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ヘーベルハウスの外壁塗装——「30年」の正体と、他社に頼めるのか
30年点検の案内が届いた。見積もりを見て、金額に驚いた——「これは適正なのか」「他社に頼んでもいいのか」。この2つが、いちばん多い疑問だと思います。このページでは旭化成が公表している情報だけを使って、塗り替えの目安として示されている年数と、点検・保証の仕組みを確認します。そのうえで、判断に必要な材料を並べます。
※本ページはプロモーション(広告)を含みます。
このページの内容全15項目
先に結論
①外壁はALC(軽量気泡コンクリート)です。塗膜が防水を担っているため、塗り替えを飛ばせない構造です
②旭化成建材は自社のALC外壁材について「性能確保のために、約20年/約30年を塗り替え時期の目安としてください」と公表しています(製品による)
③旭化成ホームズは、定期点検の無償提供期間を30年間から60年間に延長すると発表しています(2019年11月)
④他社に頼むこと自体は可能です。ただしALCの施工経験がある会社かどうかは確認してください
当サイトは「メーカーに頼むべき」とも「他社が得」とも言いません。判断材料を並べるところまでが役割です。そのうえで、比べる前に知っておくべきことがある——それがこのページの内容です。
ヘーベルハウスの外壁は「ALC」です
ALC(軽量気泡コンクリート)は、内部に細かい気泡を含んだコンクリート系のパネルです。軽くて断熱性・耐火性に優れる一方、気泡があるぶん、水を吸いやすいという性質があります。
だから、塗装が防水を担っています。——ここが、サイディングやモルタルと決定的に違う点です(ALC外壁のページ)。
サイディングの場合——ボード自体に防水性があり、塗装はその保護と美観のため
ALCの場合——パネル自体は水を吸う。塗膜が水の侵入を止めている
→️つまり塗膜が切れた状態を放置すると、パネル本体が水を吸います。「まだきれいだから」で先延ばしにできる材料ではありません。
そしてALCは、無塗装のパネルを現場で塗装して仕上げるのが基本です。旭化成建材も、自社のALC外壁材について「無塗装パネルを現場塗装で仕上げる」と説明しています。工場で色が付いているのではなく、現場で塗った塗膜が外壁の性能そのもの——この理解が出発点になります。
用語の整理をしておきます。ヘーベルハウスは旭化成ホームズが供給する戸建住宅で、外壁にALCパネルが使われています。一方「ヘーベルパワーボード」は旭化成建材のALC外壁材で、他社が建てる建物にも使われる商品です。別のブランドですが、どちらもALCであり、塗り替えの考え方は共通します。本ページでは、それぞれの出どころを明記して扱います。
「30年」の正体——メーカーが公表している目安
ヘーベルハウスで検索すると「30年」という数字が繰り返し出てきます。30年点検、30年保証、30年目のメンテナンス——この数字が何を指しているのかを整理します。
塗り替えの目安として公表されている年数
旭化成建材は、自社のALC外壁材(ヘーベルパワーボード)の純正塗料について、塗り替え時期の目安を公表しています。
・「性能確保のために、約20年を塗り替え時期の目安としてください。」
・「性能確保のために、約30年を塗り替え時期の目安としてください。」
(製品によって年数が異なります)
・「耐候性の年数は、本州地方での気象条件を想定しています。」
・塗装仕上げには「へーベルパワーボードとの相性を徹底的に検証した専用高性能塗料」を推奨
つまり「30年」は、製品によっては実際にメーカーが目安として示している年数です。一般的な戸建ての外壁塗装が10〜15年周期で語られることを考えると、長い部類に入ります。
ただし、注意すべき点が3つあります
- ①製品によって年数が違います——約20年の製品も、約30年の製品もあります。自分の家がどれかは、建てた会社に確認するのが確実です
- ②「本州地方での気象条件を想定」という但し書きがあります——立地によって条件は変わります(海に近い家/地域による違い)
- ③これは塗膜の話であって、シーリングは別です——ALCの目地シーリングは、塗膜より先に劣化します(シーリング)
③がいちばん実務的です。「30年もつと言われたから、30年何もしなくていい」ではありません。シーリングが切れれば、そこから水が入ります。ALCは水を吸う材料なので、目地の状態は塗膜の年数とは別に見る必要があります(シーリングの切れ)。
「ヘーベルハウスの外壁は何年で塗り替えか」について
