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ニチハのイルミオは高い?——公式が値段を公表している、珍しい外壁材です
最初に、いちばん誤解されやすいところから。イルミオは塗料ではありません。ニチハがつくっている外壁材、つまり壁に張る「板」の商品名です。検索している人がいちばん知りたがっているのは「高いのか」と「デメリットは何か」——この2つに集中しています。そして幸運なことに、イルミオはメーカーが標準価格を公表している数少ない外壁材です。だからこのページでは、公式サイトに書かれている数字をそのまま示したうえで、その数字だけでは見積もりを判定できない理由まで説明します。ここを取り違えると、材料の定価と工事の金額を比べてしまうことになります。
このページの内容
- イルミオとは何か——「塗料」ではなく「板」です
- 🔑「高いですか」に、公表されている価格で答えます
- 🔑🔑ただし、この数字で見積もりは判定できません
- デメリットを、構造で言うと
- 「耐用年数は?」への正確な答え方
- フュージェとの違い——目地の考え方が逆です
- すでにイルミオの家に住んでいる方へ
- よくある質問
イルミオとは何か——「塗料」ではなく「板」です
イルミオは、ニチハの内外壁材「COOL」というシリーズに含まれる商品のひとつです。COOLにはミライア、メモリア、イルミオの3つがあり、それぞれ表面の仕上げが違います。ミライアは鏡面仕上げ、メモリアはマット仕上げ、そしてイルミオは「立体感を際立たせる目地デザイン」が特徴だとニチハは説明しています。
本体の仕様は公式サイトに明記されています。厚み16mm × 幅455mm × 長さ1820mm(6尺)、重量は約17kg/枚、2枚で1梱包。基材は木質系繊維混入セメントけい酸カルシウム板で、材料認定は準不燃材料(QM-0639)です。窯業系サイディングと呼ばれる種類にあたります(サイディングのページ)。
もうひとつ、イルミオならではの性質があります。内装にも使えることです。ニチハはCOOLシリーズについて「4VOCに配慮した塗料設計だから内装にも使用可能」と説明していて、実際に外壁と同じイルミオを室内の壁にも使った建物の例を公開しています。不燃材料の商品も用意されているため、使える範囲が広いのがこのシリーズの立ち位置です。
色は全部で17色。ニチハの説明では「梨地仕上げのシックな5色」「柔らかさと深みを醸し出すマーブル調の4色」「様々なテクスチャーをリアルに表現する次世代インクジェット塗装8色」という3つのグループに分かれます。検索でよく見かけるメレブラック、メレグレー、メレホワイトはマーブル調のグループ、イルミオホワイト、イルミオネイビー、イルミオブラックなどは梨地のグループにあたります。
「高いですか」に、公表されている価格で答えます
ここがこのページの本題です。「ニチハのイルミオは高いですか」「定価はいくらですか」「平米単価は?」——検索で圧倒的に多いのがこの3つで、しかもここ数か月で増えている質問です。
普通、外壁材の値段は施主向けには公表されていません。当サイトでもフュージェのページで同じことを調べましたが、一般向けのページに施主が見られる材料単価は載っていませんでした。ところがイルミオは違います。公式サイトの商品ページに標準価格が書かれています。
標準価格(税抜)= 7,000円/枚(8,453円/m²)/6,200円/枚(7,487円/m²)(ニチハ公式サイト「イルミオ」商品ページ)
本体寸法=16 × 455 × 1820mm(6尺)/重量=約17kg/枚/梱包=2枚/梱/基材=木質系繊維混入セメントけい酸カルシウム板/材料認定=準不燃材料 QM-0639
注記=「本体の留付金具・釘および出隅用金具は別売り」
読み取れることを整理します。
- ①価格帯は2つある——8,453円/m²の側と、7,487円/m²の側。どちらになるかは選ぶ色柄によって分かれます。ざっくり1平米あたり1,000円弱の差です。
- ②これは「1枚」ではなく「1平米」に直した数字もある——公式が両方の単位で書いてくれているので、面積で考えるときに換算の手間がありません。
- ③金具と釘は、この値段に入っていません——公式が「別売り」と明記しています。板の値段=壁の材料費一式ではないということです。
つまり「イルミオは高いですか」への答えは、「公表されている標準価格は1平米あたり7,487円か8,453円(税抜)です」——ここまでは、根拠のある数字で言えます。
