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東京都の外壁塗装に助成金は出る?——都の制度は1つだけ。あとは区で全部違います
東京都に、外壁塗装だけを対象にした助成金はありません。——都の補助金検索の「対象設備」を見ても、断熱材・窓・ドア・給湯器・浴槽…と並ぶなかに塗装がありません。ただしひとつだけ、遮熱塗装が対象になる条件があります。クール・ネット東京の「既存住宅における省エネ改修促進事業」で、断熱材の設置を行った部位に遮熱塗装を施工する場合です。条件は「JIS K5602の規定による日射反射率(近赤外線波長領域)が50%以上」。この数字が、23区の制度にもそのまま出てきます。そして区ごとの中身は、驚くほどバラバラでした。
このページの内容
- 先に結論——都に外壁塗装単独の助成はありません
- 都で遮熱塗装が対象になる、たったひとつの条件
- 「近赤外線50%以上」の出どころ——JIS K5602
- 既存住宅における省エネ改修促進事業——窓200万円・断熱材100万円
- 建築士が無料で家に来ます——アドバイザー派遣
- 都の補助金検索——対象設備に「塗装」はありません
- 都が「太陽光を載せる前に、屋根の塗り替え時期を説明せよ」と求めています
- 都のほかの制度——省エネ診断・設計、断熱・太陽光
- 当サイトが一次情報で調べた10区
- 23区外の26市も、それぞれ違います
- 支援には3つの型があります——お金・名簿・金利
- 同じ数字でも、設計はバラバラです
- 自分の区の制度を確かめる手順
- 都でも区でも出ない場合
- よくある質問
- 参考にした情報
先に結論——都に外壁塗装単独の助成はありません
①東京都に、外壁塗装だけを対象にした助成はありません
②都の制度で遮熱塗装が対象になるのは「断熱材の設置を行った部位に施工する場合」だけ
③その条件が「JIS K5602の規定による日射反射率(近赤外線波長領域)が50%以上」——この数字が23区にも出てきます
④建築士が無料で家に来る制度があります(戸建住宅省エネ等リフォームアドバイザー派遣)
⑤外壁塗装への助成は、区の制度です——そして区ごとに中身がまるで違います
「東京都の助成金」という一本の制度は存在しません。——あるのは、都の省エネ関係の制度と、23区それぞれの制度です。そして区の制度は、金額も、条件も、申請の時期も、業者の縛りも、ばらばらでした。隣の区の話を持ち込むと外れます。
都で遮熱塗装が対象になる、たったひとつの条件
東京都(クール・ネット東京)の「既存住宅における省エネ改修促進事業」に、遮熱塗装の扱いが書かれています。
遮熱塗装は対象になります。ただし条件があります。
「本事業において断熱材の設置を行った部位に遮熱塗装を施工」する場合で、
「JIS K5602の規定による日射反射率(近赤外線波長領域)が50%以上」の性能が必須。
(令和8年度 既存住宅における省エネ改修促進事業/クール・ネット東京)
「断熱材の設置を行った部位に」——ここが効いています。——遮熱塗装だけでは申請できません。その部位に断熱材を入れる工事をして、そのうえで遮熱塗装をする、という組み合わせが要ります。
つまり、外壁を塗り替えるだけでは都の助成は使えません。——「東京都の補助金で外壁塗装ができます」という説明を受けたら、断熱材の工事が入っているかを確かめてください。入っていなければ、その話は成り立ちません。
外壁に断熱材を入れる工事は、それ自体が大きい工事です。——外側から断熱材を張る外張り断熱にせよ、内側から入れるにせよ、塗り替えのついでにできる規模ではありません(外壁の張り替え)。建て替えに近いタイミングでの大規模改修を想定した条件だと読めます。
「近赤外線50%以上」の出どころ——JIS K5602
当サイトは23区を調べるなかで、同じ数字に何度も出会いました。
| 制度 | 条件の書き方 |
|---|---|
| 東京都(既存住宅における省エネ改修促進事業) | 「JIS K5602の規定による日射反射率(近赤外線波長領域)が50%以上」 |
| 杉並区 | 「日射反射率測定値が近赤外線領域において50%以上の塗料・塗料色」 |
