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栃木県の外壁塗装 悪質業者リストはあるのか——県に名簿はなく、代わりに「何日止まるか」が全文で出ています

このページの内容全12項目

一覧は置かれていません県のページにあるのは基準のPDF1本と、国のサイトへのリンクだけ。ただしその基準に、日数が全部書かれています

①監督処分の一覧
栃木県のホームページにありません。県のページにあるのは、国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」への外部リンクと、基準のPDFだけです(2026年9月14日時点)
②代わりにあるもの
「建設業者等の不正行為等に対する監督処分の基準」(令和5年5月26日施行)が全文のPDFで公開されています。手抜き工事なら何日止まるかまで、数字で書かれています
③この基準で分かること
手抜き・粗雑工事で重大な瑕疵=15日以上の営業停止。ただし無許可の業者が同じことをした場合は3日以上——許可を持っている側のほうが重く扱われます

栃木県は、処分業者の一覧を持っていません

「栃木県 外壁塗装 悪質業者リスト」で探している方へ。——探しても見つからないのは、書き方が悪いからではありません。栃木県は、処分を受けた業者の名前を並べたページを持っていないからです。

県が持っているのは「建設業者等の不正行為等に対する監督処分の基準について」というページで、そこに置かれているのは次の2つだけです。

  • 監督処分の基準(PDF)——令和5年5月26日施行。何をすると何日の営業停止になるかが、全文で書かれています
  • 国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」への外部リンク

会社名の表も、処分の日付の表も、県のページにはありません。つまり「県のサイトで社名を検索する」という調べ方は、栃木県ではできません。

ここで多くの人はページを閉じます。でも、閉じる前に基準のほうを開いてみてください。——名簿は「過去に誰がやったか」しか教えてくれませんが、基準は「何をすると、どれだけ重いのか」を教えてくれます。これから頼む相手を選ぶときに効くのは、後者のほうです。

ここまで基準の数字を見てきましたが、その前提を1つ書いておきます。——栃木県が出しているのも、国の「ネガティブ情報等検索サイト」が集めているのも、建設業全体の監督処分です。業種で絞る仕組みはなく、塗装だけのリストというものは存在しません。

県の公式ページはここです。——栃木県「建設業者等の不正行為等に対する監督処分の基準について」(2026年9月14日に当サイトがアクセスして確認)。

実名を並べて公表している県もあります(兵庫県神奈川県広島県徳島県)。栃木県と同じく基準だけの県に沖縄県があります。

基準には「速やかに公表する」と書いてあります——では、どこに載るのか

基準の終わりのほうに、こういう一行があります。

「監督処分の内容については、速やかに公表することとする。」(Ⅴ その他 ③)

公表すると書いてあるのに、県のページに一覧がない。ここが、探している人がいちばん混乱するところです。

答えは、公表先が県のサイトではないからです。栃木県は国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」を案内しています。処分の内容はそちらに載ります。

なお、このサイトは県だけでなく国や他の都道府県の処分も横断して調べられる仕組みです。ただし調べられるのは「処分を受けた会社」だけで、処分を受けていない会社が良い会社である保証にはなりません。「載っていないから大丈夫」は、この種のデータベースでは成り立ちません。

手抜き工事の「値段」は15日です

基準のいちばん実感しやすいところを引きます。

「施工段階での手抜きや粗雑工事を行ったことにより、工事目的物に重大な瑕疵が生じたときは、15日以上の営業停止処分を行うこととする。ただし、低入札価格調査が行われた工事である場合には、30日以上の営業停止処分を行うこととする。」

ほかの行も並べると、栃木県が何を重く見ているかが見えてきます。

何をしたか営業停止の期間
談合・贈賄・詐欺罪などで代表権のある役員が刑に処せられた1年間
同上で、代表権のない役員等が刑に処せられた120日以上
同上で、それ以外の場合60日以上
経営事項審査の虚偽申請を公共発注者に提出した30日以上(監査の受審状況に虚偽があれば45日以上)
手抜き・粗雑工事で重大な瑕疵15日以上(低入札価格調査の工事なら30日以上)
主任技術者・監理技術者を置かなかった15日以上(不正に資格を得た者を置いていた場合は30日以上)
施工体制台帳・施工体系図を作らなかった、または虚偽で作った7日以上

