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カーポートの波板張り替え——古いのに穴が開くのは、素材が違うからです

雹が降ったあと、穴が開いているのは決まって古いカーポート——そう感じたことがあるなら、それは気のせいではありません。波板の素材が世代交代しているからです。メーカーの技術資料で数字を見ると、落として割れない高さが10m対1.8m対0.8m桁が違います。ここでは、なぜ古いものだけ割れるのかと、張り替えるときに数値で決まっていること——そして自分でやるときにいちばん多い失敗を、資料から引いて整理します。

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このページの内容

結論——素材の世代が違います

カーポートの屋根に使われている板は、時代によって素材が変わってきました。

素材性格
FRP(繊維強化プラスチック)古い世代。いちばん割れやすい。表面が傷むと繊維が毛羽立って見えます
硬質塩ビ(塩化ビニル)古い世代。紫外線で白く濁ってくる
🔑ポリカーボネートいまの主流。透明プラスチックの中で最高クラスの耐衝撃性
アルミ・スチール折板樹脂ではなく金属。割れずに、へこみます

🔑「新しいカーポートはあまり穴が開かない」の答えは、ここにあります。古いカーポートに載っている塩ビやFRPと、いまのポリカーボネートでは、そもそも耐える力の桁が違います。

そして雹の壊れ方には、素材ごとの傾向があります。樹脂は割れる方向、金属はへこむ方向——これは雹の被害のページにまとめました。穴が開くのは樹脂、へこむのは金属です。

数字で見ると、こうです

波板メーカーの技術資料に、比較表が載っています。そのまま引きます。

落錘衝撃強さ(19.6Nナス型錘・JIS A-5702・スパン500mm・23℃)
ポリカナミイタ(ポリカーボネート)=10mまでOK
硬質塩ビナミイタ=1.8mまでOK
塩ビナミイタ(ガラス入り)=1.8mまでOK
FRPナミイタ=0.8mまでOK
(タキロンシーアイ「ポリカナミイタ 総合技術資料」2020年1月改訂版 表4-6)

🔑19.6Nのおもりを落として割れない高さが、10m対1.8m対0.8m。ポリカーボネートは硬質塩ビの約5.6倍、FRPの約12.5倍の高さから落としても耐えている、ということです。

同じ資料は、素材そのものの強さもこう説明しています。

衝撃強度はアクリルの約40倍、硬質塩化ビニルの約20倍という、透明プラスチック材料中最高の衝撃強度を有しております。(同資料 特長)

ほかの項目も、まとめて並べておきます。

項目ポリカーボネート硬質塩ビFRP
落錘衝撃強さ🔑10mまで1.8mまで0.8mまで
耐熱温度
連続使用温度(文献値)
120℃60〜65℃150〜180℃
光線透過率90%73%90%
比重1.21.41.45

⚠️資料には「上記数値は代表値であり保証値ではありません」と注記されています。実際の商品や厚みによって変わります。「ポリカだから絶対に割れない」ではありません——桁が違うだけです。

💡ポリカーボネートの波板は、平成5年10月にJIS K 6735として規格化されました。それ以前に建てられたカーポートには、そもそもこの選択肢がなかった、ということでもあります。築30年前後のカーポートが割れやすいのは、当時の材料がそうだったからです。

自分のカーポートがどれか、見分ける

見た目でかなり分かります。手がかりは色の変わり方です。同じ資料に、屋外に置いて経過を見た試験の結果が載っています。

色相変化度合い比較(天然暴露試験:兵庫県たつの市)
ポリカナミイタ=半年・1年・1.5年・2年・2.5年・3年・4年・5年すべて「無」
硬質塩ビナミイタ=半年「無」→1年で微淡白化→1.5年で淡白化→2年で淡白化→2.5年で白化(以降ずっと白化)
塩ビナミイタ(ガラス入り)=3年まで「無」→4年で微淡黄変→5年で淡黄変
(同資料 表4-7)

🔑つまり、こう見分けられます。

  • 白っぽく濁っている——硬質塩ビの可能性。資料では2.5年で白化まで進みます
  • 黄ばんでいる——塩ビ(ガラス入り)の可能性
  • 細かい繊維が浮いて見える・毛羽立っている——FRPの可能性
  • 何年経っても透明のまま——ポリカーボネートの可能性が高い