| 世田谷区 | 「日射反射率(近赤外線)50パーセント以上を有する塗料」 |
| 足立区 | 「近赤外線領域における日射反射率が50%以上の塗料で塗装すること」 |
| 葛飾区 | 「日射反射率(近赤外線波長領域)が70%以上」——ここだけ70% |
| 品川区 | 「原則としてJISで定める試験法に基づき近赤外線領域における日射反射率50%以上」 |
| 江東区 | 2ルート——「JIS K5675(屋根用高日射反射率塗料)の規格を満たすもの」または「JIS K5602・JIS R3106で近赤外領域50%以上」 |
都と3区が、そろって50%です。——そして東京都だけが、その根拠を「JIS K5602」と書いています。
ただし例外が1つありました。——葛飾区だけが70%です。「かつしかエコ助成金」の高反射率塗装は「日射反射率(近赤外線波長領域)が70%以上(又は同等以上の性能)であること」としています。20ポイントの差は、選べる色の幅を大きく変えます——70%以上となると白やそれに近い明るい色が中心になります。
JIS K5602は「塗膜の日射反射率の求め方」を定めた日本産業規格です。——測り方が決まっているから、メーカーが出す数字を比べられる。だから行政が条件に使えるわけです。「遮熱塗料です」という言葉ではなく、規格に基づいた数値で判定するという仕組みになっています。塗装店に「この色でJIS K5602の近赤外線反射率が50%以上あるページを見せてください」と頼めば、対応できるかどうかで会社の力量も分かります(複数社に同じことを聞いて比べる)。
塗料を選ぶときは、この規格名を覚えておいてください。——カタログで「JIS K5602」「日射反射率(近赤外線)」という表記を探します。色ごとに数値が載っているのがふつうです(屋根の遮熱塗料を公式数字で比べる)。
杉並区は「塗料・塗料色」と書いていました。——同じ製品でも色によって反射率が変わるからです。濃い色を選ぶと50%を割ることがあります。色を決める前に確認してください。
反射率の証明が要る場面もあります。——杉並区はパンフレットで50%以上が分からない場合、第三者機関による性能証明書と色見本を求めていて、例として日本塗料検査協会、建材試験センター発行の試験結果報告書、環境省の環境技術実証事業(ETV事業)の実証済み技術一覧を挙げています。
既存住宅における省エネ改修促進事業——窓200万円・断熱材100万円
都の制度の本体は、窓と断熱材です。
| 対象 | 助成額 |
|---|---|
| 高断熱窓・ドア | 性能と大きさに応じた助成単価の合計(1,000円未満切り捨て) 1住戸あたり上限2,000,000円/防犯窓登録製品は3,000,000円 |
| 断熱材 | 助成対象経費の3分の1/1住戸あたり上限1,000,000円(国補助金額との比較で最小額) |
| 高断熱浴槽 | 1住戸あたり95,000円 |
窓で最大200万円。——区の制度とは桁が違います。杉並区の窓の断熱改修が合わせて15万円、世田谷区が1窓15,000円ですから、窓をやるなら都の制度を先に見るべきということになります。
そして「防犯窓登録製品なら300万円」という上乗せがあります。——断熱と防犯を兼ねた窓を選ぶと100万円増える設計です。
| 対象者 | 都内に住宅を所有する個人・法人及び管理組合(協同申請するリース事業者を含む) |
|---|---|
| 事前申込 | 令和8年5月29日から開始/契約締結が令和8年4月1日〜6月30日の場合の受付期限は令和9年3月31日 |
| 交付申請兼実績報告 | 令和8年6月30日〜令和11年3月30日 |
| 問い合わせ | 創エネ支援チーム 03-6737-5300(平日9:00〜17:00/12:00〜13:00除く) |
注意事項も見ておきます。——未使用品であること。新築住宅は対象外。他の同種助成金との重複受給禁止。そしてキャッシュバック利用時は対象経費から除外されます。
「キャッシュバックは対象経費から除外」は、覚えておく値打ちがあります。——業者から現金や商品券が戻ってくる形の値引きは、実質的な値引きとみなされて対象経費が減ります。兵庫県も同じ趣旨のことを書いていました——「業者からのキャッシュバックやクーポン券等での支払は実質的な値引きとみなされるため、補助対象外になります」。「補助金が出るぶんキャッシュバックします」という提案は、制度の趣旨と合いません。
