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目黒区の外壁塗装に助成金は出る?——出ます。工事費の10パーセント・上限10万円

出ます工事費(税抜)の10%・上限10万円

制度
住宅リフォーム資金助成(一般リフォーム工事)
条件
区内業者/税抜20万円以上/工事開始の2週間程度前までに申請
注意
上限20万円の省エネ枠は遮熱塗装・断熱塗装が対象外と区が明記

目黒区の「住宅リフォーム資金助成」は、屋根・外壁の塗装が対象です。——工事費(税抜)の10パーセント、上限10万円。区内業者の施工で、税抜20万円以上の工事であることが条件になります。ただし、区にはもうひとつ「省エネリフォーム助成」があって、そちらは上限20万円と大きいのですが、区は対象工事の説明に「(遮熱塗装・断熱塗装は含まれない)」とはっきり書いています。——塗装で使えるのは、金額の小さいほうの枠です。

このページの内容全17項目

先に結論——塗装は「一般リフォーム」の枠で10万円まで

①外壁塗装は対象になります——住宅リフォーム資金助成の「一般リフォーム工事」
②工事費(税抜)の10パーセント・上限10万円(千円未満切捨て)
③区内業者の施工で、税抜20万円以上の工事であること
④工事開始の2週間程度前までに申請——審査結果通知書が届いてから着工
⑤上限20万円の省エネ枠は、遮熱塗装・断熱塗装が対象外と区が明記

目黒区には住宅の助成が2本あって、金額が違います。——大きいほうは使えず、小さいほうが使える。そこがこの区の分かりにくいところです。

制度助成率上限外壁塗装は
一般リフォーム工事10パーセント10万円◯ 対象
省エネリフォーム工事20パーセント20万円× 遮熱塗装・断熱塗装は含まれない
アスベスト除去工事10パーセント20万円×(吹き付けアスベストの除去・復旧)

一般リフォーム助成——10パーセント・上限10万円

区は制度の目的をこう書いています。——「目黒区では区民のかたに、リフォーム工事費用の一部を助成します。(事前申請)」予算の範囲内で先着順です。

屋外の改修工事について、区の説明はこうです。——「屋根・外壁などの改修工事は、区分所有登記していない一戸建て住宅のみが対象です。」

要件は8つあります。

(ア)区内業者が行う工事である
(イ)目黒区民であるご自身が住む、目黒区内にある居住用住宅である
(ウ)工事開始前である(審査結果通知書が届いてから着工すること)
(エ)税抜工事費用が20万円以上である
(オ)国、東京都のリフォーム工事助成を申請していない
(カ)区で行っているほかの住宅に関する助成対象の工事を除く
(キ)住民税の未納がない
(ク)令和9年3月31日までに工事及び支払が完了する

金額の出方を、実際の工事費で見てみます。——10パーセントですから、上限の10万円に届くのは税抜100万円からです。

工事費(税抜)助成額自己負担
20万円(下限ぎりぎり)2万円18万円
60万円6万円54万円
80万円8万円72万円
100万円10万円(上限に到達)90万円
150万円10万円(頭打ち)140万円

戸建ての外壁塗装は、税抜100万円を超えることのほうが多いはずです。——つまりほとんどの方にとって、助成額は10万円で固定と考えておくのが現実的です。そこから先は、工事費そのものを下げるしかありません。

「工事費用」の定義に注意してください。——区は「工事費用とは、見積金額と実際に要した工事費のいずれか低い額」としています。見積書を大きく書いておいて、実際は安く済ませる、という形では通りません。

助成の対象になる工事費が20万円に届くかどうかは、見積書の書き方でも変わります。——「外壁塗装一式」ではなく、外壁◯㎡・屋根◯㎡・付帯部◯m・足場◯㎡と数量が入った見積書をもらってください。区の審査でも、あとで写真と照らし合わせるときにも、そのほうが早く進みます塗装面積の出し方同じ条件で複数社に出してもらう)。

対象にならない工事——外構、マンションの外壁、区分所有登記

区は対象外をはっきり列挙しています。

対象とならない工事
目黒区外の業者が施工する工事(アスベスト除去工事は区外業者も可)
すでに開始している工事や完了している工事
家屋部分以外(外構・門扉・車庫など)の工事
分譲マンションや共同住宅の共用部分の工事(専有部分は対象)
税抜金額が20万円未満の工事
令和9年3月31日までに工事及び支払が完了しない工事