ただし、この数字で見積もりは判定できません
ここが、この記事でいちばん大事な章です。いま出した数字を、見積書の金額と直接比べないでください。理由が3つあります。
- ①標準価格は「定価」であって、実際の仕入れ値ではありません——建築材料の世界では、メーカーの標準価格に対して流通の段階で価格が動きます。公表価格どおりの金額で工務店が仕入れているとは限りません。だから「定価より高い」「定価より安い」という比べ方自体が、あまり意味を持ちません。
- ②壁は板だけでできていません——下地の胴縁、防水シート、留付金具と釘(公式に別売りと書かれているもの)、出隅用の役物、シーリング材。そして張る人の手間。外壁の工事金額は材料費よりも、面積・工法・足場で決まります(見積もりの内訳のページ)。
- ③新築か、張り替えかで前提が変わります——今ある外壁の上から張るのか、剥がしてから張るのか、下地はそのまま使えるのか。ここで金額の桁が動きます(張り替えのページ/カバー工法のページ)。
では、公表価格を知っていることに意味はないのか。あります。使い方が違うだけです。
正しい使い方は「材料のグレードを、会社をまたいで揃えるための物差し」です。たとえばA社が「イルミオで」と言い、B社が別の外壁材を提案してきたとき、その2つが同じ価格帯の材料なのかどうかを考える材料になります。同じ家の見積もりでも、提案されている材料が違えば、金額が違って当たり前です。ここを揃えずに総額だけ比べるのが、いちばんもったいない比べ方です。
だから見積もりを取るときは、「イルミオの、どの色柄で見ていますか」まで聞いてください。品番まで答えられる会社なら、価格帯まで含めて把握したうえで提案しています。
デメリットを、構造で言うと
「ニチハのイルミオのデメリットは?」は、いま最も検索されている質問です。感想ではなく、公式に書かれている制約から並べます。
- ①濃い2色には、汚れを流す機能が付いていません——イルミオの表面にはマイクロガードという、雨で汚れを浮かせて流す機能が乗っています。ただしニチハは「イルミオネイビー」「イルミオブラック」にはマイクロガード機能はついていませんと明記しています。濃色を選びたい人には、ここが判断どころです。
- ②シーリングが「ゼロ」になるわけではありません——イルミオはシーリングレス仕様と紹介されますが、公式の但し書きはこうです。「板間は『四方合いじゃくり加工』。出隅部や開口部まわりなどはシーリング施工となる場合があります」。つまり板と板のあいだの縦目地は減るが、角や窓まわりには残る。ここは将来の点検対象として残ります(シーリングのページ)。
- ③ミライア・メモリアと混ぜて張れません——ニチハは「COOLイルミオは、目地形状の特性上、ミライア・メモリアとの同一面での混ぜ張りはできません」と書いています。ミライアとメモリアは互いにMIX張りできるのに、イルミオだけは組み合わせられない。デザインの自由度という意味では制約です。
- ④表面を強くこすってはいけません——公式の注記に「マイクロガードの機能を保つため、表面を強く擦らないようご注意ください」とあります。汚れが気になっても、たわしや研磨剤で削るのは逆効果です。
- ⑤金具・釘・出隅用金具は別売り——前章のとおりです。板の単価だけで材料費を見積もると足りません。
逆側も書いておきます。これらは「悪い外壁材」という意味ではありません。①はマイクロガードが付く15色を選べば関係のない話ですし、②はどの外壁材でも角と窓まわりにシーリングは要ります。むしろ板間のシーリングが減るぶん、将来の打ち替えの量が減るという利点の裏返しです。制約が公式に書かれている商品は、比較しやすい商品でもあります。
「耐用年数は?」への正確な答え方
「イルミオの耐用年数は?」も多い質問ですが、一言で答えると必ず不正確になります。公表されているのは「耐用年数」ではなく「保証の年数」で、しかも保証されている対象は限られているからです。
公式ページの注記はこうです。「Wプラチナ 変色・褪色15年保証はプラチナコートとプラチナシールの同時使用が保証条件になります」。ここから読み取れることは2つあります。
- ①保証されているのは「色」です——変色・褪色、つまり色があせないことについての15年保証であって、板が割れない・反らない・雨が入らないという保証ではありません。この構造は他の外壁材でも同じです(外壁材は何年もつ?のページ)。
