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雨漏り修理に助成金は使える?——市の制度・国の応急修理・火災保険を分けて考える
「雨漏り修理の助成金」という名前の制度は、ほとんどの市にありません。ですが使えるお金がない、という意味ではありません。実際にはルートが3つあって、どれに当たるかで金額も期限も窓口も変わります。中でも見落とされやすいのが国の制度で、災害が原因なら1世帯当たり739,000円以内という枠があります。ただし、期限があります。
※本ページはプロモーション(広告)を含みます。
このページの内容
- 🔑結論——探すべきは「雨漏りの助成金」ではありません
- まず、3つのルートを分けます
- ルート①市のリフォーム助成——「対象工事」の書き方で決まる
- 🔑見落とされやすい壁——金額の下限と、業者の条件
- 🔑ルート②災害が原因なら、国の「住宅の応急修理」
- 🔑罹災証明書——これが、全部の入口です
- 🔑「もう業者に頼んでしまった」場合
- 写真は「必須」と書かれています
- 限度額は、毎年上がっています
- ルート③火災保険——助成金ではありませんが
- 🔑ルート④国のリフォーム補助——雨漏り修理だけでは使えません
- 3つを確かめる順番
- 「うちの市に制度があるか」の調べ方
- ⚠️「助成金が使えます」と言ってくる業者について
- よくある質問
結論——探すべきは「雨漏りの助成金」ではありません
「雨漏り修理 助成金」で検索している方に、まず結論をお伝えします。
「雨漏り修理助成金」という名前の制度を持っている市は、ほとんどありません。ですから、その名前で探し続けても見つかりません。探し方を変える必要があります。
- 市の「住宅リフォーム助成」に、雨漏り修理が相乗りできるかを見る。制度の名前ではなく、要綱の「対象工事」に何と書いてあるかで決まります
- 台風・豪雨など災害が原因なら、国の制度を先に見る。災害救助法の「住宅の応急修理」です。市の助成金より金額が大きいことがあります
- 火災保険を確かめる。助成金ではありませんが、自然災害が原因の雨漏りでは、いちばん現実的なお金です
- 断熱改修まで一緒にやるなら、国のリフォーム補助も。ただし雨漏り修理だけでは使えませんし、登録した業者と契約していないと対象になりません
🔑そして、いちばん大事なのは順番です。どれも使える条件も期限もバラバラで、期限が短いものから確かめるのが正解です。この記事は、その順番を作るために書きました。
⚠️先にお伝えしておきます。ここに書くのは制度の仕組みと、確かめ方です。お住まいの市に制度があるかどうかは、市の公式サイトでしか分かりません。当サイトでは市ごとの制度を公式情報から調べてまとめていますが、制度は毎年変わります。最後は必ず市の窓口で確認してください。
まず、ルートを分けます
| ①市のリフォーム助成 | ②国の住宅の応急修理 | ③火災保険 | |
|---|---|---|---|
| お金の性格 | 工事費の一部を補助 | 修理そのものを現物で提供(市が業者に払う形が基本) | 損害を補償 |
| 使える原因 | 問わない(経年劣化でも可のことが多い) | 🔑災害が原因のときだけ | 🔑風災・雹災など自然災害。経年劣化は対象外が基本 |
| 金額の目安 | 市による(数万円〜数十万円) | 半壊以上739,000円/準半壊358,000円(令和7年度) | 損害額による |
| 期限 | 🔑着工前の申請が条件のことが多い | 🔑災害発生の日から3か月以内(災害対策本部が設置された場合は6か月以内)に完了 | 保険法上は3年(約款による) |
| 決めるのは | 市 | 市(災害救助法の適用が前提) | 保険会社 |
| 窓口 | 市の住宅担当課 | 市の窓口 | 保険会社・代理店 |
🔑この表でいちばん見てほしいのは「期限」の行です。②は3か月で、他の2つより短い。だから、災害が原因の可能性があるなら②を最初に確かめます。
ルート①市のリフォーム助成——「対象工事」の書き方で決まる
市の制度は、名前がバラバラです。「住宅リフォーム助成」「住宅改修補助」「住まいの改修支援」——呼び方が違うだけで、中身は近いことがあります。ですから、名前ではなく要綱の「対象工事」を読んでください。
実際の要綱には、こう書かれています
当サイトが公式情報をもとにまとめている市の中から、書き方の違いが分かる3つを並べます。
| 市 | 対象工事の書き方 | 雨漏り修理は |
|---|---|---|