外壁塗装のときに一緒にやりがちな工事が、ここで分かれます。——ブロック塀、門扉、カーポート、駐車場の土間。これらは「家屋部分以外」なので対象外です。足場を組むついでに頼むのは合理的ですが、見積書のなかで対象と対象外が混ざると、区の審査で切り分けが必要になります。

区分所有登記の一戸建ては、外壁が対象外になります。——区の説明はこうです。「一戸建て住宅で区分所有登記をしている住宅の場合、屋根・外壁などは共用部分となるため対象外です。室内などの専有部分の工事は対象となります。」

自分の家が該当するかどうかの調べ方も、区が書いています。——「固定資産税納税通知書に同封されている課税明細書の区分家屋欄をご確認ください。空欄の場合は区分所有登記ではありません。」

二世帯住宅で、親世帯と子世帯を別々に登記している家。自宅の一部が賃貸や店舗で、そこだけ分けて登記している家。——このどちらかに当てはまると、外壁塗装は助成の対象から外れます。心当たりのある方は、見積もりを取る前に課税明細書を見ておいてください。

登記が分かれていない併用住宅なら、按分で使えます。——区の計算方法は「申請者居住部分と事業用部分(店舗、事務所、賃貸部屋など)の床面積の割合から、税抜の工事見積額のうち、自宅に係る部分の工事金額を算出します。助成金額はその金額の10パーセント(上限10万円)です」床面積がわかる書類の提出が必要です。

省エネ枠は20万円。でも「遮熱塗装・断熱塗装は含まれない」

目黒区の省エネリフォーム助成は、率も上限も一般リフォームの2倍です。——対象工事費用(税抜)の20パーセント、上限20万円。ここに塗装が入れば大きいのですが、入りません。

区が対象工事の基準に、かっこ書きで明記しています。——「壁・天井・床下に断熱材を施工すること(遮熱塗装・断熱塗装は含まれない)」

ここまで名指しで書いてある区は多くありません。——世田谷区のように外壁塗装を年度の途中で対象から外した区もあれば、杉並区のように遮熱塗装を対象にしている区もあります。目黒区は「省エネの枠には入れない、一般リフォームの枠でどうぞ」という整理だと読めます。

省エネ枠の対象工事は5つです。

対象工事基準
内窓の設置既存窓の室内側に新しい窓を取り付ける等で断熱効果が得られること
複層ガラス・断熱窓・断熱ドアへの取替外気に接する窓・ドアを取り替えることで断熱効果が得られること
壁・天井・床下の断熱材施工(遮熱塗装・断熱塗装は含まれない)
ビルトイン型食洗機の設置ビルトイン型の食器洗浄機の設置工事を行うこと
節水型トイレの設置JISで定める大便器のうち「2形」に該当しJIS認証を取得している製品に変更

省エネ枠には、一般リフォームにはない条件が3つ付きます。——築10年以上経過していること新耐震基準に適合していること(昭和56年6月1日以降に交付された建築確認済証等で確認。それ以前の着工なら耐震基準適合証明書等)、過去に省エネリフォーム助成を受けていないこと(一つの住宅につき一回限り)です。

そして、一般リフォームとの併用はできません。——「省エネリフォーム助成と一般リフォーム助成の併用はできません」。さらに「平成28年4月1日以降、一般リフォーム助成を受給していない(助成を受けた年の翌年度から10年は申請できません)」という条件もあります。

外壁塗装と一緒に内窓を入れたい、という場合は、どちらの枠を使うか先に決めてください。——塗装なら一般リフォームで10万円。内窓なら省エネで20万円。両取りはできません。

窓だけなら、東京都の制度のほうがはるかに大きくなります。——都の「既存住宅における省エネ改修促進事業」は高断熱窓・ドアで1住戸あたり上限200万円です(東京都の制度)。ただし国・都の助成を申請すると、同じ箇所について区の助成は使えません。塗装は区、窓は都、という分け方が現実的です。