出典=栃木県「建設業者等の不正行為等に対する監督処分の基準」(令和5年5月26日施行)Ⅲ。いずれも「以上」であり、情状によって加重・減軽されます。また、この基準は県知事の許可を受けた業者に対するものです。

読み方の注意が1つあります。——「15日以上」は重大な瑕疵が生じたときの数字です。塗装が思ったより早く剥がれた、というだけで自動的に処分になるわけではありません。基準は「行政が動くときの物差し」であって、施主と業者のあいだの話し合いの物差しではありません。

同じ手抜きでも、無許可の業者は3日——許可を持っている側のほうが重い

基準には、許可を受けている業者の章(Ⅲ)とは別に、無許可業者の章(Ⅳ)があります。同じ「手抜き・粗雑工事で重大な瑕疵」を並べると、こうなっていました。

許可を受けた業者無許可業者
手抜き・粗雑工事で重大な瑕疵15日以上3日以上

逆に見えますが、理屈は通っています。——営業停止は「許可で営んでいる商売を止める」処分です。もともと許可を持っていない相手には、止めるものが少ない。だから同じ行為でも、処分としての重さが変わります。

ここから、施主が持ち帰れることが1つあります。——許可を持っている会社は、失うものが大きい。15日止まれば、その間の売上と段取りが飛びます。それが抑止として効いている、という見方ができます。

外壁塗装は1件500万円未満なら許可がなくても請け負えます(基準のⅣにも「無許可で工事一件の請負代金の額が500万円以上(建築一式工事にあっては、請負代金の額が1,500万円以上又は延べ面積が150平方メートル以上の木造住宅工事)を請け負った場合については、原則として3日以上の営業停止処分」とあります)。つまり戸建ての塗り替えの多くは、許可がなくても合法的にできる工事です。許可の有無は「違法かどうか」ではなく、「行政の処分が効く相手かどうか」の差として見てください。

いちばん重いのは「1年間」——詐欺罪で代表者が刑に処せられた場合

基準の中で最も重い処分は、許可業者・無許可業者のどちらの章にも同じ形で置かれています。

「代表権のある役員等(建設業を営む者が個人である場合においてはその者。)が刑に処せられた場合は、1年間の営業停止処分を行うこととする。」(Ⅳ 2 ① ⅰ 刑法違反(詐欺罪))

1年間というのは、この基準に出てくる唯一の「上限つき」の期間です。ほかはすべて「◯日以上」で、上は情状によります。詐欺罪だけが、はじめから1年と書かれています。

順番に並べると、こうなります。——代表者が刑に処せられたら1年/代表権のない役員等なら120日以上/それ以外なら60日以上。会社の中の誰がやったかで、3段階に分かれています。

訪問販売で処分されると、建設業の側でも止まります

外壁塗装で相談が多いのが訪問販売です。基準には、これに直接つながる行が入っています。

特定商取引に関する法律違反——役員等又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合は7日以上、それ以外の場合で役職員が刑に処せられたときは3日以上の営業停止処分を行うこととする。」

「特定商取引に関する法律第7条等に規定する指示処分を受けた場合は、指示処分を行うこととする。また、同法第8条第1項等に規定する業務等の停止命令を受けた場合は、3日以上の営業停止処分を行うこととする。」

読み取れることは1つです。——訪問販売のルール違反で消費者行政から処分を受けると、建設業の側でも別に処分が来るという二段構えになっています。片方だけで終わりません。

訪問販売で来た会社に対して契約前に確かめることは業者選びのページに、見積書の読み方は見積書のチェック項目にまとめています。

県が調べるのは、原則3年以内のことだけです

「不正行為等に対する監督処分に係る調査等は、原則として、当該不正行為等があった時から3年以内に行うものとする。ただし、他法令違反等に係る監督処分事由に該当する不正行為等であって、公訴提起されたもの等については、この限りでない。」(Ⅴ その他 ②)

これは知っておく価値があります。——10年前の工事について県に相談しても、原則として調査の対象外です。何かおかしいと感じたら、時間が経つほど行政の側では扱いにくくなります。