| 岐阜県可児市 住宅新築リフォーム助成事業 | 住宅の新築・増築・改築・修繕・模様替え、外構工事 (太陽光発電設備、公共下水道への切り替え、植栽、造園、塀・さくの築造などは除く) | 🔑「修繕」が明記されている=相乗りできる可能性がある |
| 愛知県田原市 耐震改修系の補助 | ①簡易耐震補強工事 ②耐震シェルター・防災ベッド ③その他耐震上有効な工事(屋根の軽量化、減築など) | 目的が耐震なので、雨漏り修理そのものは対象外。ただし瓦から軽い屋根材への葺き替えなら重なることがある |
| 愛知県名古屋市 | 公式FAQで「外壁の塗り替え(外壁塗装)など、住宅の性能維持に関する一般的なリフォームや修繕を補助する制度はありません」と明言 | ❌市が自分で「ない」と書いている |
🔑3つを見比べると、市の考え方が分かります。
- 可児市のように「修繕」まで含む市——地域の建設業を支える目的の制度で、工事の中身は幅広く取ります
- 田原市のように目的が決まっている市——耐震・省エネ・バリアフリーなど、「性能を上げる工事」に絞るのが自治体の一般的な考え方です
- 名古屋市のように無い市——「性能維持のための修繕」は自己負担、という線引きです
つまり、雨漏り修理が助成の対象になるかどうかは、「雨漏りかどうか」ではなく「その市が何を目的にお金を出しているか」で決まります。市ごとの制度は助成金のページに、愛知県・岐阜県・三重県に分けてまとめています。
💡「ない」と分かることにも価値があります。名古屋市のようにはっきり書いてある市なら、探し続ける時間が減ります。制度がない場合は、次のルート②③に進んでください。
見落とされやすい壁——金額の下限と、業者の条件
対象工事に「修繕」が入っていても、そこで終わりではありません。雨漏り修理の場合、2つの条件でつまずくことが多いです。
①金額の下限を超えられない
市のリフォーム助成には、「対象工事が◯万円以上」という下限が置かれていることがよくあります。可児市の場合はこうです。
工事金額の条件=対象工事が50万円以上(消費税を除く)(可児市 住宅新築リフォーム助成事業)
🔑ここが雨漏り修理の落とし穴です。雨漏りの修理は、原因が特定できれば部分修理で済むことがあります。シーリングの打ち直しや板金の補修なら、数万円で終わることもある。そうすると、下限に届きません。
逆に、こういう場合は超えます。
- 屋根の葺き替えやカバー工法まで進む場合(下地から傷んでいるケース)
- 外壁塗装や屋根塗装と一緒にやる場合(足場を一度で済ませる考え方でもあります)
- ベランダ防水のやり直しなど、面でやる工事になる場合
だから、見積もりが出てから判断してください。「助成金を使いたいから工事を大きくする」は順序が逆ですが、もともと塗り替えの時期が近いなら、まとめたほうが下限も超えるし足場代も一度で済みます。足場の考え方は雨漏りのページに書きました。
②業者に条件が付いている
もう1つが業者の条件です。可児市の要綱には、こう書かれています。
施工業者の条件=市内に本社を有する法人、または市内に住民票のある個人事業者。市内に支店・営業所があっても、本社が市外なら対象外(可児市)
🔑「市内に支店があってもだめ」とまで書いてあります。これは厳しい条件です。
そして、ここが雨漏りの相談と噛み合いません。雨漏りの修理を頼むとき、多くの方は窓口サービスや一括見積もりを使います。ところがそういうサービスの紹介基準は「お住まいの地域に近く」で、「近い」と「市内」は違います。隣の市の会社が来ることは普通にあります。
ですから、助成金を使うつもりなら、業者を探す前に条件を控えてください。そして依頼の最初に「◯◯市の助成金を使いたいので、市内に本社がある会社をお願いします」と伝える。これだけで、後から使えないと分かる事故が防げます。この話は一括見積もりサービスのページにも書きました。
ルート②災害が原因なら、国の「住宅の応急修理」
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
台風・豪雨・地震などで雨漏りが始まった場合、市の助成金より先に見るべき制度があります。災害救助法にもとづく「住宅の応急修理」です。災害救助法が適用された災害であることが前提になります。
令和7年度の限度額
内閣府(政策統括官・防災担当)の資料から、そのまま引きます。
| 大規模半壊・中規模半壊・半壊 | 準半壊 | |
|---|---|---|
| 費用の限度額 | 1世帯当たり739,000円以内 | 1世帯当たり358,000円以内 |
| 対象の部分 | 居室、炊事場、便所等 日常生活に必要最小限度の部分 | |