ただし、断定はしないでください。商品によって差がありますし、置かれている場所(日当たり・海に近いか)でも変わります。確実に知りたいなら、端の切り口を業者に見てもらうのがいちばん早いです。

⚠️「濁っている=もう寿命」ではありません。ですが、濁っている板は、割れやすい世代の板である可能性が高い——という読み方はできます。雹の予報が出る地域なら、そこは判断材料になります。

雹で穴が開いたときにやること

順番があります。

  1. 写真を撮る。カーポート全体と、穴の寄り。日付が分かる形で
  2. 下に車があるなら、動かす。割れた板はあとから落ちてきます
  3. 保険証券を確認する。雹による損害は火災保険の雹災の補償の対象になりうるからです
  4. 保険会社に連絡する。業者より先です
  5. そのうえで、見積もりを取る

⚠️カーポートが補償の対象に入っているかは、契約によって変わります。建物として扱われるのか、門・塀・車庫などの付属建物の扱いなのか。証券を見て、分からなければ保険会社に聞いてください。判断するのは保険会社であって、業者ではありません。「保険で無料になります」と先に言ってくる業者への注意は火災保険のページに書きました。

そして、家のほうも見てください。カーポートの波板が割れているということは、それだけの大きさの雹が降ったということです。屋根材や雨樋、ベランダの波板も同じ雹を受けています。車のへこみは急ぎませんが、家は次の雨までに確かめる必要があります——理由は雹の被害のページに書きました。

張り替えは、数値で決まっています

波板の施工は、感覚ではなく数値で決まっています。メーカーの資料から、施主が確認できるものを並べます。

重ね代(かさねしろ)

幅方向は、波の型で決まります。

波型重ね代有効幅
32波(鉄板小波)2.5山以上約576mm
76波(鉄板大波)1.5山以上約684mm
63波(スレート小波)1.5山以上約630mm
130波(スレート大波)1.5山以上約780mm

資料には注記もあります。「鉄板小波を使用し流れ方向の長さが長くなる場合は、重ね部からの漏水を防ぐため、重ね代を3.5山とっていただくことを推奨します」。

流れ方向(上下の重なり)は、屋根の勾配で変わります

屋根勾配2.5/103/104/105/10
重ね代180mm以上150mm以上120mm以上100mm以上

🔑勾配が緩いほど、多く重ねる必要があります。水がゆっくり流れるぶん、重ねの隙間から入りやすくなるからです。

屋根勾配と軒先の出幅

項目メーカーの指定
推奨屋根勾配鉄板小波=3/10以上/鉄板大波・スレート小波・スレート大波=2.5/10以上
🔑軒先の出幅100mm以内/多雪地域・海岸沿いなどの強風地域は50mm以内とし、必要に応じて押縁を使用

軒先の出幅は、見て分かる項目です。資料は「風の吹き上げや積雪により破損しないように」と理由まで書いています。張り替えたあとに「前より出ている」と感じたら、聞いてください。

止め付け

  • 「重ねの下側になる場合を除き、波板の両端の山は必ず止め付けてください」
  • 🔑棟・けらば・軒の部分は、屋根面の長さの10%(最大3mまで)の範囲を、端末部と同じ細かいピッチで止める。局部風圧を考慮するためです
  • 台風通過地域や海岸沿いなどの強風地域では、中間部も端末部と同じピッチで

「端のほうだけ留め方が細かい」のは、手を抜いていないという意味です。逆に全部が同じ間隔でパラパラと留まっているだけなら、風に弱い可能性があります。

波板には「表裏」があります

ここは知らないと、そのまま裏返しで張ってしまいます。メーカーの資料に、はっきり書かれています。

ポリカナミイタを施工する場合、耐候性を向上させるため、表面に特殊処理を施していますので、ラベルの表示または製品の印字内容を確認して使用してください。(同資料 施工・表裏の区別)

🔑そして、波型によって「表裏があるもの」と「ないもの」に分かれます。

波型・商品使い方
両面耐候処理品鉄板小波(32波)/鉄板小波広幅/クロスライン/熱線カットタイプ耐候面の表裏の区別なく使用可能
🔑片面耐候処理品鉄板大波(76波)/スレート小波(63波)/スレート大波(130波)ラベル面(耐候面)を太陽の当たる側にして使用

いちばんよく使われる鉄板小波(32波)は両面処理なので、裏返しても問題ありません。ですが大波やスレート波は片面です。裏返して張ると、紫外線に強い面が下を向きます——見た目は同じでも、傷み方が変わります。

