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グリシェイドNEOは塗装できる?——「グリシェイド」との違いを、メーカー資料で確かめる
屋根の点検で「グリシェイドですね」と言われた方へ。この名前には2つの世代があり、石綿(アスベスト)の扱いがまったく違います。ケイミューの見解書では、「グリシェイド (H8〜H13)」は石綿含有率10〜15%の「法規制を受ける屋根材」、「グリシェイド NEO (H13.9〜)」は「法規制を受けない屋根材」として、別の表に載っています。名前が1語違うだけで、解体や廃棄の手順が変わります。このページでは、どちらなのかの確かめ方と、塗装できるのかを、ケイミューが公開している資料の原文で整理します。
このページの内容全10項目
先に結論
1. 名前を最後まで確かめてください。「グリシェイド」と「グリシェイドNEO」は、ケイミューの見解書で別の表に載っています。前者は石綿10〜15%、後者は法規制を受けません。
2. グリシェイドNEOは、メーカーの塗替え塗料の対象です。リペイント塗料カタログの推奨色表に、コロニアルNEOやセイバリーNEOと同じ列で載っています。
3. ただし前提があります。カタログは「基材に損傷等なければ」屋根材の基本性能に問題はない、とした上で、塗料の役目を「美観の回復・向上」と書いています。割れや欠けを直す塗料ではありません。
「グリシェイド」と「グリシェイドNEO」は別物です
ケイミューは「石綿(アスベスト)に関する見解書(第7版)」を公開しています。同社は「H15年12月に、㈱クボタと松下電工㈱(現パナソニック㈱)の住宅外装建材事業部門を事業承継し設立」した会社で、設立以前に両社が作っていた建材の一覧を、法規制を受けるもの/受けないものに分けて載せています。
| 製品名 | 見解書での分類 | 製造期間・石綿含有率 |
|---|---|---|
| グリシェイド | 2-1-1 法規制を受ける屋根材(クボタ) | (H8〜H13)[10〜15%] |
| グリシェイド NEO | 2-1-2 法規制を受けない屋根材(クボタ) | (H13.9〜) |
| グリシェイドグラッサ | 2-1-2 法規制を受けない屋根材(クボタ) | (H16〜) |
出典:ケイミュー「石綿(アスベスト)に関する見解書(第7版)」(R7.12.1改訂・2026年9月12日確認)。(年)は製造期間、[%]は石綿含有率という同書の凡例に従っています。
つまり、平成13年(2001年)9月が分かれ目です。それ以前に葺かれた「グリシェイド」なら、解体・廃棄のときに石綿含有建材としての扱いが要ります。
「石綿が入っている=いま危ない」ではありません
見解書は、規制対象の商品について「通常使用されている状態では特に健康面への影響はありません」としています(原文と前後はアーバニーのページに)。
効いてくるのは、工事のときです。グリシェイドNEOなら解体時の扱いは変わりますが、調べずに「NEOだから要らない」と決めることはできません(産廃処分費と石綿の事前調査)。
「無石綿」と聞いていた屋根が、あとから規制対象になっています
ここは見落とされやすいところです。見解書の補足には、こう書かれています。
「平成18年9月1日の法改正により規制対象に追加された商品は、法改正以前の公的機関による試験では石綿が検出されませんでしたので『無石綿』等の表示を行っていました。…それまで検出できなかった 1.0%以下についても分析可能となったため、『無石綿』等の表示を行っていた商品について再分析を行ったところ規制対象となる 0.1%を超えるものが確認されましたので、第4版よりそれらの商品を規制対象商品に追加しました。」
だから「新築のとき無石綿と聞きました」は、いまの分類の根拠になりません。——見解書の一覧で製品名を確かめるのが確実です。
「a」マークだけで判断しないでください
同じ補足に、こうあります——「日本石綿協会の自主基準により、H1年より石綿含有率5%超のもの、H7年より同1%超のものについて『a』マークが適用されていました。…『a』マークの無いものについては 2.1 ~ 2.2 で御確認下さい。」
つまり、マークが無くても石綿ゼロとは限りません。0.1%超〜1%の帯は、自主基準のマークの対象外だったからです。
うちの屋根はどちらか——確かめる順番
- 新築時の図面・仕様書を見る——屋根材の品名が書かれています。これがいちばん確実です。建てた会社に聞けば残っていることもあります
- 築年から絞る——グリシェイドの製造はH8〜H13(1996〜2001年)、グリシェイドNEOはH13.9〜(2001年9月〜)。2002年以降に建った家なら、NEO側の可能性が高くなります。ただし在庫の関係で前後することがあるので、決め手にはしないでください