| 救助期間 | 災害発生の日から3か月以内に完了 (国の災害対策本部が設置された災害においては6か月以内に完了) | |
| 対象者 | 半壊し、自らの資力では応急修理をすることができない者/大規模な補修を行わなければ居住が困難な程度に半壊した者 | 半壊に準ずる程度の損傷を受け、自らの資力では応急修理をすることができない者 |
🔑739,000円は、市のリフォーム助成(上限10万円前後のことが多い)と桁が違います。災害が原因の可能性があるなら、ここを先に確かめる価値があります。
「準半壊」でも使えます
「うちは半壊じゃないから関係ない」と思われるかもしれません。ですが、判定はこうなっています。
| 被害の程度 | 損害割合 住家の主要な構成要素の経済的被害が住家全体に占める割合 |
|---|---|
| 全壊 | 50%以上 |
| 大規模半壊 | 40%以上50%未満 |
| 中規模半壊 | 30%以上40%未満 |
| 半壊 | 20%以上30%未満 |
| 🔑準半壊 | 10%以上20%未満 |
| 一部損壊 | 10%未満 |
準半壊は損害割合10%以上からで、ここに入れば358,000円以内の枠が使えます。この「準半壊」が対象に加わったのは令和元年(2019年)で、内閣府の資料には「令和元年台風第19号」等を契機に追加されたと書かれています。比較的新しい制度なので、知られていません。
ただし、条件はきちんとあります
都合のいい制度ではありません。内閣府の資料に書かれている留意事項を、そのまま挙げます。
- 趣旨は「元の住家に引き続き住むこと」。資料は「日常生活に必要最小限度の部分を応急的に修理することで、元の住家に引き続き住むことを目的としたもの」としています。家をきれいに直す制度ではありません
- 全壊は基本的に対象外。「修理を行えない程度の被害」だからです。ただし修理することで居住可能になる場合は個別に対象にできるとも書かれています
- 借家は原則として対象外。「通常はその所有者が修理を行うもの」だからです。ただし所有者が修理を行わず、居住者の資力をもって修理しがたい場合は対象となり得るとされています。一方で会社の寮・社宅・公営住宅は所有者が実施すべきもので対象外
- 🔑「自らの資力では応急修理をすることができない者」という要件があります。所得の条件が付く運用がされることがあるので、市の窓口で確認してください
⚠️この制度は、市が業者に工事を発注する形(現物給付)が基本です。「自分で払ってあとで受け取る」ではありません。だから、市に申し込む前に自分で契約して工事を始めてしまうと、使えなくなることがあります。災害のあと、業者に「すぐ直します」と言われても、先に市の窓口へ一報を入れてください。
罹災証明書——これが、全部の入口です
災害が原因のときは、まず罹災証明書(りさいしょうめいしょ)です。これがないと、どの制度も動きません。
根拠は法律に書かれています。
市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生した場合において、当該災害の被災者から申請があつたときは、遅滞なく、住家の被害その他当該市町村長が定める種類の被害の状況を調査し、当該災害による被害の程度を証明する書面(=罹災証明書)を交付しなければならない。(災害対策基本法 第90条の2)
🔑「交付しなければならない」と書かれています。これは市町村の義務です。申請すれば、調べて出してもらえます。
罹災証明書1枚で、これだけの支援につながります
内閣府の資料は、罹災証明書を「各種被災者支援策の適用の判断材料として幅広く活用されている」としていて、具体例を挙げています。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 給付 | 被災者生活再建支援金、義援金 など |
| 融資 | 住宅金融支援機構の融資、災害援護資金 など |
| 減免・猶予 | 税、保険料、公共料金 など |
| 🔑現物給付 | 災害救助法に基づく応急仮設住宅、住宅の応急修理 |
雨漏りの修理でいえば、いちばん下の「現物給付」が前の章で説明した制度です。そしてその手前に罹災証明書がある、という順番になります。
「半壊」の判定は、どう決まるのか
「うちは屋根の一部だから、半壊なんて言えない」と思われるかもしれません。判定の方法は公表されています。
■災害に係る住家の被害認定基準運用指針(平成13年作成、令和3年最終改定)
・市町村が災害により被害を受けた住家の被害認定を迅速かつ的確に実施できるよう、地震・水害・風害等の災害ごとに住家の経済的被害の標準的な調査方法を定めたもの