建築士が無料で家に来ます——アドバイザー派遣
東京都には、お金ではなく人を出す制度があります。
「戸建住宅省エネ等リフォームアドバイザー派遣」
建築士が現地を訪問して、次の4つを行います。
①リフォーム意向と問題意識のヒアリング
②建物状況・設備の目視調査
③調査結果の説明
④省エネ化・再エネ化、バリアフリー化等の改修手法と各種補助制度情報の提供
費用は無料。
建築士が、工事を売る立場ではない第三者として来ます。——これは訪問販売で不安になった方や、複数社の見積もりを見ても判断できない方には、使う値打ちがあります(点検商法の見分け方)。「各種補助制度情報の提供」まで含まれているので、自分の区で何が使えるかを、その場で聞けます。
| 対象 | 耐震性を有する都内の戸建住宅、二世帯住宅等の長屋の所有者 |
|---|---|
| 「耐震性を有する」とは | 新耐震基準(昭和56年6月1日導入)による建築、または耐震改修・診断で同等以上の耐震性が確認されたこと |
| 費用 | 無料 |
| 申込先 | 一般社団法人東京都建築士事務所協会 050-3535-0299(9:00〜17:00/祝祭日・年末年始除く) |
| 実施期間 | 令和8年4月1日〜令和9年3月31日(予定件数到達時点で終了) |
ひとつ、注意書きがあります。——「昭和56年6月1日から平成12年5月31日に着工した2階建以下の木造住宅は耐震性確認が必要な場合あり」。
ここでも2000年(平成12年)5月31日という日付が出てきます。——新耐震基準ではあるけれど、2000年の改正前に建った家という層です。この層は、いま築26年から45年。外壁塗装を2回目・3回目と考える時期の家がそのまま入ります(築30年の家の外壁)。
そして各区も、それぞれ相談窓口を持っています。——杉並区は区役所1階ロビーで毎週月・金の13時〜16時、無料・予約不要の「住宅増改築無料相談」。世田谷区は世田谷区住宅相談連絡協議会(03-3413-3046)が区内事業者を紹介。江戸川区は区内の建築組合を通じて工務店を紹介しています。
都の補助金検索——対象設備に「塗装」はありません
東京都は「東京都省エネ・再エネ住宅推進プラットフォーム」というサイトで、補助金を検索できるようにしています。——ここに都の事業が33件載っています。
絞り込みの条件を見ると、都の考え方が分かります。
| 物件種別 | 新築/リフォーム、戸建/集合住宅、分譲/賃貸 |
|---|---|
| 対象設備 | 断熱材/窓・ドア/給湯器/節湯水栓/浴槽/冷暖房/LED照明/太陽光発電等・蓄電池/EV充電器・V2H/木材の利用/診断・設計等/開発・技術支援 |
| 助成方法 | 補助金・ポイント/アドバイザー派遣/税制/その他 |
「対象設備」の12項目に、塗装がありません。——断熱材はあるが、塗装は無い。これが東京都の立ち位置です。都が支援しているのは「断熱性能を上げる工事」であって、「外壁を塗り替える工事」ではありません。
このサイトは、都の補助金だけを扱っています。——ただしページ下部に「国の補助金」「区市町村の補助金」へのリンクがあります。都・国・区市町村の3つを1か所から辿れるので、調べ始めるときの入口としては便利です。
ただし、リンク先の情報がその区の最新とは限りません。——金額と期限は、必ず区の公式ページで取り直してください。年度替わりに条件が変わります。
都が「太陽光を載せる前に、屋根の塗り替え時期を説明せよ」と求めています
東京都の「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」に、外壁塗装の記事として見逃せない一文がありました。
都は既存住宅に太陽光発電設備を設置する場合について、事業者に対し「屋根の塗装や葺き替えなどメンテナンスの時期等、施主に丁寧な説明を行っていただくよう」求めています。
(東京都環境局 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業)
