外壁塗装の完了検査——足場があるうちに見る
工事が終わりに近づくと「完了検査」「最終確認」という言葉が出てきます。ただ、それをいつ・どこで・誰とやるのかは、あまり説明されないまま進むことがあります。このページで伝えたいのは、ほとんど一点だけです——見るのは、足場を外す前。順番がここだけ違うと、あとの手間がまるきり変わります。
このページの内容
- なぜ「足場を外す前」なのか
- 立ち会いは、こちらから頼んでおく
- 素人でも見られる場所——見る時間帯から決める
- 完成すると見えなくなるものは、写真で受け取る
- 気になった場所の、伝え方
- 引き渡しで受け取っておく記録
- よくある質問
なぜ「足場を外す前」なのか
理由は単純で、足場が外れると、高い場所に手が届かなくなるからです。解体が済んだあとで二階の塗り残しや付帯部の塗り忘れに気づくと、直すために足場を組み直すところからやり直しになることがあります。そうなれば費用の話にも日程の話にもなり、業者にとっても施主にとっても嬉しくありません。足場があるうちに見つけていれば、その場で手直しして終わる話です。
そして、ここは業者を疑うための工程ではありません。職人も人間なので、影になる面や、脚立を掛け替えた境目などでは見落としが出ることがあります。だから最後に、その家をいちばんよく知っている施主と一緒に見る。目が増えれば、見落としは減ります。工事全体のどこにこの場面が来るかは工程と工期のページで確認できます。塗り終わってから足場の解体までのあいだ——そこがタイミングです。
立ち会いは、こちらから頼んでおく
完了検査に施主が立ち会う会社もあれば、業者だけで確認して引き渡しの日に説明する会社もあります。どちらが正しいという決まりはありません。だからこそ、一緒に見たいなら、こちらから言っておくのがいちばん早い。言い方も難しくありません。「足場を外す前に、一緒に見せてもらえますか」——これだけです。
伝えるタイミングは契約のときが理想ですが、工事が始まってからでも遅くはありません。足場の解体は工程表の終わりのほうに載っているので、その予定が見えた時点で頼めば十分に間に合います。
- 立ち会い足場を外す前に、一緒に見せてもらえますか?頼まれ慣れている会社なら、その場で「では解体の前日に」と段取りに組み込んでくれます
- 解体の予定日足場の解体はいつごろの予定ですか。近づいたら教えてもらえますか?日を押さえておけば、仕事や外出の予定を合わせられます
- 予定が動いたら天気で日程が動いたときも、解体の前に一報もらえますか?塗装の工程は天候で前後します。動いたときの連絡だけ約束しておけば、見る機会を逃しません
都合がつかない場合は、「解体前に全面の写真を撮っておいてください」と頼んでおけば手元で見られます。ただ、その場で指させるという点で、立ち会いに勝るものはありません。
素人でも見られる場所——見る時間帯から決める
ここで先に、いちばん大事なことを書きます。専門的な良し悪しは、分からなくていいのです。塗膜の厚みが規定どおりかどうかなど、見ただけで判断できるものではありませんし、判断する役目でもありません。施主にできるのは「気になった場所を指させること」——それで十分に役目を果たしています。
そのうえで、条件をひとつだけ整えてください。見るのは、昼の自然光のもとで。夕方の薄暗い時間や逆光になる向きからでは、色ムラや塗り残しはまず見えません。同じ壁が、光の当たり方だけで別物に見えます。その面に日が回っている時間帯に、少し離れて全体を眺めてから近づく——この順番だと差が見つけやすくなります。
- 色ムラ・塗り残しまず離れて全体を見ます。同じ壁の中で色の濃さが違って見える場所、雨樋の裏や配管のうしろなど手の入りにくいところが残っていないか。日が回っている時間なら、うっすらした差でも分かります。
- 養生の剥がし忘れ・テープ跡窓まわり、給湯器、換気口、勝手口。ビニールやテープの切れ端が残っていないか、テープを剥がした跡が残っていないか。細かい話に見えますが、剥がし忘れは足場が外れると届かない場所に多く出ます。
- 塗料の飛び散り窓ガラス、玄関まわりの床、駐車場のコンクリート、車、植木。飛散はゼロにはできないので、あるかどうかではなく残ったままかどうかを見ます。乾ききる前のほうが落としやすいので、見つけたら早めに伝えるのが親切です。
- 手の届く範囲の付帯部雨樋、水切り、雨戸、シャッターの箱まわり。壁と違って細長い部材が多く、上を向いた面や裏側は残りやすい場所です。そもそもどこまでを塗る約束だったかは、見積書と付帯部のページで照らし合わせてください。
