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セキスイかわらU——メーカーが石綿の含有率まで公表している屋根材です

「うちの屋根はセキスイかわらUらしい」と言われた方へ。この屋根材は、積水化学工業が自社サイトで石綿(アスベスト)の含有率まで数字で公表しています。推測で書かれた記事を読む必要はありません。

そしてメーカー自身が「セキスイの名前をかたる訪問業者」への注意喚起を出し、相談窓口の電話番号を公開しています。この屋根材の家には、そういう訪問が実際に来るということです。(2026年8月30日確認)

まず、メーカーが公表している数字

積水化学工業が2005年9月16日付で出した「当社グループのアスベスト(石綿)関連の状況について」に、製品ごとの表が載っています。屋根材の行はこうです。

項目内容
製品名セキスイかわらU、CITY(住宅用屋根材)
製造事業所岡山積水工業(株)(岡山市古都宿)
製造期間1975〜1990年
白石綿(クリソタイル)10〜15%
茶石綿(アモサイト)0.7%
青石綿(クロシドライト)0%

🔑「CITY」という製品名も同じ行に並んでいます。お手元の資料に「かわらU」ではなく「CITY」と書いてあっても、同じ扱いです。

そしてこの表には注記が付いています。ここが大事なところです。

*① 当初、白石綿のみ使用としていましたが、基材を購入していた購買先の調査により茶石綿の配合が判明いたしました。

公表の内容が、途中で更新されています。最初は「白石綿のみ」とされていたものが、購買先を調べたら茶石綿も入っていた——という経緯です。

⚠️だから、古い情報を載せたページには「白石綿のみ」と書かれている可能性があります。ネットで見つけた記事の日付を確認してください。メーカーの現行の公表では、白石綿10〜15%と茶石綿0.7%の両方です。

1990年より後のものは、別の問題があります

ここで多くの方が混乱します。「1990年までがアスベスト入りなら、それ以降なら安心なのか」という疑問です。

安心とは言えません。話が変わるだけです。

石綿を使わない製品に切り替わったあとのセキスイかわらUには、表面が薄く剥がれていく(層状に剥離する)という現象が知られています。屋根屋のブログが「塗装してはいけない屋根材」として扱っているのは、主にこちらのことです。

🔑剥離が進んだ屋根は、塗料が乗る下地そのものが失われています。上から塗っても、塗膜ごと剥がれます。だから「塗れるかどうか」は年式だけでは決まらず、いまの表面の状態で決まります。

当サイトでは「セキスイかわらUは塗装できません」と一律には書きません。状態を見ずに断定できることではないからです。ただし現地を見てもらうときに「セキスイかわらUです」と先に伝えてください。この名前を聞いて反応が変わらない会社は、この屋根材を扱った経験がありません。

同じ資料に、他の製品も並んでいます

この表は屋根材だけのものではありません。積水化学工業が過去に製造していたアスベスト含有製品が、事業所ごとに並べられています。家に関係しそうなものを拾うと、こうなります。

製品製造期間白石綿
セキスイかわらU、CITY(住宅用屋根材)1975〜199010〜15%(+茶石綿0.7%)
アスベール(内装材)1970〜199410%
油性シーラント(住宅用コーキング材)1961〜19931.5%
ユータイル(塩ビ製床材)1963〜1971含有率不明※

※ユータイルについては「白石綿のみの使用ですが、配合を特定する資料が既に廃棄されているため、含有率については不明です」と注記されています。

🔑見落とされやすいのが油性シーラント(住宅用コーキング材)です。1961〜1993年の製造で白石綿1.5%。外壁の目地に使われる材料です。屋根だけでなく、外壁側にも同じ時期の話があるということです。

もっとも、シーリングは打ち替えのたびに新しいものに入れ替わっています。過去に一度でも塗り替えをしている家なら、当時の材料はもう残っていない可能性が高い。これも「いつ何をしたか」の記録があるかどうかで変わりますシーリングのページ)。

そして「資料が既に廃棄されているため不明」という一行にも意味があります。メーカーですら、当時の配合をすべて追えるわけではない。だからこそ、年式と製品名で当たりを付けたうえで、必要なら調査するという順番になります。