これは、太陽光を載せると屋根が塗りにくくなるという問題を、都が制度の中で扱っているということです。
屋根にパネルを載せると、その下は塗れません。——塗り替えるにはパネルを一度外すことになり、脱着の費用がかかります。そしてスレート屋根の塗り替え周期は10年前後、太陽光パネルの寿命は20年以上とされています。順番を間違えると、パネルの下だけ傷んだ屋根が残ります(太陽光パネルと屋根塗装)。
だから順番は「先に塗る、あとで載せる」です。——屋根を塗り替えてから太陽光を設置すれば、次の塗り替えまでの時間を最大限に使えます。都が「メンテナンスの時期等、施主に丁寧な説明を」と求めているのは、設置業者が説明せずに載せてしまう例があるということでしょう。
すでにパネルが載っている家の場合は、世田谷区の制度が参考になります。同区の屋根の高反射改修は「太陽光発電システム、太陽熱ソーラーシステム及び太陽熱温水器の設置箇所を除く全面の施工」を条件にしていて、パネルの下は除いてよいと明記しています。
都のほかの制度——省エネ診断・設計、断熱・太陽光
東京都は、住宅関係の補助を33件持っています。塗装に直接関わらないものも含めて、主なものを挙げます。
| 事業 | 内容 |
|---|---|
| 既存住宅における省エネ改修促進事業 (クール・ネット東京) | 高断熱窓・ドア(上限200万円/防犯窓は300万円)、断熱材(1/3・上限100万円)、高断熱浴槽(95,000円)。断熱材を入れた部位への遮熱塗装が対象になる唯一の枠 |
| 令和8年度 東京都既存住宅省エネ診断・設計等支援事業 | 省エネ診断=診断費用、既存住宅のBELS取得費用等/省エネ設計等=改修のための調査、設計、計画に係る費用、工事監理費用、改修後のBELS取得費用等 受付:令和8年4月1日〜令和9年3月31日/実績報告は令和9年3月15日必着 対象:住宅の所有者(共同住宅の区分所有者含む)、管理組合、売買契約済みで所有権移転前の者も可 東京都住宅政策本部 民間住宅部 計画課 03-5320-5459 |
| 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業 | 太陽光発電システム、断熱改修(高断熱窓・ドア・浴槽、断熱材)、戸建住宅向けV2H、蓄電池、エコキュート・ハイブリッド給湯器、太陽熱・地中熱利用システム、分譲マンション向けエコジョーズ・エコフィール 令和8年度は令和9年3月31日までに事前申込 |
| 戸建住宅省エネ等リフォームアドバイザー派遣 | 建築士の無料派遣(上で説明) |
「省エネ診断・設計等支援事業」は、塗装の前段として使える可能性があります。——改修のための調査・設計・計画の費用が対象なので、「どこをどう直すべきか」を専門家に見てもらう段階を支援する制度です。外壁塗装だけを考えている方には直接関係しませんが、断熱改修まで含めて考えるなら入口になります。
当サイトが一次情報で調べた10区
ここからが本題です。——当サイトは23区のうち10区について、区の公式ページ・要綱・パンフレットPDFを読んで調べました。その結果を並べます。
| 区 | 外壁塗装 | 金額 | 塗料の条件 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 杉並区 | 対象 | 20%・上限15万円 (屋根と合わせて) | 近赤外線50%以上の塗料・塗料色 | 足場設置費・養生費・高圧洗浄費も対象経費/カバー工法は対象外/事後申請/残額を公開(8/18時点27.40%) |
| 大田区 | 対象 | 10%・上限20万円 (A・B各20万で最大40万) | 条件なし | 区が標準工事費を公表(外壁の塗装7,000円/㎡)/業者は区内に本社かつ本社と契約・1社のみ/足場設置も工事のうち |
| 足立区 | 対象(遮熱塗装) | 3分の1・上限5万円 | 近赤外線50%以上 | 遮熱塗装は戸建て住宅のみ/「工事費一式」「諸経費」は対象経費に含まない/令和8年8月21日に受付終了 |
| 世田谷区 | 令和8年度から対象外 | 屋根のみ7万円/1棟 | 近赤外線50%以上 | 区が「重要なお知らせ」で「④住宅の外壁改修(外壁塗装)」を対象外と明記/事前登録が必須/後期は10月1日から |