同じ色に塗り替えるなら、工事中の写真が要ります

ここが、外壁塗装で目黒区の助成を使うときの、いちばん実務的な注意点です。

区の説明。——「工事前後の写真を見比べて、申請した内容通りに工事が実施されているかの確認を行います。同系統の色であるなど判別しにくい場合は、工事中の写真が必要となります。」

外壁塗装は、同じ色に塗り替えることが多い工事です。——汚れが落ちてきれいにはなりますが、写真だけを並べると「本当に塗ったのか」が判別しにくい。だから区は、工事中の写真を追加で求めています。

これは、行政が塗装の工事をどう検査しているかの実例として見る値打ちがあります。——葛飾区使い終わった塗料の空き缶の写真を求めていました。品川区「現場に搬入した資材の型番を確認することができる写真」を求めていました。目黒区は、塗っている最中の写真です。

求めている写真何を確かめているか
品川区搬入した資材の型番これから使う材料が申請どおりか(着工前)
目黒区工事中の写真実際に施工しているか(工事中)
葛飾区使い終わった塗料の空き缶申請どおりの塗料を使い切ったか(完了後)

3つ並べると、着工前・工事中・完了後で見ている場所が違うことがわかります。——どれも「見積書に書いたとおりの工事が本当に行われたか」を確かめるためのものです。

写真の撮り方にも、区の指定があります。

・撮影日付が写真内に入っていることが必要です
・日付の入らないカメラの場合は、日付を書いた紙や工事看板などが写真の中に一緒に写るように撮影してください
・見積書に記載されている、工事をする箇所すべての写真が必要です
・工事前写真は原則3か月以内のもの
・工事後は「申請時に提出した工事前写真と同じ場所を同一方向・同一画角で撮影してください」

この撮り方は、塗装業者にとっては特別なことではありません。——見積もりを頼む段階で「目黒区の助成を使う」と伝えておけば、業者のほうで工程写真を揃えてくれます。逆に何も言わずに工事が終わってしまうと、あとから撮り直せません同じ条件で複数社に出してもらう)。

工事場所が広範囲のときは、図面も必要になります。——区は「工事場所が広範囲にわたる場合など、見積書だけでは工事写真の対象を特定することが難しい場合」に、図面・見積書・工事写真に番号を入れて、それぞれを対照できるように提出することを求めています。家一軒の外壁と屋根をまとめてやる工事は、これに当たる可能性があります。

2025年4月から建築確認が要る工事、要らない工事

これは目黒区だけの話ではなく、全国に関わる法改正の話です。——区がパンフレットのなかで、わかりやすくまとめてくれています。

「2階建ての木造戸建等で行われる大規模なリフォームで2025年4月以降に工事着手するものは、建築確認手続きの対象となります。」(目黒区)

そのうえで、区は「従来通り建築確認手続きは不要」な工事を4つ挙げています。

建築確認手続きが従来通り不要な工事
内窓の設置
キッチン、トイレ、浴室等水回りのみのリフォーム
バリアフリー化のための手すりやスロープ設置工事
屋根または外壁の塗装工事

外壁塗装だけをするなら、建築確認は要りません。——区が名指しで書いています。「2025年の法改正で外壁塗装にも確認申請が必要になった」といった説明を見かけたら、この一文を根拠に確かめてください。

ただし、外壁の「張り替え」や「カバー工法」は話が変わります。——塗装ではなく、外装材そのものを大きく取り替える工事は「大規模の修繕・模様替」に当たる可能性があります。区も一般リフォーム助成の工事内容の欄で「建築確認等の手続きが必要か確認済(大規模な修繕又は大規模な模様替の場合)」を業者に確認するよう求めています(張り替えとカバー工法)。

そして区は、確認申請が要らない場合でもこう釘を刺しています。——「建築確認手続が不要な場合でも、リフォーム工事後の建築物は建築基準法の規定に適合している必要があります。」

税込100万円以上なら、アスベストの事前調査報告が必要

外壁塗装の工事費は、100万円を超えることがふつうにあります。——目黒区の助成では、そこから提出書類が1枚増えます。

「請負金額の合計が100万円以上(税込)の場合」、「アスベスト事前調査結果報告」をしたことがわかる書類が必要です。(目黒区)