だから、張る前にラベルと印字を確認する。これだけです。業者に頼むときも、「うちのは片面ですか、両面ですか」と聞けば、分かっている人かどうかが見えます。

支えの間隔——雪国は狭くします

波板は、下の骨(母屋)に載せて留めます。その間隔にも推奨値があります。

波型一般用雪国用
鉄板小波500〜600mm400〜500mm
鉄板大波500〜600mm400〜500mm
スレート小波600〜700mm450〜550mm
スレート大波800〜900mm500〜600mm

資料は「風の強弱、降雪量により間隔調整をしてください」とし、強風地域や積雪の多い地域では母屋間隔を小さくするよう案内しています。

🔑これは張り替えのときに効いてきます。既存の骨組みの間隔は変えられませんから、間隔が広いなら、その条件で持つ波板を選ぶことになります。「厚みを上げる」「波型を変える」という選択が、ここで出てきます。

逆に言えば、板だけ同じものに替えて割れやすさが変わらないなら、原因は板ではなく間隔かもしれません。雪や風で繰り返し割れているなら、「母屋の間隔は今のままで大丈夫ですか」と聞いてみてください。

自分でやるとき、いちばん多い失敗

波板の張り替えは、ホームセンターで材料が買えます。だから自分でやる方も多い。そして、失敗はだいたい同じ1点に集中します。

穴あけは、ハンドドリル、電動ドリルで行ってください。熱膨張・収縮がありますので、穴は釘、ボルトの径より2mm程度大きめにあけて、周囲にキズのない穴をあけてください。(同資料 施工・穴あけ)

🔑「釘やボルトの径より2mm大きく」——これを守らないと、何が起きるか。資料は理由を数字で説明しています。

ポリカーボネート樹脂は、温度変化(熱膨張係数:6.5×10⁻⁵/℃)により伸縮しますので、以下の条件が重なりますと、熱膨張によって母屋間で膨らみが生じ、雨漏りやクラックが発生する恐れがあります。
① 施工時に波板に下穴をあけなかった場合
② 施工後気温上昇が激しい場合(冬場の施工で夏場変形
③ 母屋間隔が広すぎる場合(同資料)

そして、具体例まで書かれています。

母屋間隔600mmで冬場に施工されたポリカナミイタは、例えば冬と夏で気温差が30℃生じると、夏場母屋間で約1.2mm膨張して約601.2mmとなります。母屋間が完全に固定されている場合、理論値では約16mmのたわみが発生することになります。(同資料)

🔑1.2mm伸びるだけで、16mmたわむ。これが「冬に張ったのに、夏になったら波打ってきた」の正体です。そして、たわんだところから雨が入ります。

資料は、逃げ道も塞いでいます。セルフタッピングビス使用時であっても、波板を直接止め付けずに事前に下穴をあけてください」。ビスが自分で穴を開けるタイプでも、先に下穴を開ける——ということです。

💡業者に頼むときも、この話は使えます。「下穴はビス径より大きめに開けますか」と聞いてみてください。知っている人なら、即答します。これは工程の話を聞くのと同じで、答え方で分かる質問です。

留め具は、波型でサイズが決まっています

ホームセンターで波板を買うとき、迷うのが留め具です。資料に、金属の下地に留める場合の目安が載っています。

使うのは2種類——ナミジメ(セルフタッピングビス)フックボルト(鋼製または樹脂製)です。

波型ビス径長さ
鉄板小波5mm25mm
スレート小波5mm35mm
鉄板大波5mm40mm
スレート大波5〜6mm60mm

🔑ここで、前の章の話がつながります。ビス径が5mmなら、下穴は「径より2mm程度大きめ」=7mm前後ということです。数字にすると、やることがはっきりします。

フックボルトのほうは、下地のC型鋼のサイズで決まります。資料には計算例が載っていて、60×30×15のC型鋼に鉄板小波を施工する場合立下り部15mm+波板の谷深さ9mm+パッキン・座金・ナット厚み10mm=34mmという積み上げ方が示されています。

この計算そのものを覚える必要はありません。知っておきたいのは「留め具は現物合わせで選ぶもので、どれでもいいわけではない」ということです。短すぎれば効かず、長すぎれば下地を貫きます。

