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瓦棒屋根の塗装——「心木あり」か「心木なし」かで、話がまったく違います

瓦棒屋根の塗装を調べると、どこも「錆を落として、錆止めを塗って、上塗り」と書いてあります。それは間違っていません。ただ、その前に分かれ道があります。——瓦棒には、中に木が入っているものと、入っていないものがあります。そして国が定めている屋根工事の標準仕様書は、「心木なし」の瓦棒葺だけを対象にしています。この一文が、何を意味するのか。順に説明します。

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このページの内容全13項目

「心木あり/なし」が分かったら、次は屋根全体をどうするかです。瓦棒以外の名前が見積書に出てきたときは、製品名からの早見表で先に枝を確かめてください。

先に結論

①瓦棒は「材料」ではなく「葺き方」の名前です——材料は金属(トタンやガルバリウム)
②中に木(心木)が入っているタイプと、入っていないタイプがあります
③国の標準仕様書が対象にしているのは「心木なし」だけです——心木ありは、それ以前の工法
④心木が傷んでいる場合、塗装では戻りません——中の木を触る工事になります
⑤だから、最初に確かめるのは「うちは心木ありか、なしか」です

錆を落として塗る話は、そのあとです。——順番を逆にすると、塗ったのに数年で同じことが起きます。

瓦棒屋根とは——材料ではなく「葺き方」の名前です

瓦棒は金属の屋根です。同じ金属でも、壁のほうは板の規格と保証の作りが違います。壁まで一緒に調べる方は金属サイディングへ。

まず、言葉の整理をします。

言葉指しているもの
トタン材料の名前(亜鉛めっきをした鋼板)
ガルバリウム材料の名前(アルミと亜鉛の合金めっきをした鋼板)
瓦棒葺き葺き方の名前。屋根の流れ方向に、一定の間隔で棒状の出っ張りが並ぶ形
立平葺き(たてひらぶき)葺き方の名前。出っ張りをつまんで納める形

だから「うちはトタンの瓦棒です」という言い方が成り立ちます。——材料がトタンで、葺き方が瓦棒、という意味です(トタン屋根の塗装)。

見分け方は簡単です。——屋根を下から見上げて、縦方向(軒から棟へ)に等間隔の線が何本も入っていれば、瓦棒か立平です。横方向に段々になっていれば、横葺きです。

瓦棒葺きは、勾配のゆるい屋根でも使える葺き方として広く採用されてきました。継ぎ目が流れ方向に立ち上がっているので、水が横に回りにくい作りです。

心木あり・心木なし——国の仕様書が対象にしているのは

ここが、このページの本題です。

国土交通省の「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」13章2節「長尺金属板葺」に、こう書かれています。

13.2.1 一般事項

「この節は、長尺金属板による立て平葺、心木なし瓦棒葺、横葺等の屋根葺形式に適用する。」

13.2.3 工法

「屋根葺形式は、特記による。なお、瓦棒葺は、心木なしの場合に適用する。」

2回、はっきり書かれています。——この仕様書が扱っているのは「心木なし」の瓦棒葺です。

つまり、こういうことです
心木あり瓦棒葺は、いまの公共建築の標準仕様には入っていません。

——それ以前に使われていた工法だということです。

2つの違い

心木あり瓦棒心木なし瓦棒・立平
出っ張りの中身木の角材が入っています木は入っていません(金属の部材で納める)
時期古い建物に多い形いまの標準仕様が対象にしている形
弱点中の木が濡れると腐ることがあります木がないので、その心配はありません
塗装で直せる範囲表面の錆まで。中の木は別表面の錆

「心木ありだから駄目」という話ではありません。——いまも問題なく使われている屋根はたくさんあります。ただ傷み方の種類が1つ多いということです。

心木があると、何が起きるか

金属の下に木がある、という構造を思い浮かべてください。

起こり得ること
1. 金属の継ぎ目や釘穴から、わずかに水が入る
2. 中の木が濡れる
3. 乾かないまま、木が傷んでいく
4. 木が痩せると、留めている釘やビスが効かなくなる
5. 棒の部分が浮く、ぐらつく、風であおられる

ここで大事なのは、4と5です。——屋根の金属は、心木に留められています。その木が効かなくなれば、いくら表面をきれいに塗っても、留まっていない状態は変わりません。

だから、こうなります
錆=塗装で対応できる範囲
心木の傷み=塗装では対応できない範囲

——同じ屋根の上に、性質の違う2つの問題が同時にあり得るということです。

棟の部分も、木でできていることがあります

屋根のてっぺん(棟)にも、下地の木が入っている形があります。——国の仕様書にも、「棟板(あおり板)、瓦棒、桟木及びけらば部は、水切り金物等の取り付けに先立ち下葺を行う」という記述があります。つまり、これらの部分には下葺(防水シート)を先に施すことが定められています。