提出するのは次のどちらかです。
①石綿事前調査報告システムで申請後の登録完了メールを印刷したもの
②事前調査報告書(大気汚染防止法)(様式第3の4)

大事なのは、区が「アスベストの事前調査報告は、工事業者が行います」とはっきり書いていることです。——施主が自分で調べる必要はありません。ただし「下記①、②の書類についても工事業者に確認してください」ともあるので、見積もりの段階で「100万円を超えるので事前調査報告の控えをください」と伝えておくのが確実です。

この報告は、助成のための書類である前に、法律で決まっている手続きです。——大気汚染防止法にもとづくもので、目黒区の助成を使わなくても、一定規模以上の工事では必要になります。塗装の下地補修で古い外壁材を削る工事は、ここに関わってきます(アスベストと外装材)。

一度使うと5年空ける。ただし8万円以下なら特例があります

目黒区の助成は、何度でも使えるわけではありません。

「過去に一般リフォームまたは空き家・空き室バリアフリーリフォーム工事の資金助成を受けたかたは、原則として助成を受けた年の翌年度から5年は申請できません。」(目黒区)

アスベスト除去工事及び省エネリフォーム助成は、一つの住宅につき、一回限りの助成です。

ただし、使い切れなかった場合の救済があります。——「10万円」と「既に助成を受けた金額」の差額を限度として、もう一度申請できる特例です。

特例の条件内容
対象過去に受けた一般リフォーム助成が8万円以下だった場合
工事の場所前回と異なる箇所の工事をする場合に限る
金額下限2万円、上限「10万円から前回の助成金額を引いた金額
その後特例を使った後の申請は、前回助成を受けた年の翌年度から5年以上空けること

区が挙げている例で見ると、こうなります。——令和8年に4万5千円の助成を受けた場合、令和9年度から令和13年度の5年間は、上限5万5千円で特例による申請ができます。そして令和14年度からは5年経過しているため制限がなくなり、上限10万円に戻ります。

外壁塗装を考えている方には、こういう使い方があります。——数年前に室内のリフォームで少額の助成を受けた方は、外壁は「前回と異なる箇所」に当たります。助成額が8万円以下だったなら、5年を待たずに差額ぶんを申請できる可能性があります。

申請の流れ——工事開始の2週間前までに

目黒区の助成は事前申請です。——工事を始めてしまうと、もう使えません。区が示している流れは7段階です。

手順内容
1 業者からの見積業者は区内業者に限ります。有効期限内の見積書が必要です
2 申請工事開始の2週間程度前までに申請書類一式を住宅課へ
3 審査すべての審査書類が揃ってから1〜2週間程度かかります
4 審査結果通知書郵送審査完了後、自宅に郵送(完了手続きに必要な書類等も同封)
5 工事開始「審査結果通知書」が届いてから工事を開始してください
6 完了手続き工事完了後30日以内に工事完了届・助成金請求書・領収証のコピー・工事後の写真を提出(郵送可)
7 助成金の振込助成金交付決定通知書の郵送後、申請者口座へ(振込日は決定の2〜3週間後

見積もりから振込までを足すと、けっこうな期間になります。——申請から審査結果が届くまでで2〜3週間、工事が終わってから振込まで1か月以上。外壁塗装は天候で工期が動く工事でもあるので、「令和9年3月31日までに工事及び支払が完了する」という条件から逆算して、年度末ぎりぎりの着工は避けたほうが安全です塗装に向く季節)。

領収書の宛名に注意してください。——区の考え方は「申請者=見積書・契約書の宛名=領収書の宛名=助成金振込口座の名義人」です。「領収書の宛名は申請者1名のみ(フルネーム)である必要があります」とあり、2名以上の連名は認められません。

さらに領収証には「工事業者の区内住所記載」が必要で、「振込明細やレシートは不可」です。

所有者本人でなくても申請できます。——区が挙げているのは①所有者本人・所有者配偶者 ②所有者の父・母 ③所有者の配偶者の父・母 ④所有者の子 ⑤所有者の子の配偶者 ⑥所有者の同居の親族(二親等以内)の6パターンです。ただし「亡くなった方のみの所有では申請できません」とあります。相続の登記が済んでいない実家の外壁塗装は、ここで止まります空き家・相続した家の塗装)。