| 板橋区 | 助成なし | — | — | 業者の登録名簿を公開し「必ず複数社から見積書をお取りください!!」/子育て世帯リフォーム支援は上限50万円だが対象は「子どもの安全」20項目 |
| 江戸川区 | 助成なし | — | — | 区が「外壁塗装等のリフォームの助成金制度はありません」と明記/融資あっせんで金利を一般2.0%→優遇0.9%に |
| 葛飾区 | 対象 | 一律5万円(屋根等又は壁) 一律10万円(屋根等及び壁) | 近赤外線70%以上 | 23区で唯一の70%/定額/着工4週間前に事前協議+回答書待ち3〜4週間/完了報告に空き缶の写真/築1年以上 |
| 品川区 | 対象 | 10%・20万円(区民) 10%・100万円(管理組合・賃貸オーナー) | 原則50%以上 | 賃貸オーナー枠が23区最大/一部だけの施工でも可/ベランダも対象/令和8年度に所得要件撤廃・国都との併用可に/「現場に搬入した資材」の写真 |
| 江東区 | 対象外 (屋根・屋上・ベランダのみ) | 施工面積1㎡あたり1,000円・上限20万円 | JIS K5675または50%以上 | 「立ち上がり、壁面は助成対象外」/面積は申請者が算出表を作成(天窓は除く・cm単位)/種類ごとに5年に1回 |
| 練馬区 | 助成なし | — | — | 詳細は個別ページへ |
残る13区は、当サイトではまだ一次情報で確認していません。——「無い」とも「ある」とも書きません。まとめサイトには23区すべての一覧が載っていますが、年度が変わって条件が変わっていることがあります。
実例があります。——世田谷区は令和8年度から外壁塗装を対象外にしました。それでも検索結果には「世田谷区は外壁塗装に最大7万円」と書いたページがいくつも残っていました。令和7年度までは、そのとおりだったからです。
23区外の26市も、それぞれ違います
東京都は23区だけではありません。——八王子・立川・武蔵野・三鷹・府中・調布・町田・小平・日野・西東京など26の市と、町村があります。ここも区と同じく、市ごとに制度が違います。
一次情報で確認できた例を1つ挙げます。
「注記:府中市では、住宅の外壁塗装(遮熱塗装を含む)・屋根の補修・内装の模様替えなど、一般的なリフォームに対する助成制度はありません。」
(府中市「リフォームや良質な住まいづくりなどに関する情報」)
「(遮熱塗装を含む)」と括弧書きされているのが、この一文の親切なところです。——「遮熱塗料なら出るのでは」と考える人がいることを、市が分かっている書き方です。府中市では遮熱でも出ません。
府中市には「エコハウス設備設置費助成金交付事業」があります。——ただし自然エネルギーの有効活用を促進するための制度で、設備が対象です。塗装は入っていません。
23区外にお住まいの方も、調べ方は同じです。——市の公式サイトで「リフォーム 助成」「省エネ 助成」を検索し、担当課を環境系と住宅系の2系統で探し、PDFまで開く。この手順は区でも市でも変わりません(下の確かめる手順)。
そして東京都の制度は、23区でも26市でも同じように使えます。——建築士の無料派遣も、既存住宅における省エネ改修促進事業も、対象は「都内」です。制度が無い市でも、工事費そのものは複数社の見積書を比べれば下がります。
支援には3つの型があります——お金・名簿・金利
7区を並べると、「助成金が無い区は何もしていない」という見方が正しくないことが分かります。
| 型 | 区 | やっていること |
|---|---|---|
| お金を出す | 杉並・大田・足立・世田谷・葛飾・品川・江東 | 工事費の10〜33%を助成(上限5万〜20万円) |
| 業者情報を出す | 板橋 | 登録名簿を公開(建設業の許可番号・従業者数・請負件数・見積作成費用まで)+「必ず複数社(2者以上)から見積書をお取りください」 |
| 金利を下げる | 江戸川 | 融資あっせんで一般2.0%/優遇0.9%。200万円を10年で借りると差は約11.6万円 |
江戸川区の金利差11.6万円は、杉並区の助成上限15万円に近い額です。——借りる前提なら、助成が無い区のほうが有利になることもあるということになります(外壁塗装でローンは組めるか)。