- ②条件が付いています——プラチナコートとプラチナシールを同時に使うことが保証の条件。指定の組み合わせで施工されていなければ、その保証は成立しません。だから「イルミオだから15年保証」ではなく、「どう施工したか」まで含めて初めて15年保証です。
もうひとつ知っておくと役に立つのが、マイクロガードの効果にも期間があることです。ニチハは同社のセルフクリーニング機能について、効果の続く期間を条件により15〜20年程度と条件つきで示しています。永久の機能ではなく、期間のある機能——この書き方を知っておくと、「汚れない外壁」という紹介文との距離が取れます。
したがって「何年もちますか」への誠実な答えは、「色の保証は条件つきで15年。板そのものの寿命はそれとは別で、立地と施工とお手入れで変わります」になります。当サイトが年数を断定しないのは、断定できる根拠がないからです。
フュージェとの違い——目地の考え方が逆です
同じニチハの人気商品であるフュージェと、どう違うのか。板の四辺を重ね合わせる「四方合いじゃくり」で、板と板のあいだのシーリングを減らしている点は共通です。違うのは目地をどう見せたいか——ここが正反対です。
| フュージェ | イルミオ | |
|---|---|---|
| 目地の思想 | 継ぎ目を目立たせない。一枚の面に見せる | 目地の凹凸を見せる。立体感で個性を出す |
| シリーズ | PREMIUM SERIES ほか | 内外壁材「COOL」(ミライア・メモリアと同シリーズ) |
| 内装利用 | 外壁材として展開 | 内装にも使用可能(4VOC対応・不燃材商品あり) |
| 色の保証 | プレミアムは30年/無印は15年(Wプラチナ・条件つき) | 15年(Wプラチナ・条件つき) |
| 公表価格 | 一般向けページに施主向け単価の記載を確認できず | 標準価格が明記(7,487〜8,453円/m²・税抜) |
選び方の話にすると、こうなります。壁を静かに一枚の面として見せたいならフュージェ側、陰影のある表情をつくりたいならイルミオ側。どちらが上ということではなく、目指している見え方が違うだけです。
そして注意点をひとつ。この比較は新築や張り替えで「これから選ぶ人」向けの話です。すでに建っている家の外壁を変える場合は、選択肢が下地の状態に左右されます。カタログで選んでから家を見るのではなく、家を見てもらってから選ぶ——順番を逆にしないでください。
すでにイルミオの家に住んでいる方へ
ここまでは「これから選ぶ人」の話でした。すでにイルミオが張られた家に住んでいて、そろそろ手入れの時期が気になっている方に向けて、確認する順番を書いておきます。
- ①まず、どの色柄かを確認する——引き渡しのときの書類か、施工した会社に聞けば品番が分かります。マイクロガードが付いている色か、付いていない濃色かで、汚れ方の前提が変わります。
- ②残っているシーリングの場所を把握する——板間には無くても、出隅や窓まわりには施工されている場合があります。そこが切れていないか、ひび割れていないかを見てもらってください(コーキングのひび割れのページ)。
- ③保証書を出しておく——プラチナコートとプラチナシールが同時に使われているかで、色の15年保証が成立しているかどうかが決まります。書類を出したうえで業者に見せるのがいちばん早い確認方法です。
- ④汚れは、こすらずに流す——公式が「表面を強く擦らないように」と書いています。高い場所は自分で手を出さず、点検のときにまとめて相談してください。
そして塗り替えの話が出てきたときに大事なのが、塗料の「付きにくさ」です。汚れを流す機能が乗った外壁材は、その機能が働いているうちは塗料も付きにくいという性質があります(難付着サイディングのページ)。だから塗り替えるときは「うちはイルミオですが、下塗りは何を使いますか」と聞いてください。製品名で答えられるかどうかが、その会社がこの種の外壁材を扱い慣れているかの目安になります。
よくある質問
イルミオとは何ですか? 塗料ですか?
塗料ではありません。ニチハの外壁材(窯業系サイディング)の商品名です。内外壁材「COOL」というシリーズに属し、同シリーズにはミライア(鏡面仕上げ)とメモリア(マット仕上げ)があります。イルミオの特徴は立体感を際立たせる目地デザインで、色は全17色。4VOCに配慮した塗料設計のため内装にも使用可能で、不燃材料の商品も用意されています。
ニチハのイルミオは高いですか? 定価はいくらですか?