正直に書きます。上に挙げた年数は旭化成建材がヘーベルパワーボード(ALC外壁材)の純正塗料について公表している目安であり、旭化成ホームズがヘーベルハウスの外壁について公表している塗り替え周期を、当サイトでは確認できていません。
だから「ヘーベルハウスは30年もつ」と断定しません。——確かなのは、同じALCという材料について、メーカーが約20年/約30年という目安を示しているという事実だけです。自分の家の具体的な時期は、点検の担当者に聞くのがいちばん確実です。
60年の無償点検——これは大きな資産です
ヘーベルハウスのオーナーが持っているもので、見落とされがちなのが点検の仕組みです。
「戸建住宅『ヘーベルハウス』、及び賃貸住宅『ヘーベルメゾン』について、本年11月1日からの新築請負契約を対象に、お引き渡し後の定期点検サービスの無償提供期間を、従来の30年間から60年間に延長いたします。」
「過去に供給した物件や11月1日以前の契約物件についても、2020年4月を目途に体制を整え、35年目以降の点検を迎えるお客様に、当社から点検の案内をお送りし、希望に応じて無償で対応する予定です。」
・1972年の創業以来の全ストックは約28万棟
・築30年を超える顧客が約5万棟に達している
・従来の60年点検システムでは、初回点検から30年目の定期点検まで無償、それ以降は希望者を対象に有償で実施していた
点検が無償であることと、工事が無償であることは別です。点検は見てもらうところまでで、実際の塗り替え工事には当然費用がかかります。
それでもこれは価値のある仕組みです。理由は2つ。
- ①建てた会社が、建物の履歴を持っている——いつ何を使って施工したか、どこを直したか。2回目以降の工事では、この情報が判断を左右します(2回目の外壁塗装)
- ②定期的に見てもらえる——劣化を早く見つけられます。ALCのように塗膜が防水を担う構造では、これが効いてきます
他社に工事を頼む場合でも、点検の案内は受け取ってください。そして点検の記録は保管してください。「どこがどう傷んでいると診断されたか」は、他社に見積もりを頼むときの資料にもなります(現地調査で伝えること)。
他社に頼めるのか
これがいちばん多い疑問だと思います。結論から言えば、他社に頼むこと自体は可能です。ALCを扱える会社であれば、施工できます。
ただし確認すべきことがいくつかあります。順に整理します。
1. ALCの施工経験があるか
ALCはサイディングやモルタルとは扱いが違います。下塗りの選定、溝の部分の塗厚、目地シーリングの指定、放湿性への配慮——それぞれに理由があり、外すと不具合につながります(ALC外壁の注意点)。
聞き方はこうです。——「ALCの施工実績はどれくらいありますか」「ヘーベルハウスを塗ったことはありますか」。経験のある会社なら、具体的に答えられます。
2. 保証がどうなるか
ここは必ず確認してください。建物の保証には、いくつかの種類があります。
- 構造・防水に関する長期保証——住宅の基本的な性能に関するもの
- 外壁の塗膜に関する保証——塗った会社が出すもの
- 点検サービス——前章の60年無償点検
他社で工事をした場合、これらがどうなるかは、契約内容によります。——当サイトが一律に「切れます」「切れません」と言うことはできません。建てた年、契約の内容、保証の種類で変わるためです。
確認先は建てた会社です。「他社で外壁塗装をした場合、どの保証がどうなりますか」——これを、工事を決める前に、できれば書面で確認してください。あとから知るのがいちばん困ります(ハウスメーカーの外壁塗装)。
3. 見積もりを取ること自体は、保証に影響しません
ここは押さえておいてください。他社から見積もりを取っただけで、保証が切れることはありません。比較して、結果的にメーカーに頼むという結論になっても、何も失いません。
むしろ、比べたほうが判断できます。——メーカーの金額が妥当かどうかは、他の見積もりがなければ分からないからです(妥当かどうかの判断)。
メーカーに頼む場合の利点
ここまで「他社に頼めるか」を扱ってきましたが、メーカー経由には明確な利点があります。公平に並べます。
| 利点 | 中身 |
|---|---|
| 建物の履歴を持っている | いつ何を使って施工したか、どこを補修したかの記録があります。2回目以降の工事では、この情報が仕様の判断を左右します |
| ALCを前提にした仕様 | 自社の建物なので、下塗りの選定や目地の扱いを間違えにくい——これは実務的に大きい |
| 窓口が一本化される | 点検、工事、その後のアフター。連絡先が1つで済みます |
| 保証の継続 | 建物全体の保証との関係を、切り分けずに済みます(契約内容によります) |