そして、工事が終わったあとにも条件が残ります。——「工事箇所は10年間適正に保全してください。」10年というのは、ちょうど次の塗り替えを考え始める時期でもあります。

耐震改修は80パーセント・上限150万円

目黒区でいちばん金額が大きいのは、塗装ではなく耐震です。

木造住宅等の耐震改修助成
個人が所有し自己の居住を目的とする住宅及び併用住宅で、耐震改修工事費用の80パーセント以内かつ上限150万円
住民税の非課税世帯は、耐震改修工事費用の80パーセント以内かつ上限180万円

80パーセントという助成率は、当サイトが調べてきたなかでも高いほうです。——中野区2分の1で上限250万円和歌山市上限131万6千円でした。上限額では中野区が上ですが、率では目黒区のほうが高いことになります。

助成要件
平成12年5月31日以前に建築された建築物(在来軸組工法に限る)
建築基準法令に適合していること
所有者が住民税・固定資産税を滞納していない等
建築物全体が、必要な耐震基準値を満たすための改修工事で、原則として、区に登録した施工業者が行うこと

対象は「平成12年5月31日以前」です。——昭和56年ではありません。2000年(平成12年)6月に木造住宅の基準がもう一段上がっており、その前に建った家は、新耐震であっても対象に含まれます外壁のひび割れの見方)。

耐震改修は、契約前に「仮受付」が必要です。——区の説明は「事前申請となりますので、耐震改修工事の契約前に仮受付を行ってください。仮受付は、電話もしくは窓口で受け付けております」。窓口は建築課耐震化促進・狭あい道路整備係(03-5722-9490)です。

今年度の申請受付は令和8年11月30日(月曜日)までとされています。リフォーム助成(令和9年3月31日まで)より4か月早く締まります。

耐震改修とリフォーム助成は、同じ工事には使えません。——区は「耐震改修工事助成を申請する場合、その対象となる工事は対象外となります。同時に行う他の箇所の工事は申請できます。ただし、見積書はそれぞれ別にしてください」としています。

つまり、耐震補強と外壁塗装を同じ年にやる場合、見積書を2枚に分ければ両方使えます。——耐震で150万円、塗装で10万円。足場を一度で済ませられるぶん、工事全体としては効率がよくなります。ただし業者に「見積書を分けてください」と最初に伝えておく必要があります条件を入れて概算を出す)。

区が公表している、耐震改修228件の実際の金額

目黒区は、過去に行われた耐震改修の実績を公表しています。——平成18年度から31年度までの228件について、延床面積の区分ごとに1平方メートル当たりの工事金額を出したものです。

延床面積区分件数区分ごとの平均面積1㎡当たり工事金額
80㎡未満77件59.98㎡46,104円
80㎡以上100㎡未満58件87.72㎡35,264円
100㎡以上120㎡未満59件112.44㎡33,000円
120㎡以上150㎡未満63件135.95㎡18,450円
150㎡以上48件191.15㎡29,526円
合計228件117.45㎡32,469円

これは「区が定めた単価」ではなく「実際に行われた工事の平均」です。——だから値打ちがあります。行政が住宅工事の㎡単価を公表している例は多くありません。大田区助成の算定に使う標準工事費として「外壁の塗装 7,000円/㎡」を、中野区耐震の助成対象経費として「延べ床面積1㎡あたり39,900円」を公表していました。目黒区のこれは、その2つとは性格が違う実績値です。

読み方として、1つだけ気をつけてください。——これは耐震改修工事の金額であって、外壁塗装の金額ではありません。また平成18年度から31年度という長い期間の平均なので、いまの資材費・人件費とは差があります。

それでも、平均117.45㎡の家で1㎡あたり32,469円、つまり工事全体で380万円前後という規模感は、耐震改修を考えるときの目安になります。その80パーセントが助成されて上限150万円ですから、150万円の上限に届く工事は珍しくないことがわかります。

外壁塗装の㎡単価も、同じ考え方で見てください。——「一式いくら」ではなく「1㎡あたりいくら」に直すと、業者ごとの差が比べられるようになります費用の内訳同じ条件で複数社に出してもらう)。

