよう書いています
  3. 契約書・約款・見積書・設計図書の4つをそろえる。県が「必須」としているのはこの4つです
  4. 同じ条件で複数社に出してもらう。1社だけ抜けている項目が、金額差の正体です
  5. 「保険金で自己負担ゼロ」は、金額ではなく範囲を疑う。保険金がいくら下りるかを決めるのは保険会社です

よくある質問

新潟県は、悪質業者の名前を公表していますか。

建設業の監督処分については、会社名・所在地・許可番号・処分の期間を公表しています。過去5年分で10件です。ただしその10件に、外壁塗装や屋根の工事が原因のものは1件もありません。特定商取引法などの処分等事業者一覧のほうは、4つの法律すべてが「処分等は、ありません」です。

県の一覧に載っていない会社なら、安心ですか。

いいえ。載っていないことは、安全の証明になりません。過去5年で10件しかなく、その10件も家の工事とは関係のない理由でした。新潟県内には数千の建設業許可業者がいますから、一覧に無いのが普通の状態です。

営業停止1年と書いてある会社に、家の工事を頼めますか。

報道発表資料の「範囲」の欄を見てください。その1年の処分は、範囲が「土木工事業に関する営業(但し、公共工事に係るものに限る)」でした。法律上、一般の家の工事は止まっていません。営業停止9件のうち5件が、こうした「公共工事に限る」という範囲です。

検索で出てきた新潟県の処分のページが、開けません。

県は「過去5年分掲載」という運用をしているので、5年を過ぎたページは消えていきます。当サイトが2026年9月9日に確認したところ、検索結果に残っていた特定商取引法の処分ページ3本と、住宅修理の保険金申請代行をめぐる行政指導のページは、いずれも404でした。いま開ける県のページだけを根拠にしてください。

廃業届の一覧に名前があったら、その会社はまずいですか。

いいえ。県が明記しています。「違法行為等に基づく許可取消とは異なります」「事実上の営業を継続している業者も含まれます」。法人成りや事業承継でも廃業届は出ますし、一部の業種だけ返した会社も載ります。名前があること自体は、何の判断材料にもなりません。

「火災保険で自己負担ゼロ」と言われました。

県の注意喚起がそのまま答えになります。「修理費用や保険金請求手続きに『消費者の負担がない』ことを強調していても、保険金の範囲に収まるとは限りません。被害状況、修理内容によって、追加工事や自己負担金が発生することもあります」。保険金がいくら下りるかを決めるのは保険会社で、訪問してきた業者ではありません。差額はあなたが払うことになります。その場で契約せず、消費生活センター(025-285-4196)か188へ。

許可を持っていない業者に工事を頼んでしまいました。

1件の請負金額が500万円に満たない工事(建築一式なら1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事)は、許可がなくても法律上できます。戸建ての外壁塗装はたいていこの範囲です。ただし新潟県は、許可のない業者に対する監督処分基準も別に公開していて、実際に無許可の会社を処分した例があります。心配なら建設業室(025-280-5386)に相談できます。

建設業許可を持っている会社なら大丈夫ですか。

許可は、申請の書類がそろっていることの証明です。過去5年で唯一の許可取消は、代表者に確定した罰金刑があったのに「欠格要件には該当しない」と書いた誓約書を添えて許可を取ったというものでした。その会社は、許可を持ったまま約3年9か月営業しています。許可の有無だけで判断しないでください。

新潟県の消費生活相談は、年に何件ありますか。

新潟県消費生活センターが受けた令和7年度の相談は3,952件で、前年度(3,065件)より887件・28.9%増えました。ただしこれは県センターの数字で、新潟県全体ではありません。新潟市や長岡市など21の市町村が独自の窓口を持っていて、そちらの相談は含まれません。

参考にした情報

当サイトが2026年9月9日に、新潟県のホームページと公開PDFを直接開いて確認したものです。制度や掲載内容は変わることがあります。契約の前に、必ず県のページで最新の内容をご確認ください。

  • 新潟県 土木部監理課「建設業者への監督処分」(更新日:2026年1月8日/許可取消1件・営業停止9件の表と、各件の報道発表資料PDF)
  • 新潟県 土木部監理課「新潟県知事許可業者に対する監督処分基準」「許可を受けないで建設業を営む者に対する監督処分基準」(令和8年1月5日改正)
  • 新潟県 土木部監理課「名ばかり営業所通報窓口」
  • 新潟県 土木部監理課「廃業届の提出があった建設業許可業者に係る許可の取消しについて」(更新日:2026年8月28日/令和7年度および令和8年4月〜9月分の公告PDF)
  • 新潟県 総務部県民生活課「新潟県の処分等事業者一覧」(更新日:2025年3月17日/特定商取引法・景品表示法・県消費生活条例・割賦販売法)
  • 新潟県 県民生活課「新潟くらしの安全かわら版 きーつけなせや Vol.78」(令和元年7月30日発行)
  • 新潟県消費生活センター「令和7年度消費生活相談の概況」(令和8年3月分・令和8年4月17日公表)
  • 新潟県 土木部都市局建築住宅課「トラブルを防ぐ!住宅リフォームの進め方」(更新日:2025年9月4日)
  • 新潟県 土木部都市局建築住宅課「住まいの相談窓口」(更新日:2025年9月4日)
  • 最後は書面で比べる——公表の範囲で分かるのはここまでで、残りは見積書で見ます(複数社に出してもらう