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【2026年度】金沢市の外壁塗装に使える補助金

出ます。ただし住所で決まります外観修景に70パーセント・上限200万円(こまちなみ保存区域)

制度の数
金沢市の景観に関する助成は10本。当サイトが調べたどの市より多いです
補助率
主力が70パーセント。にし茶屋の建築物修景は最大1,000万円、長町は最大700万円
普通の家でも
こまちなみ保存区域では、指定を受けていない建築物でも「外観修景 70%・200万円」
外壁そのもの
川筋修景事業には「外壁修景 50%・50万円」という項目があります
条件
すべて区域が指定されています。市域全体で使える制度ではありません

金沢市で「外壁塗装 助成金」を調べてこのページに来た方へ。——金沢市には、景観に関する助成制度が10本あります。当サイトが全国100を超える市区町村を調べてきたなかで、これほど数を持っている市はありませんでした。しかも主力の補助率が70パーセント。——「外壁修景」という名前の補助まであります。ただし全部に区域の指定があります。金沢市に住んでいれば使える、という制度ではありません。まず自分の家がどの区域に入るかを確かめるところから始めてください。

石川県内の4市を、1件ずつ市の公式情報で調べています。——金沢市で出ても出なくても、隣の市では条件が違うことがあります。県が19市町を1枚にまとめた表は石川県のまとめで全部読んでいます。

石川県のまとめ白山市小松市七尾市

補助が出ても出なくても、次に気になるのは総額です。——30坪だといくらか業者を自分で調べる4つの方法

このページの内容全16項目

先に結論——金沢には景観の助成が10本あります

金沢市の景観政策課が公開している「金沢の景観に関する助成制度のあらまし」には、こう書かれています。

「金沢市では、市民の皆さんが新築・改築などする際に、積極的に景観を守り・創り・育てる事業について、経費の一部を助成する各種制度があります。」
「周辺の町並みと調和した美しいまちづくりのため、お住まいなどの建替えや修繕の際にご利用してください。」

「お住まいなどの……修繕の際に」。——外壁の塗り替えは、まさにここに当たる工事です。2026年9月4日に市の公式ページを直接開いて確認しました(制度の一覧は令和7年4月現在のもの)。

当サイトはこれまで、宇治市・倉敷市・神戸市・名古屋市で景観の助成を見てきました。金沢市は、その全部より制度の数が多い市です。

数が多い理由は、区域の作り方にあります。——多くの市は「景観形成地区」のような枠を1つか2つ作り、その中で1本の助成を配ります。金沢市は違います。寺社、茶屋街、こまちなみ、川筋、斜面緑地、眺望、沿道。守りたい風景の種類ごとに区域を切り、それぞれに専用の助成を付けている。だから制度が10本になります。

窓口も分かれています。市は「事業によりお問合せ・ご相談先が異なります。」としたうえで、「(1)~(3):歴史都市推進課(076-220-2208)」「(4)~(10):景観政策課(076-220-2364)」と番号で振り分けています。自分が使う制度によって、電話する先が変わります。

10の制度を1枚にまとめました

外壁や屋根に関わるものを中心に、金額を抜き出します。

制度主な対象補助率限度額対象区域
(1)伝統的寺社建造物修復事業外観修復70%200万円寺社風景保全区域
同上外観修復50%150万円町家再生活用事業対象区域
(2)茶屋街まちなみ修景事業建築物修景(外観)70%200〜1,000万円にし茶屋地区
(3)こまちなみ保存区域外観修景(一般の建築物)70%200万円こまちなみ保存区域
(4)景観修景事業外構修景70%50万円伝統環境保存区域
同上土塀修復70%200万円景観形成区域
(5)沿道修景事業沿道緑化70%30万円沿道景観形成区域
(6)斜面緑地保全育成事業高木緑化ほか70%30万円斜面緑地保全区域
(7)景観地区まちなみ修景事業外観修景70%300〜700万円長町景観地区
(8)川筋修景事業外壁修景50%50万円川筋景観保全区域
同上屋根修景50%50万円川筋景観保全区域
(9)眺望景観形成事業屋根修景50%50万円近景形成区域
(10)屋外広告物等撤去支援など

