大垣市の外壁塗装|雪の多い土地の錆対策とケレン
同じ岐阜県でも、大垣市は岐阜市の約4倍の雪が降ります。濡れている時間が長い土地の家では、外壁そのものより先に鉄部の錆が問題になります。何を見て業者を選べばいいのかを整理しました。
大垣は岐阜市の約4倍、雪が降る
大垣というと「水の都」「夏が暑い」というイメージが先に来ますが、外壁にとって効いてくるのは冬です。気象庁の平年値(1991〜2020年)で岐阜市と並べると、差は歴然としています。
| 項目 | 大垣 | 岐阜市 |
|---|---|---|
| 年間降雪量 | 131cm | 34cm |
| 最深積雪 | 35cm | 15cm |
| 1月の降雪量 | 59cm | 14cm |
| 1月の日最低気温 | −0.1℃ | 0.7℃ |
| 年間降水量 | 2,181.9mm | 1,860.7mm |
出典:気象庁「過去の気象データ検索」大垣・岐阜(岐阜県)の平年値(統計期間1991〜2020年)。
雪が多いのは、冬に吹く伊吹おろしと無関係ではありません。日本海側からの季節風が若狭湾・琵琶湖を通り、関ヶ原の回廊状の地形を抜けて濃尾平野に吹き下ろす風で、大垣市も公式サイトで「時折雪を運ぶ」風として紹介しています。大垣は美濃地方の平野部でありながら、雪が積もることを前提に考えるべき土地です。
雪と雨が多いと、まず「鉄部」が錆びる
年間降雪131cm・降水2,182mmという数字が外壁にとって何を意味するか。ひとことで言えば、濡れている時間が長いということです。
雪はやっかいで、降ってすぐ流れる雨と違い、積もったあと少しずつ溶けながら、長時間そこに水を置き続けます。屋根と壁の境目、雨樋、ベランダの手すり、霧除け(小さな庇)、シャッターボックス、配管カバー。こうした場所は、雪が消えるまで濡れ続けます。
金属は、まわりの湿度がおおむね60〜65%を超えると急に錆びやすくなることが知られています(臨界湿度)。美濃地方は年平均湿度が66%前後。そこに雪と雨による直接の濡れが加わるのが大垣です。
| 症状 | 起きる場所 | 放置するとどうなるか |
|---|---|---|
| 錆・錆汁 | 雨樋の金具、手すり、霧除け、シャッターボックス | 錆汁が外壁を伝って茶色い筋になり、進行すると部材そのものの交換が必要に |
| 凍害 | モルタル壁、窯業系サイディングの下のほう | 吸った水が凍って膨らみ、溶けて戻るのを繰り返して表面が欠ける・ボロボロになる |
| カビ・藻 | 北面、日陰、建物の裏側 | 緑や黒の汚れ。塗膜の劣化とあわせて進む |
凍害は冬に氷点下まで下がる土地で起きやすい現象です。大垣の1月は日最低気温の平年値が−0.1℃で、実際には氷点下になる日が相当あります。外壁の下のほうが欠けている、ふくれているという場合は、塗り替えの前に下地の補修が必要かどうかを見てもらってください。
だから大垣では「ケレン」をやる業者を選ぶ
ここが、大垣で業者を選ぶときのいちばんの分かれ目です。
ケレンとは、塗る前に鉄部の錆や浮いた古い塗膜を落とし、塗料が食いつくように表面を整える作業のことです。電動工具や、ワイヤーブラシ・サンドペーパーを使った地味な手作業で、住宅の塗り替えでは「3種ケレン」と呼ばれる方法が多く用いられます。
この工程が、錆びやすい土地では仕上がりの寿命を決めます。錆を残したまま上から塗料をかぶせても、内側で錆は進み続け、数年で塗膜を押し上げて剥がれてきます。逆に、ケレンできちんと錆を落として錆止めを入れれば、同じ塗料でも持ちがまるで違います。
ところが、ケレンは見積書に書いてあっても実際にはやらない業者がいると指摘される工程でもあります。塗ってしまえば見えなくなり、手間だけがかかるためです。大垣で業者を選ぶなら、次の点を確認してください。
- 鉄部の工程が「ケレン → 錆止め → 上塗り」と分けて書かれているか。「鉄部塗装一式」だけで終わっていないか