板橋区の名簿は、金額の話ではありませんが実用的です。——登録の条件が「区内に本店・支店・営業所」「事業実績3年以上」「建設業の許可か建築士などの資格保有者が在籍」「税の滞納なし」で、そこまでは区が確かめています。ただし区自身が「掲載内容は、各事業者の申出に基づくものです」「区では、あっせんや調停及び仲裁は行いません」と書いているので、お墨付きではありません。
3つの型に共通していることがあります。——どの区も、業者選びを心配しています。板橋区は名簿と「複数社から見積書を」、江戸川区は工務店の紹介、杉並区は区役所1階の無料相談、世田谷区は住宅相談連絡協議会。そして東京都は建築士を無料で派遣する。
行政がここまで同じことをしているのは、それだけトラブルが多いからだと読めます(塗装業者の選び方)。
同じ数字でも、設計はバラバラです
「近赤外線50%以上」という条件は、杉並・世田谷・足立の3区で共通していました。——ですが、そこから先の作りは驚くほど違います。
| 論点 | 区によって、こう分かれます |
|---|---|
| カバー工法 | 世田谷区は対象(屋根材が50%以上なら可)/杉並区は「カバー工法、重ね葺き等は対象外」——正反対 |
| 申請の時期 | 杉並区は事後申請(工事と支払いの完了後)/世田谷区は事前登録が必須/大田区・足立区は着工前(足場を組んだ時点で着工) |
| 足場代 | 杉並区は「仮設工事費(足場設置費、養生費)」が対象経費/足立区は「工事費一式」「諸経費」を対象外と名指し |
| 業者の縛り | 大田区は「区内に本社」かつ「本社と契約」かつ「1社で全書類」/世田谷区は「区内に店舗、営業所など」/杉並区は記載を確認できず |
| 残額の公開 | 杉並区は数字で公開(申込率27.40%)/世田谷区は「お答えできかねます」 |
| 塗る範囲 | 世田谷区は「全面の施工」が条件(太陽光パネル等の設置箇所は除く)/杉並区は全面の指定を確認できず |
「東京都の外壁塗装助成」という一般論は、成り立ちません。——自分の区の要綱を読むしかないということです。そして要綱は、区のホームページのPDFの中にあります。ページの本文だけでは、こうした条件は出てきません。
自分の区の制度を確かめる手順
当サイトが23区を調べるときに使っている手順を、そのまま書きます。
| 1 | 区の公式サイトで検索する——「リフォーム 助成」「省エネ 助成」「エコ住宅」「高日射反射率」など。まとめサイトではなく区のサイトで |
|---|---|
| 2 | 担当課を2系統で探す——環境系(環境課・気候危機対策課・ゼロカーボン推進課・環境政策課)と住宅系(住宅政策課・建築調整課・まちなみ景観課)。塗装の助成は環境系にあることが多い |
| 3 | PDFを開く——「申請の手引き」「パンフレット」「要綱」。金額の条件も、対象外の工事も、写真の撮り方も、PDFの中にあります |
| 4 | 年度を確かめる——「令和8年度」と書いてあるか。去年のページが残っていることがあります |
| 5 | 受付状況を見る——先着順なら、もう終わっていることがあります(足立区は令和8年8月21日に終了) |
| 6 | 迷ったら電話する——制度名と、自分の工事内容を伝えて聞くのがいちばん早い |
まとめサイトの一覧は「探す道具」として使ってください。——どの区に何がありそうか、の当たりを付けるには便利です。ですが金額と期限は、必ず区の公式ページで取り直してください。
当サイトも同じことをしています。——ポータルの一覧で当たりを付けて、区の公式ページとPDFで全部確かめ直す。そのうえで、確かめられなかったことは「確認できませんでした」と書くようにしています。
都でも区でも出ない場合
助成が出ない、あるいは出ても10%——という前提で考えてください。——120万円の工事で15万円戻っても、105万円は自分で払います。だから金額を決めるのは、助成ではなく見積もりです。
いちばん効くのは、同じ条件で複数社に出してもらうことです。——「外壁塗装一式 120万円」では、2社を並べても比べられません。外壁◯㎡、屋根◯㎡、付帯部◯m、足場◯㎡。数量が入っているかどうかを見てください(塗装面積の出し方/同じ条件で複数社に出してもらう)。