「修景(しゅうけい)」という言葉が、この先くり返し出てきます。——まちなみに合わせて、建物の見た目を整えることです。金沢の制度では「きれいにする」だけでは足りず、「その通りらしい見た目にする」ことが求められます。だから色や素材が自由に選べません。

※金沢市「金沢の景観に関する助成制度のあらまし」(令和7年4月現在)より、外壁・屋根・外構に関わるものを抜粋。防災構造整備や調査設計など、この表に載せていない項目もあります。

主力が70パーセントです。——当サイトが見てきた景観の助成は、宇治市が2分の1、神戸市が3分の1、名古屋市が2分の1(四間道だけ10分の6)、倉敷市の旧街道が3分の2でした。金沢市の70パーセントは、そのどれよりも高い。

こまちなみ保存区域なら、普通の家でも70パーセント・200万円

この記事でいちばん多くの人に関係するのが、ここです。

景観の助成は「指定を受けた歴史的建造物だけ」という市がほとんどです。金沢市のこまちなみ保存区域は違います。建物を3段階に分けて、どの段階にも金額が付いています。

建物の区分対象補助率限度額
保存建造物外観修繕70%500万円(旅館業法建築物は550万円)
昭和25年以前建築の建築物外観修景70%300万円(同350万円)
上記以外の建築物外観修景70%200万円
その他外構修景(土塀、板塀、門等)70%100〜300万円
その他格子戸修景70%
その他修景に伴う設計30%30万円

3行目に注目してください。——「上記以外の建築物」。つまり保存建造物の指定も受けていない、戦後に建った普通の家でも、外観の修景なら70パーセント・200万円まで出るという設計です。

これは他の市では見ませんでした。宇治市も倉敷市も神戸市も、対象は「区域内の建築物」ではありますが、金沢市のように建築年で3段階に分けて、新しい家にも枠を用意している市はありません。

ただし「修景」です。——ただ同じ色で塗り替えるだけでは通りません。町並みに調和させる方向の工事であることが前提になります。金沢のこまちなみは、格子や板塀、落ち着いた色合いが基調です。どこまでやれば認められるかは、事前協議で詰めることになります。

金額の話に入る前に、ひとつ。補助率70パーセントでも、元の見積もりが高ければ自己負担は減りません。先に相場を押さえておいてください(見積もりの取り方外壁塗装の相場)。

「外壁修景」という名前の補助があります

補助の項目名がそのまま「外壁」という例は、当サイトの市区ページ(2026年9月11日時点)ではほかに見当たりません(川崎市は「外壁の和風塗替え」)。

川筋修景事業。——浅野川と犀川という、金沢の2本の川沿いの景観を守るための制度です。

対象補助率限度額対象地域
屋根修景50%50万円川筋景観保全区域
外壁修景50%50万円浅野川区域:梅ノ橋〜中の橋/犀川区域:桜橋〜新橋
屋外設備修景50%50万円同上
緑化事業70%30万円川筋景観保全区域
屋外広告物等撤去90%100万円川筋景観保全区域

眺望景観形成事業のほうも、対象地域が「近景形成区域(眺望点から望見できるもの)」と限定されています。区域の中にあっても、眺望点から見えない位置なら対象になりません。

外壁修景と屋外設備修景は、川筋景観保全区域のなかでもさらに範囲が狭い点に注意してください。市は対象地域を「浅野川区域:梅ノ橋~中の橋、犀川区域:桜橋~新橋」と橋の名前で区切っています。屋根修景と緑化事業は区域全体なので、同じ川筋でも項目によって範囲が違います。