🔴 メーカーが訪問業者に注意喚起を出しています

これは知っておく価値があります。積水化学工業が2010年11月16日付で出したお知らせです。

「セキスイ」の名前を使った屋根材の悪質訪問業者にご注意ください
セキスイの名前をかたり、一般のご家庭に突然個別訪問及び電話連絡を行っている業者の情報が寄せられています。
積水化学グループでは、事前のご連絡なしにお客様のご自宅を突然訪問するなどして屋根診断及び屋根修理の勧誘を行っておりませんので、ご注意ください。
もし、ご不信な点がございましたら、セキスイかわら お客様相談窓口までご相談ください。
●フリーダイヤル 0120-12-6636 ●受付時間 9:00〜17:30(平日)

メーカーが「うちは突然訪問しません」と明言しています。だから「セキスイの点検で回っています」という訪問があったら、その時点で積水化学グループではありません。

⚠️この屋根材が狙われる理由は想像がつきます。アスベストという言葉で不安をあおれる。剥離という実際に起きる現象がある。そして古い家に多い。——訪問販売にとって条件がそろっています(悪質な訪問業者への対処)。

不安になったら、その場で契約せずに0120-12-6636へ。メーカーが公開している番号です。そのうえで、自分で選んだ会社に見に来てもらってください。訪問してきた相手に見てもらう必要はありません。

「塗る・カバー・葺き替え」の分かれ道

この屋根材で相談が多いのは、結局この3択です。

選択肢成り立つ条件注意
塗装表面が健全で、剥離が始まっていないこと剥離が出ていると塗膜ごと剥がれます
カバー工法下地が新しい屋根材の重さを支えられること既存の屋根を撤去しないので、石綿を含む場合でも処分が発生しません
葺き替え下地から直したいとき撤去した屋根材の処分が発生します。石綿を含む時期のものは取り扱いが変わります

🔑石綿を含む時期のものかどうかで、いちばん金額が動くのは葺き替えです。撤去した材料を処分するからです。カバー工法なら既存を残すので、そこは発生しません。

ただし「だからカバー工法がいい」と単純には決まりません。下地が傷んでいれば、上に載せても意味がないからです。この3択は、現地を見た人でないと判断できません。何社かに見てもらって、なぜその方法を勧めるのかを聞いてください3社が3社とも同じ方法を勧めるなら、それはかなり確からしい。割れたら、割れた理由のほうを聞きます。

「アスベストが入っているから危ない」ではありません

ここは丁寧に書きます。石綿を含む屋根材が載っている=いま危険、ということではありません。

積水化学工業の同じ資料には、住宅事業(セキスイハイム・セキスイツーユーホーム)で使ったアスベスト含有建材について、こう書かれています。

主に、キッチン・浴室などの壁材、床材などで、すべてセメントや樹脂でアスベストを固定化した非飛散性の成形板であり、通常の使用状態でアスベストが空気中に飛散するものでなく、健康被害を及ぼすものではありません。しかし、リフォームや解体・廃棄する場合には、取り扱いに注意が必要となります。

屋根材も同じ考え方です。固められた板の状態で載っているぶんには飛散するものではなく、問題になるのは割ったり削ったりするとき——つまり工事のときです。

🔑だから、あわてて葺き替える理由にはなりません。逆に言えば、工事をするときには手順が変わるということです。訪問業者が「アスベストが飛んでいて危険です」と言ってきたら、メーカーの説明と食い違っています。

判断が要るのは「いつ工事をするか」であって、「危険かどうか」ではありません。屋根の状態を何社かに見てもらって、あと何をどうするかを決めてください剥離や割れが出ていれば工事の話ですし、出ていなければ時期を選べます。

自分の家の屋根材を、自分で調べる方法

いちばん確実なのは新築時の仕様書や図面です。手元になければ、建てた会社に残っていることがあります。

それも難しい場合、国土交通省と経済産業省が「石綿(アスベスト)含有建材データベース」を公開しています。サイトの管理は一般財団法人建材試験センターです。

このデータベースでは、建材名(一般名)・商品名・製造時メーカー名・現在メーカー名・型番/品番で検索でき、施工年や改修年の範囲でも絞り込めます。建物の竣工年が分かれば、そこから当たれます。

⚠️目的は解体工事などの際に含有状況を把握することとされていて、関係法令を守って利用するよう注意書きがあります。専門家に判断してもらう前の下調べ、という位置づけで使うのが妥当です。