- 錆止め塗料の商品名が書いてあるか。錆止めは種類によって性能が違います
- 現地調査のときに鉄部を見ているか。雨樋の金具やベランダの手すりまで見て回る業者は、錆の重要性を分かっています
- 「錆がひどい場合は交換をすすめる」と言えるか。錆が進みすぎた鉄部は、塗るより交換したほうが安く済むことがあります。何でも塗って済ませようとする業者より正直です
業者選びの一般的なチェック項目(清潔感、見積書の見方、契約を急がせないかなど)は業者選びガイドにまとめています。
工事の時期は「雪」と「風」で決まる
塗料メーカーは気温5℃以下・湿度85%以上では塗装しないことを仕様書で定めています。大垣ではこれに加えて、雪の日と、伊吹おろしが強い日も作業が止まります。強風時は塗料が飛散して近隣に迷惑がかかり、養生シートが風をはらんで危険なためです。
| 時期 | 大垣の条件 | 評価 |
|---|---|---|
| 4〜5月 | 気温・湿度が安定し、風も落ち着く | ◎ もっとも工事しやすい |
| 6〜7月 | 梅雨。年間で雨がもっとも多い | △ 雨で止まりやすい |
| 8〜9月 | 高温多湿。9月は台風の影響も | △ 天候リスクあり |
| 10〜11月 | 雨が少なく気温も適度 | ◎ 狙い目 |
| 12〜3月 | 1月だけで降雪59cm。低温・強風も重なる | × 中断が増え、工期が読みにくい |
大垣の冬は「寒くて塗れない日」「雪で塗れない日」「風で塗れない日」が重なります。工期が延びるのは業者の段取りが悪いからではなく、土地の条件です。ここを施主が強く詰めると、業者は乾燥時間を削るしかなくなり、それは手抜きの入り口になります。冬に工事するなら、余裕のある日程を組める業者を選んでください。
ただし「春まで待つ」ことが常に正解とは限りません。すでに塗膜が剥がれていたり、シーリングが切れていたりする場合は、冬のあいだに雨や雪の水が入り込んで下地が傷みます。急ぐべきかどうかは劣化の程度で判断してください。
大垣市の費用相場
費用は地域ではなく工事の範囲と塗料のグレードで決まります。30坪前後・下地処理から3回塗りまで行った場合の目安です。
| 工事の範囲・塗料 | 費用の目安(税込) |
|---|---|
| 外壁のみ・シリコン/ラジカル | 約100〜130万円 |
| 外壁+屋根・ラジカル | 約130〜160万円 |
| 外壁+屋根・フッ素/無機 | 約160〜200万円 |
内訳の見方、2026年の値上がり事情、塗料グレード別の耐用年数は相場・費用ガイドで解説しています。なお大垣の場合、鉄部の数と状態によって付帯部の費用が動きます。錆が進んでいる家では、ケレンの手間や部材交換が加わるぶん、見積もりが上がることがあります。これは高くふっかけられているのではなく、必要な作業です。
助成金と、周辺の町について
大垣市に外壁塗装だけを対象にした助成金はありませんが、中古住宅を取得した子育て世代等の方は補助を受けられる可能性があります。詳しくは大垣市の助成金ページをご覧ください。
周辺の町(垂井町・関ケ原町・養老町・神戸町・安八町・輪之内町・池田町・大野町・揖斐川町など)も、雪と風の条件は共通です。特に関ケ原町は伊吹おろしの通り道で、1月の日最低気温の平年値が−3.5℃と大垣よりさらに冷え込みます。錆と凍害への注意はこのページの内容がそのまま当てはまります。見積もりを取るときは、出張費が別途かかるかを最初に確認しておくと安心です。
参考にした情報
- 気象庁「過去の気象データ検索」大垣・関ケ原・岐阜(岐阜県)の平年値(統計期間1991〜2020年)
- 大垣市公式ホームページ「気候」(伊吹おろし・降雨量に関する記述)
- 塗料メーカー各社の製品仕様書(気温5℃以下・湿度85%以上での塗装を避ける旨の記載)
費用は目安です。実際の金額は建物の状態・形状・立地・依頼する会社によって変わります。最終確認日:2026年8月15日。