| 点検との連動 | 60年の点検体制の中で、次の時期も含めて相談できます |
これらに価値を感じるなら、差額を払う理由になります。——「安いほうが得」とは限りません。
そして、いちばん大事なのはここです。——その差額がいくらなのかを知らないまま決めるのは、どちらにとっても損です。他社の見積もりが1枚あるだけで、差額が数字になります。その数字を見てからメーカーを選べば、それは納得のいく選択になります。
純正塗料と、一般の塗料
「純正塗料でないと駄目なのか」——これもよく出る疑問です。メーカーの公表情報を確認します。
・塗装仕上げには「へーベルパワーボードとの相性を徹底的に検証した専用高性能塗料『ヘーベルパワーボード純正塗料』をおすすめします」
・リフォーム用の塗材について=「幅広い適応性を持つリフォーム(塗り替え)専用塗材。パワーボード純正塗料の他、一般の代表的な塗膜との相性も良く、安心してご採用いただけます。」
読み取れることは2つです。
- ①メーカーは純正塗料を推奨している——相性を検証した専用品だから
- ②リフォーム用の塗材は、一般の塗膜との相性も良いとされている——つまり「純正でなければ絶対に塗れない」という書き方はされていません
実務的な判断としては、こうなります。——純正を使うかどうかより、「ALCに適した仕様で、下塗りから正しく塗るか」のほうが重要です。純正塗料を使っていても、下塗りを省けば不具合は出ます(ALCの下塗り)。
他社に頼む場合の聞き方——「ALC用の下塗りは何を使いますか」「上塗りの製品名を教えてください」。製品名で答えられる会社なら、仕様を理解しています(見積書の見方)。
ALC特有の、外せない条件
ヘーベルハウスに限らず、ALC外壁の塗り替えで共通する注意点です。詳しくはALC外壁のページにまとめていますが、要点だけ挙げます。
| 項目 | なぜ重要か |
|---|---|
| 下塗りを省かない | ALCは吸い込みが大きい材料です。下塗りが不足すると、上塗りが吸われて性能が出ません |
| 溝(目地部分)の塗厚 | デザイン上の溝がある製品では、溝の底が薄くなりやすい——ここから傷みます |
| 目地シーリング | ALCは目地が多い構造です。切れていれば、そこが最優先(シーリング) |
| 放湿性を殺さない | ALCは湿気を通す性質があります。両面を密閉する仕様は避けるのが原則です |
| 重い仕上げを避ける | 厚膜の仕上げは、ALCとの相性で問題が出ることがあります |
これらを説明できる会社かどうかが、ALCを扱えるかの判断材料になります。——「ALCなので、下塗りはこれを使います」と製品名で説明できるか。ここが見どころです。
費用はなぜ高くなるのか
ヘーベルハウスの外壁塗装は「高い」と言われます。その理由を、構造から整理します。
| 要因 | 中身 |
|---|---|
| 目地の量が多い | ALCはパネルを並べる構造なので、目地の総延長が長くなります。シーリングの数量がそのまま金額に出ます(コーキングの費用) |
| 下塗りに手間がかかる | 吸い込みが大きいため、下塗りの回数や材料が増えることがあります |
| 建物が大きいことが多い | ヘーベルハウスは2階建て・3階建ての比較的大きな住宅が多く、面積そのものが大きくなります(面積の考え方) |
| メーカー経由の場合、施工は協力会社 | 実際に塗るのは提携先の塗装会社です。窓口が一本化される安心と引き換えに、その分のコストが乗ります(ハウスメーカーの外壁塗装) |
つまり「ぼったくられている」のではなく、条件によって金額が積み上がっている面があります。ただし——それが妥当な水準かどうかは、比べなければ分かりません。
当サイトはヘーベルハウスの外壁塗装の相場金額を出しません。建物の大きさ、階数、目地の量、傷み具合で大きく変わるためです。確認できていない数字を相場として書くことはしません。——知りたい場合は、同じ家について複数社に見積もりを出してもらってください(見積もりの取り方)。
「ヘーベルパワーボード」の塗り替えは、メーカーが平米単価を公表しています
この章だけは、対象が違います。ここで扱うのは「ヘーベルパワーボード」=旭化成建材のALC外壁材で、他社が建てた家にも使われている商品です。ヘーベルハウス(旭化成ホームズの戸建住宅)の外壁塗装の金額ではありません。——ご自宅がどちらかは、建てた会社と、外壁材の商品名で分かれます。パワーボードを使った家にお住まいの方は、この章が直接あてはまります。
