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外壁塗装の完了検査——「一緒に見せてください」は、施主から言う
工事が終わったあと、業者と施主が一緒に建物を見て回る——そういう場面を想像しているなら、先にお伝えしておきます。戸建ての塗り替えでは、それが普通というわけではありません。「終わりました」で引き渡されることのほうが多いはずです。ただし、施主から「一緒に見せてください」と言えば、たいていは応じてもらえます。——そして言うタイミングが肝心です。
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このページの内容
- 先に結論
- 業者から誘われるとは限りません
- 言うタイミング——足場を外す前です
- 素人でも分かる、見る場所
- ピンホールと色ムラ——見つけたらどうするか
- 「塗料の厚みを測ってほしい」は難しい
- 工事の途中で、見ておくといい場面
- 気になる所があったときの伝え方
- 書類も受け取ってください
- 本当は、契約のときに決まっています
- よくある質問
先に結論
🔑①一緒に見て回るのは、業者から誘われるとは限りません——施主から言ってください
🔑②言うのは「足場を外す前」です——外したあとだと、直すのに足場を組み直す話になります
③素人でも分かる場所があります——塗り残し、養生の跡、色ムラ、付帯部
④本当は、契約のときに決めておく話です——建設業法でも書面の記載事項に挙がっています
難しい知識は要りません。——「一緒に見せてください」と言えるかどうか。それだけで、あとの安心がかなり変わります。
業者から誘われるとは限りません
まず、実際のところを書きます。——戸建ての外壁塗装で、「では一緒に確認しましょう」と業者から声をかけてくるのが当たり前、というわけではありません。足場を外し、片付けをして、「終わりました」で引き渡し——という流れも、珍しくありません。
これは、手を抜いているという意味ではありません。——そういう進め方が定着しているというだけのことです。
🔑だから、施主から言ってください。
「足場を外す前に、一緒に見せてもらえますか」
——これで、たいていは応じてもらえます。断る理由が、まっとうな工事の側にはありません。
言い出しにくいと感じる方もいるはずです。——「疑っていると思われないか」と。
そこは心配しなくて大丈夫です。——そもそも見積もりの段階で複数社に聞いておけば、「見せてもらえる会社」を選んだうえで契約できます。——自分の家がどう仕上がったかを見たい、というのは自然なことです。むしろ、職人さんにとっては「見てもらえる」ほうが張り合いがあるという面もあります。疑うためではなく、見るために言ってください。
言うタイミング——足場を外す前です
ここが、このページでいちばん大事なところです。
| タイミング | 何が起きるか |
|---|---|
| 🔑足場を外す前に見る | 🔑気になる所があれば、その場で直してもらえます。2階の壁や屋根まわりも、足場の上から近くで見られます |
| 🔴足場を外したあとに見つける | 🔴直すのに、足場を組み直す話になります。費用も日程も、話が大きくなります(足場代の考え方) |
足場は、外してしまえばもう戻せません。——正確には、戻すのにお金がかかります。そして2階の壁は、地上から見上げても細かいところまでは見えません。
💡だから、伝えるのは工事の途中で構いません。——「足場を外す日が決まったら教えてください。その前に一度見たいので」。これだけです。着工前の打ち合わせで言っておくのが、いちばん確実です。
足場の上に登る必要はありません
誤解のないように書いておきます。——施主が足場に登るのは危険ですし、通常は認められません。
見るのは、地上からです。——ただし足場があるうちなら、業者に「あそこを近くで見てもらえますか」と頼めます。職人さんが上から写真を撮って見せてくれることもあります。——これが足場のあるうちにしかできないことです。
素人でも分かる、見る場所
専門的な判断は要りません。——「言われてみれば分かる」場所を挙げます。
| 見る場所 | 何を見るか |
|---|---|
| 🔑色のムラ | 🔑光の当たり方を変えて見てください。正面から見て気にならなくても、斜めから見るとムラが分かることがあります。——⚠️艶を消したタイプの塗料は、ムラが目立ちやすい傾向があります(艶の選び方) |
| 🔑ピンホール | 🔑塗膜にできる、針で刺したような小さな穴です。——近くで、斜めから光を当てるように見ると分かります。点々と並んでいたら、その面を業者に見てもらってください |
| 🔑塗り残し | 🔑隅、狭い所、雨樋の裏、配管まわり。——手が入りにくい場所ほど、残りやすいです |
