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岐阜県の外壁塗装ガイド

同じ岐阜県でも、猛暑と湿気の美濃と、雪深い飛騨では、外壁の傷み方も対策も変わります。気象データをもとに地域ごとの事情と、費用感・助成金の状況をまとめました。

このページの内容全9項目

岐阜県は「美濃」と「飛騨」で事情がまったく違う

岐阜県は南北に長く、外壁塗装の観点では美濃地方(岐阜市・大垣市・各務原市など平野部)と飛騨地方(高山市・飛騨市など山間部)で、対策すべきことが変わります。気象庁の平年値(1991〜2020年)で並べると違いは一目瞭然です。

項目岐阜(美濃・平野部)高山(飛騨・山間部)
年平均気温16.2℃11.4℃
年間降雪量34cm305cm
最深積雪15cm55cm
雪が降る日数年33.4日年94.4日
年平均湿度66%77%

出典:気象庁「過去の気象データ検索」岐阜(岐阜県)・高山(岐阜県)の平年値(統計期間1991〜2020年)。

美濃地方(岐阜市・大垣市・各務原市など)

夏は日最高気温の平均が33.4℃(8月・岐阜)に達する猛暑で、強い日差しによる色あせやチョーキングが進みやすい地域です。あわせて注意したいのが湿度で、年平均66%、6月から9月までは69〜73%で推移します。金属はおおむね湿度60〜65%を超えると錆びやすくなるため、雨樋の金具・手すり・霧除けといった鉄部の錆が出やすいのが美濃地方の特徴です。雪も年33日ほど降り、まったくの無縁ではありません。

飛騨地方(高山市・飛騨市など)

年間降雪量305cm・雪の日は年94日と、本格的な雪国です。どれくらいの量かというと、同じ東海地方の名古屋(年12cm)の約25倍、岐阜市(34cm)の約9倍。同じ「岐阜県」でも、飛騨は別の土地だと考えたほうが実態に合います。この地域で注意が必要なのが凍害——外壁材が吸い込んだ水分が凍って膨らみ、溶けて戻る、を繰り返すことで、モルタルや窯業系サイディングの表面がボロボロと欠けていく現象です。塗装で防水性を保つことは凍害対策そのものにつながるため、「まだ大丈夫」と放置しないことが平野部以上に重要になります。また、冬は塗装ができない時期が長くなるため、工事時期の計画も早めに立てる必要があります。

ご自宅の劣化サインの見分け方は基礎知識(劣化サインと塗り替え時期)で解説しています。

数字で見る岐阜県——降水量と、業者の数

県ごとの違いを、公表されている数字で確かめます。

気候——降水量は東海3県の観測地点の中で最多

気象庁が公表している平年値です。

観測地点年降水量年平均気温平均湿度平均風速
岐阜1,860.7mm16.2℃66%2.6m/s
名古屋(愛知)1,578.9mm16.2℃66%3.0m/s
津(三重)1,612.9mm16.3℃67%3.6m/s

岐阜と名古屋で、年間280mmほどの差があります。——1年で見れば、雨の量が2割近く違うことになります。

ただし、この数字から「岐阜は塗装が長持ちしない」と結論づけることはできません。

——塗膜の寿命は、降水量だけでなく日射、下地の状態、施工の質、塗料のグレードで決まります。当サイトは、根拠を示せない断定はしません。

この数字が確実に効いてくるのは、工期です。——雨の日は塗れません。降水量が多いということは、作業できない日が出やすいということです。岐阜で工事をするなら、日程に余裕をみておいてください。

業者の数——選べる会社の数が違います

国土交通省が公表している建設業許可業者数(令和7年3月末時点)です。

県建設業許可業者数
愛知県28,207
岐阜県9,027
三重県7,408

※塗装業に限った数字ではありません。建設業全体の許可業者数です。地域にどれだけ事業者がいるかの目安として見てください。

愛知と比べると、選べる会社の数はどうしても少なくなります。——だからこそ、1社で決めずに比べる価値が上がります(サービスを比較する)。県内の会社だけでなく、隣接する市の会社が来てくれることもあります。

岐阜県の費用感

外壁塗装の費用は地域ではなく「工事の範囲」と「塗料のグレード」で決まるため、岐阜県だから特別に高い・安いということはほとんどありません。30坪前後で、外壁のみなら100〜130万円、屋根も塗るなら130〜160万円が目安です(税込・下地処理から3回塗りまで行った場合)。