旭化成建材は、ヘーベルパワーボードの塗り替え専用塗料「アスリート」(アクリルシリコーン樹脂塗料)を用意していて、その標準塗装材工価格を平米単価で公表しています。ハウスメーカー系の外壁で、塗り替えの単価がメーカー側から出ているのは珍しい部類です。
公表されている標準塗装材工価格(2025年1月現在・税抜)
| 仕様 | 仕上がり | フラット・ライン系パネル | デザイン系パネル |
|---|---|---|---|
| ベーシック仕様 | 単層弾性(さざなみ仕上) ※さざなみ仕上はフラット系・ライン系パネル限定 | 3,710円/㎡ | 3,580円/㎡ |
| グランロック仕様 | 花崗岩調 | 4,280円/㎡ ライン系は4,430円/㎡ | 4,300円/㎡ |
| プリティアン仕様 | 陶磁器調 | 4,470円/㎡ | 4,380円/㎡ |
| 多彩調仕様(イベリアン) | 御影石調 | 6,940円/㎡ | 6,810円/㎡ |
出典:旭化成建材「施工済みのお客様へ|リフォーム(塗り替え)用塗料『アスリート』」。グランロック仕様にはパールマイカ3色の割増価格が別に示されています(フラット系4,460円/㎡、ライン系4,620円/㎡、デザイン系4,490円/㎡)。同社は「標準塗装材工価格は2025年1月現在のもので、予告なく変更する場合があります」としています。
この表を読むときに、外してはいけない3つの但し書き
メーカー自身が、価格表のすぐ下に3つの条件を書いています。ここを読み落とすと、見積書を見たときに「高い」と誤解します。
- 「標準塗装材工価格には既存塗膜の洗浄費用や足場費用は含まれておりません」——つまり上の単価は、洗浄と足場を足す前の数字です。戸建ての足場は数十万円規模になるので、総額はここから大きく動きます(足場代の考え方)
- 「指定取扱店がヘーベルパワーボードに施工を行う場合の標準的な価格です」——誰が塗っても、どの外壁材でもこの単価、という意味ではありません
- 「塗装時の施工条件や塗装面積・形状などにより歩掛りが違います」——同じ仕様でも、家の形で必要量が変わるとメーカー自身が断っています
それでも、この単価は見積書を読む物差しとして使えます。たとえば見積書に「外壁塗装 一式」としか書かれていないとき、㎡数と仕上げの種類を聞けば、上の表のどこに乗るのかがおおよそ見えます。差が大きいなら、その理由を聞く材料になります(見積書のチェック項目)。
取扱店の一覧は、メーカー側が公開しています
旭化成建材は「アスリート取扱店舗」のページを持ち、関東・甲信越/東海・近畿/中国・四国・九州の地域別に会社名・住所・電話番号・対応エリア・営業時間まで掲載しています。同社は「ヘーベルパワーボード住宅にお住まいの皆様に対しましては、アスリート塗り替えをご希望時に、お近くの取扱店をご紹介させていただいております」としています。
これは、このページの「『専門』と『メーカー公認』は別」という話とそのままつながります。会社が自分で名乗っているかどうかではなく、メーカー側の一覧に載っているかどうかで確かめられる——数少ない、確かめようのある手がかりです。
※ただし一覧に載っていない会社が悪い、という意味ではありません。純正塗料を使わない塗り替えも普通に行われています。旭化成建材自身、リフォーム用塗材について「パワーボード純正塗料の他、一般の代表的な塗膜との相性も良く、安心してご採用いただけます」と書いています。一覧は「確かめる手段が1つある」ということです。
高圧洗浄の条件も、メーカーが数字で書いています
旭化成建材は、施主向けの日常のお手入れとして、高圧洗浄機を使うときの条件をこう示しています。これは施主が自分で洗うときの案内ですが、業者の工程を聞くときの手がかりにもなります。
- 壁面から30cm以上離す
- 水圧3MPaから洗浄を開始し、剥離など問題がなければ5MPaに上げる
- シーリング部は直接狙わない
- シーリング部のひび割れ・剥離が見られる場合は、高圧洗浄機の使用を控える
- クレンザー(研磨粉入り)やタワシは使わない/通気口に吹き入れない
4つ目が、いちばん効きます。目地が切れている家にいきなり高圧洗浄をかけると、そこから水が入ります。だから「洗う前に、目地の状態は見てもらえますか」——この一言が、パワーボードの家では意味を持ちます(高圧洗浄/コーキングの費用)。
保証はどうなるのか
混同しやすいので、種類を分けます。
| 保証の種類 | 誰が出すか | 他社工事の影響 |
|---|---|---|
| 塗った塗膜の保証 | 工事をした会社 | 他社で塗れば、その会社の保証になります(保証の読み方) |
| 構造・防水の長期保証 | 建てた会社 | 契約内容によります。必ず建てた会社に確認 |