裏を返せば、そこは水が回りやすい場所だということです。棟の際でぐらつきがある場合、下の木を疑う理由になります。

どちらか見分ける方法

残念ながら、下から見上げただけでは分かりません。——外から見える形は、心木ありでも心木なしでも似ています。

確かめる順番
1. 書類を探す——新築時の図面や仕様書に、屋根の工法が書かれていることがあります
2. 建てた年代から推測する——古い建物ほど心木ありの可能性があります(年代だけでは決まりません)
3. 業者に見てもらう——これがいちばん確実です

そして、聞き方はこうです。

「うちの瓦棒は、心木ありですか、心木なしですか。」

——この質問に答えられる会社は、屋根に上がって構造を見ています。

「瓦棒ですね」で終わる会社と、「心木ありのタイプですね」まで言う会社。——同じ屋根を見ても、見ている深さが違います。2〜3社に見てもらうと、この差がはっきり出ます。

心木の傷みを疑うサイン

  • 棒の部分が浮いている、波打っている
  • 釘やビスの頭が出てきている
  • 棒の際に沿って、錆が集中している
  • 踏むと、部分的に沈む感じがある(ご自身では上がらないでください)
  • 厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト「建築物石綿含有建材調査者」(2026年9月13日に当サイトが確認)——石綿則第3条が対象とする作業(「解体又は改修〔封じ込め又は囲い込みを含む。〕の作業」)/資格者による事前調査の義務化=令和5年10月1日以降着工の工事から(建築物の場合)/注記「※令和5年9月30日以前着工の工事についても、資格者による事前調査を行うことが望ましいです。」
  • 強い風のあと、音がするようになった

これらがあるなら、塗装の見積もりを取る前に「構造としてどうか」を見てもらってください。

塗装で足りる場合

心木が健全で、傷みが表面の錆にとどまっているなら、塗装は有効な手段です。——金属屋根は、塗膜が守っている屋根材だからです。

工程の中心は、塗料ではなくケレン(錆落とし)と錆止めになります。——ここは材料としてのトタンの話と共通なので、詳しくはこちらにまとめました(トタン屋根の塗装)。

瓦棒ならではの確認点
「棒の際(きわ)まで、きちんと塗ってもらえますか。」

——立ち上がった部分の付け根は、塗りにくく、水が溜まりやすい場所です。平らな面だけきれいでも、傷むのは際からです。

使う金属板にも、規格があります

参考までに、国の仕様書では長尺金属板の種類が規格で定められています。

規格規格名称
JIS G 3312塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯(いわゆるトタン系)
JIS G 3322塗装溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯(いわゆるガルバリウム系)
JIS G 3318塗装溶融亜鉛-5%アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 4305 / G 3320ステンレス鋼板及び鋼帯

※仕様書では「特記がなければ、JIS G 3322に基づく屋根用コイル」とされています。葺き替えやカバー工法で新しく葺く場合の話で、塗装の場合に直接関係する数字ではありません。ただし「いま何が標準とされているか」の目安になります(ガルバリウム)。

錆の段階——塗装で間に合ううちに

瓦棒は金属屋根なので、心木の話と並んで「錆」がもう一つの軸になります。

段階状態できること
1. 塗膜が色あせているまだ金属は守られているいちばん安く済む段階
2. 点々と錆が出ている塗膜が切れ始めたケレンで落として塗り替え
3. 面で錆びている広い範囲で塗膜が失われているケレンの手間が増えます
4. 錆が浮いて厚くなっている金属が減っている塗って止まるかは状態次第
5. 穴が開いている塗装では戻りません部分交換・カバー工法・葺き替え

金属屋根は「待つほど工程が増える」屋根材です。——錆が出る前に塗るのがいちばん安く、進むほどケレンの手間が乗っていきます(トタン屋根の塗装)。

瓦棒で、とくに錆が出やすい場所
・棒の際(きわ)——水が溜まりやすく、塗りにくい
・釘やビスの頭——金属が露出しやすい
・棟の際——水が集まる場所
・軒先の切り口——めっきの層が切れている端部