・固定資産評価を参考に、原則として、部位(基礎、柱等)別の損害割合を算出し、それらを合計して住家全体の損害割合を算出して判定(内閣府資料)
🔑「部位別の損害割合を合計する」という方式です。つまり屋根だけを見て判定するのではなく、屋根・外壁・基礎・柱などの被害を足し合わせます。屋根が大きくやられていれば、そのぶん全体の割合が上がる。そして準半壊は10%以上からです。
ですから、「たぶんうちは対象外だろう」と自分で判断しないでください。判定するのは市町村で、申請すれば調査に来てもらえます。申請は無料です。
「もう業者に頼んでしまった」場合
ここは、知らないと損をするところです。内閣府の資料には、制度の受付が始まる前に工事を頼んでしまった人についての取り扱いが、はっきり書かれています。
被災者の中には、住宅の応急修理について自治体が相談・受付を開始するよりも前に、修理業者に工事を依頼している場合が見受けられる。(中略)当該事案が発生した場合には以下の取扱いとなるので参考にされたい。(内閣府「住宅の応急修理に関する留意事項」)
資料が例に挙げているのは、こういうケースです。「準半壊」の罹災証明書を受けた人が、修理総額80万円の工事のうち30万円分を応急修理として行う場合。
| 状況 | 扱い |
|---|---|
| ①まだ何も始めていない 通常のケース | 被災者が50万円を個人契約、自治体が30万円を業者と契約して支払う |
| 🔑②もう工事に取りかかったが、まだ払っていない | 使えることがあります。資料は「修理業者に変更契約(80万円→50万円に変更)に応じて貰える場合には、自治体は応急修理の対象として差し支えない」としています |
| 🔴③工事が終わって、業者に払ってしまった | 対象にできません。「現金給付は不可」と明記。理由は「災害救助法の応急修理は、行政が修理業者に修理費用を支払うスキームであり、既に支払いが済んだ被災者の費用の補てんをすることはできない」 |
🔑🔑分かれ目は「支払ったかどうか」です。工事が始まっていても、まだ払っていなければ、業者が契約の変更に応じてくれれば間に合う可能性があります。払ってしまったら、そこで終わりです。
だから、災害のあとにやることの順番はこうなります。
- 写真を撮る
- 市に罹災証明書を申請する
- 市の窓口に「住宅の応急修理は使えますか」と聞く
- 業者への支払いは、それまで待つ
4つ目が効きます。雨漏りは急ぎたくなりますが、応急処置(ブルーシート・室内で受ける)と、お金を払う本工事は分けられます。払う前に、市に一報。これだけ覚えておいてください。
💡見積書についても、国が様式を用意しています。令和3年12月21日の閣議決定を受けて災害救助事務取扱要領が改正され、修理事業者が普段使っている工事内訳書の添付をもって、修理費用の内訳の記載に代えられる様式が加わりました。ただし「工事内訳書は、必ず提出すること」とされています。一式だけの見積書では通りません——内訳の話は見積書の内訳のページに書きました。
写真は「必須」と書かれています
内閣府の資料には、こう書かれています。
被害認定や応急修理の申請時には、自宅の被災状況のわかる写真等の添付が必須となる。被害状況や修理状況の正確な把握を行うため、被災者や修理業者等に対して、応急修理等の申請書類を配布する際など、修理前、修理中、修理後の写真撮影を行うよう周知徹底願いたい。(内閣府資料)
🔑「修理前、修理中、修理後」の3つです。修理前だけではありません。修理中の写真は、業者に頼まないと撮れません——だから、依頼のときに「工事中の写真も残してください」と伝えてください。
撮るときのコツを、実務の観点で挙げます。
- 引きと寄りの両方。家全体が分かる1枚と、被害箇所の1枚。どの家のどこかが伝わる必要があります
- 室内の被害も。天井の染み、壁紙の剥がれ、床の濡れ。雨漏りは室内側に出るので、そこが被害の証拠になります
- 日付が分かる形で。スマートフォンの写真には撮影日時が残るので、それで足ります
- 屋根には上らない。被災直後の屋根はとくに危険です。下から撮れる範囲で十分で、上の状況は業者に撮ってもらってください
この写真は、火災保険の請求にもそのまま使えます。1回撮っておけば、罹災証明・応急修理・保険の3つに回せます。
限度額は、毎年上がっています
内閣府の資料には、過去の限度額の推移も載っています。
| 年度 | 半壊以上 | 準半壊 |
|---|---|---|
| 平成23年度 | 520,000円 | — |
| 平成26年度 | 547,000円 | — |
| 平成27年度 | 567,000円 | — |
| 平成29年度 | 574,000円 | — |