- 屋根材の裏の刻印を見てもらう——足場があるとき、または点検で上がるときに、1枚めくって裏を撮ってもらうのがいちばん早い方法です。「a」マークの有無もここで分かります
- それでも分からなければ、分析に出す——見解書の巻末には、石綿分析を行う機関の一覧が載っています。解体や葺き替えの話になるなら、ここまでやる価値があります
※ケイミューは「石綿不使用製品証明書」も発行しています。ただし該当性の判断はお客様の責任という免責が付いているので、製品名が確定していることが前提です。
塗装していいのか——メーカーの塗替え資料に載っています
ケイミューは、自社のスレート屋根(カラーベスト)専用の塗替え塗料「リフレッシュコート」のカタログを公開しています。その推奨色表に、グリシェイドNEOが載っています。
| カタログの列 | その列に並ぶ屋根材 |
|---|---|
| 2002年1月から発売 | コロニアルNEO・グリシェイドNEO・セイバリーNEO・ミュータスNEO・スペリアルNEO |
| 2001年12月まで発売 | ニューコロニアル・グリシェイド・セイバリー・ザルフ・スペリアル |
出典:ケイミュー「グランネクスト/カラーベスト 周辺部材 リペイント塗料」(リフレッシュコートのカタログ)のグラッサ・リフレッシュコート推奨色表(2026年9月12日確認)。グリシェイド(NEOでないほう)も同じ表の別の列に載っています。
つまりメーカーは、どちらも専用塗料の対象として色まで決めています。「グリシェイドは塗れない」と一言で言い切ると、この表と食い違います。
ただし、同じカタログの冒頭と「ご注意」には、前提と条件が並んでいます。塗料の役目は「美観の回復・向上」で前提は「基材に損傷等なければ」、市販塗料は「数年で剥離することがあります」、縁切りは必須だが差し込み型の部材は使わない——この3つの原文はコロニアルNEOのページに、カタログの並びのまま載せています。
ここでは、グリシェイドNEOで効く2つを見ます。
「窯変調の色合いは再塗装によって再現することはできません。」
「遮熱グラッサリフレッシュコートおよびグラッサ・リフレッシュコートは、再塗装された屋根材には適用外となります。」
読み取れることは4つです。
- 塗装の役目は「美観の回復・向上」——割れや欠けを直す工事ではありません。前提は「基材に損傷等なければ」
- 塗料の種類で結果が変わりうる——メーカーは市販品について「数年で剥離することがあります」と書いています。見積書の塗料名を確かめてください
- 縁切りのやり方に指定がある——差し込み型の部材は「割れの原因になるため使用しないでください」(縁切りとタスペーサー)
- 2回目の塗り替えでは使えません——「再塗装された屋根材には適用外」。過去に塗っているかどうかが、選べる塗料を決めます
1ページ目の屋根工事会社が「塗装に不向き」と書いているのは、何のことか
ここまでメーカーの資料で整理してきましたが、実際に検索すると別の言い方が並びます。——2026年9月12日に「グリシェイドNEO」で調べたところ、1ページ目に並んだ屋根工事会社・塗装会社の記事には「塗装に不向きな屋根材」「塗装できない?」という見出しが並んでいました。
メーカーの塗替え塗料の推奨色表に載っているのに、なぜそう書かれるのか。理由として各社が挙げているのは、表面が層になって剥がれる現象です。
当サイトが確かめられるのは、ここまでです
「グリシェイドNEOは耐久性が低い」と断定できる一次資料を、当サイトは持っていません。——確かめられるのは、層になって剥がれること自体が、業界で測る対象になっているという点です。
ニチハは自社の製品ページで、窯業系サイディングの規格についてこう注記しています——「JIS A 5422 窯業系サイディングの耐凍結融解性能:空気中(-20℃)での凍結と水中での融解を200サイクル繰り返す耐凍結融解性試験にて、表面のはく離面積率は2%以下、著しい層間はく離が無く、厚さ変化率10%以下に適合すること。」
つまり「層間はく離」は、規格の合否を決める項目のひとつです。珍しい話でも、業者の脅し文句でもありません。(屋根材と外壁材で規格は別ですが、層が剥がれることを性能として測る、という考え方は共通です。)
だから、見るのは「名前」ではなく「1枚の状態」です
スレート屋根では、塗っても意味がなくなる状態がはっきりしています。——表面が層になって剥がれているときです。塗膜が乗る土台のほうが剥がれているので、上に何を塗っても剥がれる層ごと持っていかれます(スレート屋根の塗装は意味ない?)。