大田区の数字が、物差しとして使えます。——区が定めた標準工事費は外壁の塗装7,000円/㎡、屋根の塗装7,000円/㎡、雨どいの改修7,000円/mです。外壁120㎡なら84万円という計算になります。
ただしこれは大田区が助成の算定に使う上限金額であって、市場の相場ではありません。——塗料のグレード、下地の傷み、足場の組みにくさで変わります。出発点の数字として見てください。
東京都内は、住宅が密集した地域が多い土地です。——隣家との距離が近いと、足場の組み方と飛散防止の手間が変わります。見積書の足場代が他社と大きく違うときは、その理由を聞いてください(費用の内訳と足場代/足場なしと言われたら)。大田区の羽田・大森や江戸川区の臨海部など、海に近い地域では塩害も考える必要があります(塩害地域の外壁塗装)。
塗料のグレードでも変わります。——シリコンとフッ素では初期費用も持ちも違います。助成の条件で「近赤外線50%以上」が要る区では、そのなかから選ぶことになりますが、そこでもグレードの幅があります(塗料の選び方/条件を入れて概算を出す)。
「東京都の助成金が使えます」と言われたら、制度名を聞いてください。——東京都に外壁塗装だけを対象にした助成はありません。都の制度で遮熱塗装が関わるのは「断熱材の設置を行った部位に施工する場合」だけです。区の話なら、どの区のどの制度かを確かめてください。そしてその区に本社(または営業所)があるか、申請の時期は事前か事後か——ここまで答えられる相手かどうかで、話の確かさが分かります。
よくある質問
東京都で、外壁塗装に助成金は出ますか?
東京都自身に、外壁塗装だけを対象にした助成はありません。都の補助金検索の対象設備は断熱材/窓・ドア/給湯器/節湯水栓/浴槽/冷暖房/LED照明/太陽光発電等・蓄電池/EV充電器・V2H/木材の利用/診断・設計等/開発・技術支援で、塗装は入っていません。ただし区市町村には外壁塗装が対象の制度があります。
都の制度で遮熱塗装が対象になることはありますか?
あります。クール・ネット東京の「既存住宅における省エネ改修促進事業」で、断熱材の設置を行った部位に遮熱塗装を施工する場合です。JIS K5602の規定による日射反射率(近赤外線波長領域)が50%以上の性能が必須とされています。
遮熱塗装だけで申請できますか?
できません。あくまで「本事業において断熱材の設置を行った部位に」施工する場合が条件です。外壁に断熱材を入れて、その部位に遮熱塗装をする、という組み合わせになります。
「近赤外線50%以上」という数字はどこから来ていますか?
JIS K5602という日本産業規格です。都の制度が「JIS K5602の規定による日射反射率(近赤外線波長領域)が50%以上」と明記しています。杉並区・世田谷区・足立区の制度も同じ50%を使っていて、測定方法が定まっているため数字がそろっていると考えられます。
既存住宅における省エネ改修促進事業はいくら出ますか?
高断熱窓・ドアが1住戸あたり上限200万円(防犯窓登録製品は300万円)、断熱材が助成対象経費の3分の1・1住戸あたり上限100万円、高断熱浴槽が1住戸あたり95,000円です。
その事業の申請期間はいつですか?
事前申込は令和8年5月29日から開始で、契約締結が令和8年4月1日から6月30日の場合の受付期限は令和9年3月31日です。交付申請兼実績報告は令和8年6月30日から令和11年3月30日までとされています。
東京都の無料アドバイザー派遣とは何ですか?
「戸建住宅省エネ等リフォームアドバイザー派遣」です。建築士が現地を訪問し、リフォーム意向のヒアリング、建物状況・設備の目視調査、調査結果の説明、省エネ化・再エネ化・バリアフリー化等の改修手法と各種補助制度の情報提供を行います。費用は無料です。
アドバイザー派遣は誰でも使えますか?
耐震性を有する都内の戸建住宅、二世帯住宅等の長屋の所有者が対象です。「耐震性を有する」とは新耐震基準(昭和56年6月1日導入)による建築、または耐震改修・診断で同等以上の耐震性が確認されたことを指します。昭和56年6月1日から平成12年5月31日に着工した2階建以下の木造住宅は、耐震性の確認が必要な場合があります。
アドバイザー派遣はどこに申し込みますか?