金額の内訳、2026年の値上がり事情、塗料グレード別の耐用年数は相場・費用ガイドにまとめています。

助成金の状況

2026年度は外壁塗装にも使える県の補助金(岐阜県住宅リフォーム支援事業費補助金)がありましたが、予算上限に達し受付終了しています。市独自の制度の有無を含め、詳しくは岐阜県の助成金・補助金まとめで解説しています。

岐阜の家を長くもたせるために、やること

美濃と飛騨で条件は違いますが、やるべきことの優先順位は整理できます。

①飛騨は「水を吸わせない」——凍害は防水性で決まります

凍害は、外壁材が水を吸うから起きます。吸った水が凍って膨らみ、溶けて戻る。これを毎年繰り返すうちに、表面が欠けていく。

つまり水を吸わせなければ、凍害は進みません。塗膜が生きているうちは水を弾きますが、塗膜が痩せて水を吸うようになると、そこから始まります。雪国で「まだきれいだから」と塗り替えを送るのは、平野部より リスクが大きいということです。

確かめ方は簡単です。壁を手でこすって白い粉が付くか(チョーキング)、そして小口や角が欠けていないか。欠けが始まっていたら、塗装だけで戻せる段階かどうかを見てもらってください(劣化サインのページ)。

②美濃は「日射と湿度」——塗膜と鉄部の両方

夏の日最高気温の平均33.4℃という猛暑は、塗膜を紫外線で痩せさせます。そのうえ年平均湿度66%、6〜9月は69〜73%。金属が錆びやすい条件です。

だから美濃地方では、外壁の塗膜と付帯部の鉄部の両方を見る必要があります。錆びるのは雨樋の金具、手すり、面格子、戸袋、霧除けといった場所。錆は塗って隠すものではなく、落としてから止めるものなので、見積書にケレンと錆止めが入っているかを確認してください(付帯部のページ)。

③どちらの地域でも、継ぎ目が水の入り口です

外壁の目地、サッシまわり、ベランダの笠木と排水口——水は必ず継ぎ目から入ります。雪が多い地域では、屋根の雪が落ちる場所や、雪がとどまる部分にも負荷がかかります。

シーリングが切れていれば、雨でも雪解け水でも入ります(コーキングのページ)。塗り替えのときに、目地をどうするかまで見積書に書かれているかを確認してください。

④結局、定期的に見てもらうのが一番安い

放置すると早めに手を入れれば
凍害で外壁材が欠ける → 板の交換や張り替え塗装で防水性を保てば進まない
鉄部に穴が空く → 交換ケレンと錆止めで止まる
シーリングが切れて壁の内側に水が回る → 下地の補修まで打ち替えだけで済む

そして岐阜には、もうひとつ事情があります。工事できる時期が限られる地域では、「思い立ってすぐ」ができません。冬に傷みに気づいても、工事は春まで待つことになる。その数か月のあいだも、傷みは進みます。

だから秋のうちに状態を見てもらっておく——これが雪国での現実的な段取りです。塗り替えの予定がなくても、見てもらうだけなら費用はかかりません。何社かに現地を見てもらって、いま手を入れるべきか、春まで待てるかを聞いてみてください。「春でいい」と言われたなら、そのまま春の予約を取っておけば日程も押さえられます。

岐阜県は「市の独自制度が残っている」県です

助成金について、岐阜県には他県にない特徴があります。外壁塗装に正面から使える市の独自制度が、まだ残っていることです。

愛知県は市ごとに制度がバラバラで、しかも多くの市が「外壁塗装への補助はない」と明言しています。三重県は県が枠を握っていて、耐震補強とセットでなければ使えません。それに対して岐阜県は、市が地場に合わせた制度を作っている——という形です。

例特徴
可児市住宅新築リフォーム助成事業。外壁塗装が対象工事に含まれます(上限10万円・Kマネーという地域通貨で交付・市内本社の業者に限る)
多治見市美濃焼タイルの施工に対する補助。地場産業に紐づいた設計です
岐阜県(県の制度)住宅リフォーム支援事業費補助金(工事費の20%・上限60万円)は予算上限で受付終了

県の制度が実際に走った実績がある——ここが岐阜県の特殊なところです。だから翌年度に再開される可能性を考える意味があります。三重県のように「県が一般リフォームは補助しない」と明示している場合と違って、待つという選択肢が成り立つ数少ない県です。