逆に、色あせやコケだけなら塗り替えで戻ります。これはメーカーの言い分(「基材に損傷等なければ」)と、屋根工事会社の言い分(「層が剥がれていたら塗れない」)が、実は同じことを言っているということでもあります。
だから点検で聞くのは、この2つです。
「層になって浮いている板は、何枚ありますか」
「その面の写真をもらえますか」
——「塗れます」「塗れません」という結論より、この数字と写真のほうが判断材料になります。
10年を超えた屋根は、同じ1セットで塗れる面積が減ります
同じカタログには、塗れる面積の目安が仕様別に書かれています。ここは金額の話に直結します。
| 塗装仕様 | どの屋根が当たるか | KEシーラーUV 14kgセットで塗れる面積 |
|---|---|---|
| 塗装仕様1 | グラッサコート品、またはグラッサコート品以外で施工後10年未満 | 93〜117㎡ |
| 塗装仕様2 | グラッサコート品以外で施工後10年以上 | 78〜93㎡ |
出典:同カタログ「グラッサ・リフレッシュコート KEシーラーUV」の塗装可能面積(目安)と、その注記。
グリシェイドNEOは製品名に「グラッサ」が付かないので、カタログの区分では「グラッサコート品以外」にあたります。製造はH13.9〜(2001年9月〜)なので、いま塗り替えを考えている屋根はまず10年以上経過しています。つまり塗装仕様2——同じ1セットで塗れる面積が、2割ほど減るという前提です。
古い屋根ほど下塗りを吸う、というのは感覚の話ではなく、メーカーが面積で書いていることです。「materialが多めに要ります」と言われたら、この数字が裏付けになります。
※カタログの価格はメーカー希望小売価格で、工事費は含まれていません(グラッサ・リフレッシュコート15.6kg/セット 119,460円・税抜108,600円、KEシーラーUV 14kg/セット 51,810円・税抜47,100円)。塗料代がそのまま見積書の金額になるわけではありません。
塗らないなら、かぶせるか葺き替えるか
割れや欠けが広がっている屋根は、メーカーが想定している「基材に損傷等なければ」の外にあります。そのときの選択肢は2つです。
| 工法 | 中身 | 分かれ目 |
|---|---|---|
| カバー工法(重ね葺き) | 既存の屋根の上に新しい屋根材をかぶせる | 下地(野地板・防水紙)が生きているか。石綿含有でも撤去しないので処分費が抑えられます |
| 葺き替え | 既存を撤去して張り替える | 下地まで傷んでいる場合。石綿含有なら、事前調査と処分の手順が加わります(産廃処分費) |
同じ考え方は、ほかの屋根材でも共通です。——コロニアルNEO、パミール、アーバニーも、「製品名を確かめる → 割れと下地を見る → 工法を決める」という順番は同じです。
見積もりの前に、業者へ投げる5つの質問
- 「グリシェイドですか、グリシェイドNEOですか。何を見てそう判断しましたか」——石綿の扱いが変わるので、いちばん先に聞きます
- 「割れと欠けは、屋根のどの面に、何枚ありますか」——塗れる・塗れないの結論より、この数字と写真が判断材料です
- 「使う塗料は何ですか」——リフレッシュコートか、市販品か。市販品なら、メーカーの「数年で剥離することがあります」をどう考えているかを聞きます
- 「縁切りはどうやりますか」——差し込み型の部材を使うなら、メーカーの注意書きとの関係を聞きます
- 「過去に塗ったことがある屋根ですか」——再塗装された屋根材には適用外の塗料があります。前の履歴で選べる塗料が変わります
グリシェイドで最初に割れるのは、「どちらの製品か」で止まらずに工法の話へ進んでしまうことです。H13年9月をまたいでいる家ほど、会社によって答えが変わります。製品名の根拠を何と何で確かめたのか、同じ問いを何社かに投げて答えを並べてください。そこが揃ってから、塗るのかかぶせるのかの比較になります。
よくある質問
グリシェイドNEOに石綿(アスベスト)は入っていますか?
ケイミューの見解書では「法規制を受けない屋根材」の表に載っています。——「グリシェイド NEO (H13.9〜)」として、コロニアルNEOやセイバリーNEOと同じ2-1-2の表です。一方、NEOが付かない「グリシェイド (H8〜H13)」は石綿含有率10〜15%で、法規制を受ける側に載っています。名前を最後まで確かめてください。
グリシェイドNEOは塗装できますか?
メーカーの塗替え塗料の推奨色表に載っています。——リフレッシュコートのカタログで「2002年1月から発売」の列に、コロニアルNEOなどと並んで掲載されています。ただし同じカタログは、塗料の役目を「美観の回復・向上」とし、前提を「基材に損傷等なければ」と書いています。割れや欠けを直す塗料ではありません。
見積書に「グリシェイド」とだけ書いてあります。NEOのことですか?