屋根材の製品名の調べ方全般はうちの屋根は塗れる?のページにまとめました。製品名と製造時期が分かれば、たいていの疑問は片付きます。

「証明書がほしい」と言われたとき

解体や改修の場面で、「石綿が入っているかどうかの証明書」を求められることがあります。この屋根材について調べる方が多いのも、そこが理由のひとつです。

まず押さえておきたいのは、「入っていないことの証明」と「入っていることの確認」は別だということです。

知りたいこと手がかりになるもの
製造時期が分かる新築時の仕様書・図面・引き渡し書類。ここに製品名と年が入っていれば、メーカー公表の表と突き合わせられます
製品名が分からない石綿(アスベスト)含有建材データベースで、施工年や商品名から探せます
書面がほしいセキスイかわら お客様相談窓口(0120-12-6636)に、何がどこまで出せるかを確認するのが早道です
現物を調べたい分析は専門の機関の仕事です。工事を頼む会社に、どこへ出すのかを聞いてください

⚠️当サイトでは「この年式なら証明書が出ます」といった案内はしません。メーカーがどこまで書面を出せるかは、こちらでは分からないからです。窓口の番号はメーカーが公開しているので、直接聞くのが確実です。

石綿含有建材データベースの使い方

国土交通省と経済産業省が公開しているデータベースです。建材メーカーが過去に製造した石綿含有建材の種類・名称・製造時期・石綿の種類・含有率などが登録されています。

検索できる項目は次のとおりです。

  • 建材名(一般名)商品名製造時メーカー名現在メーカー名型番・品番
  • 施工年・改修年の範囲(「1985〜1985」で1985年、「1983〜1985」で前後3年、片方を空欄にすれば「それ以前/以後」)

🔑製品名が分からなくても、竣工年から当たれるのが利点です。「1985年より以前」といった探し方ができます。正式名称が分からないときのために、あいまい検索用のチェック欄も用意されています。

⚠️ただし目的が限定されています。サイトには、解体工事等に際して石綿含有状況を把握するためのものであり、労働安全衛生法・石綿障害予防規則・大気汚染防止法・廃棄物処理法などの関係法令を遵守したうえで利用するよう注意書きがあります。下調べの道具であって、これで工事の可否が決まるわけではありません。

調べた結果は、見積もりを頼むときに一緒に伝えてください。「築何年で、屋根材はこれらしい」と分かっているだけで、話が早くなります。逆に、そこを聞かずに金額だけ出してくる会社は、まだ何も調べていません。

よくある質問

セキスイかわらUにアスベストは入っていますか?
製造時期によります。積水化学工業の公表では、製造期間1975〜1990年のセキスイかわらU・CITYについて白石綿10〜15%・茶石綿0.7%・青石綿0%とされています。製造は岡山積水工業(岡山市古都宿)です。
茶石綿というのは何ですか?
アモサイトとも呼ばれる石綿の一種です。メーカーの資料に「当初、白石綿のみ使用としていましたが、基材を購入していた購買先の調査により茶石綿の配合が判明いたしました」という注記があります。公表内容が更新された経緯があるということです。
1990年より後のものなら安心ですか?
問題が変わるだけです。石綿を使わない製品に切り替わったあとのものには、表面が層状に剥離する現象が知られています。剥離が進むと塗料が乗る下地そのものが失われるため、塗装の判断が変わります。
塗装できますか?
当サイトでは一律に断定しません。年式ではなく、いまの表面の状態で決まるからです。剥離が出ている屋根は、塗っても塗膜ごと剥がれます。現地を見てもらって判断してください。
「セキスイの点検です」と訪問がありました。
積水化学工業は「積水化学グループでは、事前のご連絡なしにお客様のご自宅を突然訪問するなどして屋根診断及び屋根修理の勧誘を行っておりません」と明記しています。その場で契約せず、セキスイかわらお客様相談窓口(0120-12-6636/平日9:00〜17:30)へ。
解体するときに費用は変わりますか?
石綿を含む建材は関係法令にもとづいた取り扱いが必要になるため、通常の解体とは手順が変わります。具体的な費用は工事内容と地域によるので、見積もりで確認してください。

参考にした情報

※積水化学工業の同資料には、住宅事業で使用したアスベスト含有建材について「すべてセメントや樹脂でアスベストを固定化した非飛散性の成形板であり、通常の使用状態でアスベストが空気中に飛散するものでなく、健康被害を及ぼすものではありません。しかし、リフォームや解体・廃棄する場合には、取り扱いに注意が必要となります」との記載があります。

最終確認日:2026年8月30日。個別の屋根材の判定と工事方法は、現地を確認できる専門家にご相談ください。

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