止水板の助成は「内外壁の止水工事」も対象です

目黒区にはもう1つ、外壁に関わる助成があります。——止水板設置工事助成です。区は制度の目的を「台風やゲリラ豪雨などによる浸水被害を軽減するため」と説明しています。

助成対象工事の説明に、外壁が出てきます。——「建築物の出入口等に浸水を防ぐ目的で、取り外しまたは移動が可能な金属板の設置工事または、止水効果を高めるための内外壁の止水工事や土間コンクリート打設工事が助成対象工事となります。」

ただし「止水板の購入のみは対象外です」とあります。設置する工事が必要です。

区分限度額助成額
目黒区内に住所を有する個人100万円10分の9
その他の個人50万円10分の9
申請日の1年以上前から区内に本店または支店等の登記をしている法人150万円4分の3
その他の法人75万円4分の3

10分の9で100万円というのは、区の住宅助成のなかでは飛び抜けて手厚い枠です。——しかも「先日発表された『目黒区豪雨対策サポートプラン』のとおり、目黒区止水板設置工事助成を拡充します。拡充は令和10年度までの期限付きを予定しています」とあり、いまは拡充中です。

ここでいう「内外壁の止水工事」は、外壁塗装とは別の工事です。——塗料を塗ることではなく、水が入ってくる経路をふさぐ工事を指します。ただ浸水したことのあるお宅で外壁を触るなら、この助成が使えないか道路公園課補修調整係(03-5722-9775)に聞いてみる値打ちはあります。申請前に事前相談が必要です(浸水した家の消毒と臭い)。

足りないぶんは、区の融資あっせん(年利1.8パーセント)

助成が10万円だとすると、残りは自分で用意することになります。——目黒区は融資のあっせんも行っています。

項目内容
融資限度額700万円(工事見積額の範囲内で1万円単位)
返済期間据え置き期間6か月間を含む5年以内。100万円以上200万円未満は7年以内、200万円以上は10年以内も可
融資利率年利1.8パーセント固定
取扱金融機関目黒信用金庫、城南信用金庫、さわやか信用金庫の各本・支店

条件は事前申請です。——区は「工事開始前の申請が必要です。また融資の実行は工事完了後となります」としています。工事代金は一度自分で立て替える形になるので、そこは注意してください。

ほかの区と比べると、金利の位置がわかります。——江戸川区の融資あっせんは本来2.0パーセントのところ区が利子を補給して0.9パーセントでした。目黒区は1.8パーセント固定で、限度額は700万円。金利は江戸川区のほうが低く、借りられる額は目黒区のほうが大きいという関係です。

ただし、外壁塗装のためだけに借りる必要があるかは、いったん立ち止まってください。——塗装は「いつやるか」をある程度こちらで選べる工事です。雨漏りが起きている、シーリングが切れて水が入っている、といった状態でなければ、1年待って費用を貯めるという判断もあります塗り替えの時期の見きわめ方条件を入れて概算を出す)。

ほかの制度——密集地域の建替え、除却、耐震シェルター

目黒区には、住宅に関する助成がほかにもあります。——外壁塗装には直接使えませんが、家の状態によっては、そちらのほうが合っていることがあります。

制度内容
木造住宅密集地域における建替え助成「目黒本町地区」及び「目黒本町六丁目・原町地区」での建替えについて、一定の条件を満たす場合に助成
木造住宅等除却工事助成制度建て替えを前提とした、木造住宅の除却工事費用を助成
耐震シェルター等設置助成制度家屋全体の耐震改修工事が難しい高齢者のかたなどを対象に、設置費用の一部を助成(今年度の受付は令和8年11月30日まで)
ブロック塀・がけ・擁壁等の安全化助成ブロック塀やがけ・擁壁の安全化に対する助成
感震ブレーカー設置助成/アダプター無償配付地震のときの通電火災を防ぐための制度
雨水流出抑制施設等の助成浸透ます、浸透トレンチ、雨水タンクの設置

非木造の建物には、別の枠があります。——分譲マンションは3分の2・上限1,500万円、一般緊急輸送道路沿道建築物と特定既存耐震不適格建築物は3分の1・上限1,500万円、その他非木造建築物は3分の1・上限300万円。ただし「昭和56年5月31日以前に建築された建築物」が対象で、木造とは対象年が違います。