そのままでは決められません。見解書では「グリシェイド (H8〜H13)」と「グリシェイド NEO (H13.9〜)」が別の表に載っています——前者は法規制を受ける側、後者は受けない側です。境目は平成13年9月なので、築年が近い家ほど名前だけでは決まりません。確かめる順番のとおり、書類と刻印で製品名を確定してから工事の話に進んでください。
グリシェイドNEOなら、解体のときも石綿の手続きは要りませんか?
いいえ、事前の調査は必要です。建物を解体・改修するときの石綿の事前調査は、石綿が入っていないと分かっている場合でも、その判断の根拠を残すことが求められます。「NEOだから調査は不要」という決め方はできません。手順は産廃処分費と事前調査にまとめました。
塗り替えの見積もりで「材料が多めに要る」と言われました
メーカーが面積で書いています。——リフレッシュコートのカタログは、グラッサコート品以外で施工後10年以上の屋根を「塗装仕様2」とし、同じ14kgセットで塗れる面積を93〜117㎡から78〜93㎡へ下げています。グリシェイドNEOはグラッサが付かない製品なので、この区分に当たります。
前にも塗ったことがあります。同じ塗料で塗れますか?
使えない塗料があります。——カタログの「ご注意」に「遮熱グラッサリフレッシュコートおよびグラッサ・リフレッシュコートは、再塗装された屋根材には適用外となります」と書かれています。過去の塗装履歴で、選べる塗料が変わります。「前に塗ったことがあります」は、最初に伝えてください。
グリシェイドとコロニアルNEO、パミールは何が違いますか?
作った会社と時期が違います。——グリシェイド/グリシェイドNEOは旧クボタ(現ケイミュー)、コロニアルNEOも旧クボタ、パミールはニチハの製品です。ただし確かめる順番は同じです——製品名を確定し、割れと欠けを数え、下地を見てから工法を決めます。
石綿の分類そのものを、もう少し詳しく知りたい
同じ見解書の読み方を、アーバニーのページにまとめました。「a」マークの自主基準(H1年より5%超、H7年より1%超)、平成18年に規制対象が「1%超」から「0.1%超」へ変わったこと、「無石綿」表示の商品が再分析で追加されたこと——グリシェイドNEO以外の屋根材が混ざっている家では、そちらが早いです。
参考にした情報
- ケイミュー株式会社「石綿(アスベスト)に関する見解書(第7版)」(R7.12.1/2026年9月12日確認)——ケイミューの設立経緯(H15年12月に㈱クボタと松下電工㈱の住宅外装建材事業部門を事業承継)、2-1-1 法規制を受ける屋根材(グリシェイド (H8〜H13) [10〜15%] ほか)、2-1-2 法規制を受けない屋根材(グリシェイド NEO (H13.9〜)、グリシェイドグラッサ (H16〜) ほか)、2-3-1(0.1%超の非飛散性成形板は通常使用で健康面への影響はない旨)、2-3-2(「無石綿」表示商品の第4版での見直し)、2-3-3(「a」マークの自主基準)
- ケイミュー株式会社「グランネクスト/カラーベスト 周辺部材 リペイント塗料」(リフレッシュコートのカタログ・2026年9月12日確認)——冒頭の説明(基材に損傷等なければ基本性能に問題はない/美観の回復・向上を図るための塗料/市販塗料は数年で剥離することがある)、ご注意(縁切り・差し込み型の縁切り補助部材・窯変調・再塗装された屋根材への適用外)、グラッサ・リフレッシュコートのカラーベスト推奨色表(「2002年1月から発売」の列にグリシェイドNEO、「2001年12月まで発売」の列にグリシェイド)、塗装可能面積の目安と塗装仕様1・2の区分、セット価格
- ニチハ株式会社の製品ページの注記——「JIS A 5422 窯業系サイディングの耐凍結融解性能:空気中(-20℃)での凍結と水中での融解を200サイクル繰り返す耐凍結融解性試験にて、表面のはく離面積率は2%以下、著しい層間はく離が無く、厚さ変化率10%以下に適合すること」(2026年9月12日確認。窯業系サイディングの規格であり、屋根材の規格ではありません。「層間はく離」が性能の測定対象になっていることの例として引用しています)
- 検索結果の実測——2026年9月12日に「グリシェイドNEO」で調べた1ページ目に、屋根工事会社・塗装会社の記事が並び、「塗装に不向きな屋根材」「塗装できない?」といった見出しが確認できました(検索エンジンはDuckDuckGo。※Googleは当日ボット判定で結果を取得できませんでした)
- 当サイト産廃処分費——石綿の事前調査の義務と方法(厚生労働省「石綿総合情報ポータルサイト」の原文引用)
最終確認日:2026年9月12日。当サイトとケイミューに取引関係はありません。ケイミューの公開資料を引用して整理したページで、ケイミューの監修は受けていません。製品名の判定、割れの数え方、工法の判断は、屋根に上がって確かめた施工会社によって変わります。