| 定期点検サービス | 建てた会社 | 点検自体は続くのが一般的ですが、こちらも確認を |
いちばん確実な進め方はこうです。
- 建てた会社に「他社で外壁塗装をした場合、どの保証がどうなりますか」と聞く(できれば書面で)
- その答えを踏まえて、メーカーと他社の見積もりを比べる
- 差額と、失う保証を天秤にかける
差額が小さければメーカーに頼む理由がありますし、差額が大きければ他社を選ぶ理由になります。——どちらが正解かは、その金額を見てから決まります。
30年点検で見積もりを受け取ったら
実際の流れに沿って、やることを並べます。慌てて決める必要はありません。
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1. 点検の結果を受け取る | 指摘された箇所を記録・写真で残す。「どこが、どう傷んでいるか」が、あとで他社に見せる資料になります |
| 2. 見積書の中身を読む | 工事の範囲(外壁だけか、屋根や付帯部も含むか)、シーリングは打ち替えか、塗料の製品名——この3点を確認(見積書チェック) |
| 3. 保証への影響を聞く | 「他社で工事をした場合、どの保証がどうなりますか」——できれば書面で |
| 4. 他社にも見てもらう | ALCの施工経験がある会社に、同じ条件で。見積もりを取るだけなら保証に影響しません |
| 5. 差額と、失うものを並べる | 金額の差はいくらか。それと引き換えに何が変わるのか。ここまで来れば判断できます |
急かされている場合は、いったん止まってください。「今期中なら」「点検の担当が変わる前に」——塗り替えは、数週間で状態が急変する工事ではありません。本当に必要なら、来月でも必要です(期限つきの提案の読み方)。
点検の記録は、資産です
他社に頼む場合でも、点検は受けてください。そして記録は保管してください。
理由は2つ。——①建物の履歴が途切れない(次の工事、売却時にも効きます)②他社の見積もりが妥当かを判断する材料になる(同じ箇所を、他社はどう見るか)。
「ヘーベルハウス専門」と、メーカー公認は別の話です
このページでは「ALCの施工経験がある会社を探してください」と書いてきました。これは変わりません。——ただし、探し方にひとつだけ注意があります。
「ヘーベルハウス専門」「施工実績多数」と書いてあるのは、その会社が自分で書いていることです。メーカーが認めた表示とは限りません。
家の会社の名前を使った表示は、法律の対象になり得ます
ここは感覚の話ではなく、条文があります。不正競争防止法の第2条第1項に、こういう行為が並んでいます。
| 号 | 条文(要点) |
|---|---|
| 第一号 | 「他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章……)として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し……他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為」 |
| 第二十号 | 「商品若しくは役務若しくはその広告……にその……役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような表示をし……役務を提供する行為」 |
出典=不正競争防止法(平成5年法律第47号)第2条第1項第一号・第二十号/e-Gov法令検索。条文は要点のみを抜き出しています。
読み方はこうです。——広く知られたメーカーの名前や表示に似たものを使って、メーカーの営業と混同させること。あるいは工事の中身について誤認させる表示をすること。この2つが、法律の側から見た線引きです。
だから住宅メーカーは、自社の名前が付いた表示に対して動くことがあります。そして、動いたときは自社サイトで公表します。
確かめ方は3つ。すべて、会社ではなくメーカー側で見ます
| やること | 見るところ | |
|---|---|---|
| ① | 認定施工店・提携店の一覧があるか見る | メーカーの公式サイト。一覧があれば、そこに載っているかどうかで一発で分かります |
| ② | メーカーの「ニュースリリース」「お知らせ」を見る | 旭化成ホームズは企業サイトの広報のページにお知らせを掲載しています。表示をめぐる発表が載ることがあります。「旭化成ホームズ ニュースリリース」で開けます |
| ③ | その会社に直接聞く | 「メーカーとの関係は何ですか。認定ですか、提携ですか、無関係ですか」——無関係でも構いません。大事なのは、聞いたときに正確に答えるかどうかです |