——どれも「平らな面」ではありません。

工事の流れと、見るところ

工程やること確認するところ
1. 足場屋根の作業に必要外壁と同時なら1回で済みます
2. 高圧洗浄汚れ・浮いた錆を落とす洗ってから乾かす時間(高圧洗浄)
3. ケレン錆を落とす。ここで寿命が決まります数量(㎡)が書かれているか
4. 下地の確認・補修心木、釘・ビスの効き、浮き行があるか。瓦棒ではここが要です
5. 錆止め金属屋根の要の工程製品名が書かれているか
6. 中塗り・上塗り仕上げ回数と製品名

3と5が金属屋根の本体、4が瓦棒ならではの工程です。——他の金属屋根の見積書と違うのは、4があるかどうかです。

「ケレン一式」と書かれている場合。——数量(㎡)を聞いてください。錆の量で手間がまったく変わる工程なので、数量が出せる会社は屋根を見ています。

立平葺きとの違い

瓦棒と並んでよく出てくるのが「立平葺き(たてひらぶき)」です。——どちらも縦方向に線が入る葺き方なので、見た目が似ています。

瓦棒葺き(心木あり)心木なし瓦棒・立平葺き
出っ張りの中身木の角材金属の部材でつまむ・はめる
国の仕様書の扱い対象外対象(立て平葺、心木なし瓦棒葺)
塗り替えのとき心木の状態を確認錆と塗膜が中心

国の標準仕様書の13章2節は「立て平葺、心木なし瓦棒葺、横葺等」を対象にしています。——いま新しく葺くなら、この形が標準ということです。

だから、葺き替えやカバー工法の提案を受けたときに「新しくするのは、どの葺き方ですか」と聞く意味があります。——心木のない形に変われば、その弱点はなくなります。

塗装では足りない場合

心木が傷んでいる、金属に穴が開いている、下地まで水が回っている。——この段階なら、別の工事の検討になります。

方法考え方
部分補修傷んだ範囲が限られているなら。ただし同じ材料が手に入るかによります
カバー工法既存を残して上から葺く。下地が健全であることが前提です(カバー工法)
葺き替え心木ごと作り直せる唯一の方法です(葺き替え費用)

心木の傷みが理由なら、カバー工法では解決しないことがあります。——上からかぶせても、下の木は傷んだままだからです。「心木はどうなっていますか。カバー工法で問題ありませんか」と聞いてください。

瓦棒屋根は、勾配がゆるい屋根にも使われています。——勾配がゆるいと、選べる工法が限られることがあります。「うちの勾配で、この工法は使えますか」も確認してください(屋根の勾配と面積)。

撤去して葺き替える場合は、もうひとつ確認があります。——解体や改修の作業では、あらかじめ石綿の使用の有無を調査することが法律で義務づけられています。古い建物では、屋根以外の部材が対象になることもあります。

「かぶせるだけなら石綿の調査は要らない」とは、条文からは言えません

瓦棒屋根の工事では、心木なしに替える葺き替えと、上からかぶせるカバー工法の2つが提案されます。「撤去しないほうなら調査は要らないだろう」と考えたくなるところですが、条文はそう書かれていません。

「…解体又は改修(封じ込め又は囲い込みを含む。)の作業…を行うときは…あらかじめ…石綿等の使用の有無を調査…しなければなりません(石綿則第3条)」(厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト)

かっこの中を見てください。「封じ込め又は囲い込みを含む」。対象は撤去だけではありません。だから「かぶせるだけだから対象外です」という説明は、条文を根拠にはできません。

当サイトは、あなたの工事が対象かどうかを判定できません。判断するのは工事を請け負う元請業者で、迷う場合は最寄りの労働基準監督署が答えます。ここで言えるのは、「かぶせるだけ」を理由に説明を終える会社には、根拠を聞いていいということだけです。

瓦棒の部材そのものには、石綿は入っていません

瓦棒屋根を構成しているのは、金属板と、木の心木と、下葺材です。どれも石綿を含む建材ではありません。それでも調査の話になるのは、石綿則が対象にしているのが部材ではなく「解体等の作業に係る部分」の建築物だからです。

実際に見つかるとしたら、屋根そのものより周辺です。軒天のけい酸カルシウム板、外壁の下地、取り合いの部材。心木を入れ替えるのか、野地板まで触るのか、軒先まで手が入るのか——手が入る範囲が決まらないと、調査が要るかどうかも決まりません。