ブロック塀の助成があるのは、外壁塗装のときに知っておく値打ちがあります。——リフォーム助成では「外構・門扉・車庫など家屋部分以外の工事」は対象外ですが、ブロック塀の安全化は別枠で用意されています。外壁と一緒に塀も直したい場合は、制度が分かれていることを前提に見積書を分けてもらってください。

23区で比べると——目黒区の位置

当サイトが区の公式情報で確認した範囲では、目黒区は「塗装が対象の区」に入ります。——ただし金額は控えめです。

塗装への助成助成率上限
杉並区20パーセント15万円
大田区10パーセント20万円
品川区個人20万円・賃貸オーナー100万円
足立区10パーセント10万円
目黒区10パーセント10万円
葛飾区◯(反射率70パーセント以上)
江東区◯(屋根のみ)施工面積1㎡あたり1,000円
世田谷区×(令和8年度から対象外)屋根7万円
中野区板橋区江戸川区練馬区×

金額だけを見れば真ん中あたりですが、目黒区には条件のゆるさがあります。——遮熱塗料であることも、反射率の数値も、屋根に限ることも求められていません。ふつうの外壁塗装が、そのまま対象になります。葛飾区の反射率70パーセント以上や江東区の屋根のみと比べると、使いやすい制度だと言えます(東京都と23区の制度をまとめて見る)。

そして、10万円という額をどう見るかです。——戸建て1棟の外壁塗装が100万円前後だとすると、助成は工事費の1割弱。大きくはありませんが、申請の手間は書類を揃えて2週間前に出すだけです。区内業者に頼むという条件さえ満たせば、使わない理由はあまりありません。

「区内業者に限る」という条件は、業者選びの範囲を狭めます。——10万円のために選択肢を狭めて、かえって高い見積もりをつかむと本末転倒です。区内業者を複数社まわって、そのなかで比べてください同じ条件で複数社に出してもらう)。区は業者を名簿で指定しているわけではないので、「目黒区内に本店または支店・営業所がある塗装業者」であれば、どこに頼んでもかまいません。

助成の申請を業者が代行してくれるかどうかも、聞いておくといいことです。——申請そのものは施主が行いますが、見積書の書き方、工事前・工事中・工事後の写真、領収証の宛名まで、業者の協力がないと揃いません。目黒区の助成を使った経験のある業者なら、何を出せばいいかを分かっています業者の選び方)。

よくある質問

目黒区で、外壁塗装に助成金は出ますか?

出ます。住宅リフォーム資金助成の「一般リフォーム工事」に屋根・外壁などの改修工事が含まれており、税抜工事費用の10パーセント(千円未満切捨て)、上限10万円が助成されます。

いくらの工事から対象になりますか?

税抜20万円以上です。区は「税抜金額が20万円未満の工事」を対象とならない工事として挙げています。上限10万円に届くのは税抜100万円以上の工事です。

どの業者に頼んでもいいですか?

よくありません。区は「目黒区外の業者が施工する工事」を対象外としています(アスベスト除去工事だけは区外業者も可)。本社が区外にある会社の場合は、見積書と領収書が目黒区内の支店または営業所のものである必要があります。

マンションの外壁塗装は対象になりますか?

なりません。区は「マンションの屋根・外壁などは共用部分となるため対象外です。室内などの専有部分の工事は対象となります」としています。

二世帯住宅ですが、外壁塗装は対象になりますか?

区分所有登記をしているかどうかで変わります。区は「一戸建て住宅で区分所有登記をしている住宅の場合、屋根・外壁などは共用部分となるため対象外です」としています。固定資産税納税通知書に同封されている課税明細書の「区分家屋」欄が空欄なら、区分所有登記ではありません。

1階が店舗の併用住宅です。使えますか?

使えます。ただし床面積による按分になります。区は「申請者居住部分と事業用部分(店舗、事務所、賃貸部屋など)の床面積の割合から、税抜の工事見積額のうち、自宅に係る部分の工事金額を算出します。助成金額はその金額の10パーセント(上限10万円)です」としています。

省エネリフォーム助成のほうが金額が大きいですが、遮熱塗料を使えば対象になりますか?