③がいちばん実用的です。——ALCの塗り替えができる会社は、メーカーと無関係でもあります。このページで書いてきたのは「ALCの経験があるか」であって「メーカー公認か」ではありません。問題になるのは、無関係なのに関係があるように見せている場合だけです。
当サイトは、特定の会社の係争について書きません。
訴訟が提起されたという事実は、一方の主張であって判決ではありません。また「メーカーのお知らせに載っていない=安全」でもありません。——調べたい方が自分で一次情報に当たれるように、見る場所だけを置いています。会社そのものを調べる公的な窓口は別のページにまとめました。
そして実務的には、公的な記録を調べるより、目の前の見積書のほうが確実です。ALCの下地をどう扱うか、目地をどうするか、使う塗料は何か——ここに具体名で答えられる会社かどうかで、たいてい判断がつきます。
見積もりを取る前に確認すること
この4つを揃えてから動くと、話が早くなります。
1「うちの外壁は、どの製品ですか」——ALCであることは共通ですが、仕上げの種類や純正塗料の製品によって、塗り替えの目安年数が変わります
2「前回の塗り替えはいつ、何を使いましたか」——建てた会社に履歴があります。2回目なら、これが今回の仕様を決めます
3「他社で工事をした場合、保証はどうなりますか」——できれば書面で
4「目地のシーリングは、いつ打ち替えましたか」——ALCは目地が多い構造です。塗膜より先に来ます
この4つが分かれば、他社に見積もりを頼むときも、同じ条件で出してもらえます。——情報を持って動くほうが、良い提案が返ってきます(現地調査で伝えること)。
よくある質問
30年点検で、外壁塗装をすすめられました。断れますか?
断れます。点検は点検、工事は工事です。「検討します」で十分で、その場で決める必要はありません(断り方の文例)。ただし、指摘された内容は記録しておいてください。どこがどう傷んでいると診断されたのか——それは他社に見てもらうときの材料になります。そして本当に必要な工事なら、断ることと先延ばしは別です。
ヘーベルハウスの外壁は塗装しなくていいと聞きました
それは正確ではありません。ALCは塗膜が防水を担っている材料で、メーカー自身が塗り替え時期の目安(約20年/約30年)を示しています。「塗らなくていい」のではなく「周期が長い」——ここが違います。そして目地のシーリングは、それより早く来ます(ALC外壁)。
メーカーの見積もりが他社の2倍でした。おかしいですか?
まず、工事の範囲と仕様を揃えて比べてください。屋根を含むか、シーリングは打ち替えか増し打ちか、使う塗料のグレードは同じか——ここが違えば、金額が倍近く違うことはあり得ます(見積書の見方)。揃えたうえで差が残るなら、それは体制の違いです。窓口の一本化、履歴の管理、保証の枠組み——その差額に価値を見出すかどうかは、施主の判断です。
ALCを扱える会社は、どうやって探せばいいですか?
聞くのがいちばん早いです。——「ALCの施工実績はありますか」。そして「ALC用の下塗りは何を使いますか」まで聞けば、経験の有無はだいたい分かります。地域によっては、ALCを多く手がけている会社があります(どこに頼むか)。一括見積もりサービスを使う場合も、申し込みの段階で「ALC外壁です」と書いておくと、対応できる会社が集まりやすくなります。
3階建てなのですが、費用は変わりますか?
変わります。足場が高くなるぶん、足場代が上がるためです。そして塗る面積そのものも増えます。ヘーベルハウスは3階建ても多いので、「30坪だからこの金額」という坪数の目安が当てはまりにくい——階数と実際の壁の面積で見てください(面積の考え方)。
塗り替えのとき、色を変えられますか?
変えられます。旭化成建材の純正塗料も、仕上げの種類(御影石調・花崗岩調・陶磁器調・シルキー調)と多数の色が用意されていると公表されています。ただし、もとの仕上げの質感を再現したい場合は、同系統の製品を選ぶ必要があります——「今と同じ風合いにしたい」のか「変えたい」のかを、先に伝えてください(色選び)。
築15年ですが、まだ早いですか?
メーカーが示している目安は約20年/約30年(製品による)なので、塗膜だけを見れば早い可能性があります。ただし、目地のシーリングは別です。15年前後で切れが出ていることは珍しくありません(シーリングの切れ)。「壁はまだでも、目地は打ち替えたほうがいい」という判断はあり得ます。点検で見てもらって、「今すぐ直さないといけない場所はありますか」と聞くのが確実です。
外壁に細かいひび割れがあります。急ぐべきですか?