金額は50万円と、こまちなみの200万円に比べれば小さい。ただし「外壁の塗り替えそのもの」に正面から出る枠という意味では、いちばん分かりやすい制度です。

長町とにし茶屋は別格——70パーセントで最大1,000万円

金沢の観光地として知られる2つの地区には、桁の違う枠が用意されています。

地区対象補助率限度額
長町景観地区外観修景70%300〜700万円
板塀、竹垣、生け垣設置70%100万円
樹木の雪吊り剪定・雪吊りとも1本あたり2万円(上限5本)
にし茶屋地区建築物修景(外観)70%200〜1,000万円
格子戸修景90%
防災施設整備90%
防災構造整備90%500万円

にし茶屋の建築物修景は最大1,000万円。——「建物の外観に出る補助」として大きい額です(豊田市の足助地区は伝統的建造物に最大5,000万円)。格子戸の修景は90パーセントという高率です。

長町の「樹木の雪吊り 1本あたり2万円(上限5本)」は、金沢らしい項目だと言えます。冬支度に補助を出す市は、そう多くありません。

寺社と町家——外観修復に70パーセント・200万円

伝統的寺社建造物修復事業は、名前のとおり寺社が中心ですが、対象地域が2つに分かれているのが特徴です。

対象寺社風景保全区域町家再生活用事業対象区域
外観修復70%・200万円50%・150万円
土塀修復70%・1,000万円50%・700万円
山門修復70%・700万円50%・500万円
石積み修復75%・上限なし75%・上限なし
土塀山門等 簡易修復70%・50万円50%・50万円
防災構造整備(補強工事)70%・350万円50%・250万円

石積み修復だけ補助率75パーセントで、限度額の記載がありません。金沢の斜面地に多い石積みを守る意図が読み取れます。

この制度の窓口は歴史都市推進課です。(1)から(3)は歴史都市推進課、(4)から(10)は景観政策課と、市が明確に分けています。

全部が区域限定。自分の家が入るかが全てです

ここまで金額の話をしてきましたが、いちばん重要なのはこれです。——10本の制度は、すべて対象区域が指定されています。

金沢市の区域は、名前だけでもこれだけあります。

  • 寺社風景保全区域/町家再生活用事業対象区域
  • こまちなみ保存区域
  • 伝統環境保存区域/景観形成区域/重要広域幹線景観形成区域
  • 沿道景観形成区域/斜面緑地保全区域
  • 川筋景観保全区域(さらに橋で区切られた範囲あり)
  • 眺望景観の近景形成区域(眺望点から望見できるもの)
  • 長町景観地区/にし茶屋地区

これらは重なります。——1つの家が複数の区域に入ることもあれば、隣の家は入っていないこともあります。「金沢市に住んでいる」だけでは、どれにも当たりません。

区域は市の「まちづくり支援情報システム」で調べられます。ただし区域が何層にも重なっているうえ、川筋のように項目ごとに範囲が違う制度もあります。——電話で聞くのがいちばん確実です。景観政策課076-220-2364/歴史都市推進課076-220-2208。

唯一、対象地域が「金沢市域」と書かれているのが、景観修景事業の生け垣整備です。市は対象地域の欄に「[景観形成区域・重要広域幹線景観形成区域内]:70%・50万円」「[上記以外]:25%・20万円」と書いています。区域の外でも25パーセント・20万円が出るという設計です。——外壁とは関係ありませんが、市内どこでも使える唯一の枠として覚えておく価値があります。

事前協議が必須。審査に1か月かかります

市はページの冒頭で、はっきり書いています。「いずれの制度も事前協議が必要です。」そして「事業をご検討される場合、実施まで十分な余裕をもってご相談ください。」と続けています。