| 養生を外した跡 | テープを貼っていた線が残っていないか。窓枠、サッシまわり、玄関ドアのふち |
| 🔑付帯部 | 🔑雨樋、軒天、破風、水切り、雨戸。——壁ばかり見て、ここを見落とす人が多いです(付帯部) |
| 付いてはいけない所の塗料 | 窓ガラス、サッシ、給湯器、エアコンの配管、インターホン、表札、玄関の床 |
| ドアや窓の動き | 開け閉めしてみてください。塗料で動きが渋くなっていないか |
| 目地(シーリング) | 打ち替えたなら、まっすぐ入っているか、途切れていないか(シーリング) |
| 足元と敷地 | 塗料の垂れ、飛び散り。駐車場のコンクリート、玄関ポーチ、庭の敷石 |
| 庭・植木 | 養生で覆われていた植木の状態(庭の植木) |
| 近隣に迷惑がかかっていないか | 隣家の車、フェンス、駐車場に何か付いていないか(工事中の音と近隣) |
この10個を見て回るだけで、20分もかかりません。——そして、こうした確認に気持ちよく応じる会社かどうかは、見積もりの段階で分かります。——そして、たいていは何も見つかりません。それでいいのです。「見た」という事実が、そのあとの安心になります。
💡晴れた日の日中に見てください。——夕方や曇りの日は、色ムラが分かりにくいです。そして可能なら、家族にも一緒に見てもらってください。自分では気づかない所を、他人は見つけます。
ピンホールと色ムラ——見つけたらどうするか
ピンホール
塗膜にできる、針で刺したような小さな穴のことです。——点々と並んで出ることがあります。
見つけ方は、近くで斜めから見ること。——正面から見ても分かりにくいのですが、光の角度を変えると影が出て見えてきます。
見つけたら、業者に見てもらってください。——「ここ、小さい穴が並んでいるように見えるのですが」。これで伝わります。断定しないほうが、話がこじれません。
💡ピンホールが出る原因はいくつかあります。——下地の状態、塗ったときの気温や湿度、乾燥の具合、塗り方。ひとつの原因に決まるものではないので、「なぜ出たか」を追及するより、「どう直すか」を相談するほうが早いです。
色ムラ
ムラに見える原因も、ひとつではありません。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 乾燥の途中 | 完全に乾く前は、ムラに見えることがあります。時間をおいて見直すと揃っていることも |
| 🔑艶の種類 | 🔑艶を消したタイプの塗料は、ムラが目立ちやすい傾向があります。艶ありのほうが均一に見えやすい——これは選ぶ段階の話でもあります(艶の選び方) |
| 調色(色を作ること) | 標準の色ではなく、指定した色を作ってもらう場合、仕上がりの見え方に差が出ることがあります |
| 光の当たり方 | 面によって日の当たり方が違うので、同じ色でも違って見えます。北面と南面を並べて比べても意味がありません |
だから、判断は「同じ面の中で差があるか」で見てください。——面ごとの違いは、光の条件が違うので当然です。一つの壁の中で、明らかに濃い所と薄い所があるなら、それは伝えていいと思います。
「塗料の厚みを測ってほしい」は難しい
調べていると「膜厚(まくあつ)」という言葉が出てきます。——塗った塗料の厚みのことです。「これを測ってもらえば、手抜きが分かるのでは」と考える方もいるはずです。
結論から言えば、戸建ての塗り替えで膜厚を測るのは、一般的ではありません。——測るための道具は存在しますし、測ろうと思えば測れます。ただし通常の住宅の塗り替えで、それが行われることはまずありません。
⚠️検索すると出てくる詳しい検査項目の話は、多くが公共工事や大規模な建築の話です。——公共工事には細かい仕様書があり、検査の方法も定められています。ですがそれは、戸建ての塗り替えでそのまま頼めるという意味ではありません(手抜き工事のページでも触れています)。
では、何で判断するのか
施主にできるのは、工事中に見ておくことです。——終わってから測るのではなく、途中を見る。
- 洗浄のあと、下塗りの前に一度見る——汚れが落ちているか
- 各工程の写真をもらう——下塗り・中塗り・上塗りの記録があるか
- 使った塗料の缶を見せてもらう——契約した製品と同じか
この3つは、頼めば応じてもらえるはずです。——特に「工程ごとの写真」は、多くの会社が普通に撮っています。契約のときに「写真をいただけますか」と言っておけば確実です。
手を抜くとどこに出るのか、何を見れば分かるのかは、手抜き工事の見分け方にまとめています。——完了検査で見るより、工事中に見るほうが確実です。
工事の途中で、見ておくといい場面
終わってから見るより、途中を見るほうが分かります。——とはいえ、毎日見張る必要はありません。3つの場面だけで十分です。