ALCは塗膜が防水を担っているので、ひび割れの扱いはサイディングより慎重に見る必要があります。ただし髪の毛ほどの細いひび(ヘアクラック)と、下地まで達しているひびでは意味が違います(ひび割れ)。幅と場所を写真に撮って、点検のときに見てもらってください。——自分で判断せず、記録して聞くのがいちばん早い。
売却を考えています。塗り替えるべきですか?
売却前の塗り替えが得かどうかは、当サイトでは断定できません。不動産の評価は、外壁の状態だけで決まらないためです。ただし言えることが1つ——ヘーベルハウスの場合、点検の記録と施工の履歴があること自体が、建物の情報として残ります。塗り替えるかどうかより、まず不動産会社に「この状態で、塗り替えたら評価は変わりますか」と聞くのが順番です。
屋根も一緒に塗るべきですか?
足場を組むなら、一緒にやるほうが無駄がありません。屋根だけ後からやると、足場代がもう一度かかります(足場代の考え方)。ただし屋根の状態によっては、塗装ではなくカバー工法や葺き替えが妥当なこともあります(屋根塗装)。点検のときに、屋根の状態も見てもらって、判断を分けてください。
ヘーベルハウス以外のALCの家でも、同じ考え方ですか?
ALCという材料の扱いは共通です。塗膜が防水を担うこと、下塗りを省けないこと、目地が多いこと——これらはヘーベルパワーボードを使った他社の建物でも同じです(ALC外壁のページ)。違うのは、点検・保証の仕組みです。建てた会社によって体制が異なるので、そこは自分の家を建てた会社に確認してください。
相見積もりを取ったことは、メーカーに伝えるべきですか?
伝えて構いません。そして隠す必要もありません。相見積もりは当たり前の手続きで、まともな会社にとっては日常です(相見積もりは失礼?)。ただし他社の金額を見せて「これより安く」と言うのは避けてください——それは技術の比較ではなく、値段の叩き合いになります(値引き交渉)。「他社にも見てもらっています」で十分です。
結局、メーカーと他社のどちらがいいのですか?
当サイトは、どちらが良いとは言いません。判断は差額と、それで変わるもので決まるからです。差額が小さければ、履歴の管理と窓口の一本化に価値があります。差額が大きければ、ALCの経験がある他社を選ぶ理由になります。——そしてその差額は、見積もりを取らないと分かりません。取ること自体は無料で、保証にも影響しません。比べたうえで選ぶ——それが唯一の答えです。
点検の案内が来なくなりました
連絡先が変わっている可能性があります。プレスリリースによれば、過去に供給した物件についても、35年目以降の点検を迎える顧客に案内を送り、希望に応じて無償で対応する予定とされています。心当たりがあれば、建てた会社に直接連絡してください。——点検の履歴は、家を売るときにも資産になります。
ヘーベルメゾン(賃貸)でも同じですか?
建物の構造としては同じALCです。そして前述のプレスリリースは戸建の「ヘーベルハウス」と賃貸の「ヘーベルメゾン」の両方を対象としています。ただし、賃貸物件は税務上の扱いが戸建てと異なります——修繕費と資本的支出の区分が関わってきます(アパート・賃貸の外壁塗装/修繕費の扱い)。
「ヘーベルハウス専門」と書いてある塗装店に頼んでも大丈夫ですか?
それ自体は問題ありませんが、「専門」と「メーカー公認」は別です。——ALCの施工経験がある会社を探すのは正しいやり方です。ただし「専門」「施工実績多数」はその会社が自分で書いていることなので、メーカーとの関係は会社にではなくメーカー側で確かめてください。公式サイトに認定施工店の一覧があるか、メーカーのニュースリリースに表示をめぐる発表が出ていないか、そして本人に「認定ですか、提携ですか、無関係ですか」と聞く。無関係でも構いません。正確に答えるかどうかが判断材料です。
ヘーベルハウスの外壁塗装に補助金は使えますか?
ヘーベルハウスだから使える制度、というものはありません。——外壁塗装の助成金は住宅メーカーではなく、お住まいの自治体で決まります。市によって「外壁塗装が対象工事に入っている市」「対象外と名指ししている市」「そもそも制度が無い市」に分かれます。まずお住まいの市の制度を確認してください。なお制度の多くは着工前の申請が条件なので、見積もりより先に調べるのが順番です。
ALCの塗り替えは、メーカーに頼まないとできませんか?