| 平成30年度 | 584,000円 | — |
| 令和元年度 | 595,000円 | 300,000円(新設) |
| 令和4年度 | 655,000円 | 318,000円 |
| 令和5年度 | 706,000円 | 343,000円 |
| 令和6年度 | 717,000円 | 348,000円 |
| 🔑令和7年度 | 739,000円 | 358,000円 |
🔑平成23年度の520,000円から、令和7年度は739,000円。約1.4倍になっています。とくに令和元年度595,000円から令和4年度655,000円への上がり方が急です。
これは、工事の値段が上がっているということです。国が「これだけあれば最小限の応急修理ができる」として設定している額なので、実際の工事費の動きが反映されます。塗料や建材の値上がりについては値上げのページに、メーカーの公式資料をもとにまとめました。
💡ここから読み取れる実用的なことが1つあります。「昔調べたときはこうだった」という数字は、当てになりません。助成金も応急修理も、金額と条件は毎年変わります。調べるのはいまやってください。
ルート③火災保険——助成金ではありませんが
3つ目は火災保険です。助成金ではないので本題からは外れますが、自然災害が原因の雨漏りでは、これがいちばん現実的なお金になります。
| 対象になりうる | 対象外が基本 |
|---|---|
| 台風・強風で屋根材が飛んだ/棟板金が浮いた 雹が当たって割れた 飛来物が当たって穴が開いた 大雪で雨樋が壊れた | 経年劣化(年数が経って傷んだ) 施工不良 もともとあった不具合の進行 |
手順は、助成金より単純です。
- 被害が分かる写真を撮る(日付が分かる形で)
- 保険証券を見る(風災の補償が付いているか、免責金額はいくらか)
- 保険会社に連絡する——業者より先です
- 修理の見積もりを取る
🔑助成金と違って、火災保険には「着工前の申請」という制限が基本的にありません。ただし直したあとだと被害の証明が難しくなるので、写真は必ず先に撮ってください。詳しくは火災保険のページと、屋根の場合は屋根の火災保険のページに書いています。雹の被害については雹害のページにまとめました。
⚠️助成金と保険金を同じ工事に重ねられるかは、市によって扱いが違います。多くの市が「他の補助金との併用不可」や「保険金を受け取った分は対象経費から除く」という条件を置いています。両方の可能性があるなら、申請前に市の窓口へ「保険金が出た場合、対象経費はどう計算しますか」と聞いてください。
ルート④国のリフォーム補助——雨漏り修理だけでは使えません
ここまで3つのルートを書きましたが、もう1つ、国のリフォーム補助があります。ただし先に結論を書きます。雨漏り修理だけでは使えません。
国土交通省が公式サイトを持っている「みらいエコ住宅2026事業」(住宅省エネのキャンペーン)を例に見ます。リフォームの対象は、こう書かれています。
躯体(床・壁・天井)の断熱改修を含む、幅広いリフォーム工事が対象となります。
※ 原則、平成28年12月31日以前に新築された住宅を対象とします。(みらいエコ住宅2026事業 公式サイト)
🔑「断熱改修を含む」が条件です。屋根や壁を直すだけでは足りません。床・壁・天井の断熱工事とセットになって、はじめて対象になります。
それでも、当てはまることはあります
「うちには関係ない」と決めるのは、まだ早いかもしれません。次のような場合は、重なることがあります。
- 屋根の下地まで傷んでいて、葺き替えになる。そのときに天井や屋根の断熱もやり直すなら、断熱改修の工事が発生します
- 雨漏りで壁を開ける。壁を開けるなら、そのタイミングで壁の断熱を入れ替えるという選び方があります
- もともと窓の結露や寒さが気になっていた。断熱改修は、雨漏りの修理と工期をまとめられることがあります
逆に、部分的な板金の補修やシーリングの打ち直しでは、まず当てはまりません。そこは正直に書いておきます。
🔑この制度には、大きな注意点が2つあります
| 注意点 | 公式の記載 |
|---|---|
| 🔴施主は自分で申請できません | 「補助金の申請手続きや受け取りと一般消費者への還元は、『みらいエコ住宅事業者』が行います。補助対象者である一般消費者が直接申請をすることはできません」 |
| 🔴登録していない業者では使えません | 「登録のない事業者との契約は補助対象となりません」 |
🔑つまり、業者選びの段階で決まってしまいます。工事を契約したあとで「この制度を使いたい」と言っても、その業者が登録していなければ使えません。公式サイトには事業者の検索が用意されているので、使うつもりなら、そこで探すか、候補の会社に「登録していますか」と聞いてください。