「十分な余裕をもって」がどれくらいかは、手続きの流れを見れば分かります。

順番やること
1事前協議
2補助金交付申請(「設計図、見積書、現況写真、位置図、市税納税状況(補助金)調査同意書」を添付)
3審査(「1ヶ月程要することもあります」
4補助金交付決定
5「補助金の交付決定後、補助事業に着手できます。」
6工事完了から15日以内に実績報告(完成写真・請求書など)
7完了検査(「市職員が工事完了の確認に伺います。」)
8〜9補助金の確定・支払い

審査については、市が「補助金交付申請の審査(1ヶ月程要することもあります)」と書いています。そして「補助金の交付決定後、補助事業に着手できます。補助事業実績報告」——決定より前に着手すると、そこで終わりです。

2番目に「現況写真」があります。——足場を組んで洗浄を始めてからでは、施工前の写真は撮れません。業者に見積もりを頼む段階で、補助を使うことを伝えてください。

そして審査に1か月。事前協議の期間を足すと、着工の2か月前には動き始める必要があります。金沢は冬に工事ができる日が限られるので、春の工事なら年明けから、秋の工事なら夏からという逆算になります。

15年間、勝手に処分できなくなります

これは他の市ではあまり明記されていない条件です。市はこう書いています。

「市の助成を受けた財産等については、一定期間市長の承認を受けないで、補助金交付の目的に反して使用すること、譲渡、交換、貸し付け、担保提供することはできませんので、このような事情が発生する場合は、事前にご相談ください。」

種類処分が制限される期間
鉄筋コンクリート造等の建物25年
それ以外の建物15年
構築物10年

木造住宅なら15年です。——外壁塗装の周期とほぼ同じ長さ。「補助を受けて塗り替え、数年後に売る」という計画の方は、事前に市へ相談する必要があります。売れなくなるわけではありませんが、市長の承認が要るという点は知っておいてください。

出ないものを、先に

問い合わせる手間を省くために、金沢市で通らないものをまとめておきます。

  • 区域外にある家の外壁塗装——10本すべてに区域の指定があります
  • 町並みに調和させる意図のない塗り替え——「修景」が制度の目的です
  • 交付決定前に着手した工事——決定後でなければ着手できません
  • 工事内容を問わない一般的なリフォーム助成——金沢市にこの型の制度は見当たりません
  • すでに住んでいる家への中古住宅取得・リフォーム奨励金——中古住宅の購入が前提です

最後の1行を補足します。住宅政策課の中古住宅取得・リフォーム奨励金は、市の資料に「奨励金対象区域において、住宅ローンにより自らが居住する中古住宅の購入又は、購入しリフォームする場合に支援します。」とあります。——購入が入り口の制度です。すでに住んでいる家を塗り替えるだけでは使えません。売買契約から3か月以内であることや、10年以上の住宅ローンを組むことも条件になっています。

動く順番を、月で区切ると

順番やること
1区域を確認する。景観政策課か歴史都市推進課に電話。ここで全部決まります
2入っていれば事前協議。どこまで修景すれば認められるかを詰める
3業者に見積もりと設計図を作ってもらう。現況写真を撮る
4交付申請 → 審査(1か月程度) → 交付決定
5着工。冬にかからない工程で組む
6完了から15日以内に実績報告 → 完了検査 → 支払い
区域外なら助成は使えません。見積もりを2社以上取ることに切り替えてください

申請と工事の段取りが決まったら、次に出てくるのは「工事が始まってからのこと」です。——ご近所への挨拶はどこまで臭いはいつまで続くか洗濯物・窓・車・ペット足場があるあいだの戸締まり

区域外だった方へ——金沢の家で見るところ

区域に入っていなかった方へ。金沢の気候は、外壁塗装にとってかなり厳しい部類です。見るところを3つ挙げます。

ひとつめは、塗れる日が少ないことです。金沢は日照時間が全国でも短い都市で、冬は雪と雨が続きます。塗料は、決められた乾燥時間を守らないと本来の性能が出ません。——工期が極端に短い見積もりは、乾燥時間を削っている可能性があります。「何日で終わるか」ではなく「工程が何日で組まれているか」を、業者ごとに比べてください。

