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大阪市の外壁塗装に助成金は出る?——制度はあります。ただし塗装は名指しで外されています

大阪市は、横浜市や神戸市とは事情が違いました。省エネ改修に最大70万円を出す制度が実際にあります。ただし同じページに「※外壁の塗装工事(断熱・遮熱塗装工事)及び屋根の葺替工事は補助対象外です」と書かれています。制度があるぶん、この一文を読み落とすと期待が外れます。使えるもの・使えないものを、市の公式情報で1つずつ確かめました。

このページの内容

先に結論——制度はあります。ただし塗装は名指しで外されています

①大阪市には省エネ改修の補助があります——最大70万円。横浜市や神戸市には無いものです
②ただし「外壁の塗装工事(断熱・遮熱塗装工事)は補助対象外」と市が明記しています
③屋根の葺替工事も、同じ一文で外されています
④耐震改修は工事費で115万円——ただし申請締切が補助の種類ごとに違います(工事は12月15日)
⑤例外が1つ——壁補強と一緒にやる「外壁のひび割れ補修」は、補助対象になる場合があります

大阪市は、横浜市や神戸市とは事情が違います。あの2市は「一般的なリフォームの補助は行っていません」で話が終わりました。大阪市には制度があります。金額も大きい。だからこそ、「対象外」の一文を読み落とすと期待が外れます。

大阪市住宅省エネ改修促進事業——最大70万円。でも塗装は対象外

2050年の脱炭素社会「ゼロカーボン おおさか」に向けた制度です。令和8年度の交付申請は4月1日から受付を開始しています。

レベル補助率補助限度額(1戸あたり)
省エネ基準レベル補助対象事業費の2/530万円
ZEHレベル補助対象事業費の4/570万円

補助額は「補助対象事業費×補助率」「モデル工事費×補助率」「補助限度額」のいちばん低い額(千円未満切捨て)。限度額には省エネ設計等の費用も含みます。

ここまで読むと期待できます。次の一文が本題です。

「※外壁の塗装工事(断熱・遮熱塗装工事)及び屋根の葺替工事は補助対象外です。」(大阪市住宅省エネ改修促進事業のページより)

「(断熱・遮熱塗装工事)」とカッコで書いてあるところが大事です。——遮熱塗料や断熱塗料を使えば省エネの補助が使えるのでは、と考える人が多いから、市がわざわざ書き足しているのだと思います。大阪市では、その道は閉じています遮熱塗料・断熱塗料に効果はあるのか)。

ただし「外壁」そのものは対象に入っています。補助対象工事の一覧には「躯体等(天井、屋根、外壁又は床)の断熱改修工事にかかる費用」とあります。断熱材を入れる工事は対象、塗る工事は対象外——という線引きです。

ほかに「高効率給湯機やLED照明等の設備改修のみの工事は補助対象外」「本事業と補助対象が重複する国の補助制度との併用はできません」とも書かれています。国の住宅省エネ関連事業と両取りはできません。

「窓を先にやること」が条件です

この制度でいちばん見落とされるのが、ここです。部分改修で申請する場合の要件を、原文で引きます。

「居間を含む2つ以上の居室における外気に接する窓すべての断熱改修工事を行うこと」
「改修部分が仕様基準又はZEH仕様基準に適合していること」

つまり、窓をやらないと始まりません。——市のページにも「窓(居間を含む2以上の居室における外気に接する窓すべて)の断熱改修工事を実施していただく場合に限り、躯体等(天井、屋根、外壁又は床)や設備等の省エネ改修工事も補助の対象となる場合があります」と書かれています。

しかも「2つ以上の居室の、外気に接する窓すべて」です。——1か所だけ内窓を付ける、では足りません。居間を含めて2部屋ぶん、その部屋の外に面した窓を全部やることになります。

工事規模省エネ基準レベルZEHレベル
内窓設置・外窓交換大(2.8㎡以上)20万円/箇所27.2万円/箇所
内窓設置・外窓交換小(0.2㎡以上1.6㎡未満)13.6万円/箇所17.6万円/箇所
窓ガラス交換大(1.4㎡以上)8.8万円/枚11.2万円/枚

大阪市が公表している「モデル工事費」の一部。この額と実際の工事費の低いほうに補助率を掛けます。ドア交換も対象で、大(開戸1.8㎡以上)ならZEHレベルで39.2万円/箇所です。

外壁塗装を考えている方への読み方は、こうなります。——窓の断熱改修をやる予定があるなら、この制度は使えます。塗装には出ませんが、同じ年に工事をまとめる意味はあります。窓の予定がまったくないなら、この制度は最初から関係ありません。