そして、繰り返した場合の加重も書かれています。

「営業停止処分を受けた建設業者等が、当該営業停止の期間の満了後3年を経過するまでの間に再び同種の不正行為等を行った場合において、当該不正行為等に対する営業停止処分を行うときは、情状により、必要な加重を行うこととする。」

3年という数字が、調査の期限と加重の期間の両方に出てきます。栃木県の基準では、ここが1つの区切りになっています。

止まるのは「不正をした側」だけです——公共工事と、それ以外

「その会社、営業停止になったらしい」と聞いたとき、いちばん知りたいのは「うちの工事はどうなるのか」だと思います。栃木県の基準は、ここを分けて書いています。

「建設工事の請負契約に関する不正行為等に対する営業停止処分は、公共工事(国、地方公共団体…が発注者である建設工事をいう。)の請負契約…に関して不正行為等を行った場合はその営業のうち公共工事に係るものについて、それ以外の工事の請負契約に関して不正行為等を行った場合はその営業のうち公共工事以外の工事に係るものについて、それぞれ行うものとする。」(Ⅱ 2(3))

つまり、不正をした側の営業だけが止まります。——公共工事で何かあれば公共工事の側が、民間の工事で何かあれば民間の側が止まる。

どこで不正があったか止まる営業戸建ての塗り替えは
公共工事の請負契約公共工事に係る営業止まりません
公共工事以外(民間)の請負契約公共工事以外の営業止まります

だからニュースの見出しだけでは判断できません。「営業停止」と書かれていても、止まっているのが公共工事の側なら、家の塗り替えは受けられます。逆もあります。

地域と業種についても書かれています。——「監督処分は、地域を限定せずに行うことを基本とする」「監督処分は、業種を限定せずに行うことを基本とする」。ただし不正が特定の地域・特定の工事の種別の部門だけで起きたことが明らかな場合は、そこに限って処分することがあります。なお役員等が不正行為等を行ったときは、地域を限った処分は行わないと明記されています。

複数やると、日数は足し算になります

基準には、違反が重なったときの計算方法まで書かれています。

「複数の不正行為等が二の営業停止処分事由に該当するときは、それぞれの処分事由に係る監督処分基準に定める営業停止の期間の合計により営業停止処分を行うこととする。ただし、一の不正行為等が他の不正行為等の手段又は結果として行われたことが明らかなときは、…重い処分を課すこととなるものについて、営業停止の期間を2分の3倍に加重して行うこととする。」(Ⅱ 4(2)①)

2つなら足し算、3つ以上ならさらに加重。手段と結果の関係にある場合だけは、重いほうを1.5倍にします。——「1回だけなら軽い」という作りにはなっていません。

逮捕の段階についても書かれています。——贈賄等の容疑で役職員が逮捕されるなど社会的影響の大きい事案では、処分までに時間がかかる見込みのときに、先に「法令遵守のための社内体制の整備等を求める勧告を書面で行う」とされています。処分が出る前にも、県は動けるということです。

この基準を、業者選びにどう使うか

名簿が無い以上、「調べて避ける」はできません。できるのは「基準が重く見ていることを、自分の見積書で確かめる」ことです。

基準が重く見ていること自分の見積書・契約書で見る場所
手抜き・粗雑工事(15日以上)塗料の製品名と使用量が書かれているか。「一式」だけなら、何を何缶使うのか聞く
主任技術者の不設置(15日以上)500万円以上の工事なら許可が要ります。許可番号を聞いて、国のサイトで引ける状態かを確かめる
施工体制台帳の不作成(7日以上)下請けが入るのかどうか。誰が実際に塗るのかを先に聞いておく
特定商取引法違反(3〜7日以上)訪問販売で来た会社なら、その場で契約しない。書面を持ち帰る

どれも、業者の側から自然に出てくる情報ではありません。——聞かれたときに答えられるかどうかが、そのまま差になります。見積書のチェック項目に、聞き方の形をまとめました。

よくある質問

栃木県は、悪質業者の名前を公表していますか。

県のサイトで社名を引く方法は用意されていません。県のページにあるのは監督処分の基準のPDFと、国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」への外部リンクだけです。基準そのものには「監督処分の内容については、速やかに公表することとする」と書かれていますが、公表先は県のサイトではありません。