- サッシまわりのライン窓枠と壁の境目、上と下の色を塗り分けた境目。見切りの線が真っ直ぐかを見ます。ここは仕上がりの印象を大きく左右するところで、しかも素人の目でもいちばん判断しやすい部分です。
屋根は、足場に上って見るものではありません。上らないでください。見たい場合は、業者に写真を撮ってもらうのが安全で確実です。
完成すると見えなくなるものは、写真で受け取る
仕上がった壁をどれだけ丁寧に見ても、その下に何が塗ってあるかは見えません。下塗りがどう入っているか、塗り重ねが何回かは、上塗りが乗った時点で分からなくなります。つまり、目で見る検査と、記録で見る検査は、別のものです。
だから工程写真を出してもらいます。下塗り・中塗り・上塗りのそれぞれの段階を撮ってもらい、引き渡しのときに受け取る。頼み方は「工程ごとの写真をお願いします」で通じます。ポイントは工事が始まる前に言っておくことで、撮り終わったあとから遡ることはできないからです。
この依頼は、身構えるほど特別なことではありません。施工の途中経過をSNSに載せている会社なら、ふだんから当たり前に撮っています。なお、塗り回数を省くといった話の背景そのものはトラブル対処のページにまとめてあります。
気になった場所の、伝え方
いざ見つけたとき、どう言えばいいか迷う方が多い部分です。結論から書くと、責める言い方をする必要はまったくありません。
「ここ、見てもらえますか」で足ります
「手を抜きましたね」と切り出す必要はなく、場所を指して、見てもらうだけで話は進みます。塗り残しなのか、光の加減でそう見えているだけなのか、乾けば分からなくなるものなのか——それを判断するのは職人の仕事です。
まともな業者にとって、最後の手直しは通常業務であり、仕上げの一部です。指摘されて機嫌を損ねるようなことでもありません。
それから、その場で全部見つけようと気負わなくていいのです。慣れない目で家じゅうを見るのですから、抜けが出るのは当たり前で、これはテストではありません。引き渡しのあとに気づいた分には別の道があります——時間が経ってから出てきた不具合は、保証とアフター点検の領域です。対象の見方は保証のページにまとめています。
引き渡しで受け取っておく記録
受け取る場面はばたばたしがちなので、手元に残すものを先に整理しておきます。
- 保証書——年数だけでなく、何が対象で何が対象外か、誰が保証するのかまで書面に入っているかを見ます。中身の見方は保証のページへ
- 使った塗料の名称——見積書と同じ商品が使われたかを照らせます。缶のラベルの写真、あるいはメーカーの出荷証明のような書類を出してもらえることもあります
- 工程写真——下塗りから上塗りまで、段階の分かるもの
- 手直しした箇所の記録——完了検査で伝えて直してもらった場所を、写真かメモで残しておきます
これらが効いてくるのは、じつは次の塗り替えのときです。前回どの塗料でどう塗ったかが分かっていると、次の見積もりの精度が上がり、同じ塗料で続けるか変えるかも判断できます。何年か先の自分に宛てた記録だと思って、まとめて一か所に保管しておいてください。
よくある質問
完了検査の立ち会いは必須ですか?
必須ではありません。立ち会わずに引き渡しを受ける方もいます。ただ、足場が組まれているあいだが、いちばん直しやすい時期であることは変わりません。都合がつくなら、その日だけ予定を合わせる価値はあります。難しければ、解体前の写真を撮ってもらうだけでも手元に残ります。
平日は仕事で、夜しか時間がありません。
正直に言うと、暗い時間の目視は難しいです。色ムラや塗り残しは光の量で見え方が変わるため、照明を当てても昼と同じようには見えません。落としどころは二つ。解体前の写真を送ってもらうか、解体の日程を休みに合わせられないか相談するか。天候で工程が動くことを考えると、早めに相談しておくほど調整の余地があります。
完了検査で見つけられなかったら、保証は効きませんか?
いいえ。完了検査は、足場があるうちに直せるものを直すための場であって、施主が見落とした施工不良の責任を引き受ける手続きではありません。あとから出てきた不具合は保証とアフターの話になります。詳しくは保証のページをご覧ください。
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- 外壁塗装のトラブル対処:契約や工事の中身でもめたときの、相談先まで
最終確認日:2026年8月20日。完了検査の進め方や立ち会いの有無は、会社や工事の内容によって異なります。実際の段取りは工程表と現場の担当者にご確認ください。