ただし待っている間に壁が傷むなら、待つ意味は薄れます。補助の上限より、傷みが進んで下地補修が増える金額のほうが大きくなることがあるからです。「いま直すべき状態か」を先に確かめてから、待つかどうかを決めてください。市町村別の状況は岐阜県の助成金まとめに整理しています。

市内業者の条件に注意

市の制度には、たいてい施工業者の所在地に条件が付きます。可児市は「市内に本社」——支店では認められません。大垣市は「市内に本店もしくは支店」で、支店でも可。この一語の違いで、頼める会社の範囲が変わります。制度を使うつもりなら、条件の書き方まで読んでください。

雪国では、工事の時期を逆算する必要があります

飛騨地方のように年間降雪量305cm・雪の日が年94日という地域では、工事できる時期が限られます。塗装は気温5℃以下では行わないのが原則なので(工程と工期のページ)、冬は事実上シーズンオフになります。

ここから、2つのことが導けます。

ひとつめ。工事の予約は早めに埋まります。作業できる期間が短いぶん、その時期に依頼が集中するからです。「秋にやろう」と秋になってから声をかけると、業者の日程が空いていないことがあります。

ふたつめ。補助金の締切と、工事できる時期が噛み合わないことがあります。多くの制度は「年度内(3月中)に工事を完了して実績報告」という条件が付きます。ところが雪国では2月〜3月に外部の塗装ができません。つまり実質的な締切は、制度の締切より数か月早いということです。

制度を使うなら、春から夏のうちに申請と業者の手配を済ませ、秋までに工事を終える——この逆算が要ります。早めに何社かへ声をかけて、日程感と概算をつかんでおいてください。

よくある質問

岐阜県は工期が延びやすいのですか?

雨の日が多いぶん、その可能性はあります。——気象庁の平年値では、岐阜の年降水量は1,860.7mmで、名古屋(1,578.9mm)との差は年間280mmほどです。雨の日は塗れません。だから「雨で延びた場合、足場代はどうなりますか」を契約前に確認しておいてください。

飛騨地方は、美濃地方と何が違いますか?

雪です。——積雪のある地域では、工事できる時期が限られます。雪解けを待って春から、雪が来る前に終わらせる——という逆算が要ります。だから「いつ頼むか」を早めに動く必要があります。混み合う時期に重なると、希望の日程が取りにくくなります。

岐阜県は業者が少ないのですか?

愛知県と比べれば少なくなります。——建設業許可業者数(令和7年3月末)で、愛知28,207に対して岐阜は9,027です。ただし塗装業に限った数字ではありません。数が少ないぶん、1社で決めずに比べる価値が上がります(サービスを比較する)。

隣の市の業者に頼んでもいいですか?

問題ありません。——ただし工事後に来てもらいやすいかは確認してください。「何かあったとき、どれくらいで来ていただけますか」。この一言で、距離の問題が具体的になります。

凍害はどうやって見分けますか?

外壁の表面がボロボロと粉状・薄片状に欠けている状態です。ひび割れとは違い、面で崩れていくのが特徴。窯業系サイディングなら小口(板の端)から、モルタルなら表面から出ることが多いです。塗膜が切れて水を吸うようになると進むので、防水性を保つことがそのまま対策になります。

飛騨地方で、冬でも工事はできますか?

外部の塗装は難しくなります。気温5℃以下では塗装を行わないのが原則で、雪が積もれば足場の作業も止まります。屋内の工事や、足場を使わない部分的な補修なら別ですが、外壁の塗り替えは春から秋に計画するのが現実的です。

美濃地方は暑いですが、真夏の工事は避けるべきですか?

真夏でも工事はできます。ただし塗料が乾きすぎて塗りにくくなることや、職人の熱中症対策で作業時間が制限されることがあります。工程に余裕を見ておくほうが安全です。窓を閉め切る期間があるので、在宅時の暑さも考えておいてください。

県の補助金は、また始まりますか?

分かりません。過去に実施された実績はありますが、次年度以降の実施は公表されるまで確定しません。「あるかもしれない」を前提に工事を先送りするのは勧めません。先に見積もりを取っておけば、制度が始まったときすぐ動けます。

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岐阜県は市が独自のリフォーム助成を持っていることがある県です。可児市のように外壁塗装に正面から使える制度が残っている市もあります(岐阜県の助成金まとめ)。ただし市内業者の限定など条件が付くのが普通なので、市内・市外の両方から見積もりを取って、条件込みの総額で比べてください。