💡座金とパッキンを省かない。資料の図では、ナミジメはステンレス座金+パッキンとセットで描かれています。パッキンは、ビス穴からの浸水を止める部品です。ここを省くと、留めた場所そのものが漏水の入口になります。ビス穴の防水という考え方は外壁の穴のページにも通じます。

暑さが気になるなら、熱線カットタイプ

張り替えは、素材を選び直せる機会でもあります。同じポリカーボネートでも、熱線をカットするタイプがあります。

ポリカナミイタ熱線カットタイプは一般タイプと外観は変わりませんが、太陽光に含まれる赤外線(熱線)をカットし、温度の上昇を抑制します。(同資料 熱線カット性能)

資料には、熱線カット率などの数値も示されています。カーポートの下に停める車の車内温度や、洗濯物を干す場所・自転車置き場としても使っているなら、体感が変わる可能性があります。

⚠️ただし「涼しくなる」と言い切れる話ではありません。屋根の下の温度は、風の通り方や周りの舗装でも変わります。資料が言っているのは「温度の上昇を抑制する」までです。

🔑選び直しのときに考えるのは、この3つです。

  • 厚み(0.7mm/1.0mm/1.5mmなど)——母屋の間隔が広いなら厚いほうが有利
  • 一般タイプか、熱線カットタイプか——暑さ対策が目的なら
  • そもそも樹脂のままでいいか——雹や雪が多い地域なら、アルミやスチールの折板屋根という選択もあります(割れずに、へこむ方向)

3つ目は、カーポートごと交換する話になります。金額は上がりますが、「また同じ雹で割れる」を繰り返さないという考え方です。判断材料は雹の被害のページにまとめました。

費用の考え方

金額を先に書かない理由から説明します。波板の張り替えは、条件で大きく動くからです。

金額を動かすもの中身
枚数と大きさ1台用か2台用か。波板は1枚ずつ数えます
🔑高さと足場脚立で届くか。届かなければ足場や高所作業車が要ります
素材のグレード一般タイプか、熱線をカットするタイプか。厚み(0.7mm/1.0mm/1.5mm)でも変わります
フレームの状態🔑ここが分かれ道。骨組み(アルミ)が傷んでいれば、板だけ替えても持ちません
処分費古い波板の廃棄

🔑4つ目がいちばん大事です。波板だけ替えれば済むのか、カーポートごと交換したほうがいいのか骨組みが曲がっている、支柱が傾いている、留め具が錆びて効かない——そういう状態なら、板だけ新しくしても長くは持ちません。

見積書では、この3つが分かれて書かれているかを見てください。

  • 材料費(波板の種類・厚み・枚数)
  • 工事費(既存の撤去を含むか)
  • 処分費

「カーポート波板張替え 一式」だけの見積書は、比べられません。2社に同じ条件で出してもらえば「板だけで足りる」と見た会社と「骨組みから」と見た会社に分かれることがあります——その理由を両方に聞けるのが、2枚目の見積書の価値です。見積書の読み方そのものは内訳のページにまとめました。

自分でやるか、頼むか

自分でやる頼む
向く条件脚立で手が届く/枚数が少ない/下穴の意味が分かっている2台用以上/高い/骨組みも傷んでいる/保険を使う
注意🔑屋根に乗らない。波板は人が乗る前提の強さではありません波板だけか、カーポートごとかを提案してもらう

🔑「屋根に乗らない」は、いちばん大事です。波板は雨と日射を受けるための板であって、人の体重を支えるものではありません。古い塩ビやFRPなら、なおさら——落錘衝撃強さが0.8mや1.8mの世界です。掃除も張り替えも、下から届く範囲で。

保険を使う場合は、業者選びの前に保険会社です。順番を逆にすると、必要な書類が揃わないことがあります。

そして、外壁や屋根の塗り替えが近いなら、まとめて相談する手があります。足場が必要な高さなら、一度で済ませられるぶん総額は下がります。カーポートまわりを含めた外構の考え方は外構の塗装のページに書きました。複数社に見てもらえば板だけ替える案とカーポートごと交換する案が並んで出てきます。その比較が、いちばん判断しやすい形です。

防火地域にお住まいの方へ

樹脂の板を屋根に使うことには、法律上の位置づけがあります。資料の「法的規制」の項に、こう書かれています。

屋根用途に使用する場合には、建築基準法62条及び同法施行令第136条の2の2第1号の規定に適合するものとして、ポリカナミイタが該当します。
防火・準防火地域の屋根で不燃性物品を保管する倉庫に類する用途に使用できます。(ただし、屋根以外の主要構造部が準不燃材料であることが必要です。)
高い開放性を有する簡易建築物に使用できます。(同資料 法的規制)