だから工事の範囲を先に確定させるほうが早いです。「どこまで手を入れますか」を見積書の行で確かめてください(見積書で見る行)。

2023年10月1日が、ひとつの区切りです

調査そのものは以前から義務でしたが、「誰が調べるか」が決まったのは最近です。

厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトによれば、建築物の解体等の作業について資格者(建築物石綿含有建材調査者など)による事前調査が必要になったのは、令和5年10月1日以降に着工する工事からです。そして、その下にこう添えられています。

「※令和5年9月30日以前着工の工事についても、資格者による事前調査を行うことが望ましいです。」

令和5年=2023年。注意書きのほうも読んでおくと役に立ちます。国は、義務になる前の工事についても資格者でやることを勧めていました。つまりこれは、急に持ち上がった手続きではありません。

聞く一行はこれで足ります——「石綿の事前調査は、どなたがされますか」。資格の名前で答えが返れば、その会社は制度を運用しています。「瓦棒は金属だから関係ない」と返ってきたら、対象は屋根材ではなく建物だ、という話を一度してみてください。

塀・門扉・カーポートのような工作物については、2026年1月から別の資格の話になりました。屋根とは別の論点なので、調査の費用・報告義務・結果が施主に報告される決まりとあわせてアスベスト事前調査のページにまとめています。

見積書で見る行と、聞く質問

見積書の行読み取れること
ケレン/素地調整錆をどこまで落とすか。数量が書かれているか
錆止め製品名が書かれているか。金属屋根はここで寿命が決まります
下地補修/心木交換心木を触る工事が入っているか。入っているなら、その理由を聞く
釘・ビスの打ち替え浮きがある場合に出てくる行です
棟部の処理棟は水が集まる場所。行があるか
足場屋根の工事なので必要です。外壁と同時なら1回で済みます

聞くのは、この3つです

1.「うちの瓦棒は、心木ありですか、心木なしですか。」
——構造まで見ているかが分かります

2.「心木や下地は、どうなっていますか。」
——心木ありの場合、これが本題です

3.「棒の際まで、きちんと塗ってもらえますか。」
——傷むのは平らな面ではなく、際からです

この3つに答えられる会社なら、瓦棒屋根を分かっています。——「錆を落として塗ります」だけで終わるなら、もう1社に聞いてください。2〜3社に見てもらうと、屋根に上がって構造まで確かめた会社が見つかります。

よくある質問

ケレンが「一式」としか書かれていません

数量(㎡)を聞いてください。——錆の量で手間がまったく変わる工程なので、数量が出せる会社は屋根を見ています。金属屋根では、ここで寿命が決まります。

錆で穴が開いています。塗れば止まりますか?

止まりません。——穴が開いた段階は、塗装では戻らない範囲です。部分交換、カバー工法、葺き替えの検討になります。そして穴の下にある野地板も濡れている可能性があるので、下地の状態を見てもらってください。

棒の際だけ錆びています

よくある出方です。——棒の際は水が溜まりやすく、塗りにくい場所だからです。だから「棒の際まで、きちんと塗ってもらえますか」と聞く意味があります。平らな面だけきれいでも、傷むのは際からです。

釘の頭が出てきました

心木が痩せている可能性があります。——木が痩せると、留めている釘やビスが効かなくなります。打ち直しで済むのか、心木ごと触るのかは状態次第です。塗る前に見てもらってください。

「立平に葺き替えましょう」と言われました

心木のない形に変わる提案です。——国の標準仕様書が対象にしているのも、立て平葺と心木なし瓦棒葺です。心木の弱点はなくなります。ただし葺き替えは撤去を伴うので、石綿の事前調査が入ります(葺き替え費用)。

雨音が大きいのですが、塗装で変わりますか?

塗装では変わりません。——金属屋根の雨音は屋根材の下に何が入っているかで決まります。塗膜の厚さで変わる話ではありません。気になるなら、カバー工法や葺き替えのときに断熱材付きの屋根材を検討することになります。

屋根の勾配がゆるいと、何が変わりますか?

選べる工法が限られることがあります。——瓦棒葺きはもともと勾配のゆるい屋根にも使える葺き方ですが、葺き替えやカバー工法で新しくする場合、勾配によって使える屋根材が変わります。「うちの勾配で、この工法は使えますか」と聞いてください。

心木ありでも、そのまま塗り続けて問題ないですか?

心木が健全なら、問題ありません。——「心木ありだから駄目」という話ではなく、傷み方の種類が1つ多いというだけです。定期的に塗り替えて、金属を錆びさせない。そして数年に一度、棒の浮きやぐらつきが出ていないかを見てもらってください。

瓦棒屋根とトタン屋根は、違うものですか?