もう1つ、建材にも条件があります。公式は「登録申請を行い、基準を満たしていることが確認された建材・設備を使用した工事のみを対象とします」としています。使う材料まで決まっているということです。
予算の残りは、毎日公表されています
これは国の制度の大きな利点です。公式サイトのトップページに、予算に対する補助金申請額の割合が数字で出ていて、毎日午前中に更新されると書かれています。
リフォーム——予算上限(100%)に達し次第、交付申請(予約を含む)の受付を終了します。(2026年8月29日 午前0時時点の表示で4%)
🔑4%です。新築の枠(GX志向型住宅52%、長期優良住宅・ZEH水準住宅26%)と比べると、リフォームの枠はまだ余裕がある状態でした。市の助成金は「予算がなくなったら終わり」なのに残りが見えないことが多いのに対し、国の制度は数字で見える——これは知っておく価値があります。
⚠️数字はこの記事の最終確認日時点のものです。予算の消化は日々進むので、検討するときは必ず公式サイトの当日の数字を見てください。国の制度の探し方と、予算切れの考え方は助成金の申請方法のページにまとめています。
4つを確かめる順番
ここまでの内容を、動く順番にまとめます。
| 順 | やること | なぜこの順か |
|---|---|---|
| 0 | 写真を撮る。室内の染み、外の被害、日付 | 3つとも、証明の材料が要ります |
| 1 | 🔑災害が原因か?台風・豪雨・地震のあとに始まったなら、市に罹災証明書を申請し、窓口で「住宅の応急修理は使えますか」 | 期限が3か月といちばん短いから。しかも金額が大きい。罹災証明書は他の支援の入口でもあります |
| 1.5 | 🔴業者への支払いは、市に聞くまで待つ | 払ってしまうと応急修理の対象にできません(現金給付は不可) |
| 2 | 火災保険を確かめる。証券を見て、保険会社に連絡 | 自然災害なら可能性が高い。業者より先に連絡する |
| 3 | 市のリフォーム助成を調べる。対象工事・下限金額・業者の条件 | 着工前の申請が条件のことが多い。業者を決める前に |
| 3.5 | 断熱改修も一緒にやるなら、国の制度を見る。公式サイトで登録事業者と予算の残りを確認 | 登録していない業者と契約すると使えません |
| 4 | 見積もりを取る。条件を伝えたうえで | ここで初めて金額が分かります |
4の「見積もりを取る」で、条件を伝えるのを忘れないでください。市内に本社がある会社か/下限金額を超える工事か/着工前に申請できるか——この3つは、業者に伝えておかないと後から揃えられません。複数社に同じ条件で見積もりを出してもらうと、制度に慣れている会社とそうでない会社の差もそこで見えます。慣れている会社は、こちらが言う前に「助成金は確認されましたか」と聞いてきます。
🔑1〜3を飛ばして4から始めると、あとで戻れません。とくに「着工前の申請」が条件の助成金は、工事を始めた時点で終わりです。雨漏りは急ぎたい気持ちになりますが、電話1本ぶんの時間は使ってください。
⚠️ただし、待っているあいだも傷みは進みます。水が建物の中に回ると、木が腐ります。そうなると直す範囲が屋根や壁の表面では済まなくなり、下地や構造材の交換まで広がります。「放置するほど高くなる」というのは金額の話ではなく、工事の種類そのものが変わるという話です。制度の確認と、応急処置は同時にやってください。受け止める(バケツ・タオル)・飛ばないようにする——ここまでは先にやって構いません。
💡「急いで止めたい」と「制度を使いたい」がぶつかったときは。応急処置と本工事を分けるという考え方があります。ブルーシートや室内で受けるところまでを先にやって、本工事は制度の確認が済んでから。ただし自分でコーキング材を買って塞ぐのはやめてください——原因の特定ができなくなります。理由は雨漏りのページに書きました。
「うちの市に制度があるか」の調べ方
手順は3つです。
- 「◯◯市 住宅リフォーム 補助金」で検索して、市の公式サイトを開く。まとめサイトではなく、市のドメイン(lg.jpなど)を見てください。制度は毎年変わるので、まとめサイトの情報は古いことがあります
- 要綱かパンフレットのPDFを開いて、「対象工事」を読む。「修繕」が入っているか。除外項目に何が並んでいるか
- 下限金額・業者の条件・申請の時期を控える。この3つが、実際に使えるかどうかを決めます