耐震改修は工事115万円——締切が内容ごとに違います

もう1つの柱が、民間戸建住宅等の耐震診断・改修等補助制度です。令和8年度は4月1日から受付が始まっていて、耐震改修工事と解体工事の限度額等が拡充されました。

補助内容補助率限度額申請締切
耐震診断11分の101戸5万円/1棟20万円12月28日(月)
耐震改修設計3分の21戸10万円/1棟18万円12月28日(月)
耐震改修工事2分の11戸115万円12月15日(火)
解体工事(耐震除却工事)3分の11戸70万円/1棟140万円12月28日(月)

締切に注意してください。耐震改修工事だけ12月15日で、他より2週間早いです。——市も「申請締切は、補助内容によって異なるのでご注意ください」と書いています。診断の締切に合わせて動くと、工事の申請に間に合いません。

補助金額は「補助対象費用×補助率」と「限度額」の低いほう。別途、床面積による上限もあります。なお大阪市はオンライン申請に対応しています。令和8年9月1日以降に受付する申請から、提出書類の一部が見直されましたので、古い手引きを見ないでください。

ひび割れ補修が対象になる場合があります

ここが、大阪市を調べていていちばん驚いたところです。耐震補助のページに、こう書かれています。

「※外壁改修工事や屋根改修工事のみを行う場合は、本補助制度の対象外です。
※耐震性の向上のため、壁補強工事と一緒に行う、外壁のひび割れ補修や屋根の軽量化については、補助対象となる場合があります。」

1文目は当然です。外壁や屋根だけの工事は対象外。——問題は2文目で、壁の補強と一緒にやるなら、外壁のひび割れ補修が補助対象になる「場合がある」と市が書いています。横浜市にも神戸市にも、この記述はありませんでした。

理屈は通っています。——壁を補強するために外壁を一部はがせば、当然その部分を直すことになります。ひび割れも、耐震の工事に必要な範囲なら一体のものとして扱われる、ということだと読めます。

ただし「場合があります」です。断定されていません。——どこまでが対象かは、設計の中身で変わります。期待して工事を始めてから外されるのがいちばん困るので、耐震改修を考えていて、外壁のひび割れも気になっている方は、設計の段階で市に確認してくださいひび割れの幅と壁の作り)。「塗装は出ない」ことは、変わりません。

横浜・神戸と並べると、大阪市の位置が見えます

当サイトは検索の多い市から順に、同じ手順で調べています。3市を並べると、こうなりました。

塗装への補助省エネ改修の制度耐震改修(工事)
横浜市なし(遮熱・断熱タイプ含めて明記)市単独の補助は確認できず115万円(非課税155万円)
神戸市なし(市がネット記事の書き方に反論)市単独の補助は確認できず115万円(所得制限あり)
大阪市なし(塗装工事を名指しで除外)あり(最大70万円)115万円

気づくことが2つあります。

ひとつ、3市とも耐震改修工事の上限が115万円で同じでした。——偶然ではなく、国の補助の枠組みが共通しているからだと考えられます。ということは、他の市を調べても、この額の近くに落ち着く可能性が高いということです。

ふたつ、塗装への補助は3市とも「なし」でした。——しかも3市とも、わざわざ塗装を名指しして除外しています。それだけ「塗装に補助が出る」と思って問い合わせる人が多い、ということだと思います。

塗装だけなら、補助は無い前提で動く

窓の断熱改修も耐震改修もやらない。外壁を塗るだけ。——この場合、大阪市から出るお金はありません。探す時間を、金額そのものに使ってください。

やること効き方
同じ条件で2〜3社に出してもらうここがいちばん動きます。大阪市は業者の数が多く、そのぶん金額の幅も広くなります。見積もりを並べるこの金額は妥当か
窓の工事を検討中なら、順番を合わせる省エネ補助は窓が入口です。窓をやる年に外壁も塗れば、足場と職人の出入りが1回で済みます
耐震診断だけ先に受ける診断は補助率11分の10・1戸5万円まで評点が分かれば、次の判断がはっきりします
屋根と外壁を分けない足場は塗る面積が小さくてもほぼ同じだけかかります(屋根塗装の相場

大阪市が冷たいわけではありません。——むしろ省エネ改修に最大70万円を出している時点で、手厚いほうです。当サイトが東海3県の43市町を調べたときも、いま住んでいる家の塗り替えだけで補助が使えたのは2市だけでした(43市町を調べた結果)。同じ大阪府では堺市も調べています。

よくある質問

大阪市の外壁塗装助成金は、いくらもらえますか?