他社でもできますが、確認する順番があります。——ALCは下地の扱いも目地の考え方も一般的なサイディングとは違うので、経験があるかどうかで仕上がりが変わります。そして旭化成グループ以外に頼んだ場合の保証の扱いは、お手元の保証書と建てた会社に確認してください。見積もりを取ること自体は、保証に影響しません。
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コーキングの費用
ALCは目地が多い構造です
2回目の外壁塗装
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参考にした情報
- 旭化成ホームズ株式会社 プレスリリース「建物定期点検サービスの60年間無償化を決定 過去供給物件も2020年4月から対応予定」(2019年11月7日)——戸建住宅「ヘーベルハウス」および賃貸住宅「ヘーベルメゾン」について、2019年11月1日からの新築請負契約を対象に定期点検サービスの無償提供期間を従来の30年間から60年間に延長する旨、過去供給物件および同日以前の契約物件についても2020年4月を目途に35年目以降の点検を迎える顧客へ案内を送り希望に応じて無償で対応する予定である旨、1972年の創業以来の全ストックが約28万棟であること、築30年を超える顧客が約5万棟に達していること、従来の60年点検システムでは初回点検から30年目の定期点検まで無償で実施しそれ以降は希望者を対象に有償で実施していたこと
- 旭化成建材株式会社「施工済みのお客様へ|へーベルパワーボード」——リフォーム(塗り替え)用塗料「アスリート」の標準塗装材工価格(ベーシック仕様フラット・ライン系3,710円/㎡ほか。2025年1月現在・税抜)、「標準塗装材工価格には既存塗膜の洗浄費用や足場費用は含まれておりません」「指定取扱店がヘーベルパワーボードに施工を行う場合の標準的な価格です」との但し書き、4つの塗り替え仕様(ベーシック=単層弾性さざなみ仕上/グランロック=花崗岩調/多彩調=御影石調/プリティアン=陶磁器調)、日常のお手入れにおける高圧水洗浄機の条件(壁面から30cm以上、水圧3MPaから開始し問題なければ5MPa、シーリング部は直接狙わない、シーリング部のひび割れ・剥離が見られる場合は使用を控える)
- 旭化成建材株式会社「アスリート取扱店舗|施工済みのお客様へ」——関東・甲信越/東海・近畿/中国・四国・九州の地域別に取扱店を掲載。「ヘーベルパワーボード住宅にお住まいの皆様に対しましては、アスリート塗り替えをご希望時に、お近くの取扱店をご紹介させていただいております」との記載
- 旭化成建材株式会社「製品情報:純正塗料|ヘーベルパワーボード」——無塗装パネルを現場塗装で仕上げる旨、「ヘーベルパワーボードとの相性を徹底的に検証した専用高性能塗料『ヘーベルパワーボード純正塗料』をおすすめします」との記載、仕上げの種類(御影石調・花崗岩調・陶磁器調・シルキー調)、光触媒コーティング材の対応製品、リフォーム(塗り替え)専用塗材について「パワーボード純正塗料の他、一般の代表的な塗膜との相性も良く、安心してご採用いただけます」との記載、「性能確保のために、約20年を塗り替え時期の目安としてください」「性能確保のために、約30年を塗り替え時期の目安としてください」との記載(製品により異なる)、「耐候性の年数は、本州地方での気象条件を想定しています」との但し書き
- 不正競争防止法(平成5年法律第47号)第2条第1項第一号(周知表示混同惹起行為)および第二十号(誤認惹起行為)/e-Gov法令検索——広く認識されている他人の商品等表示と同一・類似の表示を使用して他人の営業と混同を生じさせる行為、および役務の質・内容・用途等について誤認させるような表示をする行為が、それぞれ不正競争として定められている旨
最終確認日:2026年9月12日(ヘーベルパワーボードの塗り替え価格・取扱店・手入れの条件を追記)。ヘーベルハウスは旭化成ホームズ株式会社が供給する戸建住宅、ヘーベルパワーボードは旭化成建材株式会社のALC外壁材であり、別のブランドです。本ページに掲載した塗り替え時期の目安は旭化成建材がヘーベルパワーボードの純正塗料について公表しているものであり、旭化成ホームズがヘーベルハウスの外壁について示す塗り替え周期を当サイトで確認したものではありません。保証・点検の適用範囲は契約時期および契約内容によって異なります。実際の判断は建てた会社および施工会社にご確認ください。当サイトは旭化成グループとの取引関係はありません。