🔑市によっては「補助金等の一覧」という1本のPDFにすべて載せています。これがあると、「市独自の制度はない」と断定できるので探す時間が短くなります。
当サイトでは、この作業を市ごとにやってまとめています。愛知県・岐阜県・三重県のページに、制度がある市とない市を、公式情報の出典つきで載せました。申請の流れそのものは申請方法のページに、着工前の申請・予算切れ・代理受領まで整理しています。
「助成金が使えます」と言ってくる業者について
制度に詳しい業者は、実際にいます。申請書類のうち、見積書・図面・工事写真は業者に頼むものなので、慣れている会社のほうが手続きは早く進みます。そこは利点です。
問題は、言い方です。
| 言い方 | どう受け取るか |
|---|---|
| 「◯◯市には住宅リフォーム助成があります。使えるか一緒に確認しましょう」 | ⭕正常です。判断するのは市だと分かっている |
| 「助成金で実質無料になります」 | ⚠️注意。助成は工事費の一部で、全額は出ません |
| 「必ず下ります。うちは通した実績があります」 | ⚠️注意。予算が尽きれば締め切られますし、判断するのは市です |
| 「申請はうちが全部やるので、書類は見なくていいです」 | ⚠️注意。申請者はあなたです。何を出したかは見せてもらってください |
🔑火災保険についても同じです。「保険で無料になります」と先に言ってくる業者には気をつけてください。下りるかどうかを決めるのは保険会社で、業者が保証できるものではありません。この手口の詳細は火災保険のページに書きました。
そして、いちばん確かな自衛は、複数社に見てもらうことです。制度の説明が会社によって違ったら、市の窓口に聞けば白黒がつきます。複数社に見てもらう方法は比較ページにまとめました。
最終確認日:2026年8月29日。参考:内閣府政策統括官(防災担当)「災害救助法による救助の程度、方法及び期間並びに実費弁償の基準」関係資料〈9 住宅の応急修理〉(令和7年度・限度額および過去の推移、被害の程度の判定、罹災証明書、住宅の応急修理に関する留意事項、被災した自宅の写真撮影について)、災害対策基本法 第90条の2、「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」(平成13年作成・令和3年最終改定)、国土交通省「みらいエコ住宅2026事業」公式サイト(リフォームの対象要件・事業者登録・予算に対する補助金申請額の割合/2026年8月29日午前0時時点の表示)、可児市「住宅新築リフォーム助成事業」、田原市の耐震改修関係の補助制度、名古屋市公式FAQ。制度の内容・金額・条件は毎年変わります。また「住宅の応急修理」は災害救助法が適用された災害であることが前提です。申請の前に、必ずお住まいの市の窓口と公式サイトでご確認ください。当サイトは制度の適用を判断する立場にはありません。
よくある質問
雨漏り修理に使える助成金はありますか?
「雨漏り修理の助成金」という名前の制度は、ほとんどの市にありません。使える可能性があるのは、市の住宅リフォーム助成に相乗りする形です。制度の名前ではなく、要綱の「対象工事」に修繕が入っているかを見てください。たとえば岐阜県可児市の住宅新築リフォーム助成事業は、対象工事を「住宅の新築・増築・改築・修繕・模様替え、外構工事」としていて、修繕が明記されています。一方、名古屋市は公式FAQで「住宅の性能維持に関する一般的なリフォームや修繕を補助する制度はありません」と明言しています。まず自分の市を確かめるのが先です。
台風で雨漏りしました。助成金より先に見るものはありますか?
あります。災害救助法が適用された災害なら、国の「住宅の応急修理」という制度が先です。令和7年度の限度額は、半壊・中規模半壊・大規模半壊で1世帯当たり739,000円以内、準半壊で358,000円以内。対象は居室・炊事場・便所など日常生活に必要最小限度の部分です。期限は災害発生の日から3か月以内(国の災害対策本部が設置された場合は6か月以内)に完了することなので、動きが遅れると使えなくなります。市役所の窓口で「住宅の応急修理は使えますか」と聞いてください。
部分的な雨漏り修理でも助成金は使えますか?
金額の下限で弾かれることがあります。市のリフォーム助成には「対象工事が50万円以上」といった下限が設けられていることが多く、たとえば可児市は対象工事50万円以上(消費税を除く)という条件です。雨漏りの部分修理は数万円で収まることもあるので、そこに届かないと申請できません。逆に、屋根の葺き替えやカバー工法まで進むなら下限を超えます。見積もりが出てから、下限を超えているかを確認してください。
助成金と火災保険は両方使えますか?