なりません。区は省エネリフォームの対象工事「壁・天井・床下の断熱材施工」の基準に「(遮熱塗装・断熱塗装は含まれない)」と明記しています。

一般リフォームと省エネリフォームは両方使えますか?

使えません。区は「省エネリフォーム助成と一般リフォーム助成の併用はできません」としています。

国や東京都の助成と一緒に使えますか?

同じ箇所については使えません。区は「国、東京都のリフォーム工事助成を申請している場合、目黒区住宅リフォーム助成の申請はできません」としています。

同じ色で塗り替えるとき、何か必要な書類はありますか?

工事中の写真が必要になります。区は「工事前後の写真を見比べて、申請した内容通りに工事が実施されているかの確認を行います。同系統の色であるなど判別しにくい場合は、工事中の写真が必要となります」としています。

写真の撮り方に決まりはありますか?

あります。撮影日付が写真内に入っていること、日付の入らないカメラの場合は日付を書いた紙や工事看板などを一緒に写すこと、工事後は申請時と同じ場所を同一方向・同一画角で撮ることが求められます。工事前の写真は原則3か月以内のものです。

外壁塗装で建築確認は必要ですか?

不要です。区は建築確認手続きが従来通り不要な工事として「屋根または外壁の塗装工事」を挙げています。ただし2階建ての木造戸建等で行われる大規模なリフォームで2025年4月以降に工事着手するものは、建築確認手続きの対象となります。

工事費が100万円を超えるとき、追加で必要な書類はありますか?

あります。請負金額の合計が税込100万円以上の場合、「アスベスト事前調査結果報告」をしたことがわかる書類が必要です。事前調査報告は工事業者が行います。

前に使ったことがありますが、また使えますか?

原則として助成を受けた年の翌年度から5年は申請できません。ただし過去に受けた助成金額が8万円以下だった場合は、前回と異なる箇所の工事に限り、「10万円から前回の助成金額を引いた金額」を上限としてもう一度申請できます(下限2万円)。

いつまでに申請すればいいですか?

工事開始の2週間程度前までです。審査にはすべての書類が揃ってから1〜2週間程度かかり、「審査結果通知書」が届いてから工事を開始します。先に工事を始めると対象外になります。

助成金は誰の口座に振り込まれますか?

申請者本人です。区は「申請者=見積書・契約書の宛名=領収書の宛名=助成金振込口座の名義人」という考え方を示しています。領収書の宛名が2名以上の連名では受け付けられません。

工事のあと、気をつけることはありますか?

区は「工事箇所は10年間適正に保全してください」としています。

耐震改修の助成はいくらですか?

個人が所有し自己の居住を目的とする住宅および併用住宅で、耐震改修工事費用の80パーセント以内かつ上限150万円です。住民税の非課税世帯は80パーセント以内かつ上限180万円です。

参考にした情報

  • 目黒区「住宅リフォーム資金助成」(都市整備部 住宅課 居住支援係)
  • 目黒区「令和8年度目黒区住宅リフォーム資金助成(一般リフォーム)」パンフレット(PDF)
  • 目黒区「令和8年度(省エネリフォーム)パンフレット」(PDF)
  • 目黒区「令和8年度アスベスト除去工事パンフレット」(PDF)
  • 目黒区「令和8年度空き家・空き室バリアフリーリフォーム工事パンフレット」(PDF)
  • 目黒区「耐震改修助成制度」(建築課 耐震化促進・狭あい道路整備係)
  • 目黒区「建築物の耐震化助成」「耐震化に関する支援事業」
  • 目黒区「住宅や店舗に止水板等を設置するための工事に対する助成(目黒区止水板設置工事助成)」(道路公園課 補修調整係)
  • 目黒区「住宅修築資金の融資あっせん」
  • 目黒区「住まいに関する支援・助成」

この記事は2026年9月2日時点で、目黒区の公式ウェブサイトおよび区が配布しているパンフレット(PDF)から確認できた内容をまとめたものです。予算の範囲内での先着順のため、年度の途中で受付が終わることがあります。申請の前に、必ず区の窓口(住宅課 居住支援係 03-5722-9878)でご確認ください。