ふたつめは、冬の凍結です。外壁のひび割れに入った水が凍って膨らむと、ひびは広がります。塗る前のひび割れ補修とシーリングの打ち替えに、いくら計上されているか。ここを「一式」で済ませている見積書は、金沢では危ないです。

みっつめは、北面の苔と藻です。湿気が抜けにくい土地では、日の当たらない面に苔が出ます。高圧洗浄でどこまで落とすかで、塗り替えの持ちが変わります。洗浄が「サービス」と書かれている見積書は、実際には水をかけただけで終わることがあります。

見積書の読み方は見積書のチェック項目、業者の選び方は業者の選び方にまとめています。塗り替えの時期塗装に向いている季節を見てください。

区域の外でも使える制度があります——耐震改修は10分の10・280万円

ここまでの景観の助成は、すべて区域の中に自分の家があるかどうかで決まる制度でした。区域の外だった方に、もうひとつ見ておいてほしい制度があります。金沢市の耐震改修の補助です。こちらは区域の指定がありません。

対象耐震診断耐震改修工事
一般の一戸建て住宅4分の3・限度額15万円10分の10・限度額280万円
高齢者等住宅に係るもの5分の4・限度額16万円
共同住宅・長屋・寄宿舎4分の3・限度額15万円(設計は3分の2・23万円)3分の2・60万円×住戸数

一戸建ての耐震改修工事は補助率10分の10です。——条件は2つで、(1)申請時に耐震設計図書を提出すること (2)過去に市の耐震設計補助を受けていないこと。景観の助成が70パーセントであることを考えると、性格がまるで違う制度だと分かります。

もうひとつ、金沢には「段階改修」という考え方があります。——将来的に上部構造評点1.0とすることを条件に、全体0.7以上、または1階のみ1.0以上の補強も補助対象にしています。「家全体を一度に直すのは無理」という場合の入口が用意されている、ということです。

対象は昭和56年(1981年)5月31日以前に建築され、または工事に着手された住宅等で、一戸建て住宅・共同住宅・長屋・寄宿舎の3階建て以下。申請者は所有者で市税を完納していること。診断・設計をする人は建築士で所定の講習会を修了している必要があります(工事の施工者には特に定めがありません)。塗り替えで足場を組む計画があるなら、先に耐震診断を通しておくと、両方をまとめて考えられます。

石川県内のほかの市も調べています。——小松市。同じ石川でも、市が変われば答えが変わります(助成金ガイド)。

国の補助金なら使えますか

市の制度に条件が付くと分かると、次に出てくるのがこの質問です。先に答えを書きます。外壁塗装そのものに出る国の補助金は、ありません。

よく名前が挙がるみらいエコ住宅2026事業も、対象は窓などの開口部の断熱改修、躯体の断熱改修、給湯器といった設備です。塗り替えは対象工事に入っていません。

まぎらわしいのが「躯体の断熱改修」です。これは壁・天井・床に断熱材を入れる工事のことで、断熱塗料や遮熱塗料を塗ることではありません。「外壁が対象」という説明だけを見て、塗り替えも入ると思ってしまう方がいます。

窓の断熱や給湯器の交換を同時にやるなら、その部分は対象になり得ます。ただし申請には「住宅省エネ支援事業者」に登録した業者が工事を請け負う必要があり、予算の上限に達した時点で受付が終わります。くわしくは国の制度と外壁塗装の関係にまとめました。

よくある質問

金沢市で外壁塗装に助成金は出ますか?

区域によっては出ます。金沢市は景観に関する助成制度を10本持っていて、そのうち複数が建築物の外観の修景を対象にしています。たとえばこまちなみ保存区域では、保存建造物の指定を受けていない建築物でも外観修景が70パーセント・上限200万円です。ただし市域全体で使える制度ではありません。

「外壁」という名前の補助はありますか?