🔑2つ目の「高い開放性を有する簡易建築物」が、カーポートのことです。壁がなく、柱と屋根だけ——だから樹脂の屋根が使えます。

ここから、施主として知っておくとよいことが2つあります。

  • 防火地域・準防火地域では、屋根に使える材料に制限があります。カーポートを「壁で囲ってガレージにする」と、話が変わる可能性があります
  • 用途を変えるときは、確認が要ります。物置代わりに囲う、サイクルポートに壁を付ける——開放性が下がると、簡易建築物として扱えなくなることがあります

⚠️当サイトは、個別の建物が適法かどうかを判断する立場にありません。お住まいの地域が防火地域・準防火地域かどうかは市区町村の都市計画課で分かります。囲う・広げるといった変更を考えているなら、先に確認してください。

掃除の仕方——こするのがいちばんよくない

透明な樹脂は、表面に細かい傷が付くと一気に曇ります。だから掃除の仕方に指定があります。

表面が汚れた場合は、水洗いまたは水で200倍程度に薄めた中性洗剤を浸した柔らかい布で軽く拭き取ってください。(原液のままでは、クラック発生のおそれがあります。
クレンザーやアルカリ性洗剤、タワシや硬い布は絶対に使用しないでください。(同資料 メンテナンス)

🔑「原液のままではクラック発生のおそれ」——洗剤の濃さでひび割れる、と書かれています。200倍というのは、かなり薄い状態です。

やってはいけないことを、まとめておきます。

  • クレンザー(研磨剤で傷が付きます)
  • アルカリ性洗剤
  • タワシ・硬い布
  • 高圧洗浄機を近づけて当てる(資料の指定ではありませんが、板を留めている部分に負担がかかります)
  • 水で流す200倍に薄めた中性洗剤+柔らかい布で軽く

最終確認日:2026年8月29日。参考:タキロンシーアイ株式会社「ポリカナミイタ 総合技術資料」2020年1月改訂版(特長/表4-6 特性比較表/表4-7 色相変化度合い比較/施工:表裏の区別・穴あけ・重ね代・軒先の出幅・止め付け・屋根勾配・母屋間隔・止め金具/熱線カット性能/法的規制/メンテナンス)。数値は同資料に「代表値であり保証値ではありません」と注記されています。商品や厚み、施工条件によって変わります。お使いのカーポートの素材や施工方法は、必ず商品の取扱説明書と施工業者にご確認ください。火災保険が使えるかどうかを判断するのは保険会社です。

よくある質問

古いカーポートばかり穴が開くのはなぜですか?

素材の世代が違うからです。メーカーの技術資料にある落錘衝撃強さ(19.6Nのナス型錘を落として割れない高さ)を比べると、ポリカーボネート波板は10mまでOK、硬質塩ビ波板は1.8mまで、FRP波板は0.8mまでとなっています。同じ資料は、ポリカーボネートの衝撃強度をアクリルの約40倍、硬質塩化ビニルの約20倍と説明しています。古いカーポートに使われていた塩ビやFRPと、いまのポリカーボネートでは、そもそも耐える力の桁が違います。

自分のカーポートの波板が何でできているか、どう見分けますか?

色と表面の状態が手がかりになります。メーカーの天然暴露試験では、硬質塩ビ波板は1年で微淡白化、1.5年で淡白化、2.5年で白化と進みます。塩ビ(ガラス入り)は4年で微淡黄変。一方ポリカーボネートは5年経っても色相変化「無」でした。つまり白っぽく濁っている、黄ばんでいる、細かい繊維が浮いて見える(FRP)なら、古い世代の可能性が高いです。確実に知りたいなら、端の切り口を業者に見てもらってください。

波板の張り替えは自分でできますか?

手が届く高さで、枚数が少なければ可能です。ただし失敗が多いのは施工そのものより下穴で、メーカーは「釘、ボルトの径より2mm程度大きめにあけて」と明記しています。ポリカーボネートは熱膨張係数6.5×10⁻⁵/℃で伸縮するためです。資料の例では、母屋間隔600mmで冬に施工し冬夏の気温差が30℃あると、夏に約1.2mm膨張し、母屋間が完全に固定されていると理論値で約16mmのたわみが出るとされています。膨らみは雨漏りやクラックの原因になります。

波板の重ね代はどれくらい必要ですか?