手抜き工事をされたら、業者は何日止まりますか。

栃木県の基準では「15日以上の営業停止」です(施工段階での手抜きや粗雑工事により、工事目的物に重大な瑕疵が生じたとき)。低入札価格調査が行われた工事なら30日以上。ただし「重大な瑕疵」が前提で、仕上がりが気に入らない、という段階の話ではありません。

無許可の業者に頼むのは違法ですか。

違法ではありません。建設業の許可が要るのは、1件の請負代金が500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上、または延べ面積150平方メートル以上の木造住宅工事)の場合です。栃木県の基準にも、無許可でこの金額以上を請け負った場合は3日以上の営業停止と書かれています。戸建ての塗り替えの多くは、この金額に届きません。

許可がある会社のほうが安心ですか。

「行政の処分が効く相手かどうか」の差はあります。基準では、同じ手抜き工事でも許可業者は15日以上、無許可業者は3日以上。止められる商売を持っている側のほうが、失うものが大きいという構造です。ただし許可の有無は工事の質を保証するものではありません。見積書の中身を見るほうが確実です。

10年前の工事について、県に相談できますか。

原則として調査の対象外です。基準に「不正行為等に対する監督処分に係る調査等は、原則として、当該不正行為等があった時から3年以内に行うものとする」とあります。ただし公訴提起されたもの等は例外です。おかしいと感じたら、早く動くほうが選択肢が残ります。

訪問販売で契約してしまいました。

まずクーリングオフができる期間かどうかを確かめてください。あわせて、消費者ホットライン「188」または最寄りの消費生活センターに相談できます。栃木県の基準では、特定商取引法違反で処分を受けた業者には建設業の側でも営業停止(3日以上、懲役刑なら7日以上)が来ることになっています。

参考にした情報

  • 栃木県「建設業者等の不正行為等に対する監督処分の基準」(令和5(2023)年5月26日施行・PDF)——Ⅲ(許可を受けた建設業者に対する基準)の「施工段階での手抜きや粗雑工事を行ったことにより、工事目的物に重大な瑕疵が生じたときは、15日以上の営業停止処分を行うこととする。ただし、低入札価格調査が行われた工事である場合には、30日以上の営業停止処分を行うこととする。」ほか、談合・贈賄・詐欺罪等で代表権のある役員等が刑に処せられた場合の1年間、代表権のない役員等の120日以上、それ以外の60日以上、経営事項審査の虚偽申請の30日以上(45日以上)、主任技術者等の不設置の15日以上、施工体制台帳等の不作成の7日以上。Ⅳ(無許可業者に対する基準)の「施工段階での手抜きや粗雑工事…3日以上」「無許可で工事一件の請負代金の額が500万円以上(建築一式工事にあっては、請負代金の額が1,500万円以上又は延べ面積が150平方メートル以上の木造住宅工事)を請け負った場合については、原則として3日以上」、特定商取引に関する法律違反の「懲役刑に処せられた場合は7日以上、それ以外の場合で役職員が刑に処せられたときは3日以上」「業務等の停止命令を受けた場合は、3日以上」。Ⅴ その他の「不正行為等に対する監督処分に係る調査等は、原則として、当該不正行為等があった時から3年以内に行うものとする」「監督処分の内容については、速やかに公表することとする」。Ⅱ 5 の「営業停止の期間の満了後3年を経過するまでの間に再び同種の不正行為等を行った場合…必要な加重を行う」(2026年9月14日に当サイトがPDFを取得して確認)
  • 栃木県「建設業者等の不正行為等に対する監督処分の基準について」のページ——掲載されているのは上記の基準PDFと、国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」への外部リンクのみで、処分を受けた業者の一覧は置かれていません(2026年9月14日時点)
  • 当サイトの県別ページ——滋賀県新潟県大阪府神奈川県千葉県(県によって公開しているものが違います)

引用した基準は県が発注者・行政として監督処分を行うときの物差しであり、施主と業者のあいだの契約の話とは別です。個別のトラブルは、消費者ホットライン「188」または最寄りの消費生活センター、住宅のリフォームについては住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)にご相談ください。基準は改定されることがあります。最終確認日:2026年9月14日。