公式サイトに標準価格が明記されています。7,000円/枚(8,453円/m²)と6,200円/枚(7,487円/m²)——いずれも税抜で、選ぶ色柄によって2つの価格帯に分かれます。ただしこれは材料の定価であり、工事の金額ではありません。実際の仕入れ値は流通で動きますし、壁には下地・防水シート・金具・シーリング・施工の手間がかかります。公式が「留付金具・釘および出隅用金具は別売り」と明記している点にもご注意ください。
ニチハのイルミオの平米単価はいくらですか?
公表されている標準価格を平米に直した数字が8,453円/m²と7,487円/m²(税抜)です。見積書の平米単価と、この数字を直接比べないでください。見積書の単価には施工の手間や副資材が含まれるのが普通で、材料の定価とは別のものを指しています。金額を確かめたいなら、同じ条件で複数社に見積もりを出してもらうのが確実です。
イルミオのデメリットは何ですか?
公式記載から挙げると4つです。①イルミオネイビーとイルミオブラックにはマイクロガード機能が付いていない ②板間はシーリングレスでも「出隅部や開口部まわりなどはシーリング施工となる場合がある」 ③ミライア・メモリアと同一面での混ぜ張りができない ④表面を強くこすってはいけない。加えて金具・釘が別売りである点も、材料費を考えるうえでの注意点です。
イルミオの耐用年数は何年ですか?
公表されているのは耐用年数ではなく保証年数です。「Wプラチナ 変色・褪色15年保証」で、プラチナコートとプラチナシールの同時使用が保証条件と明記されています。つまり保証されているのは色(変色・褪色)であって、板の寿命や防水性ではありません。またマイクロガードの効果についても、ニチハは条件により15〜20年程度と期間つきで示しています。
イルミオの厚さ・大きさ・重さを教えてください
公式の本体寸法は厚み16mm × 幅455mm × 長さ1820mm(6尺)、重量は約17kg/枚、梱包は2枚/梱です。基材は木質系繊維混入セメントけい酸カルシウム板、材料認定は準不燃材料(QM-0639)。なお公式にはドライジョイント工法に対応(16mm厚品のみ)という記載もあります。
イルミオとメモリアの違いは何ですか?
どちらもニチハの内外壁材「COOL」の商品ですが、仕上げが違います。メモリアはマット仕上げで15色、イルミオは立体感を際立たせる目地デザインで17色。そしてミライア(鏡面10色)とメモリアはMIX張りができますが、イルミオはこの2つと同一面で混ぜ張りできません——目地の形状が違うためだとニチハは説明しています。
イルミオは黒(メレブラック)が人気のようですが、汚れは目立ちますか?
色ごとの汚れの目立ち方を当サイトが断定することはできませんが、確認しておくべき事実があります。マイクロガード機能が付いていないのは「イルミオネイビー」と「イルミオブラック」で、マーブル調の「メレブラック」はこれとは別の品番です。同じ黒でも仕様が違うので、検討中なら品番まで確認してから決めてください。一般論として濃色は色あせが気になりやすい面がありますが、これは製品を問わない話です(色選びのページ)。
いま外壁の塗り替えを考えています。イルミオに張り替えるべきですか?
塗り替えと張り替えは、そもそも別の工事です。今の外壁が塗装で十分もつなら、張り替えは費用の桁が変わります。逆に下地まで傷んでいれば、塗装では解決しません。順番としては、まず今の壁がどちらの段階にあるかを見てもらうこと。そのうえで張り替えやカバー工法を検討する話になります(張り替え/カバー工法)。カタログから入らず、家の状態から入ってください。
最終確認日:2026年8月24日。出典:ニチハ株式会社 公式サイト「イルミオ|COOL|商品情報」(標準価格・本体寸法・重量・梱包・基材名称・材料認定・留付金具等の別売り・マイクロガードに関する注記・イルミオネイビーおよびイルミオブラックのマイクロガード機能に関する記載・Wプラチナ変色褪色15年保証の条件・ミライア/メモリアとの混ぜ張りに関する記載)、同「COOL|商品情報」(3商品の位置づけ・四方合いじゃくり加工・4VOC対応と内装利用・色数の内訳・ドライジョイント工法に関する記載)。マイクロガードの効果期間に関するニチハの記載は当サイト「フュージェ」ページの出典による。標準価格は税抜のメーカー公表価格であり、実際の販売価格・工事金額を示すものではありません。仕様・価格・ラインナップは変更される場合があります。ご検討にあたっては、必ずメーカーの最新のカタログと施工店にご確認ください。