0円です。——大阪市には省エネ改修の補助(最大70万円)と耐震改修の補助(工事115万円)がありますが、省エネのほうは「外壁の塗装工事(断熱・遮熱塗装工事)は補助対象外」、耐震のほうは「外壁改修工事のみを行う場合は対象外」と、どちらも明記されています。

遮熱塗料を使えば、省エネ改修の補助が使えますか?

使えません。——市が「(断熱・遮熱塗装工事)」とカッコ書きで名指しして除外しています。この説明をしてくる会社があれば、市のページのこの一文を見せてください。

外壁に断熱材を入れる工事なら対象ですか?

対象になり得ます。——補助対象工事に「躯体等(天井、屋根、外壁又は床)の断熱改修工事」が入っています。ただし、居間を含む2つ以上の居室の窓をすべて断熱改修することが前提です。外壁の断熱だけでは申請できません。

窓は1か所だけでもいいですか?

足りません。——「居間を含む2つ以上の居室における外気に接する窓すべて」が条件です。居間ともう1部屋、その部屋の外に面した窓を全部やる必要があります。

国の補助金と両方もらえますか?

重複する部分は無理です。——市が「本事業と補助対象が重複する国の補助制度との併用はできません」と書いています。国の住宅省エネ関連の事業を使うなら、どちらが得かを先に比べてください。

耐震改修と一緒なら、外壁塗装も補助されますか?

塗装は出ません。——ただし「壁補強工事と一緒に行う、外壁のひび割れ補修や屋根の軽量化については、補助対象となる場合があります」とあります。ひび割れ補修と塗装は別なので、そこは分けて考えてください。

締切はいつですか?

耐震のほうは、補助の種類で違います。耐震改修工事が12月15日(火)、診断・設計・解体が12月28日(月)いちばん早い12月15日を基準に動くのが安全です。省エネのほうは4月1日から受付中です。

区によって違いますか?

変わりません。大阪市24区で共通の制度です。問い合わせは都市整備局 企画部 住宅政策課(06-6208-9228)が窓口になります。

空き家を買って直す場合はどうですか?

「空家利活用改修補助制度」という別の制度があります。——当サイトではまだ中身を確認できていないので、ここでは「ある」ことだけをお伝えします。空き家の取得を検討している方は、市のページか窓口で確かめてください。東海3県で調べたときも、空き家系の制度は外壁の改修が対象に入っていることがありました。

補助が出ないぶん、安い会社を選べばいいですか?

安さの中身を見てください。——大阪市は業者の数が多く、金額の幅も広くなります。安い見積もりは、たいてい引き算でできています。下塗りの回数、付帯部をどこまで含むか、足場の種類。同じ範囲で比べていないなら、安いのは当たり前です見積書の見方)。範囲を後から減らすのは正当な調整ですが、工程を減らすのは別の話です手抜き工事の見抜き方)。

参考にした情報

  • 大阪市「大阪市住宅省エネ改修促進事業(都市整備局)」ページ番号605413(2026年4月1日/原文=「※外壁の塗装工事(断熱・遮熱塗装工事)及び屋根の葺替工事は補助対象外です。」「※高効率給湯機やLED照明等の設備改修のみの工事は補助対象外です。」「※本事業と補助対象が重複する国の補助制度との併用はできません。」「窓(居間を含む2以上の居室における外気に接する窓すべて)の断熱改修工事を実施していただく場合に限り、躯体等(天井、屋根、外壁又は床)や設備等の省エネ改修工事も補助の対象となる場合があります。」)
  • 大阪市「大阪市住宅省エネ改修促進事業 補助の内容」ページ番号675872(補助率と限度額=省エネ基準レベル2/5・30万円、ZEHレベル4/5・70万円/対象建物の要件=昭和56年6月1日以降の着工等/部分改修の要件/補助対象工事一覧/モデル工事費の表)
  • 大阪市「民間戸建住宅等の耐震診断・改修等補助制度」ページ番号370839(令和8年度の補助内容・補助率・限度額・申請締切の表/「令和8年度より耐震改修工事および解体(耐震除却)工事の限度額等を拡充しています」/「令和8年9月1日以降に受付する申請について、提出書類の一部を見直しました」/「※外壁改修工事や屋根改修工事のみを行う場合は、本補助制度の対象外です。」「※耐震性の向上のため、壁補強工事と一緒に行う、外壁のひび割れ補修や屋根の軽量化については、補助対象となる場合があります。」)
  • 問い合わせ=大阪市 都市整備局 企画部 住宅政策課 民間住宅助成グループ 電話06-6208-9228
  • 最終確認日:2026年9月1日。制度は年度で変わり、締切も補助の種類ごとに違います。申し込む前に、必ず市の公式ページと担当課で最新の内容をご確認ください。