| 場面 | 見ること |
|---|---|
| 🔑①高圧洗浄が終わったあと | 🔑汚れやコケが落ちているか。——汚れの上から塗れば、早く剥がれます(剥がれる原因)。洗ったあとの壁を見ておくと、下地の状態も分かります |
| 🔑②下地補修が終わったあと | 🔑ひび割れをどう処理したか。——塗ってしまえば見えなくなる部分です(ひび割れ)。写真を撮ってもらってください |
| ③足場を外す前 | 仕上がりの確認。——このページの本題です |
①と②は、塗ってしまえば二度と見られません。——だからこそ、写真が残っているかどうかが効いてきます。
💡在宅していなくても構いません。——「洗浄が終わったら写真を送ってください」「補修した所の写真をください」と頼んでおけば済みます。今はスマートフォンで撮って送るだけなので、負担にもなりません。——これを嫌がる会社は、まずないはずです。
毎日見に行く必要はありません
職人さんが作業している横で、ずっと見ている必要はありません。——かえってお互い気を遣います。
朝や夕方、作業が始まる前や終わったあとに、ぐるっと一周する——それで十分です。「今日はここまで進みました」と声をかけてもらえる関係になれば、なお良いと思います。
気になる所があったときの伝え方
見つけたら、その場で言ってください。——あとから電話するより、はるかに話が早いです。
| 言い方 | |
|---|---|
| 塗り残しを見つけた | 「ここ、塗り残しでしょうか」——断定せず、確認する形で。影や下地の色の可能性もあります |
| 色ムラが気になる | 「この面、光の加減でムラに見えるのですが、乾けば揃いますか」——乾燥の途中でそう見えることもあります |
| 付いてはいけない所に塗料 | 「サッシに付いているようなので、落としていただけますか」——これは頼んでいいことです。🔑溶剤で拭き取ってもらえますので、その場で対応してもらえることがほとんどです |
| その場で判断できない | 「写真を撮っておいて、あとでご相談してもいいですか」——記録を残すのが大事 |
強く出る必要はまったくありません。——ほとんどの場合、その場で直してもらえます。職人さんも、指摘されて直すのは仕事のうちです。
⚠️それでも話が進まないときは、記録を残してください。——写真、日付、誰に何を言ったか。そして契約書の「検査」と「担保責任」の条項を読み返してください(契約書の見方)。解決しない場合は、消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターにつながります(トラブルの相談先)。
書類も受け取ってください
見て回るだけでなく、紙も受け取ってください。——次の塗り替えのときに、これが効きます。
| 受け取るもの | なぜ |
|---|---|
| 🔑保証書 | 🔑何年、何が対象、誰が保証するのか。「保証あり」だけでは分かりません。——⚠️外壁塗装の保証は、基本的に施工した会社が独自に出すものです。塗料メーカーが保証しているわけではありません。——ただし認定を受けた施工店が、指定の塗料を使った場合に、メーカーが関わる保証が出る仕組みも存在します(保証の読み方) |
| 🔑工程ごとの写真 | 🔑下塗り・中塗り・上塗りの記録。下地補修をした箇所の記録も |
| 使った塗料の記録 | 製品名と色番号。——次に塗るとき、部分補修するときに役立ちます |
| 請求書・領収書 | 金額の記録。助成金を申請するなら必須です(助成金の診断) |
| 契約書の控え | まだ受け取っていなければ、このときに(契約書の見方) |
そして、まとめて1つの場所に保管してください。——10年後、次の塗り替えのときに探すことになります。そのとき「何を塗ったか分かる家」であることが、次の工事を楽にします(2回目の外壁塗装/中古住宅の場合)。
本当は、契約のときに決まっています
ここまで「施主から言ってください」と書いてきましたが、本来は契約の段階で決めておく話です。
請負契約の書面に記載すべき事項として——
「注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期」
「注文者が確認するための検査」——施主が確認するための検査だと、条文に書かれています。そして「時期及び方法」を書面に記載すべき事項として挙げています。
だから、契約のときにこう言えます。
「完了の確認は、足場を外す前に一緒に見る形にしていただけますか。契約書にもそう書いていただけると助かります。」
——これで、あとから言い出す必要がなくなります。
この一言を言えるかどうかで、工事の終わり方が変わります。——そして、この提案にどう答えるかで、その会社の姿勢も見えます(業者選び)。
よくある質問
完了検査は無料ですか?