あります。川筋修景事業に「外壁修景 50パーセント・50万円」という項目があり、対象地域は川筋景観保全区域(浅野川区域:梅ノ橋~中の橋、犀川区域:桜橋~新橋)です。同じ事業に屋根修景も50パーセント・50万円であります。

こまちなみ保存区域では、いくら出ますか?

建物の区分で3段階です。保存建造物は外観修繕が70パーセント・500万円(旅館業法建築物は550万円)、昭和25年以前に建築された建築物は外観修景が70パーセント・300万円(同350万円)、それ以外の建築物は外観修景が70パーセント・200万円。ほかに外構修景(土塀、板塀、門等)が70パーセント・100万円から300万円、格子戸修景が70パーセント、修景に伴う設計が30パーセント・30万円です。

長町やにし茶屋はどうなりますか?

長町景観地区は景観地区まちなみ修景事業で、外観修景が70パーセント・300万円から700万円。板塀、竹垣、生け垣の設置が70パーセント・100万円。樹木の剪定と雪吊りは1本あたり2万円(上限5本)です。にし茶屋地区は茶屋街まちなみ修景事業で、建築物修景(外観)が70パーセント・200万円から1,000万円、格子戸修景が90パーセントです。

普通の住宅地に住んでいます。何か使えますか?

景観修景事業の生け垣整備があります。景観形成区域と重要広域幹線景観形成区域の中なら70パーセント・50万円、それ以外の金沢市域なら25パーセント・20万円です。この生け垣整備だけは対象地域が「金沢市域」と書かれています。ただし外壁の塗り替えは対象になりません。

伝統環境保存区域では何が出ますか?

景観修景事業の外構修景が70パーセント・上限50万円です。景観形成区域では土塀修復が70パーセント・上限200万円になります。

屋根の塗り替えに出る制度はありますか?

区域によってはあります。川筋修景事業の屋根修景が50パーセント・50万円(川筋景観保全区域)、眺望景観形成事業の屋根修景が50パーセント・50万円(近景形成区域のうち眺望点から望見できるもの)です。

申請の前に何をすればいいですか?

事前協議です。市は「いずれの制度も事前協議が必要です。」「事業をご検討される場合、実施まで十分な余裕をもってご相談ください。」としています。窓口は制度によって分かれていて、伝統的寺社建造物修復事業・茶屋街まちなみ修景事業・こまちなみ保存区域は歴史都市推進課(076-220-2208)、それ以外は景観政策課(076-220-2364)です。

審査にはどれくらいかかりますか?

市は補助金交付申請の審査について「1ヶ月程要することもあります」としています。交付決定を受けてから工事に着手する順序なので、工事の予定から逆算して余裕を持って動いてください。

申請にはどんな書類が要りますか?

市は「設計図、見積書、現況写真、位置図、市税納税状況(補助金)調査同意書を添えて提出してください。」としています。現況写真が要るため、足場を組む前に撮っておく必要があります。

工事が終わったあとの手続きは?

工事完了から15日以内に実績報告です。市は「工事が完了したら15日以内に完成写真、補助金支払いの請求書、業者からの請求書の写しを添えて提出してください。」としています。そのあと市職員による完了検査があり、合格すれば補助金額が確定します。

補助を受けたあとに家を売れますか?

一定期間は制限があります。市は「市の助成を受けた財産等については、一定期間市長の承認を受けないで、補助金交付の目的に反して使用すること、譲渡、交換、貸し付け、担保提供することはできません」としています。処分が制限される期間は鉄筋コンクリート造等の建物が25年、それ以外の建物が15年、構築物が10年です。

自分の家がどの区域に入るか、どう調べますか?