制度としては別物ですが、同じ工事に重ねられるかは市によって扱いが違います。火災保険は損害を補填するもの、助成金は工事費の一部を補助するもので、根拠が違います。ただし多くの市は「他の補助金との併用不可」や「保険金を受け取った分は対象経費から除く」といった条件を置いています。両方の可能性がある場合は、申請前に市の窓口へ「保険金が出た場合、対象経費はどう計算しますか」と確認してください。
市の助成金は、業者が市外だと使えませんか?
使えない市があります。可児市の住宅新築リフォーム助成事業は、施工業者の条件を「市内に本社を有する法人、または市内に住民票のある個人事業者」としていて、市内に支店や営業所があっても本社が市外なら対象外と定めています。雨漏りの窓口サービスや一括見積もりは「地域が近い」会社を紹介する仕組みなので、近いけれど市外という会社が来ることがあります。助成金を使うつもりなら、業者を探す前にこの条件を確認してください。
「住宅の応急修理」を使うと、どこまで直してもらえますか?
日常生活に必要最小限度の部分だけです。内閣府の資料は対象を「居室、炊事場、便所等日常生活に必要最小限度の部分」としていて、制度の趣旨も「応急的に修理することで、元の住家に引き続き住むこと」と説明されています。家をきれいに直す制度ではありません。また全壊は基本的に対象外で、借家は通常は所有者が修理するものとして対象になりません。会社の寮や社宅、公営住宅も対象外です。
応急修理の限度額は毎年変わりますか?
上がっています。内閣府の資料に載っている推移では、半壊以上が平成23年度520,000円、平成30年度584,000円、令和元年度595,000円、令和5年度706,000円、令和6年度717,000円、令和7年度739,000円。準半壊は令和元年度300,000円から令和7年度358,000円です。資材と人件費の上昇が国の基準額にも表れている形です。なお準半壊が対象に加わったのは令和元年で、台風第19号などがきっかけでした。
「助成金が使えます」と言ってくる業者は信用できますか?
制度があるかどうかは、市の公式サイトで自分で確かめられます。業者が制度に詳しいこと自体は悪いことではありませんが、「必ず下りる」「無料になる」と言い切る場合は注意してください。助成金は予算が尽きたら締め切られますし、多くの市は着工前の申請を条件にしています。判断するのは市であって業者ではありません。火災保険についても同じで、下りるかどうかを決めるのは保険会社です。
もう業者に修理を頼んでしまいました。応急修理は使えませんか?
まだ払っていなければ、間に合う可能性があります。内閣府の資料は、工事に取りかかったが支払いに至っていないケースについて「修理業者に変更契約に応じて貰える場合には、自治体は応急修理の対象として差し支えない」としています。一方、工事が終わって業者に払ってしまった場合は対象にできません——「現金給付は不可」と明記されていて、理由は「行政が修理業者に修理費用を支払うスキームであり、既に支払いが済んだ被災者の費用の補てんをすることはできない」からです。分かれ目は支払ったかどうかです。すぐ市の窓口に相談してください。
罹災証明書は、どうやってもらいますか?
市町村に申請します。災害対策基本法第90条の2は、被災者から申請があったとき、市町村長は「遅滞なく」被害の状況を調査し、罹災証明書を「交付しなければならない」と定めています。申請は無料です。判定は部位(基礎・柱等)別の損害割合を合計して住家全体の割合を出す方式なので、屋根だけを見て決まるわけではありません。「うちは対象外だろう」と自分で判断せず、申請してください。罹災証明書は応急修理だけでなく、税や保険料の減免、支援金や融資の判断材料にもなります。
国のリフォーム補助は、雨漏り修理に使えますか?
雨漏り修理だけでは使えません。国土交通省の「みらいエコ住宅2026事業」は、リフォームの対象を「躯体(床・壁・天井)の断熱改修を含む、幅広いリフォーム工事」としています。断熱改修とセットであることが条件です。屋根の葺き替えのときに天井の断熱もやり直す、壁を開けるときに壁の断熱を入れ替える——そういう形なら重なることがあります。⚠️注意点が2つあります。一般消費者が直接申請することはできず(登録事業者が申請します)、登録のない事業者との契約は補助対象になりません。業者を決める前に「登録していますか」と聞いてください。