一般社団法人東京都建築士事務所協会です。電話は050-3535-0299(9時から17時、祝祭日・年末年始を除く)。実施期間は令和8年4月1日から令和9年3月31日で、予定件数に到達した時点で終了します。
23区のどこに外壁塗装の助成がありますか?
当サイトが区の公式情報で確認したのは10区です。杉並区(20%・上限15万円)、大田区(10%・上限20万円)、足立区(3分の1・上限5万円)で外壁塗装が対象、世田谷区は屋根のみ7万円(外壁は令和8年度から対象外)。板橋区・江戸川区・練馬区には外壁塗装への助成が見当たりませんでした。
いちばん条件が良いのはどの区ですか?
当サイトが調べた範囲では、外壁塗装が対象で金額が大きいのは杉並区(20%・上限15万円・足場代も対象経費)と大田区(10%・上限20万円・A/B合わせて40万円)です。ただし杉並区は近赤外線50%以上の遮熱塗料が条件、大田区は塗料の条件が無いかわりに業者の条件が厳しい、という違いがあります。
助成金が無い区は、何もしていないのですか?
そうではありません。板橋区は業者の登録名簿を公開して「必ず複数社から見積書をお取りください!!」と呼びかけ、江戸川区は融資あっせんで金利を一般2.0%から優遇0.9%に下げています。お金を出す以外の支援の形があります。
区の制度はどうやって調べればいいですか?
区の公式サイトで「リフォーム 助成」「省エネ 助成」「エコ住宅」などを検索するのが確実です。担当課は環境系(環境課・気候危機対策課・ゼロカーボン推進課など)と住宅系(住宅政策課・建築調整課など)に分かれています。まとめサイトの一覧は探す道具として使い、金額と期限は必ず区の公式ページで取り直してください。
去年の情報が残っていることはありますか?
あります。世田谷区は令和8年度から外壁塗装を補助対象外にしましたが、検索結果には「世田谷区は外壁塗装に最大7万円」と書いたページがいくつも残っていました。年度が変わると制度も変わります。
国の制度は使えますか?
「住宅省エネ2026キャンペーン」(国土交通省・経済産業省・環境省)がありますが、外壁塗装そのものは対象外です。窓の断熱改修などが中心になります。都の制度と国の制度の併給については、それぞれの窓口で確認してください。
都と区の制度は併用できますか?
区によります。世田谷区は「国や東京都の補助制度と併用が可能です」、大田区は「国や都の助成と併願は可能です」としています。ただし「国や東京都の補助制度側で併用が認められているかどうかについては、それぞれの窓口でご確認ください」(世田谷区)という注意も付いています。
マンションでも使えますか?
都の既存住宅における省エネ改修促進事業は「都内に住宅を所有する個人・法人及び管理組合」が対象です。区の制度では、杉並区が分譲マンションの共用部について管理組合または管理者の申請を認めています。大田区は共同住宅の場合の按分方法を示しています。
「東京都の助成金が使えます」と言われました
制度名を聞いてください。東京都に外壁塗装だけを対象にした助成はありません。都の制度で遮熱塗装が関わるのは「断熱材の設置を行った部位に施工する場合」だけです。区の制度の話なら、どの区のどの制度かを確かめてください。
参考にした情報
- クール・ネット東京(東京都地球温暖化防止活動推進センター)「令和8年度 既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材・浴槽)」/創エネ支援チーム 03-6737-5300
- 東京都住宅政策本部「戸建住宅省エネ等リフォームアドバイザー派遣」/申込:一般社団法人東京都建築士事務所協会 050-3535-0299/民間住宅部計画課脱炭素化施策推進担当 03-5320-5459
- 東京都省エネ・再エネ住宅推進プラットフォーム「補助金検索【東京都の補助金】」
- 各区の公式ページ・要綱・パンフレット(杉並区/大田区/足立区/世田谷区/板橋区/江戸川区/練馬区/葛飾区/品川区/江東区)
本ページは2026年9月2日時点で東京都および各区が公開している情報をもとにまとめたものです。当サイトが区の公式情報で確認したのは23区のうち10区で、残りの区については一次情報での確認を行っていません。制度は年度ごとに変わり、先着順のものは受付状況が日々動きます。申請の前に、必ず東京都および各区の最新のページと要綱をご確認ください。