市のまちづくり支援情報システムで調べられます。金沢市は伝統環境保存区域、こまちなみ保存区域、景観形成区域、沿道景観形成区域、斜面緑地保全区域、川筋景観保全区域、寺社風景保全区域、眺望景観の近景形成区域、長町景観地区など、区域が何層にも重なっています。窓口に電話するのが確実です。

中古住宅を買ってリフォームする場合は?

別の制度があります。住宅政策課の中古住宅取得・リフォーム奨励金で、奨励金対象区域において住宅ローンにより自らが居住する中古住宅を購入、または購入してリフォームする場合が対象です。ただし売買契約から3か月以内であることや、10年以上の住宅ローンを組むことなどの条件があります。既に住んでいる家の塗り替えには使えません。

区域外でした。外壁塗装はどう進めればいいですか?

見積もりを2社以上から取ることです。金沢は日照時間が短く、冬は雪と湿気で塗装ができる日が限られます。工期に無理のある見積もりは、乾燥時間を削っている可能性があります。塗装の工程が何日で組まれているかを、業者ごとに比べてください。

塗り替えで固定資産税は上がりません。下がりもしません。上がるのはどんな工事なのかを、外壁塗装と固定資産税で条文から確かめています。

参考にした情報

金沢市の公式ページを2026年9月4日に直接開いて確認しました。助成制度の一覧は令和7年4月現在のものです。金額や区域は改定されることがあります。市自身も一覧の冒頭に「詳細については、お問い合わせください。」と添えています。事前協議のときに、最新の条件を確かめてください。

  • 金沢市「金沢の景観に関する助成制度のあらまし」(景観政策課・令和7年4月現在)および「景観政策課の補助事業一覧(概要)」
  • 金沢市「景観修景事業 要綱」「沿道修景事業 要綱」「斜面緑地保全育成事業 要綱」「川筋修景事業 要綱」「眺望景観形成事業 要綱」
  • 金沢市「住宅支援制度」(住宅政策課)および「金沢市中古住宅取得・リフォーム奨励金」フローチャート
  • 金沢市「(木造編)金沢市既存建築物耐震改修工事費等補助制度パンフレット(令和8年7月〜)」——補助内容(一般の一戸建て住宅:耐震診断4分の3・限度額15万円/高齢者等住宅:5分の4・16万円/耐震改修工事:10分の10・限度額280万円、条件は「申請時に耐震設計図書を提出」「過去に市の耐震設計補助を受けていないこと」/共同住宅・長屋・寄宿舎:診断4分の3・15万円、設計3分の2・23万円、改修3分の2・60万円×住戸数)、段階改修(将来的に1.0とすることを条件に全体0.7以上または1階のみ1.0以上を補助対象)、対象は昭和56年5月31日以前に建築または着手された3階建て以下の住宅等で申請者は市税完納者
  • 金沢市の公式ページを開く——金沢の景観に関する助成制度のあらまし。修景の助成はここに全部まとまっています。申請の前に、必ずここで最新の内容を確かめてください

問い合わせ先
伝統的寺社建造物修復事業・茶屋街まちなみ修景事業・こまちなみ保存区域=歴史都市推進課(076-220-2208)
景観修景事業・沿道修景事業・斜面緑地保全育成事業・景観地区まちなみ修景事業・川筋修景事業・眺望景観形成事業・屋外広告物=景観政策課(076-220-2364)
中古住宅取得・リフォーム奨励金=住宅政策課(076-220-2333)

景観の助成を持つ市を、ほかにも調べています。——倉敷市(旧街道の外観に3分の2・200万円)/神戸市(「外観を変更することとなる色彩の変更」に3分の1・250万円)/宇治市(「色彩の変更」に2分の1・100万円)/名古屋市(四間道は10分の6・200万円)。どの市も、住宅の窓口ではなく景観の窓口が持っています助成金ガイド)。

隣県の富山市も調べました。令和8年4月に住宅の補助制度が組み替わり、リフォームの定義に「修繕工事」が入っています。