指しているものが違います。——トタンは材料の名前、瓦棒は葺き方の名前です。だから「トタンの瓦棒葺き」という言い方が成り立ちます。材料としての話はこちらです(トタン屋根の塗装)。

心木ありか、なしかは自分で分かりますか?

下から見上げただけでは分かりません。——外から見える形は似ているからです。新築時の図面や仕様書に書かれていることがあるので、まず書類を探してください。見つからなければ「うちの瓦棒は心木ありですか、なしですか」と業者に聞いてください。

心木ありだと、塗装しても意味がないのですか?

そうではありません。——心木が健全で、傷みが表面の錆にとどまっているなら、塗装は有効です。問題になるのは中の木が傷んでいる場合で、そのときは塗っても留まっていない状態は変わりません。だから先に構造を見てもらうのです。

棒の部分が浮いてきました

塗装の前に見てもらってください。——中の木が痩せて、留めている釘やビスが効かなくなっている可能性があります。塗ってもぐらつきは直りません。強い風のあとに音がするようになった場合も同じです。

カバー工法にすれば解決しますか?

心木の傷みが理由なら、解決しないことがあります。——上からかぶせても、下の木は傷んだままだからです。「心木はどうなっていますか。カバー工法で問題ありませんか」と確認してください(カバー工法)。

何年ごとに塗り替えるものですか?

年数では言えません。——錆がどこまで進んでいるかで決まります。金属屋根は塗膜で守られているので、錆が出る前に塗るのがいちばん安く済みます。錆が出てから、穴が開いてからと進むほど、工程が増えていきます。

勾配がゆるいのですが、問題ありますか?

瓦棒葺きは、もともと勾配のゆるい屋根にも使われてきた葺き方です。——ただし勾配がゆるいと、葺き替えやカバー工法で選べる工法が限られることがあります。「うちの勾配で、この工法は使えますか」と聞いてください。

DIYで塗れませんか?

やめてください。——金属屋根は滑ります。そして錆で薄くなった部分は、体重で抜けることがあります。労働安全衛生規則でも、高所での作業には足場等が求められています。状態を知りたいだけなら、業者に写真を撮ってもらってください。

屋根の材料は何を使うのが今の標準ですか?

国の標準仕様書では、特記がなければJIS G 3322(塗装溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯)に基づく屋根用コイルとされています。——いわゆるガルバリウム系です。これは新しく葺く場合の話で、塗装のときに直接関係する数字ではありません(ガルバリウム)。

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ケレンと錆止めで決まります

ガルバリウム

いまの標準とされる材料

カバー工法

下地が健全であることが前提

葺き替え費用

心木ごと作り直せる方法

アスファルトシングル

専用の仕様があります

屋根だけ塗る費用

勾配で面積が変わります

屋根の見積書

行が少ない書類ほど抜けに気づけない

雨漏りの原因

塗装では直らない場合

参考にした情報

国土交通省 大臣官房官庁営繕部「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」13章2節 長尺金属板葺 13.2.1 一般事項——「この節は、長尺金属板による立て平葺、心木なし瓦棒葺、横葺等の屋根葺形式に適用する」旨

同 13.2.3 工法(1)——「屋根葺形式は、特記による。なお、瓦棒葺は、心木なしの場合に適用する」旨

同 13.2.2 材料(1) 表13.2.1 長尺金属板の種類——JIS G 3312(塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯)、JIS G 3314(溶融アルミニウムめっき鋼板及び鋼帯)、JIS G 3318(塗装溶融亜鉛-5%アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯)、JIS G 3321(溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯)、JIS G 3322(塗装溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯)、JIS K 6744(ポリ塩化ビニル被覆金属板及び金属帯)、JIS G 4305(冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)、JIS G 3320(塗装ステンレス鋼板及び鋼帯)が挙げられており、特記がなければJIS G 3322に基づく屋根用コイルとする旨

同 13.2.3 工法(4)(ア)(f)——棟板(あおり板)、瓦棒、桟木及びけらば部は、水切り金物等の取り付けに先立ち下葺を行う旨

石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号)第3条——事業者は解体等の作業に先立ち、対象となる建築物等について石綿等が使用されているかどうかを調べる義務を負う旨

最終確認日:2026年8月28日。仕様書および規格は改定されることがあります。本ページは公共建築工事に適用される仕様書の内容を整理したものであり、戸建て住宅の工事がこの仕様書に従って行われることを意味するものではありません。個々の屋根については、現地を確認した施工会社にご確認ください。