幅方向は波型で決まっていて、32波(鉄板小波)は2.5山以上、76波(鉄板大波)・63波(スレート小波)・130波(スレート大波)は1.5山以上です。鉄板小波で流れ方向が長くなる場合は3.5山が推奨されています。流れ方向は屋根勾配で変わり、2.5/10なら180mm以上、3/10なら150mm以上、4/10なら120mm以上、5/10なら100mm以上重ねが足りないと、そこから漏れます。

雹でカーポートに穴が開きました。火災保険は使えますか?

可能性はあります。雹による損害は火災保険の雹災の補償の対象になりうるからです。ただし判断するのは保険会社で、カーポートが補償の対象に入っているか(建物なのか、門・塀・車庫などの付属建物の扱いか)は契約によって変わります。まず被害の写真を撮り、保険証券を確認して、保険会社に連絡してください。「保険で無料になります」と先に言ってくる業者には注意が必要です。

波板が割れないカーポートはありますか?

「割れない」と言い切れる商品はありません。カーポートのメーカーは耐積雪の数値は公表していますが、雹に対する数値は公表していないからです。素材の性質として、樹脂は割れる方向、金属(アルミ・スチール折板)は割れずにへこむ方向という違いがあるだけです。ポリカーボネートは塩ビやFRPより桁違いに強いですが、それでも「絶対に割れない」ではありません。メーカーの資料にも「上記数値は代表値であり保証値ではありません」と注記されています。

波板の掃除はどうすればいいですか?

水洗いか、水で200倍程度に薄めた中性洗剤を柔らかい布に浸して軽く拭き取ってください。メーカーの資料は、原液のままではクラック発生のおそれがあると注意しています。またクレンザーやアルカリ性洗剤、タワシや硬い布は絶対に使用しないでくださいと明記されています。透明な樹脂は表面に細かい傷が付くと一気に曇るので、こするのがいちばんよくありません。

軒先はどれくらい出していいですか?

メーカーは、風の吹き上げや積雪で破損しないように100mm以内としています。多雪地域や海岸沿いなどの強風地域では50mm以内とし、必要に応じて押縁を使うよう案内されています。出しすぎると、そこから風にあおられて割れます。張り替えのときに「前より出ている」と感じたら、確認してください。

波板を裏返しに張ってしまいました。大丈夫ですか?

波型によります。メーカーの資料では、鉄板小波(32波)・鉄板小波広幅・クロスライン・熱線カットタイプは「両面耐候処理品」で、耐候面の表裏の区別なく使用可能とされています。一方、鉄板大波(76波)・スレート小波(63波)・スレート大波(130波)は「片面耐候処理品」で、ラベル面(耐候面)を太陽の当たる側にして使用するよう指定されています。片面のものを裏返すと、紫外線に強い面が下を向きます。張る前にラベルの表示または製品の印字を確認してください。

波板の支え(母屋)の間隔はどれくらいですか?

推奨値が波型ごとに決まっています。一般用で鉄板小波・鉄板大波が500〜600mm、スレート小波が600〜700mm、スレート大波が800〜900mm雪国用はこれより狭く、鉄板小波・鉄板大波が400〜500mm、スレート小波450〜550mm、スレート大波500〜600mmです。資料は「風の強弱、降雪量により間隔調整をしてください」とし、強風地域や積雪の多い地域では母屋間隔を小さくするよう案内しています。骨組みの間隔は張り替えでは変えられないので、その条件で持つ波板を選ぶことになります。

波板を留めるビスは、どれを買えばいいですか?

波型でサイズの目安が決まっています。金属の下地に留める場合、資料が示す鉄下地用ナミジメ(セルフタッピングビス)の一般的なサイズは、鉄板小波=ビス径5mm・長さ25mm、スレート小波=5mm・35mm、鉄板大波=5mm・40mm、スレート大波=5〜6mm・60mmです。フックボルトの場合は下地のC型鋼のサイズに合わせて選ぶことになります。そしてビス径が5mmなら、下穴は7mm前後(径より2mm程度大きめ)。ステンレス座金とパッキンも省かないでください——パッキンはビス穴からの浸水を止める部品です。

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