一緒に見て回ること自体に、費用がかかるのが普通ではありません。——工事の一部だからです。ただし「第三者の検査機関に見てもらう」となれば、別の話です。そういうサービスを頼めば費用が発生します——戸建ての塗り替えで、そこまでする方は多くありません。
第三者に検査してもらったほうがいいですか?
選択肢としてはありますが、戸建ての塗り替えで一般的とは言えません。——費用と手間に見合うかどうかです。それよりも、契約前に複数社を比べて、信頼できる会社を選ぶほうが現実的だと考えています(相見積もりの取り方)。検査でおかしな所を見つけるより、最初からきちんとやる会社に頼むほうが確実です。
引き渡しのあとに気づきました。直してもらえますか?
まず業者に連絡してください。——保証の対象になる可能性があります。ただし足場が必要な高さの場合、話が大きくなるのは事実です。だから足場を外す前に見ることが大事なのです。連絡するときは、写真と日付を添えてください(保証の対象)。
雨の日に完了検査をしても分かりますか?
晴れた日をおすすめします。——濡れていると色が濃く見えて、ムラが分かりにくいです。そもそも雨の日は塗装作業ができないので、工程が延びていることもあります(工程と工期)。「晴れた日に見たいので、日を合わせられますか」と言って構いません。
屋根も一緒に確認できますか?
地上からは見えないので、業者に写真を撮ってもらってください。——足場があるうちなら、屋根まわりも近くから撮れます。「屋根の写真も見せてください」と頼んでおくと確実です。これも足場を外す前だからできることです。
職人さんにお礼を渡したほうがいいですか?
渡さなくても、仕上がりは変わりません。——ただし気持ちとして渡したい方もいますので、そこは自由です(差し入れ・お礼)。それより、見て回ったときに「きれいになりました、ありがとうございます」と一言伝えるほうが、たぶん喜ばれます。
検査項目を細かく決めておくことはできますか?
契約書に書いてもらうことはできます(建設業法19条1項11号の「検査の時期及び方法」)。ただし細かすぎる項目を並べても、実務では機能しにくいのが正直なところです。「足場解体前に施主立会いのうえ確認する」——これ1行が入っているだけで、十分だと考えています(契約書の見方)。
立ち会う時間が取れません。どうすればいいですか?
写真でも構いません。——「足場を外す前に、各面の写真を撮って送ってください」と頼んでください。4面と屋根まわり、付帯部——これだけあれば、かなり分かります。気になる所があれば、そこを拡大して撮ってもらえばいいのです。「見ない」より「写真で見る」ほうがずっといいです。
家族が立ち会っても大丈夫ですか?
まったく問題ありません。——むしろ複数の目で見るほうが見落としが減ります。ただし手直しを頼むかどうかの判断は、契約した本人がしたほうが話が早いので、その場で決められないことは「持ち帰って相談します」で構いません。
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参考にした情報
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最終確認日:2026年8月26日。工事の進め方や引き渡しの流れは、会社や地域によって異なります。本ページは一般的な進め方を整理したものであり、個別の工事について保証するものではありません。工事に関するトラブルは、消費者ホットライン「188」または最寄りの消費生活センターにご相談ください。